つれづれなるままに

2025年03月

2025年03月22日02:27
カテゴリ
選挙
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千葉県知事選挙2025@NHKより

さて千葉県知事選挙が終わりました。結果は現職熊谷知事が85%もの得票率、2位小倉候補が所謂供託金ラインの10%得票すらできないレベルの圧勝となりました。

熊谷知事〜圧勝で見逃されるもの〜
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熊谷知事の政策

さて圧勝した熊谷知事、政策を見ると一見各分野網羅的に抑えられているように見えます。

大網白里の住宅街で水噴出 未明に高さ10メートル、地中の水道管破損か 窓ガラス壊れる@千葉日報2025年2月11日
物価高に更新費の増加も 水道料金20%値上げ方針 老朽化で漏水事故相次ぐ 【2025千葉県知事選 県民の暮らし ちばの現場から】(1)@千葉日報2025年3月12日

しかし意外だったのは水道を中心とした老朽インフラ対策、例えば1月に三郷市での陥没事故がありましたが千葉県でも大網白里市で水道管破損事故がある中、知事が公約として項目を上げなかったのは意外と言えば意外でした。

半島性を克服する交通インフラの充実@熊谷俊人公式WEBより
JR線の複線化や利便性向上に向けて期成同盟などを通じ、要望活動
京葉線の快速廃止に対して沿線市町村・経済界と連携し、JR東に対して強く抗議、一部復活を実現
北総鉄道の大幅値下げが実現
2023年の豪雨災害で被害を受けた小湊鐡道・いすみ鉄道の復旧支援
バス路線の維持に向けた市町村への補助
ドライバー確保に向けた事業者支援の創設など、地域の足の確保に全力で取り組む
JR久留里線(久留里・上総亀山間)沿線地域交通検討会議 検討結果報告書@千葉県より
主に通勤通学や観光客など、平日の朝夕や休日の日中をピークとした一定のまとまった移動需要は、バスを中心とした定時定路線型の交通手段で対応し、買物や通院など時間帯やエリアが散発的な移動需要は、デマンド型の交通手段で対応することが考えられる。


もう1つ引っかかったのは知事の公約の上の部分、当blogでも取り上げた北総鉄道の運賃値下げ、京葉線快速列車廃止に対する反応、災害で被害を受けた小湊鉄道・いすみ鉄道の復旧支援など頑張ってはいるのですが、新しい交通モードへの転換が決まった久留里線末端区間に関して触れられていないのは気になりました。正直な所久留里線末端区間に関してはネットワークが弱い所謂盲腸線であり、関係する自治体が君津市、千葉県しかなく、大きな貨物輸送も期待できず、対象区間に需要減となりうる学校がなく、豊富な観光資源があるとはいえ、県内屈指とまでは言えないなど、輸送密度の数字以前に廃止を避けるのは難しいので多分芸備線をはじめとする有名路線以上に存続は難しく思っていたので決定自体は悲しいが、仕方ないものは感じていたのですが、ただ建前かもしれませんが決定に関しては「鉄道の廃止は悲しいが地域にとってより良い選択となった」と言うのを示す必要はあると思います。その視点からすると久留里線に関して政策にあげられないというのはそこに自信がないのかと思わざるを得ません。

公共交通 人口減や運転手不足深刻 「地域の足」確保へ方策は 【2025千葉県知事選 県政の課題】@千葉日報2025年3月5日
令和の大きな宿題その15 バス転換と言う贅沢が許されない時代に〜赤字鉄道路線廃止問題に思う
北総鉄道の祝うべき出来事

確かに熊谷知事の圧勝は妥当性はあるとは思いますが、こういった検証が行われなかったとすれば千葉県民にとって不幸だなと思わざるを得ません

小倉正行候補〜対抗候補として頑張ったが...〜
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小倉正行HPより

さて現職熊谷知事に主要政党が相乗りしてしまったため対抗馬的なポジションに立った小倉候補、熊谷知事と同じ8分野の政策を掲げつつ水道料金を前面に出すことで対立軸と知事の政策にない水道の話を論点にあげる工夫は頑張ったと思います。

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千葉県知事選挙2025 出口調査結果 水道料金・宿泊税の賛否 現職への評価は 千葉市長選挙も@NHK2025/3/16より

しかし結果は厳しいものがありました。得票率が低いだけでなく、支持母体と言える共産党の支持者の得票すら得られなかったのです。共産党と言うと公明党と共に固い固定票が印象的でしたがそれが崩れてきているのかもしれません。

立花孝志〜支持拡大に奔走した結果民主主義を守る努力をしている男〜
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立花孝志選挙公報

さて続いては立花孝志氏、千葉県知事選挙なのに活動の大半が兵庫県と言う事で話題になったり、批判されたりしました。個人的には立花氏が考えていたのは今年行われる参院選に向けて支持の維持・拡大で、それを考えると変則的ながら昨年活躍した兵庫県を重視するのは分からなくはないです。そして批判する人には不思議な感覚になります。確かに彼のやっている事は褒められる事ではないですが、ただ褒められる事をしない人が支持を集められるわけなく、実際彼の政治勢力は国会議員2人と地方議員がいるだけで決して大きいものではないです。それを考えると目くじら立てる所ではないのではと感じてしまうのです。立ち話を問題と思う人がやるべきなのは立花氏の批判ではなく立花氏以外の候補の話題を増やす事なのではなかろうかと思います。

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立花氏が5%以上の得票を得た自治体(千葉県知事選挙2025@NHKより)

個人的に興味深かったのは立花氏がどこから得票しているかです。上はNHKのサイトから立花氏が5%以上の得票をしている市町村を調べたものなのですが東京都に隣接する市川・松戸・浦安と言った地域がある反面、都心から距離がある木更津、東金などの自治体も見られます。さすがに銚子や南房総の名前はないですが都市部の浮動票頼みと言うよりも都心への通勤者の少ない地域にも一定レベルで浸透しているのが見て取れます。

NHKから国民を守る党 立花党首 財務省前で襲われけが 男は逮捕@NHK2025/3/14より
14日夕方、東京・霞が関の財務省の前で行われていたデモのそばで、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏がいきなり刃物で襲われ、けがをしました。その場で逮捕された30歳の男の容疑者は「立花氏を殺そうと思った」などと供述していて、警視庁は殺人未遂の疑いで捜査しています。


もう1つ興味深かったのは上の事件、事件自体はやはり言論に対し暴力で対抗するのは許されない事ではあります。ただこの財務省デモに対してある意味で現場で観察する政治家と井野がぱっと浮かばなかったのでそこが興味深いと感じました。

「ザイム真理教」などと言う愚にもつかない陰謀論を煽り続けた結果が、この理不尽かつ不合理な「財務省解体デモ」です。我が党を含め、この理不尽に加担している政治家には猛省を求めたいと思います。アメリカで起こっている様な国家機能の崩壊を日本で起こしてはいけません。 https://t.co/PHJ8G4LNrA

— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) February 16, 2025


個のデモに関しては立憲民主党の米山議員をはじめ様々な人たちが懸念を表明しています。ただこの財務省デモに限らずデモの参加者に共通しているのは
・現状の政治家に不満を持っている
・そしてわざわざ時間と交通費をかけてデモに参加する行動力がある
そう考えると政治家としてやるべきことは懸念を表明するよりもこの不満と行動力を持つ人たちを取り込む努力をする事なのではないでしょうか?実際この不満と行動力のある人たちを放置し暴走させるのは危険で、立花氏は刃物で襲われています。故に暴走する前に取り込み自らの勢力拡大するというのは政治家としての役割ではなかろうかと思います。そして参院選へ向けて少しでも支持拡大したいと必死になっている立花氏が「既存政治家たちが取りこぼした連中を取り込もう」と行動したのは政治家としての当然あるべきミッションであり健全な民主主義の為の努力なのだろうかと思います。

まとめ

如何だったでしょうか?確かに結果だけを見ると現職知事の横綱相撲、信任投票に見えますが、少なくとも対案を出し論争を起こそうとした小倉候補、参院選に向け支持拡大に奔走する中で既存政党が取りこぼした不満と行動力のあるデモ参加者に近づいた立花氏も民主主義を支える一因となっているのだなと感じました。果たして皆様はどうでしょうか?


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鉄ヲタ版さす九

男尊女卑やゆ「さす九」SNSで拡散 性別による無意識の思い込み調査、九州の傾向は@西日本新聞2025年3月9日より
さす九-。今、交流サイト(SNS)で広まっている言葉だ。「さすが九州」の略語で、他地域より男尊女卑の意識が根強いといわれる九州をやゆする。九州といえば「九州男児」のイメージが強いものの、地元からは「地域差別だ」と批判的な声が上がる。


さて「さす九」なる言葉が楽しいツイッターランドで流行り九州新聞界のドン西日本新聞に嘆かれているようです。

九州の男尊女卑はガチ。中学生の時、「女だから学歴は必要ない。高校行かずに働いてお金を家に入れてくれ」と九州男児の父に言われた。そして弟は、「男だから大学までは行かせたい」とか言われてたからな( ́ ・ω・`)
私偏差値74、弟偏差値35でこれ。 https://t.co/7GXdC3wHxw

— yuba (@yuba_akr) March 10, 2025

九州出身です。母(50代)は昔から女であることを理由に国立大以外の大学に通わせてもらうことや、野球などのスポーツをすることを許されず育ってきました。弟より秀でた成績や運動能力であったにも関わらずです。
地域差別だ。という差別者の声が大きいのはなぜなのか。どうか被差別者の声を聞いて。 https://t.co/NRaHA51KDf

— cu (@baJWTsgZ9YRSIUN) March 10, 2025


実際楽しいツイッターランドではまぁひどい感じで言われています。正直な所それは九州と言う地域以上に個々の家庭の事情ではと思わざるを得ません。九州生まれ関東育ちの人間としては確かに癖はあるけど男尊女卑と言うのは少し違うのではと感じます。そこで色々書いてみようと思います。

平成の美人シンガーの経歴が語るもの
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さてそんな九州の女性事情を考えるのにあたり興味深い人物がいます。「SilentEve」等のヒットで知られるシンガーソングライター辛島美登里さんです。

辛島美登里@Wikipediaより
1961年、鹿児島県鹿児島市に生まれる。父は公務員(鹿児島県庁の技術職)[1]。家族は両親と兄。 鹿児島市立中郡小学校[2]、鹿児島大学教育学部附属中学校を卒業後、1年予備校生活を送り(中3次に鹿児島県立甲南高等学校を受験するも不合格となり浪人[3])、鹿児島県立鶴丸高等学校に進学。同校を卒業後、奈良女子大学家政学部生活経営学科に入学。在学中は寮生活を送りながら、音楽部で活動する。
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県立鶴丸高校@みんなの高校情報より
鹿児島県立鶴丸高等学校@Wikipediaより
前身である一中、一高女の校旗が現存している。一中校旗は、前身の「鹿児島県立尋常中学校」の頃に製作されたもので、上部にはえんじ色の線が引かれている。これが後に改称されて「第一鹿児島中学校」となり、この線が略称の「一中」の「一」に見えたのは、全くの偶然であるが、引き立つことになった。


彼女の経歴を見ると高校進学時に浪人をしているのが目立ちますが浪人して進学したのは県立鶴丸高校、所謂旧制一中、東大京大合わせて10名を超える堂々たる地域一の公立名門校になります。これを見て驚く人は驚くのではないでしょうか?「男尊女卑」のはずの九州・鹿児島で旧制一中に女性が進学できるのかと。

公教育に見る「優秀な女性の活躍を後押しする」九州の土壌と関東
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関東・九州の旧制一中の男女共学比較

旧制一中に関しては地域によって男女共学化、別学は地域によって分かれます。関東地方1都6県と九州島内7県の旧制一中の共学に関する状況を比較すると上の表の様になります。驚くことに九州の旧制一中がすべて共学なのに対し都会の関東では埼玉・群馬・栃木の3県が男女別学になっているのが見て取れます

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旧制一中(浦和高校)と旧制一高女(浦和第一女子高校)との進学実績比較

そして重要なのは女性の進学を考えた際別学だと女子高側の進学実績が大きく劣ってしまう点です。上は男女別学の埼玉県における旧制一中だった浦和高校と旧制一高女だった浦和第一女子高校との進学実績の比較です。受験偏差値的には1しか変わりませんが浦和第一女子高校の進学実績が大きく劣るのが見て取れます。そういった意味で言えば九州の方が関東よりも「地域として優秀な女性の活躍を後押しする」土壌があるとすらいえるのかもしれません。

福岡女子大学@Wikipediaより
日本で最初の公立女子専門学校である福岡県女子専門学校を起源とし、学制改革を経た1950年に、県立の女子大学として設立。公立の女子大学は、他には群馬県立女子大学のみである。


そしてそれは高校だけでなく大学でも同じことが言えるようです。上は福岡県にある公立大学福岡女子大学に関するもの、国立のお茶の水女子大学、辛島美登里さんの母校でもある奈良女子大学は有名ですが、福岡女子大学は前身の福岡県女子専門学校も含め公立の女性向け高等教育機関の走りであり、また今でも他に群馬県の群馬県立女子大しかないなどここでも「地域として優秀な女性の活躍を後押しする」土壌を感じさせます。

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管理的職業従事者(会社役員、管理的公務員等)に占める女性の割合(都道府県別)@内閣府男女共同参画局より

そうして「地域として優秀な女性の活躍を後押しする」土壌で育った九州の女性達は仕事でも活躍しているようです。上は管理的職業従事者(会社役員、管理的公務員等)に占める女性の割合(都道府県別)の資料、関東では東京以外割合が15%未満なのに対し九州は全県15%以上と女性たちの活躍が目立ちます。

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都道府県「幸福度」ランキング2024【47都道府県・完全版】@Diamond2024/8/30より

そしてそんな九州の幸福度は関東よりも高そうです。上はDiamond誌の都道府県別の幸福度のランキング、上位10都道府県のうち3県を九州の県が占め、関東の都県がないのに対し、下位10都道府県のうち3都県を関東のと言え県が占めるのは何か象徴的です。

さす九で盛り上がる「共感」の恐ろしさ

ほんとかよと思って調べたら、鹿児島県の女性の平均身長は157.5cmで全国32位。鹿児島県の男性の平均身長は170.0cmで全国39位と男女に有意差はありませんでした。なぜ女はすぐにバレる嘘をつくのか。 https://t.co/Jms4aNZQvN pic.twitter.com/SiEcF7tvhW

— 小山(狂) (@akihiro_koyama) March 12, 2025


さて綺麗にまとめようと思ったのですが西日本の記事の後「鹿児島では男性は具のあるカレー、女性は具無しカレーが当たり前で女性は栄養不足で体格が貧弱」みたいな漫画が出て来て物議をかもしているようです。さすがにとんでもで女性の慎重に関する統計まで出してコミュニティノートが掛かれたようですが正直この手の「共感」の怖さを感じました。「共感」は手間が掛からず気持ちは良いかもしれませんが、大手メディアの衰退を見ると「裏を取る」事の大切さは意識する必要があるのではと感じますがいかがでしょうか?


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長期金利 10年もの国債利回り1.5%台に 2009年以来の高い水準@NHK2025/3/6より
国内の債券市場では長期金利の急上昇が続いていて、6日もアメリカの金利上昇や日銀がこの先も利上げを継続するといった見方などから、代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが1.515%に上昇し、2009年以来の高い水準となっています。
長期金利は、日本国債が売られて価格が下がると上昇するという関係にあり、住宅ローンの固定金利のほか、定期預金の利息などにも影響します。


さてこれまで注目してきた金利ですがとうとう長期金利が2009年以来の1.5%超えをしたそうです。 kinri202503_1
個人向け国債@財務省より

また個人向け国債では税引き前とは言えとうとう5年固定国債の金利が1%を超えました。

トランプ大統領 "日本と中国 通貨安を誘導 解決に関税必要"@NHK2025/3/4より
アメリカのトランプ大統領は3日、中国とともに日本が通貨安を誘導してきたと主張し、こうした問題を解決する手段として関税の発動が必要になるという認識を示しました
トランプ大統領は3日、記者団に対し、「日本の円であれ中国の通貨であれドルに対して通貨を下落させるとアメリカにとって非常に不公平で不利な状況をもたらす」と述べました。
そして中国の習近平国家主席や日本の指導者たちに電話して、「通貨を下落させ続けることはできない」と伝えたことを明らかにしました。


これまでの金利上昇時と違うのはアメリカトランプ大統領が通貨安誘導への懸念と懲罰関税の導入を表明している事で、通貨安の大きな原因となっている日米金利差の解消=政策金利上昇への政治的な追い風になっている事だと思います。私自身の予測としては欧米の金融緩和基調から金利上昇は年内であと1回、0.25%程度とみていましたがもしかしたらそのペースや上昇幅が上がる可能性は高まったとみています。そして住宅ローンがその影響先の筆頭に上がります。それを考えるとこの金利上昇は平成時代維持されて来た「中流社会」に止めを刺すのではと感じます。ここではその事について書こうと思います。

低金利と長期ローンが招いた平成中流社会のラットレースと金利上昇が意味する事
夫から「もし俺の両親から、近くに住むなら住宅資金の半分出すって言われたら...どうする?」って言われて食い気味に「一生賃貸でいいかな」って声が出た→結婚って大変なんだな...@popsiより

そろそろ本格的に家を買おうかとなり始めてるんだけど、
夫から「もし俺の両親から、近くに住むなら住宅資金の半分出すって言われたら...どうする?」って言われて食い気味に「一生賃貸でいいかな」って声が出た

— おかヱ🍞 (@gohandekitade) February 13, 2025


こんなツイートが少し前に話題になりました。このツイートを見て「親世代からの援助なしに家を持てる社会」と言うのがある意味で平成の「中流社会」の光景だったのだなと言うのを改めて感じました。

2010年代中産と下流の時代〜プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの〜その3より
生産手段 労働 投資 消費 属性
上流 にじゅうまる X にじゅうまる にじゅうまる 大企業の大株主、大地主等
中産 〇 〇 〇 〇 中小企業のオーナー社長、商店主、自作農等
中流 X にじゅうまる X 〇 サラリーマン等
下層 X 〇 X しろさんかく 工員、小作農等


これは10年以上に書いた記事からの引用ですがホワイトカラーのサラリーマンに象徴される中流階級と言うのは言って見ればその労働の生産性の圧倒的な高さから実は生産手段と言う意味の資産がない中でも中産階級並みの経済生活を送れている層と考えると平成時代、特に後半は中国をはじめとするその圧倒的な生産性が揺さぶられた時代だったと思います。

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令和初期と昭和末期の住宅ローン比較(昭和末の金利は昭和50年〜平成10年の旧公庫融資基準金利の推移(単位:%)より)

実際昭和末期のと金利上昇前の令和初期の住宅ローンを比較すると上の様になると思います。昭和末期では5%以上の金利も珍しくなく、期間も今のように35年と言う長期のものは一般的ではなかったと思います。そして同じ3500万円のローンで見ても月当たりの返済額はかつて23万円だったのが9万円、支払利息の合計も2100万円強だったのが400万円弱と大きく減っています。更に住宅ローン控除の存在などを考えると給与が減ったと言われる反面、それ以上に金利が低下した事による負担減で「親世代からの援助なしに家を持てる社会」=「平成の中流社会」は維持されてきたように思います。

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金利上昇時の住宅ローン返済額試算

さて金利が上がる事でどこまで返済額があがるのかシミュレートしてみました。最大の3%は可能性自体は低いものの、現状のアメリカの政策金利が4.25〜4.5%と考えるとアメリカの政策金利低下のスピードが遅ければあり得るラインとして考えています。仮に今の0.5%が3%に上がったとすると月々の返済額は13万5千円と現状0.5%時の9万1千円の1.5倍近く、総返済額は昭和想定の5%、20年間のものよりも大きくなります。また利息額の2201万円は0.5%時の324万円の凡そ6.7倍と金利が高くなると複利の関係でそれに正比例ではなく正比例よりも支払うトータルの利息額が増えるというのも注目したいところです。

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金利上昇時の住宅ローン元金残額試算

またもう1つ注意したいのは金利が高いとなかなか元金が減らないという点です。上のグラフは同じ3500万円、返済期間35年、元利均等のローンでの元金残額の推移ですが3%時と0.5%では最大370万円もの残額に差が付きます。これは仮に収入減などでローン返済が難しくなった際に売却で返済を行って残る残債がそれだけ増える事を意味します。

「贅沢」「普通」が語る中流社会の本質
女さん「年収1200万で子供3人育てられない人は?自分に相応な生活を理解していない人」→『税金が高すぎる』『子供3人大学はかなりの経済力がいる』@posfiより

1200万って人口の4%しかいない
実際、日本人の中でも相当優秀な人間だよ。

その4%の人間ですら贅沢出来ない日本って普通におかしくないか??
アメリカの上位5%は年収4500万だよ

夜食みたいな無能力者と比べる事自体が間違ってる。

— taku@crypto (@taku__crypto) January 8, 2025


あまり注目されませんでしたが楽しいツイッターランドではこんな議論がありました。確かに子育て支援の所得制限に理不尽を感じるというのは分からなくないもののそれでも「1200万って人口の4%しかいない実際、日本人の中でも相当優秀な人間だよ。その4%の人間ですら贅沢出来ない日本って普通におかしくないか??」と言うメンタリティの人にとっては厳しい時代になっていくのではと感じます。

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 [ ロバート・キヨサキ ]より
「たいていの人には値段がある。それは人間誰しも恐怖と欲望という感情を持ち合わせているからだ。まず、お金を持たずにいる事が怖いから必死に働く、そして給料を受け取ると欲張り心が頭をもたげ、もっとお金があればあれも買えるこれも買えると考え始める。その時に人生のパターンが決まる。そのパターンとは、朝起きて、仕事に行き、請求書を支払う、また朝起きて、仕事に行き、請求書を支払う...この繰り返しだ。その後の彼らの人生はずっと恐怖と欲望という二つの感情に走らされ続ける。そういう人はたとえお金を多くもらえることになっても、支出が増えるだけでパターンは決して変わらない。これが、私が『ラットレース』と呼んでいるものなんだ


「人より稼いでいるからその分贅沢できる」と言う発想は一見最もですが、ただ少なくない人が感じるのは「キリがない」と言う事ではないかと思います。上はベストセラーの「金持ち父さん貧乏父さん」からのものですが、このラットレースの下りは多くの人の共感を示したものではないかと思います。

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 [ ロバート・キヨサキ ]より
資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金を取っていく


逆にラットレースから抜けるのに大切な考えは上の様なものではないかと思います。例えば「贅沢」と言う言葉から浮かぶのは極端に言えば1月単位の収支を考えるお小遣い帖の様なお金へのスタンスをではないかと思います。しかし資産と負債と言うと単なる収支でなく企業会計の様な損益(PL)と資産・資本(BS)の複式になりより詳細になります。具体的に言うと
資産→収入が給与だけでなく配当・利子等の資産からの収入が可視化される
負債→何もしなくても出て行くお金が可視化される

こうすると視点が長期的になるのも重要ではないかと思います。言うまでも無く中長期的に安定して豊かな生活を送るとするなら負債を減らし、資産を増やすという明確な目標が見て取れると思います。

2010年代中産と下流の時代〜プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの〜その3より
生産手段 労働 投資 消費 属性
中産 〇 〇 〇 〇 中小企業のオーナー社長、商店主、自作農等
中流 X にじゅうまる X 〇 サラリーマン等
下層 X 〇 X しろさんかく 工員、小作農等


それは前に書いた記事の表で言えば中産階級に近づけるという事になるのではないでしょうか?そして最初の引用の「もし俺の両親から、近くに住むなら住宅資金の半分出すって言われたら...どうする?」に代表される家族との距離感で言えば極力近く良い距離感をすると言う部分も含みます。単純に親世代の遺産みたいな部分の他に、親など身内が身を持ち崩してその影響が来る確率を減らすという事も意味します。逆に「贅沢(多分「普通」も)」と言う言葉を言う人はそれが出来ず下層に落ちこぼれる恐怖の中ラットレースを続ける事になります。そして金利の復活した世界はこのラットレースで生き残れる確率がどんどん低下していく社会になると思われます。

50年ローンで平成中流社会の延長線を戦う人が語るもの
住信SBI、住宅ローン最長50年に 住宅価格高騰に対応@日経新聞2023年8月3日より
住信SBIネット銀行は住宅ローンの最長返済期間を従来の35年から50年に伸ばす。住宅価格の高騰を受け、毎月の返済額を減らして若い消費者を取り込む狙いだ。50年ローンは一部の地銀で提供していたが、ネット銀や大手銀では初めて。ネット銀は適用金利の低さで住宅ローン競争を主導してきたが、新たな局面に入る。
[フレーム]ローン4930万円で返済月7万7千円と言う事はボーナス払いありか・・・


さて金利上昇をきっかけに最近スタートした50年の超長期ローンが2〜30代の間である意味流行っているらしいです。返済金額が低いのが理由で、ある意味で金利低下で返済額が低下した平成中流生活の延長戦を令和でやろうとしているのかなと感じます。

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50年住宅ローン返済額試算

と言う事で試算をしてみました。50年ローンは35年ローンに比べて金利が高いと聞いたことがあるので試算は1%からにしています。流石に1%では返済額が7万4千円で35年0.5%の返済額よりも更に1万7千円低く、2%で35年0.5%で同等とこの返済額であればもし給料が減っても返済が滞る事はなさそうです。しかし1%でも35年0.5%のケースに比べて支払利子が3倍近く多く、2%だと支払利子が昭和の20年5%と同等になります。

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50年住宅ローン返済ペース試算

元金の減少に関してもやはり50年だと減りも遅いです。35年0.5%では10年で900万円以上元本が減少するのに対し50年1%では570万円、50年3%ではわずか385万円、20年後に残る残金はそれぞれ1575万円、2304万円、2666万円となります。余程立地が良ければ別ですが仮に20年後売却する際は頭金500万円で4000万円の住宅として元本割れとなるリスクは高いと言えるのではないかと思います。また50年ものローンとなると仮に25歳で住宅を購入しても繰り上げ返済をしない場合は75歳まで返済するというのも大きなリスクと言えます。

[フレーム]

ただ一方で返済額が低いのを生かして積み立て投資を行い住宅ローンとの金利差を生かし資産形成を行うという考え方を提案する住宅ローン評論家もいます。私だったらお薦めは出来ませんがこれはこれで一つの考え方ではないかと思います。言うなれば給料だけでなく資産にも稼いでもらうという意味でこれも中産階級的な考えではあります。

ラットレースから抜け出る人たち

ちゃんと社会人してる独身おじさん達、「今は家とか欲しくないけど、老後は保証人が見つからない(親兄弟も年寄りだと保証人になれない)から、激安中古マンションを現金一括で買って、住むところだけは確保したい」ってみんな言ってるの、「おじさん達の知の集約」って感じで勉強になるな。

— みそしる (@sssgmiso) January 5, 2023


ただあくまで50年ローンをしてまで家を買うのはあくまで「子育て中の家族構成員が最も多い時期に家族皆が住める住宅を購入する」と言うのが大きな理由です。逆に言えば15〜20年程度の子育て期間中を避けて夫婦2人だけで面積的にも期間的にも多くを求めない例えば老後の時期に住宅を購入すれば費用も大きく抑えられやりようによってはローンに頼らず、現金で購入する事も可能になる可能性もあります。上は職場の独身男性が皆老後に激安中古マンションを現金で購入して終の棲家にすると言っているのを感心する人のツイッターですが、住居にかかる費用を負債と考え、最小化するというのなら理に適った考え方であり、今の段階で独身者を中心に一定数いて、今後も独身者を中心に増えそうな気がします。

義両親との同居生活、満足度で最多は50%。同居はメリットとデメリットが混在?! 専門家に聞く@たまひよ2022年6月22日より
今回は世間ではダークなイメージが強い「義実家同居」についてのコメントを紹介します。すると意外にも(!?)「デメリットばかりじゃなく、メリットはある」という声が...。
背景には共働き夫婦が増え「子育てと家事をフォローしてもらえる」という、義実家への期待があるようです。
ペアローンで返済期間40年!それでも若い層が「賢いマンション購入」と考える納得の理由より
マイホームを買う際、「ペアローン」が増えていることがリクルートの調査で明らかになった。調査によると、首都圏・新築分譲マンションにおいて「世帯主と配偶者のペアローン」の割合は33.9%になったと報じられた。


ただ住宅が資産だと考えるとした場合、その有効活用は親世代との同居になります。これは平成時代を通じて独身者に関してはパラサイトシングル、子供部屋おじさん・おばさんと言った言葉が流行ってきたように独身者に関しては拡大してきましたが、既婚者に関しては特に女性に義実家との同居は特に介護の関係で嫌われてきたのですが、もしかしたら少しずつ変わりつつあるのかもしれません。それは共働きが標準となり義両親による子育てや家事のフォローが期待され、実際に保育などでは「じいじ」「ばあば」の存在感が増してきたこと、また平成期はローンの返済者として存在感の低かった女性が共働きが当たり前である以上相応に働いて稼いだ給与から返済を行うケースが増えてきたことにより「住宅ローン返済者」の責任と負担の重さを実感するケースが増えてきたことがあります。

氷河期世代以降も下がってますよ、持ち家率@noteより
その一方で、ぎりぎり就職氷河期世代にはいっていない(むしろバブル入社世代?)、1964年〜68年生まれ世代と氷河期世代の差は小さいです。〜中略〜
さらに、25歳〜29歳、30歳〜34歳に注目すると、氷河期以降に生まれた世代の方が持ち家世帯率が低くなっています。より昔にさかのぼってみれば、1949〜53年生まれ(調査年に80〜84歳)からの持ち家世帯率の低下傾向が直近まで続いているようにも見えます。


住宅を負債に見るにせよ資産に見るにせよ上の世代が人生をかけて参加した住宅を所有するためのラットレースからの脱却の動きが静かに起こり始めているのかもしれません。上は所謂就職氷河期世代の持ち家比率が下がっと言う日経新聞記事に対する神奈川大学飯塚教授の反論記事の内容ですが持ち家率が高かった団塊の世代から中長期的に持ち家比率が低下傾向にあるものの就職氷河期世代1969〜1983年生まれの世代はバブル世代と言える1964〜1968年生まれとそれほど差が無く、むしろ氷河期世代以降の持ち家率の低下幅の方が大きいのではと言う問題提起になっています。バブル~氷河期世代を平成中流社会のメイン世代と考えれば令和のメイン世代は平成のメイン世代以上に持ち家率が下がるという予測で根拠の統計からも見て取れます。

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NISA口座開設・利用状況調査結果(2023年9月30日現在)について@日本証券業協会より
Choose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角より
合計特殊出生率を世代別にみて見ると当時20代後半だった1991〜1995年生まれの世代は上の1976〜1990年生まれ世代に比べて20代までの出生率が0.55と0.07〜0.09も落ち込んでいて、1990年以前生まれの世代の出生率が1.4以上だったのに比べて今後落ち込んでいく事が予想されています


そしてラットレースから離れ余裕のできたリソースは資産形成に行っているのではと感じます。日本証券業協会が2023年に調べたデータでは旧NISA+積み立てNISAの口座開設数は氷河期以降で氷河期世代よりも人数自体は少ない30代が最も多いです。20代は減っているように思えますが、実際学生時代や社会人1〜2年目で投資を始める人は多くない事を考えると20代も30代以降ではより口座数を増やす可能性は高いです。一方この世代の出生率は氷河期世代よりも大きく落ち込みここ最近の出生率低下の原因となっている事を考えると子供を産んだ人そのものが減っている事で子供の教育へ行くお金は増えていないと思われます。

まとめ

まとめます。
・中流階級とは労働者階級の中で圧倒的な生産性を持つものが給与所得によって中産並みの消費を行えるようになって生じた階級である
・そして一億総中流と呼ばれた昭和末期中流層は中産階級並みの持ち家を給与所得で取得していた
・中国などの新興国の成長で中流の基盤である圧倒的な基盤は揺らいでいたが0に近い金利と35年の長期ローンで平成時代も中流社会、ロバートキヨサキの言葉を借りると家を巡るラットレースは維持された
・しかし令和の入っての金利復活と今回のトランプの円安是正要求により0に近い金利が失われ平成の中流社会の基盤も崩れ始めた
・ポスト中流の流れで投資による金融資産、親世代の持つ不動産資産を生かすことで労働(給与)→資産+労働の新しい中産化の流れが起こり始めている
・特に氷河期以降の世代ではNISAの開設数の多さなどでそれが顕著である
本来なら中流社会から零れ落ちる人について書く必要があるかもしれませんが、それは今後の課題とさせてください。


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住宅を持つ人が問われる時代

さて2025年2月のランキングです。今月は珍しく当月リリース記事が1位、2位を占めています。

1.平成の終わりに考える外伝7:20年前の宿題にどう解答するのか〜フジテレビ騒動に思う〜
2.令和の大きな宿題その30 玉木雄一郎は令和の小泉純一郎となってしまうのか〜たかまつなな炎上に思う〜
3.令和の大きな宿題その22 令和のイエはどうなるのか〜負動産、限界ニュータウンが語るもの〜
4.若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜
5.お金の話その5〜復活する金利が問うもの〜
5.令和の大きな宿題その15 バス転換と言う贅沢が許されない時代に〜赤字鉄道路線廃止問題に思う

[フレーム]
フジテレビの社長にこの映像を見てどう思うか聞いてみたい。

1位には平成の終わりに考える外伝7:20年前の宿題にどう解答するのか〜フジテレビ騒動に思う〜が入りました。1月に起こったフジテレビ騒動を取り上げた記事です。

米ファンド、日枝久氏のフジHD取締役など辞任を要求@日経新聞2025年2月5日

さて先月クローズアップされたのはフジテレビのキーパーソンだった日枝取締役の去就問題、2005年ホリエモンLivedoorによる買収時も黒幕だった彼が20年経って90歳近くなった今でもキーパーソンになっている事、2005年には最終的にホリエモンが捕まる事でいったん解決したものの、この時期に代わる事が出来ず徐々に衰退の道を歩んだことを考えると様々なことを言われながらも時代の転換点としてこの事件を受け入れた人が多い印象があります。日枝氏と言う平成衰退を続けたテレビ局が象徴していたのは「良いもの、特に若いものに受けるものを作る事がすべて」とでも言うべき価値観で、ホリエモンが突きつけたある意味でネットの時代にいかに豊富な資産をいかにマネタイズしていくかと言う問いにどうこたえていくのか注目したいところです。

2位には令和の大きな宿題その30 玉木雄一郎は令和の小泉純一郎となってしまうのか〜たかまつなな炎上に思う〜が入りました。タレントたかまつなな氏の炎上騒動に思った事を書いた記事が月末リリースに関わらず入りました。実際厚生年金保険料の負担増と呼ばれますが制度上、平均月給の倍額辺りを基準に決まっていた上限額を平均月給があがった為あげるという話で、制度上高所得者の保険料率が低くなる事への改善と言う側面もある施策で、そもそも論として平成期を通じて所得・住民税の減税と累進課税の緩和で高所得者の負担はむしろ軽減されていて負担増が年収1000万円以下の層に集中していたのを考えると玉木氏本人に関してはこれまで議論をしてきたことの中で「手取り増加」と言う意味で有効な施策に関して取り上げている日と言う印象で、賛否はあるものの、彼を支持し、世代間対立を煽る連中に関してどうだかなと感じたので書いた記事です。

自民「れいわ新選組ショック」30代支持率で逆転、公明と対応協議へ「30代の意見大事」@産経新聞2025年2月25日

さてそんな中、れいわ新撰組の30代の支持率が自民党を逆転し急伸している事が話題になっています。個人的に国民民主党と競合するのは実質的に河村たかし氏率いる減税日本全国版と言える日本保守党とは思っているのですが、ある意味で国民民主党の方向性が「高所得者に優しい」平成体制の維持あるいは微調整と考えると「消費税廃止」を掲げるれいわ新選組は「高所得者に優しい」平成体制の解消に見えてきます。今年行われる参院選でこういった視点で見ていくと面白いのかもしれません。

[フレーム] 3位には令和の大きな宿題その22 令和のイエはどうなるのか〜負動産、限界ニュータウンが語るもの〜が入りました。1月は実はギリギリランクインできなかったのでリベンジした感じでしょうか?

住宅ローン固定金利 大手銀行で引き上げ相次ぐ 変動型も可能性@NHK2025/1/31

日銀の政策金利が上がる事で住宅ローンへの影響が出て来ています。

2010年代中産と下流の時代〜プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの〜その3

正直な所平成時代所謂中流社会がほころびを見せながら維持されてきた背景にはやはりこの0に近い金利があったと思いますが、それが緩和・解消される中で中流社会の重要ワード「普通」をどこまで引きずるかが重要になってきそうな気がします。この辺はもう1度纏めて行こうかと思います。

4位には若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜が昨年8月以来久々にランクインしました。

平田オリザ氏が青森県立美術館の新館長就任へ 「非常にポテンシャルがある」@河北新報2025年2月25日

さてと言う事で久しぶりに平田オリザ氏の動向を調べて見たら今度は青森県で美術館長になるとの事です。何と言うか平成37年の光景感が強いです。

2024年度入学式 学長式辞@芸術文化観光専門職大学より
また、開学四年目を迎えます本学について、日頃より多大なるご支援、ご協力をいただいております斎藤元彦兵庫県知事、國井総一郎兵庫県公立大学法人理事長、内藤兵衛県議会議長はじめ県議会の皆様、兄弟校である兵庫県立大学の皆様、周辺自治体の市長、町長様、議員の皆様、そしてなにより但馬の地域のすべての住民の皆様に、あらためて心から感謝申し上げます。ここまでのご支援、ありがとうございました。


個人的に興味深いのは昨年の芸術文化観光専門職大学の学長式辞、県立大学無償化の恩恵を受けただけにその立役者である斎藤元彦知事への感謝を述べ、豊岡市長関貫久仁郎氏に関しては周辺自治体の市長、町長様と豊岡市の名前すら出てこないのは興味深くさすが平成36年を生きる男感があります。

5位にはお金の話その5〜復活する金利が問うもの〜が入りました。

10年ものの国債利回り 一時 1.385%まで上昇@NHK2025/2/17
3メガバンク、普通預金金利0.2%に 日銀利上げ受け@日経新聞2025年1月24日

2月中旬に10年ものの国債利回りが1.385%となり話題になりました。現状他国で利下げが進んでいる事を考えると3〜4%以上の金利はないと個人的に見ているのですが、それでも金利が復活する事で資産のある人を中心に選択肢が増えて来るんだろうなと思うのと同時に「資産」の存在感が増してくるのではと感じます。

所得税は働く人の給与からの税金と言えない時代を迎えつつある

実際源泉所得税に関して調べると2018年段階で40%は労働でなく株の配当を中心とした分離課税によるものとなっていて、資産所得の存在が高まっています。令和になって人口のボリュームゾーンが50代になる中、「労働」の存在感が落ち、「資産」の存在感が増す時代になっていくのかもしれません。

同じく5位には令和の大きな宿題その15 バス転換と言う贅沢が許されない時代に〜赤字鉄道路線廃止問題に思うが入りました。

ローカル鉄道がピンチ 脱線で運休4カ月のいすみ鉄道、再開願う地元@朝日新聞2025年2月3日
イベント見聞録2009年2月28日いすみ鉄道の大増発で今まで知らなかった房総を巡る〜上総中野駅他編〜
イベント見聞録2009年2月28日いすみ鉄道の大増発で今まで知らなかった房総を巡る〜プロローグ〜
イベント見聞録2009年2月28日いすみ鉄道の大増発で今まで知らなかった房総を巡る〜大多喜駅編〜
イベント見聞録2009年2月28日いすみ鉄道の大増発で今まで知らなかった房総を巡る〜国吉駅編〜
イベント見聞録2009年2月28日いすみ鉄道の大増発で今まで知らなかった房総を巡る〜エピローグ〜

先月は脱線で運休中のいすみ鉄道が話題になりました。いすみ鉄道と言うと16年も前ですがイベントレポートをやった事もありました。現実問題として大多喜高校をはじめとする通学や養老渓谷を含む観光など様々なニーズへ最小限の労働力で対応する事を考えると1日も早い復旧を臨みます。運転手不足の今は平成時代に比べてバス転換へのハードルは上がり、またバス転換による所要時間増加で子供の進学先が絞られる影響も大きいと思います。また鉄道が無くなる事でアクセス手段が分かりづらくなることでインバウンド景気も受けづらくなることを考えると平成の廃線よりも影響は大きいというのは忘れてはならないと思います。

如何だったでしょうか?今月が読み手であるみなさんにとって私にとって良い1月である事を祈りつつ筆をおきます。


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