つれづれなるままに

2021年01月

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写真:名門大垣夜行の最期をまさかこの車両が飾るとは...

さて本題の前にコロナに関する役立つ情報を
新型コロナ 対策支援制度まとめ@Yahoo
・Yahooによる支援制度の情報です。
新型コロナお役立ちコーナー@首相官邸
・首相官邸での各省庁の対策のまとめサイトです。
新型コロナウイルス感染症について@神奈川県
・神奈川県庁でのコロナウィルスに関するまとめサイトです。
新型コロナウイルス感染症に関する情報(2020年4月3日更新)@横須賀市
・横須賀市役所でのコロナウィルスに関するまとめサイトです。
横須賀市・横浜市公共交通各社の新型コロナウイルスに関する対応について
・横須賀・横浜地区の公共交通各企業のコロナ対策のリンク集です。利用者の協力をもとに3密を恐れず公共交通を利用しましょう。

思い出の大垣夜行の終焉
臨時夜行快速「ムーンライトながら」運転終了へ 「大垣夜行」から長い歴史@乗りものニュース2021年1月22日より
JR東日本とJR東海は2021年1月22日(金)、東海道本線経由で東京駅と大垣駅(岐阜県大垣市)を結ぶ臨時夜行快速「ムーンライトながら」の運転を終了すると発表しました。


私の様な中年鉄ヲタにとっては「大垣夜行」と言う名前でも親しまれていた夜行快速列車「ムーンライトながら(以下ながら)」が今春のダイヤ改正で廃止になるそうです。個人的には学生のころ青春18きっぷで九州まで行った際に利用した思いで深い列車でもあり残念なところです。

需要と車両と深夜保守〜大垣夜行が廃止になった背景〜
"春"の臨時列車の運転計画について @JR東海2021年1月22日より
臨時の快速「ムーンライトながら」につきましては、お客さまの行動様式の変化により列車の 使命が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。


「ながら」廃止の理由を鉄道会社のプレスリリースから見ると ・お客さまの行動様式の変化 ・使用している車両の老朽化 と言う2点があげられています。お客様行動様式の変化=乗客の減少と車両の老朽化が挙げられています。車両の老朽化に関しては現在「ながら」に使用している185系車両は特急「踊り子」と共通運用であり、「踊り子」の車両を更新するならそれをそのまま使用すればよいという考え方もできますが、更新する際に現状「ながら」に使用している余裕分に投資するのは乗客減少により回収が難しく、185系の前任だったJR東海373系は静岡と東京を結んでいた特急「東海」の廃止により大垣から東京に到着後、深夜「ながら」として使用する以外の使い道がなくこれも経済的ではないという事でしょう。

2021年3月13日(土)首都圏における終電繰り上げ等のお知らせ@JR東日本より
弊社では、主に東京100km圏の主要路線で終電時刻の繰り上げなどを行うことにより、保守作業時間を拡大し、作業従事者の働き方改革推進や鉄道設備の設置・保守のスピードアップによるサービス向上を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたお客さまの行動様式の変化に対応します。


またもう1つ注目しなくてはならないのは今月20日から実施されている首都圏鉄道各社の終電繰り上げの大きな理由の1つである深夜保守作業時間の確保の問題でしょう。JRにとっては保守時間の確保の為、極力減らしたい深夜時間帯に走る列車で採算性の低い「ながら」の様な夜行列車は残しておく優先順位の低い列車となっても不思議ではないと思われます。

LCCの廃止届に見る航空業界のシビアな現状
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表:JALグループ輸送実績より

「ながら」の廃止は残念ですが鉄道会社の事情だけを考えれば仕方ない事です。しかしことはそれほど単純ではありません。他の長距離交通を見るとドラスティックの状態が見て取れます。まず航空に関して見ていきます。国内の航空全体の乗客数の動向を見る良いデータがないので代わりに日本最大の航空企業である、JALグループの輸送実績を見ますと、2020年度第3四半期までの累計で前年比1/3と激減しているのが見て取れます

ジェットスター6路線廃止 成田-庄内、中部-新千歳・鹿児島、関西-高知・福岡・熊本@毎日新聞2021年1月22日より
格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンは国内6路線の廃止を国土交通省に届け出た。成田―庄内、中部―新千歳、鹿児島、関西―高知、福岡、熊本の6路線で、新型コロナウイルスの影響などで利用客が減少し、運休が続いていた。

廃止は3月28日付で、早期の需要回復は困難と判断した。最大24路線あった同社の国内線は17路線に減る。中部―新千歳、鹿児島、関西―福岡、熊本の4路線については、需要が回復傾向になれば今秋以降の運航再開を検討する。【中村宰和】


そして何より驚くのはLCCとは言えジェットスタージャパンがコロナの影響が出て1年経っていないこの段階で6路線の廃止を申請し休止中の4路線に関しても「需要が回復傾向になれば今秋以降の運航再開を検討する」とありますがあくまで検討と書かれているように小さくない可能性として撤退をにおわせているのです。

運転手不足が醸し出す高速バスの静かな退潮
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画像選考会の仮予約@西鉄グループ2021年1月23日調べ
高速バス「福岡〜延岡・宮崎」と「福岡〜鹿児島(桜島号)」の夜行便を5/31で運行終了@バスとりっぷ2020年5月7日より
「福岡〜延岡・宮崎」は西鉄バスと宮崎交通、「福岡〜鹿児島(桜島号)」は西鉄バスとJR九州バスが共同で運行している。どちらの路線も新型コロナウイルスの影響により、2020年4月からすでに運休しており、運行再開を待たずに終了となる。
桜島号の夜行便は終了するものの、昼行便は引き続き運行を行う。


続いて高速バスを見ると航空同様撤退の話が出ています。こちらはLCCのような中小ではなく、バスヲタクの中で「日本最大のバス会社」と言う話題が出ると神奈川県の神奈中バス・小田急グループ、千葉県の京成グループとともに話題が上がる大手西鉄グループによる福岡〜鹿児島・延岡・宮崎と言う基幹路線と言ってよい路線の撤退です。あくまで撤退するのは夜行のみと言うのが航空との違いですが、一方で多くの高速バスをはじめとする運休・撤退・減便があるという中で運転手の採用に関して意欲が衰えていないというのが不思議なコントラストとなっています。

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表:バス運転者不足問題とその改善の方向性について 近畿大学経営学部 後藤 孝夫@2018年3月6日(火)開催地域バス交通活性化セミナー 「路線バス運転手確保とバス交通の活性化」報告資料
深刻バス運転手不足 続行便出せない、人手不足倒産... 女性&若年層活用へ業界に変化も@乗りものニュース2019年6月8日より
バス運転手(乗務員)不足が深刻です。全国の路線バスで、運転手不足を理由に減便が相次いでいます。高速バスでも、週末に需要はあるのに続行便(2号車以降)を設定できず満席で発売を打ち切るとか、貸切バスでは、遠足シーズンなどに車両はあるのに運転手不足から受注を断るといった例が、多くの事業者で常態化しています。〜中略〜
バス運転手の平均年齢は49.8歳と、全産業平均(男子)を7歳も上回っています(2017年)。


これは慢性的な運転手不足と運転手高齢化の影響であり、2013年/2001年で大型2種免許取得者が3割近く減少するという状況下ではなかなか需要が復活しても供給が復活しづらい状況を示しています。

残された深夜長距離交通の選択肢〜夜行列車の復活とその担い手〜
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写真:夜行列車復活に使用できる車両たりうるかJR651系

さてこれまで見てきたことをまとめると以下になります。
鉄道(JR):臨時夜行列車の廃止←需要減少、車両老朽化、夜間保守時間の確保
航空:LCC6路線の廃止届申請←急激な需要減少
高速バス:休止中の夜行高速バスの廃止←慢性的な運転手不足
こうしてみると想定されるコロナ後の長距離交通機関の状況は
航空:関東・関西方面を除く路線の大幅削減がLCCを中心にドラスティックに進む、関東・関西方面に関しても需要の動向と路線によっては大幅な減便の可能性が低くない
高速バス:運転手不足により夜行バスを中心に徐々に長距離路線の維持が困難になる
鉄道(JR):夜行に関しては現状壊滅状態で復活のネックとして大都市での夜間保守時間確保、車両確保、需要の確保が課題、昼行に関しては需要の戻り次第
と言った感じとなると考えられます。

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写真:夜行列車復活に使用できる車両たりうるかその2JR683系

こうしてみると「ながら」廃止はありますが、鉄道の事情を除いて考えると今後LCCや夜行高速バスの様な長距離公共交通機関を利用していた人たちの需要の引き受け手は鉄道しかないのではと思われます。
そして引き受け手となる列車の条件は以下になります。
・廉価である事
・大量輸送が可能な事(逆に低需要地域に関してはバスでやるしかない)
・運用の柔軟性が確保できること
需要・保守に関して沿線地域の協力が十分に確保できること
こうしてみるとどのような列車になるかも見えてきます。 ・座席主体
・目的地の大都市で特急・通勤ライナーなどで運用できる車両
・少なくともJR東日本・西日本で共通で運用できる車両
こうしてみると写真のJR西日本683系の様な車両で夜行快速あるいは特急を走らせ、1〜2両日中はグリーン車として活用できる個室寝台を連結させるというのが面白そうだと思います

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写真:北陸新幹線では車両がJR西日本・東日本で共通開発されたW7系?

どのような列車を作るのかと言うのは鉄ヲタとして楽しい事であるのですが、逆に難関ばかりな現状も浮かび上がってきます。しかしその難関の1つ車両に関しては現状でも北陸新幹線でJR西・東両社共通設計の車両が走るなどの希望を見出せる場面も増えています。
その上でいかに鉄道を中心とした交通に投資をし、廉価な長距離公共交通を残すのか、小池・吉村両知事を中心とした各地域の自治体が考えていく必要があるのではないでしょうか?
タグ :
#大垣夜行
#ムーンライトながら
#鉄道
#高速バス
#交通
#航空
#LCC
#夜行列車
2021年01月04日23:27
カテゴリ
経済
社会
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「緊急事態宣言の検討に入る」 菅首相「内容、早急に詰める」@THE PAGE2021/1/4より
菅義偉(すが・よしひで)首相は4日、首相官邸で記者会見し、感染拡大が止まらない新型コロナウイルス感染症について「経路不明の感染原因の多くは飲食によるものと専門家が指摘している。従って、飲食でのリスクを抑えることが重要だ。そのため、夜の会合を控え、飲食店の時間短縮にご協力いただくことが最も有効ということだ」と述べた。
そのうえで、「(首都圏の)一都三県について、改めて先般、時間短縮の20時までの前倒しを要請した。そして、国として緊急事態宣言の検討に入る。飲食の感染リスクの軽減を実効的なものにするために、内容を早急に詰める」とし、緊急事態宣言の発出に向け検討に入る姿勢を示した。
緊急事態宣言の発出を要望@大野元裕BLOGOS2021/1/3より
すでに報道されていますが、昨日、首都圏の各知事とともに西村大臣とお会いし、緊急事態宣言の発出を速やかに検討することを求めました


新年早々新型コロナウィルスの感染拡大により首都圏4都県からの突き上げが起こり菅首相が緊急事態宣言の検討に入るようです。

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画像:地域別完全失業率2019/7〜9→2020/7〜9@労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)7〜9月期平均総務省統計局

昨年も行われた緊急事態宣言、菅総理を突き上げた4知事の地元への影響はどうだったでしょうか?
総務省統計局にあった統計を見ると

南関東 ・・・・・・・・ 3.3%(1.0ポイント上昇)
東 海 ・・・・・・・・ 2.8%(0.7ポイント上昇)
近 畿 ・・・・・・・・ 3.2%(0.7ポイント上昇)
沖 縄 ・・・・・・・・ 3.5%(0.6ポイント上昇)

驚くことに緊急事態宣言のあった前後の失業率の悪化が最もひどかったのがこの4知事の地元南関東であり、かつ失業率自体も沖縄に次ぐ高水準となっています。また南関東同様悪化がひどい地域として近畿・東海などの大都市圏が浮かび上がってきます。

北関東・甲信 ・・ 2.4%(0.2 〃 )
四 国 ・・・・・・・・ 2.6%(0.2 〃 )
九 州 ・・・・・・・・ 2.9%(0.2 〃 )
北 陸 ・・・・・・・・ 2.1%(0.3 〃 )

一方で逆に悪化が穏やかだった地域は北関東・四国・九州などいわゆる地方となっていて、失業率の低い地域としては北関東・甲信、北陸などの地域が浮かんできています。イメージとは逆に、地方ほど雇用が安定し、大都市ほど雇用が厳しい状況というのが浮かび上がってきています。

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画像:都道府県別完全失業率2019/7〜9→2020/7〜9@労働力調査(基本集計)都道府県別結果より作成

さらに都道府県別の失業率の変化を見ると驚くことに2019年の段階ではTOP7に1つもなかったのが2020年では千葉県を除く3都県がTOP7に入っていることがわかります。また2020年のTOP7では他にも大阪、宮城(仙台)、福岡と大都市を抱える府県となっています。
一方低失業率の件を見ると東海地方にある岐阜県を除くと3大都市圏以外の自治体ばかりで、これは2019年も同様であることは注目されます。

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画像:都道府県別有効求人倍率2019/10→2020/10@職業紹介-都道府県別有効求人倍率 労働政策研究・研修機構

更に有効求人倍率をみると2020年では減少率1位が東京都、ほかの3県はワースト5と惨憺たる状況になっています。
2019年段階でも、東京都が1位であるのを除くと神奈川県が最下位になっているなど東京都以外の南関東各県の有効求人倍率は低い状況にあり、コロナによって東京都の雇用に大きなダメージが出ると東京都以外の3県を中心とした南関東=首都圏の「意外なほど雇用が弱い」状況が浮かび上がってきたといえます。
一方で2020年10月段階で有効求人倍率をみると政令市のある岡山県はあるものの、上位5県すべてが3大都市圏以外の地方の県であり、上位5県、下位5県だけを見るとイメージとは逆に「大都市ほど雇用がなく、地方ほど雇用がある」状況に見えます。

海外企業誘致策の一環としての神奈川PR動画が完成しました@神奈川県知事黒岩祐治blog2017/4/5より
海外企業誘致策の一環としての神奈川PR動画が完成しました。
172か国、8万5000人もの外国人が暮らす多文化共生先進県としての神奈川の魅力を伝える動画で、県内在住の25か国の外国籍のみなさんにご協力をいただき、みんなで歌い踊るという楽しさあふれる作品になっています。これを見たら、海外企業も神奈川に進出したくなる、神奈川で働いてみたくなる、そんなブームを作っていきたいと思っています。
三木谷楽天社長、吉澤NTTドコモ社長と続けて面会!〜群馬県との今後の連携に大きな可能性!!@山本一太の「気分はいつも直滑降」2019年8月20日より
三木谷社長は、山本知事の誕生をとても喜んでくれた。「今後、群馬県と楽天がどんな形の協力を進めていけるのか?」を率直に話し合った。こちら側からは県の産業経済部長と観光物産課長が同席。
詳しい会話の中身は書かないが、ワクワクするような議論が出来た。三木谷さん、30分も時間を取っていただき、ありがとうございました!


何故このような差が出るのか、それを考えるとある種の政治的な風土性があると思います。上の引用は神奈川県知事黒岩祐治氏と北関東群馬県の山本一太氏のそれぞれ企業誘致にかかわるblog記事です。黒岩知事が県内在住外国人も参加した県のPR動画の話なのに対し、山本知事は大企業の社長に事務方職員もつれて会いに行き、議論を重ねる状況を書いています。
この2人の知事の差は県土の多くが東京の通勤圏にあり、県がシャカリキに企業誘致しなくてもベッドタウンとして生きていける神奈川県=南関東と県土の大半が東京通勤圏外で少しでも気を抜くと東京や南関東に人口が流出する危機感のある群馬県=北関東の温度差を感じます。
しかしコロナでこの温度差が結果的に雇用の差として表れてくるといかに現役世代を地域に留められるかという意味で大都市地域が問われて来るような気がします。

地方勤務は「人生の無駄使い」嫌なら今すぐ辞めていい、その理由@ニゲガチ2018年11月21日より
地方勤務のメリットは、出世に有利に働くこともあるという点ですが、ずっと今の会社で働く気がないのであれば、いっそ辞めて転職してもいいと僕は思います。人生トータルで見たらデメリットが大きすぎます。
実際に僕も地方勤務が嫌で、新卒で入社した会社を3年弱で辞めて転職しましたが、全く後悔はありません。


問われることが増えていくのは地域自治体だけでなく、「大都市圏で働き続けたい」と考える働き手もそうではないかと思います。これまでは東京を中心に雇用が多かったので東京等の大都市圏で働き続けるのは比較的容易でした。しかし大都市圏の雇用の減少が激しい昨今、今住んでいる場所に居続けるか、それとも転勤などで雇用のある地方に移るのかという問いに真剣に向き合う人は増えていくと思われます。

果たして自分も含めどう答えていくのか、1つだけ言えるのは何を優先するのかをきちんと決めていくしかなかろうかなと思います。


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#新型コロナ
#Covid-19
#山本一太
#黒岩祐治
#群馬県
#神奈川県
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写真:強かな宇都宮商人の本拠地、あの記事は3年連続ランクインするか

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まずは2020年12月のランキングです。

1.若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜
2.令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜
3.令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜
3.「子供部屋おじさん」に思う
5.幸色のワンルーム

1〜3位は11月と同じ3記事が並びました。同数3位には「子供部屋おじさん」に思うが昨年10月の記事リリースから初めてのランクイン、8月に10位以降10位→7位→8位と昔のオリコンで言えば演歌張りの粘り強さでランクインしました。5位は幸色のワンルームが先月のランク外から返り咲きました。

さて12月のランキングも終わりましたので年間ランキングに移りたいと思います。

10位〜7位:パラサイトシングルblogの本領発揮(?)
<a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm38037298">東方昭和伝 第四十一章「沖縄血戦」第三幕:皇居炎上</a>
動画:昭和史と言えばこの動画もおすすめです。

10位.昭和の「希望は戦争」〜安倍政権終焉に思う〜(11月4位)2020年9月
10位には夏休みに書く日中・太平洋戦争関連のこの記事が入りました。この手の記事は手間暇かかる割にPVは少なかったのですが、今年は戦後最長政権である安倍政権の総辞職と絡めた話だったせいか、よく読まれました。
本当は226事件に話を書こうとして資料も集めたのですが、結果的に近衛内閣を中心とした1940年体制及び戦争にどの様に突入していったかの話となりました。細川護熙元総理の祖父でもある近衛文麿、昭和史に詳しい人からすれば東条英機と同等、下手をすればそれ以上の回線の責任者(日中戦争は彼の内閣時に開戦している)とも呼ばれる人ですが、一方で戦時である事を利用してと言い方はおかしいですが、昭和戦前の格差社会への対応として1940年体制を築くのに最もかかわった人物でもあります。意識はしていませんでしたが彼の功と罪、双方を書かざるを得なくなった感じです。
もう1つ重要な点は515事件、226事件と言うテロも関わるのですが昭和10年代の日本の政治は政党内閣が崩壊し、選挙の洗礼を受けない弱体の内閣が続いてしまった事で、戦争への流れに抗いきれなくなってしまったというのも忘れてはいけない事だと思います。

<a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm37106508">2020年06月04日 小金井市議会『おちこぼれフルーツタルト1』</a>
動画:東京郊外でもオタク消費を無視はできなくなりつつある

9位.オタクとなった新中産階級〜2010年代の終わりに思う(1月4位、2月5位、上半期5位)2019年12月
9位は2010年代新中産の時代と言うシリーズのある意味で締めともいえるこの記事が入りました。この記事群は後に「子供部屋おじさん」と呼ばれる実家住まいの独身男性が目に見えるようになった2010年代、経済的なフリーハンドを得た彼らが新しい中産階級を作っていくのではないかと思って書き続けたシリーズです。2010年代最後の日に振り返ってみると、一番目立ったのは聖地巡礼などに代表される所謂「オタク消費」ではないかと思い書きました。
実際深夜アニメ「落ちこぼれフルーツタルト」の舞台となった小金井市では市議会でもいかにファンを迎え、地域を盛り上げていくかを活発に議論されています。ポストコロナの時代、地域経済の生き残りのため、あと「オタク消費」に親和性の高い世代の政治家へ世代交代が進むことでより存在感が増していくのかなと思います。

8位.パラサイトシングルと1000万円の貯金(3月4位、上半期6位)2015年1月
8位には「年収260万円でも1000万円貯めました」と言う記事で有名になった̃ちるど氏の話、2010年代新中産の時代の申し子ともいえる人物かもしれません。
この記事はTOP5入りこそ3月の1回だけですが年間を通してTOP30入りして安定して読まれた記事でした。コロナでの不況が本格化しそうな来年はもっと読まれるかもしれません。ちなみに昨年3位、今年8位ですがPV数は今年の方が多いです。

7位. 「子供部屋おじさん」に思う(12月3位)2019年12月
2019年10月 9,8,7位と連続してパラサイトシングルから身の記事が入りました。7位は「子供部屋おじさん」なる新語でdisられているパラサイトシングル男性に関してその道云十年の当事者として思う所を書いたこの記事が入りました。ちなみに7位のこの記事の年間PVは昨年の1位のPV数を超えています。昨年10月に書かれた記事ですが、実は読まれたのは下半期でPV数も9割が7月以降となっています。
子供部屋おじさんと一言で言われても、実際1度も実家を出ずにいる人と言うのは多くないでしょうし、資産形成と言う意味では月5〜10万円の家賃出費が抑えられるというのは大きいです。多分今年の後半この記事が読まれたのは、コロナの不況が深刻化する中でいかに自分の身を守っていくかと言う視点で、パラサイトシングルの利点が見直されてきたからかなと思います。

6位〜4位:宇都宮・福井、地名のある交通・まちづくり記事が目立つ
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写真:昨年は公共交通の記事をたくさん書いた年でした。

6位. 109から宮コンへ〜宇都宮に見るまちづくりのマーケティング〜@私的まちづくり論その4 (1,3月2位、5.8月5位、上半期4位)2015年12月
6位には109の撤退や「街コン」等まちづくり系の人たちやマーケティング系の人たちからとかく批判されがちな事をやって街を盛り上げていった宇都宮の街づくりに関するこの記事が入りました。
現在コロナによる自粛で厳しい商店街や小売店は多いと思います。その時に宇都宮が体験した「若い女性向けのキラーコンテンツ」である109が何故失敗し、「街コン」がなぜ成功したのか、そしてその双方の裏付けとなった人口動態の状況はもう少し注目されてもよいような気がします。
少なくとも「これが今東京で若い女性に注目されています」みたいなことを未だに言うマーケッターは無視しましょう。

えちぜん鉄道と言えばこんなのもあります

5位.令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜(8月4位、9,10月5位、11,12月3位)2020年7月
5位には京福電鉄の事故により一時的にではありますが「電車がなくなる」負の社会実験を行う事となったえちぜん鉄道についてかいた記事が入りました。
地域の生活・雇用を守るための投資〜JR四国2020年度中間決算に思う〜
イオンモールと公共交通と中心市街地〜車社会型コンパクトシティに思う〜
令和の大きな宿題その3〜令和の226を起こさないためにも...〜公共交通崩壊に思う
京急第一四半期決算資料を読んでみる
今年は別のサイトも含め、交通系の記事をたくさん書いた1年でした。やはりコロナの不況による公共交通の危機がそれを書かせたという面もありますし、多分「持てる者」に関しては車なり、テレワーク頼があっても「持たざる者」にとってはそうでなく、また「持てる者」にとっても渋滞などの形でその付けを払う側面があるという事は書いておきたいなと言うのが原動力だったと思います。「電車を失った街」福井市が最終的には少なくない負担をしてえちぜん鉄道を作ったという事実は公共交通の危機が叫ばれる今多くの人に知っておいてほしい事です。

貧困女子と言えば...
4位,令和の大きな宿題その2〜クレーマーになった学者フェミニストと貧困女子〜(5,6月2位、7月3位、9,10月3位、11月5位、上半期3位)2020年5月
4位には、今年のGWの自粛期間にあった芸人岡村隆史氏の暴言騒動と実際苦境に立たされている風俗産業従事者、そして無責任に失言狩りばかりする学者フェミニストの様相に頭にきて書いた記事です。
若年女性の失業率4・7% 非正規、宿泊・飲食直撃で@沖縄タイムス2020年10月28日
2020年7月の婚姻件数は37,479組。緊急事態宣言が解除されても昨年比15%減に!@みんなのウェディング2020年10月20日
今回のコロナ不況では女性の就労の多い、宿泊・飲食に大きなダメージが来ていて、かつ緊急事態宣言の影響などで婚姻数も減少しています。平成から持ち越された宿題ともいえる「女性の経済的な自立」と言う課題の解決がいよいよ待ったなしになっていっている中で、芸能人の失言たたきしかできない「専門家」はむしろ有害にしかならないのではないかと思います。

特別企画:2011年までに書いた記事でよく読まれた記事
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写真:不動産事業は大変である...

さて今年の年間ランキングの特徴としてTOP10にはさすがに入りませんでしたが下手をすれば10年以上前の記事が良く読まれました。そこでここでは東日本震災前の2011年3月以前の記事でTOP20入りした記事を少し紹介したいと思います。

14位.30万円の生活費に思う〜とある事件について〜(月間最高位:11月7位)2007年7月
実に13年前の記事、京都で起こった殺人事件に関する雑観記事、新聞で言えば社会面的な記事です。殺人事件そのものと言うよりも容疑者が少なくとも3年以上失業していたのに妻に毎月生活費として30万円渡していた状況にフォーカスした記事です。
記事を書いてから13年経ち容疑者の年齢を超えたのですが、ある意味で感想がそれほど変わらなく、ある意味で男性から見た「結婚の怖さ」が凝縮された事件だなと言う他ないです。

16位.パラサイトシングル女性の陥った落とし穴〜豊中餓死事件に思う〜(月間最高位:7月8位)2011年2月
これは9年前の東日本震災の直前の記事です。実家の不動産を相続した2人の姉妹が仕事を辞め、最終的に悲惨な結末を迎えた事件の記事です。一番大きいのは「不動産と言う財産は怖い」と言う事でしょうか?単純に言えば保有するだけで管理費・メンテナンス費・固定資産税などのコストがかかり、かつ様々な企業が押し付けるリスクを隠し「アパートを建てませんか」と営業攻勢をかけてくる。こういった中で平常心を保ち決断していくのは難しい、その先の悲惨な結末はその怖さを物語っているように思えます。

20位.もう少しましな仕事をしてくれ(朝日新聞トランジットモール記事を読んで)(月間最高位3月7位)2008年1月
こちらは2008年1月と12年前の記事、当時那覇市でトランジットモールが本格導入され「日本唯一」とうたっていたのを「前橋もやっている」と突っ込んだ記事です。しかしこの記事が読まれるたびに「みんなそんな朝日新聞が嫌いか」と心の中で突っ込んでいました。
ちなみにこの記事の年間PVがちょうど昨年10位の記事の年間PVと同じだったりします。

3位:後半伸び悩んだ上半期覇権記事、しかし昨年を上回る11回のランクイン
3位.幸色のワンルーム(1〜3月1位、4月2位、5・6月1位、7月2位、8月3位、9・10月4位、12月5位、上半期1位)2018年6月
記事のリリースされた2018年は年間5位、昨年は2位、今年上半期は6月中5月1位で圧倒的な強さを見せ1位で今年こそは年間を制するかと思われた記事ですが結果的に下半期伸び悩み3位となりました。
もともとは「実在した誘拐事件を思い浮かべるから放映するな」と言うクレームをいつもの人たちから受けていたドラマに関して書いた記事です。おっさんらしく二宮ひかるや宇仁田ゆみ等2000年前後に活躍していた人たちの漫画なども少し取り上げつつ所謂同棲ものの漫画の変化みたいなものについて少し書いてみました。映画「天気の子」等にも共通していますが、昔あんなキラキラしていた同棲ものの物語が世知辛いものとなってしまったなと思わずにいられません。

2位:2020年代の隠れた重いテーマ中高年貧困未婚女性
パラサイトシングルと言う考えは慧眼だったが正確な意味が顧みられたとは思えない

2位、令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜(1月3位、2月2位、3月3位、4月1位、5・6月3位、7・8月1位、9〜12月2位、上半期2位)2020年1月
2位には上半期2位のこの記事が入りました。結果的には2020年全ての月で3位以内にランクインするという安定した読まれ方で、令和の大きな宿題と言う新シリーズのトップを飾る記事としてふさわしい活躍をしてくれたと思います。結果的にはこのシリーズが2,4,5位ランクインし、作者冥利に尽きるところです。
記事としてはものすごい単純で文字通り、経済的に自立できない40〜64歳の中年未婚女性がどれだけいるかを計算し、消費増税後の小売り・飲食業の状況からその今後は厳しいだろうなと言う見込みを書いたものです。そしてその後、コロナの影響が大きくなり飲食・宿泊はより大きな打撃を受けただけに今年以降彼女たちをどうしていくかと言う政治的な問題が急浮上してきそうな気がします。

1位:若者の人生と言う希少資源を無駄遣いするもの
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写真:舞台に必要なものは...

1位、若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜(5月4位、7月5位、8月2位、9〜12月1位)2020年5月
さて2020年栄光の1位はこの記事になりました。下半期の覇権記事、特に9〜12月は圧倒的で文字通り「桁違い」に読まれ年間で見ても2位以下にダブルスコアと言う圧倒的な存在感を示しました。
記事としては平田オリザ氏の「製造業の場合は、景気が回復してきたら増産してたくさん作ってたくさん売ればいいですよね。でも私たちはそうはいかないんです。」と言う発言への反発の解説ですが特にこの騒動で掘り起こされた「見習い期間の時給300円」と言うくだりには反発が大きかったような気がします。平田オリザ氏を擁護するわけではないですが、演劇などの芸術で身を立てていこうという若い人をほとんどロハで使うという状況自体は平成初期にもその前にもありました。しかし平成初期と令和に入った今との違いは2つあります。それは、オリザ氏自身が鳩山内閣で内閣参与となり、また富山市、宝塚市、西宮市、現在本拠を構える豊岡市でアドバイザー、政策担当参与等の肩書で政治にかかわった事、そして平成初期団塊ジュニア世代が若かった時期に比べて若い世代が半減して文字通り希少資源と化した事です。
彼の罪の部分は現状ではあくまでネットでのバッシングにとどまっていますが、今後地方政界での世代交代などで問われることが増えていくような気がします。

いかがだったでしょうか、昨年はTOP10のうち5記事がその年書かれた記事、2つが2019年末期に書かれた記事と新記事が読まれたのは書き手冥利に尽きるところです。今年もより皆様に読まれるblogであるように努力していきたいと思います。

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2021年01月01日18:04
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書き手の事
雑感
yurukawa_ushi_sleep
画像:今年は三密を避ける為年賀状風に

読者の皆様

あけましておめでとうございます。当blogの管理人brother-tです。
昨年は当blogをご愛読いただきありがとうございます。昨年は地元横須賀を中心とした公共交通の情報発信のサイトも場の勢いでスタートさせ、なかなか忙しい1年でした。

横須賀公共交通弱小ポータルサイト

本年も変わらぬご愛顧をお願いします。
今年はどれだけ時間が取れるかは分かりませんがお金の話なんかも書けたらなと思っています。

それでは皆様と私の良い1年を祈願しています。

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