つれづれなるままに

2025年01月

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選挙の教育をどうするか

過度な「政治的中立性」が子どもの芽を摘む 日本の主権者教育の現実@毎日新聞2025年1月5日より
子どもは練習していないと、自転車に乗れない。
それと同じようなことが、主権者教育にも言えるそうだ。
それなのに、日本では文部科学省が求める「政治的中立性」に過度に配慮し、教育現場での主権者教育が形骸化しているとの声がある。
生徒たちがせっかく取り組んだ700人分超の政治意識調査アンケートが、大人の手によってシュレッダーにかけられる
しかも、ろくな説明もなく。
そんな出来事が北海道の公立高校で起きた。3年ほど前のことだ。
「困惑しかありませんでした」
いまは早稲田大の2年生になった奥山莉里花(りりか)さん(20)はそう振り返る。
当時、帯広柏葉(はくよう)高校(帯広市)2年生。学校新聞を発行する部活動「新聞局」の編集長を務め、このアンケートを提案した一人だ。


さて上の毎日新聞の記事から主権者教育に関する話が少し盛り上がっているようです。個人的には詳細が分からないので何とも言えないのですが、基本的に部活動で700人規模のアンケートを取ってアウトプットとして出す話と言う解釈の方が自然でその前提で言うならそこまでやる必要はないと考えます。ただその一方で舞台が東大や旧帝大に合格者を出す有力進学校である事を考えると一般的な主権者教育と考えるのも無理があるのではないかとも思います。とは言え主権者教育の話が盛り上がりそうなので少し考えていこうと思います。

帯広柏葉高等学校@みんなの高校情報

若い世代の主権者としての最大の課題:投票率の低さ
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国政選挙の年代別投票率の推移について@総務省より

さて帯広柏葉高校に通えるようなエリートはともかくとして若い世代全体で見ると主権者教育と言う点で考えると一番の課題は何でしょう?それは投票率の低さではないでしょうか?実際総務省の資料を見ると衆議院選挙において20代の投票率は全体よりも20%前後低く、2017年から始まった18.19歳の投票率も20代ほどではないもののやはり12〜3%ほど低く30代と比較しても有意に低い、これを考えるとまず考えていく必要があるのは投票率を上げる事ではないかと思います。

あらかじめ投票のやり方を教えて「初めての投票」への抵抗感を下げよう
投票日当日に投票所に行けない場合@横須賀市選挙管理委員会より
投票日当日に、次のような事由が見込まれるときは、期日前投票や不在者投票ができます。
仕事等に従事している場合
レジャーや用務のため、投票区の区域外に滞在中の場合
病気、出産、身体の障害などのため、歩行が困難な場合(一定の条件があります。)
天災または悪天候により投票所に到達することが困難な場合


投票率を上げると言っても色んな手段があると思いますが、宣伝、啓蒙でなくあくまで教育と考えると投票の仕方、特に期日前投票と不在者投票のやり方が重要ではないかと思います。また参院選や衆議院選挙など比例代表があり複数の投票を行うケースもある為、そのルールに関しても同じように重要だと思います。 一見投票の仕方なんてと思われる方もいると思いますが、例えば進学などで地元から離れた人にとっては不在者投票のやり方は重要ですがやったことがない人にとってはやり方は分からないのではないでしょうか?また同様に期日前投票も慣れれば簡単ですが、最初は何を持って行けば良いのか戸惑うのではないでしょうか?

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昨年の衆議院選挙の不在者投票用の宣誓書(他の選挙では使えません)

若い人の投票率と考えるといかにも若い人の資質に目が行きがちですが、投票のやり方をあらかじめ教える事で「初めての投票」への抵抗感を下げる事、それは教育で行えることですし、またその中で最も有効な手段ではないでしょうか?そしてこれは新聞部のアンケートが新聞部のない学校では出来ないのに対し、どの学校でもでき、どんな学校でもそれなりに必要とされる事なのではないかなと思います。

投票前に5分間選挙公報を確認しよう〜候補者情報の確認の仕方〜
衆議院議員総選挙 候補者・名簿届出政党等情報@神奈川県選挙管理委員会より
衆議院議員総選挙の候補者の氏名及び候補者・名簿届出政党等の情報は当ページよりご覧ください。
衆議院議員選挙・最高裁判所裁判官国民審査@神奈川県選挙管理委員会


さて投票の仕方が分かったら、続いてはだれに投票するかの情報となります。ここ最近の選挙ではSNSや動画サイト等での発信が注目されますが、あくまで教育と考えるとまず選挙における公式の情報がどこにあるのかと言うのが良いのではないかと思います。具体的には選挙公報及び候補者・政党の情報が良いのではないかと思います。

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候補者の氏名及び候補者届出政党の名称等

候補者・政党の情報と言ってもどの様なものかわからないかもしれません。昨年の衆議院選挙、神奈川県の場合上記の様なものがありました。これがあれば候補者の公式HPを調べる事も可能です。時間があれば各候補者のHPで詳細な情報を確認するのも良いと思います。またここ最近の流行であるSNSや動画では上手く情報収集しないと情報が偏るという問題に対しても一定の対策になり得るとも思います。

現行の選挙運動の規制@総務省より
【選挙運動期間に関する規制】
選挙運動は、選挙の公示・告示日から選挙期日の前日までしかすることができません(公職選挙法第129条)。
違反した者は、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処することとされており(公職選挙法第239条第1項第1号)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)。


また有名な選挙運動は前日までの為SNSでの発信に注意しなくてはいけない事等選挙運動の規制に関しても教えておく必要もあると思います。可能性としては低いとは言え罰金や選挙権・被選挙権の停止と言った厳しい罰則があるので不用意な行為への軛となる事を教えるのは教育の役目と言えます。

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2024年選挙公報@小選挙区神奈川11区

確かにベストを言えばキリはないですが、何もせずに適当に投票するよりも例えば投票前の待ち時間に5分程度でも選挙公報を確認して投票するという習慣があればどんなに忙しく時間が無くても最低限必要な情報を得ての判断となると思います。確かにベストではないかもしれませんが多くの若い人たちが一定レベルの情報を得て投票するという底上げの意味ではまず適切なやり方ではないかと思います。

プラスα〜政治家の仕事を知る機会を〜

【拡散お願いします】

今年のゴールデンウィークも横須賀市役所はオープンします。

生活にお困りの方、どうかご利用下さい🙏

くろまる4月30日、5月3日、5月5日、5月7日

くろまる市役所ほっとかん、または電話0468228070

くろまる生活保護の申請も受付ます

くろまる食料もお分けします(要予約0468228176)#横須賀市 pic.twitter.com/cbL7mG7nlc

— 藤野英明(横須賀市議会議員・無所属・50才)🌈🏳️‍⚧️💜🇺🇦 (@ycc_hf) April 28, 2023


現状の中学・高校教育がどの様なものかは分からないですが、やはり主権者教育と言う教育科目外の教育に関して充てられる時間は多くないと思います。その為多くの中学校・高校では前項目までに書いたことがやれれば御の字ですし基本的には前項目の内容に全力を尽くすべきだと思います。ただその上で余裕があるなら、現役政治家から政治家の仕事や、何を考えて活動しているかに関しての話をしてもらったらよいのではないかと思います。政治家の仕事と言うと、議会で法律や条例を作る事で、不真面目な人は議会で惰眠をむさぼってさぼっているというイメージの方も多いのではないかと思います

走水小PTA 通学の安全「懸念残る」 市教委に要望書提出@タウンニュース2024年7月26日より
横須賀市立走水・馬堀小学校の統合を巡り、走水小学校PTA、走水町内会、地元有志の「走水を想う会」は7月16日、通学の安全確保に関する要望書を横須賀市教育委員会に提出した。幹線道路沿いを長距離歩くことになる現走水小児童が安全に通学できるよう、スクールバスの運行や路線バスの増便などを求めたもので、同町内会住民による署名510筆も添えられた


しかし例えば学校の統合で子供の通う学校が遠くなったのでバスの増発やスクールバスの運行などの対応を求めると言ったケースで地域の要望を行政に伝える必要が出てきた時は政治家の協力を得られると有難いと思うケースも多いと思います。理由として政治家は
・平日の昼間に動きやすい
・行政の担当部署に関して一般の人よりは確実に詳しい
・議員の肩書があるので蔑ろにされずらい

といった特性からです。最後の箇所ばかり注目されがちですが、最初の2つは多分こういった事をやった事のある人ならその重要性が分かると思います。政治と言うと行政ばかり浮かびますが、場合によっては路線バス運行事業者など行政以外の存在との交渉も必要でその際に個人ではどうしても限界が出て来ても地域、行政を巻き込むことで出来る事は増えると思います。そう言った意味で学校の授業と言う場で政治家の話を聴けるというのは主権者教育としては大きいのではないでしょうか?
請願・陳情のご案内@横須賀市より
請願・陳情とは
市政についての要望などを、請願・陳情書として市議会に提出することができます。
提出予定の方はお早めに市議会議会局へご相談ください。
請願と陳情の違い
請願は市議会議員1人以上の紹介が必要ですが、陳情は必要ありません。


また当然手続き的な部分もあります。これは場所に寄るかもしれませんが横須賀では上の手続きで議会の陳情・請願が可能です。その際に請願では議員の紹介が必要です。そう言った事もこの議員の話を聞く際に教育しておくとスムースに出来るのではと感じます。実際あくまでプラスαと書いていますが、個人ではなかなかできない事と考えると、学校と言う公的な存在でこういった事をやる意義は大きいと思います。

終わりに〜成績上位10%に入れない学生の為の主権者教育〜
如何だったでしょうか?確かに帯広柏葉高校の新聞局の学生さんのアンケートのアプローチは素晴らしいです。ただ帯広柏葉高校の様な優秀な学生ばかり集まる学校での話は確かに素晴らしいと思いますが、ただその応用が利くのは所謂偏差値で言えば60以上、言って見れば成績上位10%の学生ではないかと思います。彼らの努力は素晴らしいですがただそれを前提にしたりそればかり話すのはやはりずれたものとなってしまうと思います。その為に成績上位10%に入れない学生の為の主権者教育として大切なものとして
・選挙の投票に必要な基本的な手続き(不在者投票、期日前投票)
・公式が用意する選挙の為の判断情報の存在(選挙公報、候補者情報)
・投票日当日の選挙応援禁止などの選挙ルール
・政治家が何をしているか、どの様に使うかを知るために政治家本人の話を聞く

と言った事を上げました。これが正しいかどうかは分かりませんが、現状分断と言う言葉が大きく言われている中での主権者教育で重要なのは帯広柏葉高校の様な優秀な学校に通っている成績上位10%でなく、それ以外の学生がきちんと主権者としての第一歩目を歩める環境を作る事と言うのは納得してくれる人は多いと思います。この記事がそれをどうするのかを考えるきっかけとなって呉れたら幸いです。


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さて2023年12月のランキングです。
1.1993年はもう終わったんだという喝!!〜張本・三浦カズ騒動に思う〜
2.平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり〜兵庫県知事選挙に思う〜
3.高橋しょうごの言葉を思い出す選挙〜都知事選2024に思う〜
4.男性を結婚と言う投資にいかに引き戻すのか〜出生数回復の切り札〜
5.令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜

1位には1993年はもう終わったんだという喝!!〜張本・三浦カズ騒動に思う〜がなんと記事リリース9年に手初めてトップになりました。2位には兵庫県知事選挙の2候補者の政策を比較した平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり〜兵庫県知事選挙に思う〜が月末りるーすなのにもかかわらず2位に滑り込みました。3位には高橋しょうごの言葉を思い出す選挙〜都知事選2024に思う〜が先月に引き続き入りました。4位には男性を結婚と言う投資にいかに引き戻すのか〜出生数回復の切り札〜が7月以来のランクインとなりました。5位には令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜が先月の1位からランクダウンしました。

さて2024年の年間ランキングです。

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韓国プロ野球を作った英雄が投げかけた宿題を放置したJリーグの未来は@マリノススポーツパーク
10位〜7位:10年続く問題をどう解決していくのか
10位 コスパと言う言葉が語るもの2015年9月(3月1位、上半期2位)

10位は10年前作成、2024年上半期2位の記事が逃げ切りランクインしました。

「結婚を避け、子供をもたない」ほうが人生のコスパが良い...現代の日本人に起きている"憂慮すべき変化"@President@2024年3月17日

さて背景にはこの記事を書くきっかけとなった熊代亨氏のblog記事があったのですがその2024年版と言える記事が出てきたからと思われます。「年貢の納め時」と言う言葉が象徴するように昔にも結婚のコスパを考える人自体はいたものの最終的に様々な状況から今と違い結婚する男性が多かったというのが私なりの論です。

45歳の独身が狂う説を考える@agora2024/12/7

最近では45歳まで独身でいると狂うという説が出て来ていますが、これも個人的には懐疑的です。2020年段階でも50歳の男性の未婚率は30%近く、今後この割合は維持あるいは拡大していく可能性が高いと考えると少なくとも男性に関しては未婚がマジョリティとまではいかないまでも少数派とも言い切れない状況になるのを考えると「狂う」と言うのは違う様な気がします。この手の脅しの論説が出て来るというのはやはり結婚そのものが制度的に行き詰りつつあり、その解消の為には誰かが傷つく形での思い切った改革が求められるのではと感じています

9位 お金の話外伝〜ロスジェネ貧困女性の挽回策はあるか〜 2021年11月(4月5位、11月5位、上半期8位)

9位にはロスジェネ貧困女性の生き残り策として介護の様な人手不足の業界で働き、NISA,iDeCo,年金の繰り下げ受給などのお金に関する優遇策を活用していくのが良いのではと書いた記事が入りました。

税制改正で「イデコ改悪」と不満広がる 65歳で受けられた税優遇が70歳に引き上げ@2024年12月26日

この記事で取り上げたiDeCoに関して税制改定でiDeCo一時金の支給受け取りから5年間たつと退職金の税制優遇が復活する制度が10年間絶たないと復活しない形となるとの事で話題になっています。改悪と言える改定だと思いますが、一方でこの改定で導こうとする方向性は「70歳まで働いてほしい」と言うのが見て取れそうです。

退職金は「2000万円」! 課税が見直されると「手取り」はどのくらい減る? 老後設計への影響も解説@ファイナンシャルフィールド2023年8月12日

また実現こそしていませんが2023年には退職金の控除の拡大が話題になっている事を考えると、退職金にあまり多くを求めると、足元をすくわれる可能性が高いという前提で考えていった方が良さそうです。

8位 令和の大きな宿題その25 即決を避けるべき時代〜ポストコロナ・インフレ時代に思う〜 2023年12月(1月3位、2月4位、3月3位、8月1位、上半期6位)

8位には昨年末に書いた今年度の予測に関する記事が入りました。

令和の大きな宿題その28 分断を乗り越える橋〜アメリカ大統領選挙に思う〜

世界的には今年一番の予想外の事象はトランプ大統領の再選でしょうか?2016年の時とは違い、ロシアとウクライナをはじめ様々な戦争にフォーカスが当たっている状況と言うのは興味深いところです。コロナ後でありロシアウクライナ戦争の激化でインフレが起こった関係で国民・市民に様々なフラストレーションが積み上がり、所謂西側諸国で政治的不安定になっている事を考えると来年も状況を慎重に見極め、即決を避けるべき時期は続いているのではと感じています。

7位 1993年はもう終わったんだという喝!!〜張本・三浦カズ騒動に思う〜 2015年4月(6月2位、7月3位、12月1位)

7位にはこれも10年前の記事、張本勲氏が当時J2でプレーしていた三浦カズに対してTV番組で「喝」をして炎上した事件をきっかけに書いた記事が入りました。

[フレーム] 今年は「税リーグ」と言うJリーグの蔑称がよく聞かれました。スタジアムや練習場に関して地域の行政の負担が多い事を揶揄したネットスラングですが、このスラングを聴くたびに10年前の張本氏がたんに三浦カズ選手だけでなく、サッカー業界全体に「世界でもTOP10に入るプロ野球リーグを作った男」として「喝」を入れたのではないかと言う思いが強まりました。張本氏の騒動があった10年前でも新規観客が入ってこない事による観客の高齢化、チームの赤字など現在に続く問題が顕在化し、そしてその問題が新型コロナなどもあり解決しないままそれまで陸上競技場を共有しているケースの多かったスタジアムをサッカー専用で建設する際の行政の負担の多さに関する地域との軋轢が昨年目立ってきたというのは相当厳しい状況です。今年は出来ればまたJリーグについても書きたいところですが果たしてどうなるやら。

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イトーヨーカ堂は復活できるのか@ベルモール
6〜4位:弱者女性とイトーヨーカ堂の苦境
6位 平成の終わりに考えるその1〜女性の社会進出と8050問題〜 2018年3月(9月1位)

6位には札幌で起こった母娘孤立死事件から書いた記事が入りました。これも7年前の記事になります。

ジェンダーギャップ指数の読み解き方(2024年版)

この記事では毎年そのランキングが出るとちょっとした騒ぎになるジェンダーギャップ指数の話も書いているのですが、昨年はジェンダーギャップ指数の低さ=女性の努力不足と言う部分をきちんと綿密に書くblog記事が出てきて少しびっくりしました。本来ならアカデミーポジションの人が1つの理由として挙げる必要のある個所だと考えていたのですが、市井の人が綿密に調べこみアカデミーポジションにいる人と遜色のない論説が出て来るのがだんだんこのジャンルでは習いになっていて今年はアカデミーポジションの人間の責任も含めてより突っ込んだ議論がなされそうな気がします。

5位 令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜 2022年12月 (6月4位、9月3位、上半期3位)

5位には女性の貧困に関してまとめたこの記事が入りました。

平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり〜兵庫県知事選挙に思う〜

この記事が書かれた時期くらいまでは中高年貧困女性の問題は比較的政治的に重要なトピックだったのですが2024年はそれが後景にかすんでいった一年ではなかったかと思います。中高年貧困女性の問題が解決したからと言うよりも、これまで様々な施策を行ったうえでの結果と考えると貧困男性同様の扱いで良いという方向に近づいているのかなと感じます。とは言え貧困男性の問題も含めて解決・緩和は必要ではあると思いますので何かしら情報発信は行っていきたいとは思っています。

4位 令和の大きな宿題その26 イトーヨーカドーの苦境があらわす経済圏の時代 2024年2月 (2月2位、4月3位、10月1位、上半期3位)

4位にはイトーヨーカ堂の地方店舗の大規模な閉店をきっかけに書いた記事が入りました。

京急電車乗車ポイントについて少しまとめて見る

他サイトの記事ですが京急をはじめ2024年は大手私鉄の多くが乗車ポイントを導入しました。これは鉄道乗車時運賃の一定割合を私鉄各社のスーパー百貨店などで使えるポイントとして付与したり、逆に私鉄各社のポイントをPASMOにチャージできるようにするといった施策で、ある意味で鉄道から小売りその他がポイントで一気通貫でつながる事でシナジーを目指す施策なのですが、イトーヨーカ堂に関してはスーパーをはじめとする個々の業種の収益性は悪くないものの、ポイントやカード、銀行などを軸としたグループ全体で収益を上げていく体制が弱い事で現状に繋がっているのではと言うのがこの記事の趣旨です。比較対象のイオンはこの辺の金融を中心としたグループ化が上手かったのが個々の収益性で決して上回っていない中でも大規模な閉店と言う事象に繋がっていないのではと分析しています。

【2024年問題】スーパーで品切れが増える? 配送業者の働き方改革 「特売の頻度が減る」可能性も@カンテレ2024年4月17日

昨年もそうですが、今年も引き続きインフレや物流の問題を考えると規模による供給力の重要性も増してきます。少なくとも現段階で日本最大の流通グループであるセブン&アイに挽回のチャンスは十分にあるとは感じますが、昨年同様閉店が続くとそれも危なくなってくるのも確かで今後も注目したいところです。

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3位:選挙の一年
3位 高橋しょうごの言葉を思い出す選挙〜都知事選2024に思う〜2024年7月 (7月1位、11,12月3位)

今年、特に下半期は注目される選挙が多い1年でした。衆議院選挙、東京都知事選挙、兵庫県知事選挙など大規模な選挙で予想外の結果が出て注目されました。

石丸伸二は劣化版蓮舫なのかもしれない

特に2つの首長選挙は都知事選挙では野党第一党である民進党党首経験者の蓮舫候補が前安芸高田市長の石丸伸二氏の後塵を拝し、兵庫県知事選挙では所謂パワハラ疑惑があり、県議会で全会一致で不信任された斎藤知事が再選されました。その中でx等のSNSやYoutubeの切り抜き動画などのネットの影響の大きさが注目されました。

稲村和美はなぜ負けたのか〜兵庫県知事選挙雑感〜

個人的にはネットの影響がなかったとは思いませんがそれに加え2つの点がこの2つの選挙に影響を与えたのではと思います。1つはリベラルの女性候補バブルが崩壊した事、これは都知事選挙の蓮舫氏、兵庫県知事選の稲村和美氏を見るとわかります。彼女たちは確かにリベラル系の固定層の支持は得られたかもしれませんが、その外の支持を得る事に関して適切な行動をとれず石丸、斎藤両候補の後塵を拝した訳です。一方女性だからダメではないというのは都知事選で女性候補である小池百合子知事が当選している事からも見て取れます。

石丸伸二が奏でる令和日本のヒルビリーエレジー
平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり〜兵庫県知事選挙に思う〜

そしてもう1つは政策の重点を置く対象が女性から若い世代に移った事、この事はネット戦略と連動して石丸、斎藤両候補は30代以下の若い世代を中心とした支持層をつかむことに成功しました。そして重要なのは兵庫県知事選挙では対立候補の稲村和美氏も同じ方向の政策を打ち出している事です。2025年の首長選挙では若い世代の教育を重視した政策を出す候補が増える反面、ジェンダー系の政策は後退していくのではと感じます

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中高年独身女性が実家を出る日
2位 貧困女性予備軍200万人の時代
2位 令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜 2020年1月 (5月1位、6月3位、7月4位、8月5位、9月2位、10月5位、11月1位、12月5位、上半期5位)

2位には実家から出られない貧困女性予備軍とも言える中高年女性の人数を試算した記事が入りました。

「男性中心社会」が生んだ高齢単身女性の貧困 自己責任ではない問題@朝日新聞2024年3月11日

5位の記事にも共通する問題ですが、これまでの高齢者は男女雇用機会均等法以前でさすがに自己責任とは言いづらいものの、均等法世代以降、政治的にも経済的にも様々な投資がなされた世代を同じように扱うのは難しくなってくるでしょう。

平成の終わりに考える外伝6:「女性」を特別扱いする時代の終わり〜兵庫県知事選挙に思う〜

実際政治的には女性向けの政策を縮小する志向が出て来ています。9位の記事はある意味でそう言った時代での彼女たちへの処方箋のつもりで書いていますが、政治が彼女たちへのスタンスをドライにしていく時代こういったアプローチをどれだけ増やせるかは大きなポイントになってくると思います。


1位 フローからストックが重要になる時代
1位 お金の話その5〜復活する金利が問うもの〜 2023年10月 (1月2位、2月1位、3月2位、4月1位、5月3位、6月1位、7月2位、上半期1位)

1位は一昨年後半に金利復活の傾向が出てきた際に書かれた記事が入りました。下半期は伸び悩んだん感がありますが上半期の貯金で逃げ切ったという感じでしょうか?

所得税は働く人の給与からの税金と言えない時代を迎えつつある

さて記事の内容は金利が復活する事で住宅ローンの負担が重くなり、政治は財政を重視し、極端に言えば「地方から一生懸命勉強して都会の名門大学を卒業して大企業の就職し、通勤圏に新築不動産を購入する」ような人に逆風となる反面、実家暮らしなど家やクルマの費用を抑えて資産、特に現金を持つ人に有利な社会となるというものです。加えて注目したいのは2010年代末には源泉所得税の内訳の4割が株の配当などからの分離課税によるものとなっていて、国としてもかつてよりも稼ぐ人を重視する理由が減じている面も注目したいところです。言って見れば今起こっている変化はフロー強者からストック強者に経済的な主役が移ってきている事なのかもしれません

如何だったでしょうか?2024年はnoteでの記事が増えた1年でもありました。2025年の年間ランキングではもしかしたらnote,blogの混合ランキングとなっているかもしれません。それでは本年も本blogおよびnoteをよろしくお願いします。


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2025年01月02日17:28
カテゴリ
書き手の事
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