つれづれなるままに

2023年01月

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写真:地方のクルマ社会を象徴するもの@イオンモール高崎

さてお金を貯める事を考えるシリーズ第3弾、今回はある意味で本丸と言える部分を見ていきましょう。

ポケットからお金をとっていく負債〜家とクルマ〜
「固定費削減=半永久的な節約」 月約5.4万=年間65万円削減した筆者の家計見直し「4つの項目」@マネーの達人2020年1月6日より
家計を黒字にするには「収入>支出」の原理原則を守る必要があり、収入を増やすか支出を減らすしかありません。〜中略〜無理なく節約するには「固定費削減」が鉄板です。〜中略〜
家計の支出には固定費と変動費があり、固定費は毎月変わらず出ていく費目です。例を挙げると、
住居費
・ 水道光熱費
・ 通信費(携帯電話代)
・ 生命保険料
車のローン、駐車場代
・ 習い事代
まずはこれらの固定費に着目して節約することが効果的です。〜中略〜
自動車の所有にいくらかかっているか計算したことがありますか。
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一例ですが、軽自動車で約3万円/月、普通車で約4.5万円/月かかってしまいます


お金の話も第3弾となりました。さて上で長々と引用してしまいましたが、ファイナンシャルプランナー(以下FP)さんが書いている節約・資産形成の記事で定番となっている項目として固定費、特に家とクルマの費用を削ろうという話があります。例えば首都圏で家を借りると一人暮らしでも5万円以上、下手をすれば10万円以上かかりますし、引用の記事にもありますように自動車を保有するとローン、駐車場・保険も含めると軽でも3万円、普通車なら5万円近くかかります。これを節約できれば大きいのは言うまでもないです。

「資産は私のポケットにお金を入れてくれる負債は私のポケットからお金をとっていく」とはロバートキヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん」の名言ですが、言うなれば家やクルマはさしづめ「私のポケットからお金をとっていく」負債の筆頭とも言えるものではないでしょうか?

親子連結で年132万円節約〜最強の負債回避術実家住まい〜
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写真:パラサイトシングル、子供部屋おじさん/おばさんとも言われるが...

さて「家とクルマの負担を避ける」、この事を考える際に重要な事は何でしょうか?クルマのいらない交通の便利な地域に住む、築50年くらいの古いぼろ屋でも良いから家賃の安い住宅に住む、こう言った事を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかしそもそも生まれ育った実家に住み続ける以上の選択肢はあるでしょうか?仮に管理費・ネットなどのインフラ費を含めた住居費を月7万円、車保有費を月4万円とすれば月11万円、年間132万円となります。家は実家、車が必要な地域の場合でも家のクルマをシェアする形ですから、実家住まいなら仮に生活費等で親に毎月いくらか収めたとしても親世帯との連結でまるまるこの132万円が節約できる形となります

令和の大きな宿題その19 上がり過ぎた普通を問うもの〜金融緩和の終わりに思う〜より
かつては「年収の5倍の価格の住宅」だったのが今は「年収の平均6.5倍の住宅ローンフラット35なら最大10倍」となっています。「年収の5倍の価格の住宅」であれば2割の頭金を用意するとすれば「年収の4倍の住宅ローン」となります。そう考えてまとめると
・年収の4倍の住宅ローンが6.5倍に増大
その為
返済期間が延びて返済終了年齢が73歳
3/4が金利の低い変動金利
変動金利の44.8%が融資率90%以上
と平成初期からかわってしまった訳です。
親世帯とは別財布と思われる方もいるとは思います。平成に入って頭金が0か10%未満、ローン返済終了予定年齢が70歳越え、年収の6倍以上の住宅ローン、こういった無理の中で親世帯がローンが破綻あるいはそれに近い水準になったり、介護が必要となり、その際に親自身に貯えが無かったら子供世帯の負担が0になるでしょうか?
そう考えた時にこの親世帯と連結で年132万円浮くというのは大きいと思われます。
この132万円は食税や社会保険料を差し引いての額なので税引き前の年収で考えると200万円弱に匹敵します。言って見れば実家住まいか否かで額面年収200万円の差に匹敵する経済的な有利になるとすらいえます

限界ニュータウンに100万円で家を買った人から学ぶ優先順位の大切さ
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写真:実家に住めない場合部屋選びが大きなカギを握る

さて実家から離れた地域で働いたり、実家との関係がよくなかったり、純粋に結婚などで実家から自立したりと言った事情で実家から出る場合、どこかで住む場所を確保することになります。その際にどの様な場所を確保するのか
・クルマを利用するのか
・鉄道駅からの距離などの交通の利便性
・周辺の買い物の利便性
・子供がいる場合、学校からの距離、公園などの子育て環境
・集合住宅の場合の階数
・どの程度の面積のを確保するのか
等様々な条件が挙げられます。

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その中で条件を取捨選択するのですが、基本的に条件を絞り込む方が住居にかかる費用が低減できるのは言うまでもありません。上の動画は交通の利便性や買い物環境・教育環境などが悪すぎて高齢化が進んだ所謂限界ニュータウンを100万円強で購入し、別荘兼仕事用の資料を保管するために活用している方の話です。この方の場合、クルマをフル活用する事で他の条件を極力抑える事で住宅の費用を抑え込み、自然豊かな郊外生活を楽しむというスタンスです。この方のやっている事はある意味で極論ではあるのですが、自分の生活で何が必要で、何があれば楽しめるかをきちんと把握する事で廉価で心地よい自分の拠点を確保するというのはこれはこれで一つの考え方です。

一戸建ての維持費はいくら?年間費用や内訳をマンションと比較!@すまいステップ2022年7月26日より
まず結論からお伝えすると、一戸建ての維持費は年間で約40万円かかります。
下の表は新築の一戸建てを30年間所有した場合にかかる維持費用とその内訳です。
維持費用項目 一戸建て
税金 300万円
修繕費用 800万円
保険料 80万円
合計 1,180万円
30年間の合計が1180万円で、1年間にならすと年間39.3万円となります。 マンションの維持費は高い?月額・年額の目安と一戸建てとの比較も解説@ゼロリノベ2022年5月24日更新より
分譲マンションを購入して住み続ける場合、以下のような5つの維持費がかかります。
維持費の種類 平均月額 平均年額
(1)管理費 毎月1.5万円〜2万円程度 毎年18万円〜24万円程度
(2)修繕積立金 毎月1万円〜1.5万円程度 毎年12万円〜18万円程度
(3)駐車場代など 毎月5,000円〜3万円程度毎年6万円〜36万円程度(注記)車が無い方はゼロ
(4)固定資産税など ー 毎年10〜15万円程度(注記)東京都内の新築マンションの場合
(5)保険料 ー 毎年5,000円〜1万円程度(10年払い)
合計 毎月3万円〜6.5万円程度 毎年46.5万円〜94万円程度
これはあくまで平均相場を示したもので、住人向けの施設が充実しているなど管理費がかなり高めのマンションや、都内の人気のエリアで駐車場が非常に高いマンションなどはこれよりもかかる場合があります。


ただ注意しないといけないのは一戸建てなりマンションなりを保有するとメンテナンスや固定資産税保険料などの維持費負担があり、どんなに安く住宅を取得しても年30万円、月2.5万円以上の維持費負担を覚悟する必要がある事、また限界ニュータウンの動画でもあった水道代の問題などインフラ関連の負担の可能性もある事です。その為に仮に無料で住宅を取得できたとしてもあくまで地域の最低家賃程度の負担はあると考えておいた方がよさそうです
ただ重要なのは自分にとって何が必要か、何が欲しいか明確にしておく事でそうすれば思いの外廉価にそれを実現する手段があるという事、この100万円で限界ニュータウンに家を買った方の動画が語っているのはその事の様な気がします。
単身赴任のおっさんから学ぶクルマなしの地方・郊外生活

車ないとまじ死ぬ。

バスは家の近くのバス停だと週3日一日5本(午前2午後3)

毎日通ってるバス停まで徒歩45分
電車最寄り駅は徒歩2時間

しかも道ずーーーーーと坂道というか山道なので自転車はほぼ無理。 https://t.co/1RGBDbDKjI

— 五更アヤネ(猟歴3年目突入) (@gudagudabrog) December 18, 2022


さてその上で住居費の節約について考えるとやはりクルマの保有が左右する面が大きいと思います。しかしクルマ社会の地方や郊外ではそれは難しいという意見が多いですし、それ自体は間違っていないと思います。
ただ地方でも例えば大きな企業の工場などで大都市から転勤してきた単身赴任者や若い社員で「クルマを持たない」生活をしている人と言うのはいるのではないでしょうか?
単身赴任者で言えば自分も経験しているだけに分かりますが移動の優先順位が明確です。
1,職場への移動
2,スーパー、ショッピングセンターなどの日用品の買い物の移動
3,その他の移動
言って見れば仕事の為に引っ越しているので仕事最優先、その上で生活に必要な最低限を何とかするというスタンスです。
このスタンスから見えるのは質はともかくクルマなしでも通勤と買い物、特に通勤さえ徒歩・自転車・公共交通で可能であれば最低限の生活は何とかなると思われます。ただこれはあくまで最低限ですので、当然クルマがあったほうが便利ですのでこれをそのまま応用は出来ませんが、もし複数台クルマを保有している場合、通勤を徒歩・自転車・公共交通に変更する事でクルマの保有台数を減らすことが可能となります。

まとめ
さて如何だったでしょうか?最初に書いた様にクルマと家、これらを節約すれば年100万円以上額面年収で言えば200万円位差が開く重要な項目です。特にクルマに関して言えるのですが、いろんな条件を満たすと便利ですがその便利さにはお金がかかります。故に何が必要か、何が欲しいか明確にする事それが大切なのではないかなと思います。それではこの雑文が皆さんのお役に立てたら幸いです。


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中国総人口、22年末61年ぶり減少 止まらぬ出生減@日経新聞2023年1月17日より
中国国家統計局が17日発表した2022年末の総人口は14億1175万人で、21年末から85万人減った。61年ぶりに減少した。22年の出生数は106万人減の956万人となり、2年連続で1949年の建国以来の最少を記録した。政府は産児制限を事実上廃止したが少子化に歯止めがかからない。 総人口は香港やマカオを除く中国大陸が対象で、外国人は含まない。死亡者数は1041万人で、前年から27万人増えた。死亡者数が出生数を上回ったため、2022年末の総人口は減少に転じた


さて日本のお隣の大国中国が2022年61年ぶりの人口減少に陥ったそうです。前回1961年の人口減少が所謂失政による飢饉であったのが今回は1949年の建国以来の出生数の少なさが原因だそうです。

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グラフ:2010年代の中国出生数の推移(JETRO資料より)

上はJETROの資料からの引用ですが2016年1786万人あった出生数が2022年に956万人とわずか6年で46.5%と急激な減少を見せていて同時期、出生率が低下したと言われる日本が97.7万人→78万人で20.2%の減少ですからいかに急激に出生数が激減しているかわかると思います。

【詳しく】中国 61年ぶり人口減に転じる 今後の影響や見通しは@NHK2023/1/17より
国連が去年発表した報告書は、インドの人口がことし中国を上回り世界最多になるという見通しを示していました。
中国 去年のGDP伸び率 前年比+3.0% 2020年以来の低水準に@NHK2023/1/17より
中国の去年のGDP=国内総生産の伸び率は、前の年と比べてプラス3.0%でした。厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が影響し、政府が掲げたプラス5.5%前後という目標を大きく下回りました


そして同じ日に今年人口でインドを下回り世界人口最大国家から陥落する事、かつては10%近いのが当たり前だった経済成長率が3%と政府目標を大きく下回る事も発表され21世紀に入って急成長し、2010年代日本に代わり世界第2位の経済大国に上り詰め飛ぶ鳥を落とす勢いだった時代が徐々に終わりを告げつつあることを印象付けました

人口減の中国、若者に広がる「横たわり主義」 結婚、出産にためらい@毎日新聞2023年1月17日より
北京市内で小学生の長男(8)を育てる不動産会社の男性社員(37)は「住居費、教育費などあらゆる費用が高すぎる。それに加えてコロナで景気が悪くなった。今の状況では子供1人育てるだけで精いっぱいだ」と現状の厳しさを訴える。
中国教育省によると、22年には1000万人以上の大卒者(短大、大学院生を含む)が労働市場に出た一方で、習近平指導部の規制強化を受けて業績が落ち込んだIT企業が人員削減を進めたことなどもあって、若年層の就職難が深刻化している。22年7月には都市部の16〜24歳の失業率が19・9%と過去最悪の水準に達した。北京市内の大学院に通う女性(24)は「自分自身の将来さえ見通せないのに、子供を出産するということは到底考えられない」と語る。
令和の大きな宿題その10〜少子化政策は地に足ついたものに転換できるか〜より 何故韓国の出生率はここまで急激に落ち込んでしまったのでしょうか?まず出てくるのは若者の経済的苦境、雇用問題です。韓国と言うとサムソン、ヒュンダイ、ロッテのような大企業が注目されますが、その様な大財閥を除くと中小企業が弱く、若い世代の1/4が失業状態(純粋な失業者と言うわけでなく非正規雇用なども含むと思われる)で海外就職のあっせんを行っているほどです。〜中略〜
もう1つ重要なのは住宅問題、日本では敷金礼金1月分ほどと引っ越しにかかる費用でせいぜい数十万円でアパートの部屋が確保できるのに対し「チョンセ」と言う制度によりそれが一桁多い数百万円かかるというのも大きいです。


飛ぶ鳥を落とす勢いだった中国を襲った急激な少子化と言う病魔、その背景には何があるのでしょうか?それは教育費と住居費と言う2つの大きな負担、言い換えると「都会の大学で学び大企業へ就職し中流生活を送る」と言う人生の黄金ルートが揺らいでいるにより起こる現象です。北京のような大都市で高等教育を受けた若い世代を襲う高い失業率、世界一少子化が進んだ韓国と似たような光景が現れたのが象徴的ではないかと思います

台湾、女性対象に初めて兵役の軍事訓練を実施へ@AFP通信2023年1月17日 台湾軍は17日、兵役の軍事訓練を初めて女性に実施する計画を発表した。
台湾国防部(国防省)は、退役した女性兵士約200人に対して自主的な軍事訓練に登録することを、今年第2四半期から認める計画だとしている。


そしてその先にはどの様な世界が待っているのでしょうか?それは「女性が兵隊になる義務・責任から逃れられない世界」ではないかと思います。中国の人口減少が報じられた当日、対岸にある韓国に次ぐ少子化国家とも言える台湾で女性対象に兵役の軍事訓練を行った事が報じられました

【詳しく】中国 61年ぶり人口減に転じる 今後の影響や見通しは@NHK2023/1/17より
内陸部の内モンゴル自治区出身だというこの女性は、大学卒業後、企業で務めたあと、10年前からバーなどの飲食店を経営しています。
趣味のゴルフだけでなく定期的にジムにも通い体を鍛え、長期休暇には海外旅行をするなど、仕事以外の時間を自分だけのものとして楽しんでいるといいます。
女性は、結婚したり出産したりして夫や子どもなどに関わることになれば自分だけの時間が減り、いまのような生活はできないとして結婚は考えていないといいます。


こういった少子化の話の際、良く出て来るのは経済的に自立し、結婚が負担と言う女性の話、しかし少子化が進んだ際には兵役に代表される不文律的に女性たちが免除されて来た義務や責任が「人がいない」為有無を言わさず女性たちに降りかかってくるように感じます

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まずは2022年12月のランキングです。

1.令和の大きな宿題その17〜ルンペンブルジョワジーとその未来学〜
2.令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜
3.令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜
4.若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜
5.Choose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角

さて注目したいのは11・12月にリリースされた2記事令和の大きな宿題その17〜ルンペンブルジョワジーとその未来学〜令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜がそれぞれ1,3位には行った事でしょうか?かたやクレーマーと化して社会に迷惑をばらまくインテリ層、もう片方は平成期に男女雇用機会均等法を始めとした各種法令や制度が整い、男性が結婚から距離を置く中、結婚・企業双方から包摂されない中高年貧困女性の話、双方に通底するのは「平成に変わった世の中から取り残された」と言う点かもしれません。2位令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜、4.若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜は昨年の年間ランキング1・2位コンビと年間ランキングの前振りにふさわしい(?)ランクインです。5位はChoose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角、少子化関連の最新記事でこのテーマの根強い人気を思わせます。

さて12月のランキングも終わりましたので年間ランキングに移りたいと思います。

10〜7位:少子化・赤字旅客鉄道線・お金・中高年未婚貧困女性、多様なテーマが見られた1年
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今年はJR赤字旅客線の問題が世間を賑わせました。@水郡線
10位.令和の大きな宿題その10〜少子化政策は地に足ついたものに転換できるか〜(2月3位、上半期7位)2021年6月

10位は昨年書いた少子化関連の記事が初の年間ランクインしました。

日本と欧州で出生率がこれだけ違う不都合な真実 令和の時代もひきずる昭和的価値観の呪縛@東洋経済2022年12月31日

さてこの手の話題では相変わらず欧州を正解としたガサツな論が大手を振っている訳ですが、そもそも論として欧州には東名阪福の様な「独立採算の私鉄企業が成り立つ」求心力の高い大都市がないわけで、もし東名阪福を除いて考えるなら日本と欧州の差は殆ど移民の差で説明がつくくらい小さくなるというのは前に書いた通りです。

北海道新幹線は少子化解消に切り札になり得るか

その上で国内の東西差に注目して書いた記事です。出生率の高い西日本と低い東日本の最大の差は男性の婚姻率であり、そこに着目する必要があるのではないかと言うのがこの記事での結論ですが、国内の比較にすら目が回らない少子化対策はもうそろそろやめたほうがよさそうに感じています。

9位.令和の大きな宿題その15 バス転換と言う贅沢が許されない時代に〜赤字鉄道路線廃止問題に思う(9月1位、10月5位)2022年9月

2022年はJRの赤字旅客鉄道線の赤字問題が注目されました。これだけ輸送密度なんて言葉が行きかった国鉄分割民営化以来の事だったのかもしれません。

令和の大きな宿題その12 JR西日本が投げかけたもの
Choose or Loose課題多き参院選2022その2〜ローカル線問題が民主主義に投げかけるもの〜
赤字鉄道路線旅客輸送活性化策らしきもの その1:イオンバスから学ぶもの
赤字鉄道路線旅客輸送活性化策らしきもの 外伝その1〜ふかや花園駅を行く〜

その為、今年はこの問題に絡む問題をいくつか書きました。この問題に関しては極力ローカル線と言う言葉は避けているのですがその理由としては貨物列車や特急の走る所謂幹線的な性格の路線が多い事、また鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会での取り敢えずの結論として「まずは都道府県レベルで話し合ってください」「貨物と旅客は別問題ですよ」との事ですが、結局の所多くの路線が都道府県を跨ぎ、上越線・羽越本線・奥羽本線をはじめとする貨物で活躍する路線も俎上に挙がっている以上ほとんど都道府県では解決できないというのが正直な所ではないでしょうか?羽越本線・奥羽本線を抱える秋田県が真っ先にバス転換を受け入れたのがこの事を示しているように思います。少なくとも「秋田県にとって」これらの路線を抱え込むのはあまりにコスパが悪すぎます。そして昭和末期の国鉄再建の議論との違いは少子化で人の確保が難しくなっている事です。バス会社やトラック会社がどれだけ人手が足りないかを考えないと社会が痛い目を見そうです。ただ現状の赤字路線の活性化は考えていく必要があります。貨物輸送のマネタイズ、乗客の確保、そういった点は今年も積極的に書いていきたいと思います。


お金の話と言えばYoutuberの鞍馬さんのこの本はお勧めです。
8位.お金の話その2〜まず100万貯めるんだ〜お金の主人になるために(3月2位、5月3位、6月2位、9月4位、上半期6位)2022年2月

8位はお金の話、「まず100万貯めるんだ」と言う古の2chコピペに触発されて書いた話です。

令和の大きな宿題その13〜この指止めて前を向こう〜
令和の大きな宿題その17〜ルンペンブルジョワジーとその未来学〜

実際このお金の話、書こうと思った理由の一つは例えば上の2記事なんかに関わる各種炎上に関して、良い悪いの議論は多くても、実はツイッターに張り付いて炎上騒ぎを起こしている人たちに対して必要なのはこの「まず100万貯めるんだ」と言う言葉なのかもしれないなと思った事です。
その上で考えると記事にも書きましたがこの100万円と言うのは非常に良い基準だなと思います。確かに資産100万円が大金持ちと言う事はないですが、多分10万円だと多くの人にとって給料日直後であれば達している額ですし、1000万円だと途方もなく遠く感じる額です。そしてこの100万円と言う額、俗にいう生活防衛資金=半年の生活費と言うのにも概ね合いますし、引越しなどの生活の変化にも対応できる額です。どんな状況にも概ね対応できる経済基盤とそれを築き上げた経験を以て自分の人生を豊かにする資産を築き上げていく一里塚として丁度良い額、当然資産を築かずに生きる自由はある訳ですが、訳も分からず不安でその犯人探しと悪者叩きをするよりはよっぽど前向きで良いのではと感じています。

2024年から始まる新NISA制度・NISA制度改正についてFPが解説!@マネックス証券

そして来年から新しいNISAも始まりますし、このお金の話は今年も力を入れていこうと思います。

7位.令和の大きな宿題その1〜親から自立できない中年未婚女性はどれだけいるか〜(12月2位、上半期8位)2020年1月

7位には2020年21年連続年間2位の準覇権記事が入りました。外伝を含めると20以上もの記事を書いた党blog最大シリーズである令和の大きな宿題のTOP記事、今年はさすがに他の記事に道を譲る事も多かったですが12月に2位にはいる等、令和と言う時代に残された最大の宿題として多くの人達にこの記事のテーマである「中高年期に入ったバブル世代〜団塊ジュニア世代の結婚にも企業にも包摂されなかった女性達」の問題は認識されているのではと思います。

子がいない「中高年単身女性」の知られざる貧困@東洋経済2022年12月5日
中高年シングル女性 「死ぬまで働く」背景は? 調査で浮かんだ実態@毎日新聞2022年12月13日

実際2022年末には中高年単身女性に関する記事がたまたまでしょうが東洋経済及び毎日新聞で立て続けに報道されました。この辺のテーマに関してはパラサイトシングルの話も含め今年も取り上げることになりそうです。

6〜4位:ランキングに現れる平成の終わり

6位.若者の人生を食らいつくす怪物〜平田オリザ発言に思う〜(4月1位、12月4位、上半期5位)2020年5月

6位には2020年21年連続年間1位の覇権記事が入りました。

セクハラ告発受け...谷賢一氏を劇団退団措置 『青年団』主宰・平田オリザ氏が説明@オリコンニュース2022年12月15日

オリザ氏と言えば12月セクハラ告発を受け劇作家・谷賢一氏がオリザ氏の劇団から退団するというニュースがありましたが、それでも月間4位と言うのは世間からの注目度が著しく落ちているように感じます。

今年は動くか「赤字路線」問題 利用者激減のローカル線を「5年で4倍に」 打ち出した対策に"既視感"も 日本で珍しい「交通連合」が希望に? 鉄道の行く末を「本気で」考えられるか@カンテレ2023年1月1日

そしてオリザ氏の地元豊岡ではメイン幹線である山陰線の利用者の少なさが問題となり、鉄道の再生へ向けての取り組みが大きく報じられています。

今日は午前中が日本学術会議の総会にオンライン参加。
午後がゲネプロ、夜に本番+アフタートーク。
明日は車で三時間移動して、幕別町糠内小中学校で合同授業。小学校上級生と中学生全部で24名とのこと。劇団は仕込み。
久しぶりにカオスな感じが、うちの劇団の旅公演らしくなってきました。 pic.twitter.com/kXSZ2BlzdU

— 平田オリザ (@ORIZA_ERST_CF) December 8, 2022


とは言え当のオリザ氏に関しては地元の苦境にも我関せず学術会議総会で忙しいようです。こういった時こそ演劇の力で豊岡を山陰を盛り上げてほしいものだとJR西日本の株主としては思うのですが、上級国民の彼には崇高な役割があるのでしょう。
今年は果たして彼を取り上げることがあるのでしょうか?

5位.Choose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角(7・8月5位、9月3位、10・11月1位、12月2位)2022年6月

5位には参院選特集で書いた記事が入りました。今年書いた記事では最高峰になります。ちなみに参院選が行われたのは7月ですが10・11月に1位にはいる等下半期全月でTOP5ランクインする下半期で最も読まれた記事です。2019年の消費増税後に起こった出生率の分析で平成と書きましたが1991年以降生まれ世代の出生率の低下と言う現象を掘り起こした記事です。

良い悪いは別にして、結局、本気で有効な少子化対策をしようとすれば女子教育の抑制と、それにともなう女性の雇用機会の制限(からの所得抑制)しかない。

>暗黒メモ「『女をあてがえ論』にまつわるアレコレと、その深淵ある絶望的な真実」|白饅頭 @terrakei07 #note https://t.co/U4LQ5YOkDk

— 田端@ツイッター成長請負人 (@tabbata) May 1, 2021


さてこの記事では前段として「出生率2を超える様な本格的な対策には女性の教育・就業制限が必要」と言う極論もネットでは出ていることも書いているのですが、個人的にはこれを行う事に必ずしも賛同できないですが、「出生率2を超える」事を目指すならこの方法以外に有効な方法は思いつかないというのが正直なところです。少なくとも2010年代に限って言えば欧米は出生率2を超える国はなく日本以上に出生率を落としています。多分この辺を共通的な前提条件として共有しておかないと有効な少子化対策を考え付くのは不可能だと思いますし、賛同までは出来ませんが「出生率2を超える様な本格的な対策には女性の教育・就業制限が必要」と言う極論も議論の俎上に挙げる必要はあると思います。

岸田首相 少子化対策強化へ "具体策のたたき台3月末めどに"@NHK2022/1/6

そんなことを知ってか知らずか岸田首相は少子化対策強化に重点を置くと言っていますが果たして有効な策が出て来るのでしょうか?またフェミニストを中心とした政策ゴロのおもちゃになるのか注目したいところです。

4位.幸色のワンルーム(1月3位、3月1位、8月4位、9月2位、上半期4位)2018年6月

4位には5年連続の年間ランキングランクインと言うこの記事が入りました。良く考えると2010年代、平成作成の記事で唯一のランクインで別の記事ではないですが平成は遠くなりにけりと言うのが年間ランキングにも反映された形です。

令和の大きな宿題その13〜この指止めて前を向こう〜
令和の大きな宿題その17〜ルンペンブルジョワジーとその未来学〜

この辺の記事が象徴的ですが、2022年はこの幸色のワンルームでも行われた萌えたたき的なムーブに関しての反発や学術的な面での冷静な反論が目立ちました。

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特に象徴的だったのが草津町長のこの会見でしょうか?実際私の地元横須賀でもアニメーションとコラボした観光振興は活発ですし、特にデジタルに親和性の高いアニメファンはてもデジタルのスタンプラリー等デジタルでの展開への対応もしやすくwithコロナの時代の地域観光振興の手段として聖地巡礼を中心としたアニメとのコラボは増えていくでしょうし、それを叩く萌えたたき的なやり方は地域を中心とした社会からの反発を強めていきそうです。

電車とバスでGo!その4〜アニメ放映5周年を迎えたはいふりの聖地を行く
電車とバスでGo!その7〜アニメ「スローループ」の聖地を行く〜

3位:改正されるNISAはロスジェネ貧困独身女性を救えるのか


3位.お金の話外伝〜ロスジェネ貧困女性の挽回策はあるか〜(1月4位、2月1位、3月4位、4・5月5位、7・10・11月4位、上半期2位)

3位にはタイトルにもある様に結婚からも企業も包摂されなかった中高年独身貧困女性への処方箋ともいうべきこの記事が入りました。下半期はやや失速しましたが上半期5回、下半期3回TOP5入りと1年を通じて安定して読まれた記事です。処方箋と言っても年金繰り下げ受給とiDeCoで年金のベースアップを実現し、NISAで資産形成を図るという、逆に言えば75歳、カラダの動くぎりぎりまで働き老後への備えを作っていくという形です。実際政治的には少子化対策が優先されるだけにこれに近い状況になっていくしかないかなと思います。

2024年から始まる新NISA制度・NISA制度改正についてFPが解説!@マネックス証券

そんな中NISA制度が改正されます。そんな中で訴訟リスクを背負いつつ萌えたたきや悪者探し・たたきに興じるよりもお金を貯めていく方が良いと思うのが良いと思うのは私だけでしょうか?

2位:赤字旅客鉄道問題が言われる今だからこそ知っておきたい負の社会実験の記録

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福井で経験した負の社会実験は今だからこそ皆で共有する必要がある

2位.令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜(2月4位、4月3位、7月5位、8月2位、10・11月3位、上半期3位)2020年7月

2位は福井で経験したローカル線の廃止と言う負の社会実験の記事が入りました。TOP5入りこそ6回だったものの12か月全てでTOP10入りと言う抜群な安定感を見せた記事です。記事としては京福の脱線事故〜廃線からえちぜん鉄道成立までの過程を書いたものです。今年はJRを中心に赤字旅客鉄道に関する話題が多かっただけに注目されました。京福廃止後の福井では積雪時に渋滞で交通がマヒしたり、子供の送迎の負担が家庭に集中した事から最終的にえちぜん鉄道が作られ鉄道を存続させて15年以上になるのですが、9位の令和の大きな宿題その15 バス転換と言う贅沢が許されない時代に〜赤字鉄道路線廃止問題に思うで書いた内容になるのですが、正直な所JRの路線廃止は基本的にローカル線ではなく幹線なので物流にも影響が現れ、2024年問題でただでさえ限界の物流が鉄道廃止代替の貨物輸送に応えられるかと言う問題や、21世紀初頭に比べて共働きが増え、定年も延長されて家庭にも余計なリソースが減っている以上京福廃止レベルの問題で済めばものすごく幸福と言う前提条件は皆さんには把握しておいてほしいです。
今年も赤字旅客鉄道やローカル線の話はいろいろ書くことになりそうです。

1位:黄昏の時代の女性達


1位.令和の大きな宿題その9〜平成の主役たちの黄昏ニート・ひきこもり女性に思う〜(1月1位、2月2位、4月2位、5月1位、6月3位、7月2位、8月1位、10・11月2位、上半期1位)2021年5月

1位3回、TOP3入り9回、全月TOP30入りと堂々たる1位はニートひきこもり化している独身中高年女性を書いたこの記事が入りました。一卵性母娘と呼ばれて平成の消費社会の主役だった彼女たちももう中高年、気づいたら蔑んでいたニートや引きこもりに近い状況になった人も多いのではないかと思います。彼女たちの行く末は3位のお金の話外伝〜ロスジェネ貧困女性の挽回策はあるか〜にもある様に人材不足の介護産業と言うパターンが増えそうです。

コロナ世代、女子の理系志願急増 共通テストまで1カ月@産経新聞2022年12月13日
令和6年(2024年)4月 共創工学部(仮称)開設に向け設置構想中@お茶の水女子大学

そんな「おばさん」達の状況を知ってか知らずかコロナ世代の女子受験生の理系志向が少し高まっているようです。またお茶の水女子大学に共創工学部と言う工学系の学部が設置されるという話もあります。メディアが報じるほどに急激には進まないとは思いますが、最終的にどこまで彼女たちが挫折せずに食い扶持の得られる仕事を得ていくか注目したいところです。

如何だったでしょうか?2022年は平成の残骸がコロナとウクライナ戦争の濁流で流れ去った1年だったともいます。2023年が令和の希望が見える一年である事を祈ります。

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2023年01月01日16:08
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書き手の事
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昨年は子のお寺で祀られている人の子や孫が大河ドラマで活躍しました。@横須賀市満昌寺

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