つれづれなるままに

2019年12月

IMG_3852

写真:子供部屋おじさんは新中産になったのか

2010年代中産と下流の時代〜プロローグ1980年代に始まった非婚化・草食化が語るもの〜その3より
さて当シリーズがこれまで書いてきたバブル期に戻りましょう。サラリーマン=中流層を成り立たせていたものがその際立った生産性にあるのならバブル期の地価高騰が示すものはなにでしょうか? それはサラリーマンの生産性向上が中レベルの生活を築くまでの水準に追いつかなくなり始めた事ではないでしょうか?〜中略〜 とは言え多くの人達が現実的な選択として選んだのは既存資産を生かすこと、そしてその一番現実的な生かし方は生活費の多くを占める家賃を親と同居する事で節減する事だったのではないのでしょうか?
そしてその中で特にバブル期以降の豊かな生活をした人達は「パラサイトシングル」と言う言葉を生み出し90年代後半以降度々議論の的となりました。

さて当blogでは最近では子供部屋おじさんともいわれ、増え続けるパラサイトシングル=親と同居する特に男性の未婚者に関して「新中産」と言う新しい階層を産むのではないかと考えて書いてきました。

30・40代で「貯金ゼロ」の人は23.1%、貯蓄額100万円以下は6割@Moneygine2019/3/8より
SMBCコンシューマーファイナンスは、2019年1月7日〜9日の3日間、30歳〜49歳の男女を対象に「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効回答を得た。〜中略〜
2018年の調査結果と比較すると、貯蓄ができていない人(「0万円」)の割合は、2018年17.1%→2019年23.1%と、6.0ポイント増加している。また、貯蓄額の調整平均は2018年247万円→2019年195万円と、52万円減少している。貯蓄ができていない人が増え、貯蓄額が減っていることから、30代・40代では貯蓄にあてるお金を消費にまわしたという人が増えたと見られる。 調整平均額の変化を年代別にみると、30代では2018年198万円→2019年194万円と大きな変化はみられなかったのに対し、40代では2018年316万円→2019年196万円と、120万円の減少となっている
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和元年調査結果@金融広報中央委員会より
調査対象 全国2,500世帯(20歳以上70歳未満で、単身で世帯を構成する者)
調査方式 インターネットモニター調査


ただ多分この新中産であろう3〜40代に関して就職氷河期の影響で資産形成がうまくいっていない様子が報道されていて一見私の予測は外れているように見えます。しかしよく見てみると、例えば国税庁の行うような厳密な調査ではないインターネット調査だったりそもそも世帯主でないパラサイトシングルは実質対象外の調査が多く、実は「パラサイトシングルがどれだけ金融資産を持っているか」と言うのは実は本質的には調査されていなくてよくわかっていないというのが現状ではないかと思います

[フレーム]
動画:10周年記念OVAに対するクラウドファンディングで4500人以上のスポンサーから9000万円近い出資を集めたアニメゆるゆり
ReFreedom_Aichi --あいトリ2019を「表現の自由」のシンボルへより
現在の支援総額:11,412,009円
パトロン数:703人
10万円以上の出資者数:14人
【ゆるゆり10周年記念】OVA「ゆるゆり、」盛り上げプロジェクト!より
現在の支援総額:87,936,374円
パトロン数:4567人
10万円以上の出資者数:90人


あてにならない金融資産の調査を離れてみると面白いデータも集まります。クラウドファンディングを覗いてみると官房長官、神奈川、大阪、愛知、名古屋と言う東京を除く日本で2〜4位の大都市・府県を巻き込んだ大騒動となったあいちトリエンナーレに絡むものですらわずか1100万円しか集まらなかったのに対しゆるゆりと言うアニメのOVA作成プロジェクトに対しては実に9000万円近い出資が集まり、特に10万円以上の出資者に関しては90人もの出資者を集めたのが印象的です
さてこんなお大尽はどこにいたのでしょうか?少なくない数の子供部屋おじさんたちがこのスポンサーになったというのが正しい見方ではないかと思います。 IMG_9541
写真:ラブライブサンシャインのファンによる聖地沼津の街中を盛り上げるイベントおいでよ沼津での一枚
おいでよ沼津実行委員会【公式】

多分彼らは単純にこういったものに出資するだけでなく、実際イベントなどリアルにも手を出しているように思います。上の写真は静岡県沼津市で行われたそんなイベントでの一枚です。地元のファンが交渉などを引き受け、地元以外も含む多くのファンが運営に参加して地域を盛り上げているのが印象的でした。また2008年から10年以上続いている埼玉県久喜市のらき☆すた神輿や震災で大きなダメージを受けた茨城県大洗町のガルパンの聖地巡礼、あるいは神奈川県横須賀市でアニメ放映から3年以上たっても多くのファンが訪れるさかくら総本家等、地域を盛り上げるケースは少なくない数あるのではないでしょうか?

らき☆すた神輿ウェブサイト
大洗あんこう祭.(大洗町)
さかくら総本家5階 応援アカウント

アニメは好きだけど、ファンイベントは初めて来た。
皆のパワーを感じたね。
サブカルチャーを含めたエンターテイメント都市構想は、横須賀復活のために早く実現したいね❗#横須賀 #上地 #横須賀はこんなもんじゃない #はいふり #ハイスクールフリート #横須賀復活 pic.twitter.com/ND3VxpGStJ

— 上地 克明 (@kamijikatsuaki) 2017年5月28日

いよいよです。
金曜日から日曜まで毎日大勢のお客様がお見えになります。
i土曜と日曜の前売りチケットは16000枚完売だそうです。金曜はチケット制ではないのですが来客が多数見込めるようです。
是非ともJR前橋駅からグリーンドームの沿線のお店の経営者様はアイマスのお客さん対応願います。 pic.twitter.com/pyes0YThgT

— 山本龍 (@YamamotoRyu) 2018年9月3日

tweet:地方の首長たちは気づきつつある

そしてそんな状況に地域の政治家たちは気づき対応を始めているように思います。引用した2つのツイートはそれぞれ首都圏近郊と言える40万都市横須賀の市長上地克明氏が2017年の市長選挙でハイスクールフリートと言うアニメの聖地に訪れた際のものと、群馬県の県庁所在地で30万都市の前橋市の市長山本龍氏がゲームアイドルマスターのコンサートが地元で行われた際に訪れるファンたちを歓迎したツイートです。東京都心などの大都市部では気づきづらいかもしれませんが、地域の責任者である首長たちにとって地域を盛り上げてくれるアニメやゲームのファンたちの存在は決して無視できない存在になりつつあり、そしてそういったものを無視できる地域と言うのはどんどん狭くなってきているように感じます

IMG_6596
写真:アニメハイスクールフリートの聖地、横須賀中央駅前さかくら総本家

こうしてみると確かに資産家と言う形ではないもののアニメ・ゲームファン、言い換えればオタクと言うスタイルで存在感を示したのが私が新中産と言う言葉で示した人たちであり、そして2010年代の終わりに向けて徐々に彼らは存在感を示してきたと言えるのではないでしょうか? さて2010年代も終わろうとしています。資産家としてでなく、オタクとして存在感を示してきたパラサイトシングルの男性たちをどのように生かしていくか来る2020年代の地域において重要性が増していくのではないかと言うのが新中産と言う言葉を2010年に書いた人間としての新たな十年間の予想です。 この記事を読んでくださっている皆さんにとっての2020年代が良い時代になるよう祈念し2010年代最後の記事を終わろうと思います。 皆さんよいお年を!そして良い20年代を!!
タグ :
#新中産階級
#パラサイトシングル
#子供部屋おじさん
#ラブライブサンシャイン
#沼津
#横須賀
#前橋
IMG_8448


写真:地元の偉大なる政治家の大往生に4代目は何を思うか

さて11月のランキングです。
1.Choose or Loose参議院選挙2016〜男女平等は何故女性を幸せにしなかったのか〜
2.幸色のワンルーム
3.「はまちゃんバス」Go!!〜横須賀のバスを考える〜
4.文大統領を追い詰めたもの
5.会社外の存在といかに付き合うか〜老女性学者の衰えた見識から考える〜
5.平成の終わりに考えるその1〜女性の社会進出と8050問題〜

1位はChoose or Loose参議院選挙2016〜男女平等は何故女性を幸せにしなかったのか〜、1月以来久しぶりのランクイン、一応3年前の記事なのですがFacebookでのいいねがついての初1位となりました。3年前の記事が注目されるというのは書き手冥利に尽きる面もあるのですが、実際平成の30年が終わって、ガラスの天井が緩和され出世しやすくなったエリート女性はさておき、そうでない女性にとって良い社会は出来たのか、そして本来それを行うべき人たちがエリートでない女性たちが生き残っていく為に有効な情報発信ができたのか、それが問われているのかなと思います。



2位は幸色のワンルーム、これは大阪の行方不明の女子小学生の事件で栃木でこの女子が保護されたというのが報道されリアル幸色のワンルームかと騒がれた影響があったのかもと思います。個人的にはこの手の事件が報道され話題にされるたびに良い悪いはともかく複雑な気分になります。自分自身は経験はそれほどないですが、思春期の若い世代にとってある種の家出願望は珍しいものではなく、実際プチ家出の様なものは皆が経験するわけではないですがクラスに1人もいないという事はないくらいは珍しくないものではないかと思います。ただ昔は親戚同士の繋がりが強かったので見ず知らずと言うよりはそういった繋がりがバッファーたりえたし、何よりも大きく報道され、良い悪いと人々の話題になる事は多くなかったと思います。
大阪の不明女児、栃木県内で保護@産経新聞2019年11月23日

3位は「はまちゃんバス」Go!!〜横須賀のバスを考える〜が入りました。はまちゃんバスと言えば試験運行期間で目標である1便当たり6人を大きく上回る1便当たり9.3人の乗車と言う結果を受け本日12月2日より本格運行を開始するとのこと、1日12便運賃は300円とのことですので興味のある方は是非とも利用してください。

「ハマちゃんバス」本格運行へ 横須賀・追浜地区のコミュニティーバス@東京新聞2019年11月28日
はまちゃんバス運行ルート及び時刻表@横須賀市

4位には文大統領を追い詰めたものが入りました。韓国がGSOMIAの協定終了を土壇場に来て停止した事で注目されました。ここ最近韓国の政治情勢の報道ばかりとなっているのを見ると偏っているなと思う反面、韓国と言う比較対象が出来ることで例えば「しろまるしろまるでは何々〜」と言った政治言説にとっては大きなダメージになってくるのではと感じます。

GSOMIA「協定終了を停止」韓国政府が日本政府に伝える @NHKニュース2019年11月22日

5位には会社外の存在といかに付き合うか〜老女性学者の衰えた見識から考える〜平成の終わりに考えるその1〜女性の社会進出と8050問題〜の記事が同数で入りました。1位のChoose or Loose参議院選挙2016〜男女平等は何故女性を幸せにしなかったのか〜と同系統の記事ですが、上野千鶴子東大元教授が「女子力を磨くより、稼ぐ力を身に付けなさい!」と書いて反発を受けた2014年と言うのは様々な意味でターニングポイントだったのではと思います。女性たちに「社会に出て自立しよう」とポジティブな啓蒙をするのではなく、ただひたすら「男が悪い、社会が悪い、アニメは環境セクハラだ」とやっていくという、そして8050問題に代表されるような中高年女性の問題が大きくクローズアップされていくのではと思います。 いかがだったでしょうか?今年も最後の1月になりました。先生すら走る12月、無理をして風邪などひかないように気を付けてください。
タグ :
#参院選
#上野千鶴子
#幸色のワンルーム
#記事ランキング
#はまちゃんバス
#韓国
#GSOMIA
#8050問題
#フェミニズム
最新記事
人気記事
リンク集
読者登録
広告
広告3
広告4
広告2
アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:
ギャラリー
楽天

Template by decoweb

traq

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /