2023年02月
年収1,000万円超でも貯蓄ゼロの割合は何パーセント?@MSNより
年収1,000万円でも貯蓄ゼロの人が少なからずいると書いたが、具体的にはどれくらいいるのだろうか?
2021年度の金融中央広報委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」における2人以上世帯を対象にした調査によると、年収1,000万超1,200万円未満の人のうち、貯蓄を含む金融資産を保有していない人は10.8%。10人に1人が貯蓄ゼロということだ。
さてこんな話が聞こえてきました。年収1000万円以上でリッチと思われている人でも1割の人が貯蓄の無いという事です。意外と思われるかもしれませんが、ここでは所得や年齢と金融資産の状況を枕に色々と書いてみようと思います。
1000万円以上の資産を築ける人と1文無しの人の2極化が進む時代
[画像:tyotiku2]
グラフ:年収別金融資産なし、1000万円以上割合((参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年以降)@知るぽるとより作成)
さてもう少し詳しく見ていきましょう。世間の皆様の貯蓄状況を眺めてみます。上は金融広報中央委員会知るぽるとによる調査結果から作成した世代による金融資産なし及び金融資産1000万円以上の割合の推移を見たものです。見て見ると以下の特徴が浮かび上がってきます。
年収との関係を見ると年収が高くなればなるほど資産なしの割合が下がり、資産1000万円以上の割合が上がります。しかしそれでも以下の点は注目したいところです。
・年収1200万円以上でも9.8%が金融資産なし
・年金生活者が殆どいなくフルタイム労働者の多くが達していると思われる年収300〜500万円でも28.4%が金融資産1000万円を達成している
この調査自体対象者に65歳以上の年金生活者も絡むので何とも言えない部分がありますが、基本的に年収1000万円以上でも貯蓄0の人がいる反面、普通の勤め人でも一定の割合で貯蓄1000万円を達成している人が一定数いるのは注目したいところです。
tyotiku
グラフ:世代別金融資産なし、1000万円以上割合((参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年以降)@知るぽるとより作成)
ただ金融資産額に関しては年齢を重ねて少しずつ積み上げて行く側面もありますのでそちらも見ていきます。特徴としては以下があがります。
・金融資産1000万円以上は20代3.0%→70代以上50%と右肩上がりで増えていく
・金融資産なしは20代38.5%→70代以上20.5%と右肩下がりの傾向があるが40代で20.5%に達した後横ばいあるいは上がっている世代もある
言って見れば確かに働き始めた20代では金融資産がないというのは当たり前かもしれませんが、そこから先資産を築ける人は年を得るごとに資産を増やしていくのに対し、30代までに資産を築き始められなかった人は40代以降で資産が自然に出来る可能性は低いと言うのがこのグラフから見て取れるのではないでしょうか?
言って見れば年収との相関関係そのものはあるものの全体的に特に40代以上で1000万円以上の資産を築ける人と1文無しの人の2極化が進んでいると言えるのではないでしょうか?
高所得貧乏と一代果て
「年収1000万でも苦しい」......貯金100万円未満の「高所得貧乏」が"倍増"している理由@ITMedia2022/5/6より
そして、仮に区内に新築マンションを思い切って購入しても、周囲の高い金銭感覚についていくためにまたまたお金がかかってしまう。
総務省の21年における家計調査年報を確認すると、年収1000万円前後の世帯は、それ未満の世帯と比較して、教育費にかける金額が最も高いことが分かった。
年収1000万円前後の世帯は、本来削減できるはずの「被服・履物」や「交際費」「通信費」「その他雑費」で年収300万円程度の世帯よりも2〜3倍ほどの金額を毎月支出している。
また、教育費の負担も見逃せない。教育費は年収1000万円前後の世帯と300万円程度の世帯の間で20倍以上の差がみられた。年収300万円程度の世帯が教育費に平均で月額1099円程しかかけていないのに対し、年収1000万円程度の世帯においては月あたり2万6000円ほどの教育費をかけている。
さて年収1000万円のリッチな人たちで金融資産を築けない人が出て来るのは何故でしょうか?上はFPさんが書いた記事を引用したものです。言って見るならば所得が上がった分生活水準も上げてしまって、その結果資産形成に回すお金が無くなったという感じでしょうか?ただお金が使われる光景自体は別ですが、稼いだ先から使っていって宵越しの銭を持たないとでも言うべきお金の使い方だけを見ると所得こそ高いですが所謂労働者階級と言うお金の使い方に見えます。
[コラム・エッセイ編]京都の「一代果て(いちだいはて)」という言葉をご存じですか?@不動産投資と金融・ファイナンスブログ@2011年2月15日より 京都では、「一代果て(はて)」なる言葉があるそうです。これも京都で3代続くある経営者に聞いた言葉です。つまり、京都では、一代で会社が終わることをあまりよしとしない、というより全く尊敬されないといった風潮が昔からあるようです。
〜中略〜
更に先の若女将さん曰く、「東京の社長さんは、少し儲かったら(背伸びをして)車でも最高級車を買いますが、関西の社長は敢えて3段ぐらい落とした車を買います」と「かつそれを美徳としている」というのです。
逆に中産階級のお金を使い方と言うのを考えると上の引用は参考になるのではと感じます。ポイントは2つとなります。
・一代果てを避ける→次世代に資産を残せるようにする
・敢えて3段ぐらい落とした車を買う→稼いだお金を使い切らず、投資や業績が落ち込んだ時に乗り切るための守りのお金を確保しておく
先のFPさんの記事で上がっていた高所得貧乏の人を見ると確かに長く多額のローンを組んで購入したマンションはもしかしたら今後値上がりして売却益をもたらしてくれるかもしれませんし、子供の教育費は最終的に子供が能力をつけて多くを親にもたらしてくれるかもしれません。ただ一番の問題は資産が築けない事から分かるように日々の収支に余裕がなく、例えば勤め先の業績悪化で給与が削減されたり、リストラされたりした際にはローンの返済も子供の学費も簡単に減らせない為行き詰りまる可能性が高くなります。
アレ?貯金が1000万超えてる...ゆるく生きる暮らし@ちるろぐ2014年11月26日より
実家に住む、コンビニ、ファミレスに行かない、車を所有しない。
そんな感じで生活していたら、毎月10万円あまってしまい、自然とお金が貯まっていました。
月々の出費は多くても6〜7万くらいです。予定外を含めても10万以内でしょうか。
したがって、1年経つと100万円、10年で1000万円貯まるというワケです。
逆に年収が少なくても1000万円貯める人を見て見ると基本的に余計な出費は避け、資産形成出来ているのが見て取れます。上の引用は2014年末に少し話題になった「年収260万円で資産1000万円を達成した」と言う方のblog記事から、やっている事は非常にシンプルですが、それでも年収260万円で1000万円と言う事は最低4年、貯金額から見いだせる消費額から考えると6年以上所得が無くても持ちこたえられます。
まとめ2極化する資産状況と有事の時代
如何だったでしょうか?結論として言うならさすがに年収200万円で一人暮らしの様なケースは難しいですが、年収300万円位確保できているなら資産形成は可能で、そしてこれから先資産1000万円以上の資産のある人と資産のほとんどない人とで2極化は進むと思います。そしてそれは平和な日常では意識されませんが例えばリーマンショックやコロナ禍、インフレの様な有事の際には資産のない人たちは大きく揺さぶられると考えられます。果たして読んでいただいているあなたはどちらになるでしょうか?
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世田谷の対岸ですが...
先に亡くなられた夫妻のご冥福をお祈りいたします。
ただ何とも不気味なニュースが流れていました。高齢夫妻と50代の娘と言う一家だったのが1年以上前に娘から見て父親が、昨年9月には母親が無くなっていたのですが、それが家の外に伝わったのは5か月後の2月と言う事、また母親は生存していた時期であっても父親の死が外に伝わらなかったのがその不気味さをより増しています。 [画像:setagaya]
世田谷区2023年2月の世代別人口性比(世田谷区の年齢別人口 より作成)
背景には何があったのでしょうか?事件が起こった世田谷区の人口を見るとおかしなことに気付きます。上は世田谷区の人口性比を世代毎に表したもの、20〜24歳で96.5と100を下回り女性の人口が男性のそれを上回ると、20代後半〜50代前半では90前後と男性の人口の1.1倍女性がいる状況となっています。そしてそれが示すのは独身女性の多さであり、同様の事が横浜市青葉区・都筑区でも見られています。
取り残された女性たちのまち
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世田谷区の住宅価格(athomeより)
そして世田谷区と言うと高級住宅街で知られています。住宅検索サイトでの住宅価格は実に平均1億円、それを購入できた父親の所得も高かったと考えられます。そして父親の現役時代の職業は分かりませんが企業勤めとすれば厚生年金も高額になったと思われます。
逆に言えばもし50代の娘に十分な所得がない場合父親の死が示すことが深刻になります。遺族年金があるとはいえ、年金収入が減少し、固定資産税を始めとした住宅や生活の維持費に耐え切れなくなるという事です。あくまで1つの仮説ですが、そう考えるとこの不気味な状態への違和感が無くなります。
ここまで書いてきたことは単なる1つの考察にすぎません。ただ潜在的にはこの様な選択を取りかねない一家は決して少なくないのではと思います。そして難しいのは「高級住宅街の豪邸もちのお金持ち」である以上なかなか外から手を出せないという事です。
この難しい宿題、その答えが令和の時代に求められているのかもしれません。
世田谷の対岸ですが...
高齢両親の遺体放置か 50代娘から事情聴く 東京・世田谷@産経新聞2022年2月5日より
5日午前11時40分ごろ、東京都世田谷区桜の住宅で、性別不明の遺体と女性の遺体が見つかった。この家に住んでいた高齢夫婦とみられる。警視庁世田谷署は身元確認を進めるとともに、父親と母親の遺体を放置していたとみて、同居する50代の娘から事情を聴いている。
世田谷署によると、娘は「父は1年以上前に母から2階で死んだといわれたが、怖くて確認できなかった。母は昨年9月下旬ごろにトイレで亡くなっていた。転んだんだと思う」などと説明。「現実を直視できなかったのと、葬儀の段取りができなかった」などと話しているという。同署は死体遺棄容疑も視野に調べを進めている。
先に亡くなられた夫妻のご冥福をお祈りいたします。
ただ何とも不気味なニュースが流れていました。高齢夫妻と50代の娘と言う一家だったのが1年以上前に娘から見て父親が、昨年9月には母親が無くなっていたのですが、それが家の外に伝わったのは5か月後の2月と言う事、また母親は生存していた時期であっても父親の死が外に伝わらなかったのがその不気味さをより増しています。 [画像:setagaya]
世田谷区2023年2月の世代別人口性比(世田谷区の年齢別人口 より作成)
背景には何があったのでしょうか?事件が起こった世田谷区の人口を見るとおかしなことに気付きます。上は世田谷区の人口性比を世代毎に表したもの、20〜24歳で96.5と100を下回り女性の人口が男性のそれを上回ると、20代後半〜50代前半では90前後と男性の人口の1.1倍女性がいる状況となっています。そしてそれが示すのは独身女性の多さであり、同様の事が横浜市青葉区・都筑区でも見られています。
取り残された女性たちのまち
setagaya22
世田谷区の住宅価格(athomeより)
そして世田谷区と言うと高級住宅街で知られています。住宅検索サイトでの住宅価格は実に平均1億円、それを購入できた父親の所得も高かったと考えられます。そして父親の現役時代の職業は分かりませんが企業勤めとすれば厚生年金も高額になったと思われます。
焦点:「パラサイト」世帯の高年齢化、日本社会のリスク要因に@ロイター2017年4月19日より
<まさかこうなるとは このままでは共倒れ>
「なんとかやっていけると思っていたが、このままだと(母と)共倒れになる」──田中博美氏(54)は、大学で声楽を勉強した後、コンサートやレコーディングのバックコーラスの仕事をした。ボイストレーナーとして、音楽教室の仕事もしていたが、10年ほど前から急に仕事が減った。都内の一戸建てで両親と暮らし、結婚はしなかった。半年前に父が亡くなり、年金は半分くらいになってしまった。
逆に言えばもし50代の娘に十分な所得がない場合父親の死が示すことが深刻になります。遺族年金があるとはいえ、年金収入が減少し、固定資産税を始めとした住宅や生活の維持費に耐え切れなくなるという事です。あくまで1つの仮説ですが、そう考えるとこの不気味な状態への違和感が無くなります。
取り残された女性たちのまちより
長くパラサイトシングルを続け60,70になった時に長い間住み慣れた家を出ると言う選択ができるかと言えば難しいですし、それが出来なければ、生活保護など父親の代わりを行政が担う事も、「高級住宅街の豪邸もちのお金持ち」である以上難しくなってきます。そして国民年金までは何とかもらえてもそれでリッチだった父の年金があって初めて維持できていた豪邸を維持して生活するのは難しいとしか言えません。
ここまで書いてきたことは単なる1つの考察にすぎません。ただ潜在的にはこの様な選択を取りかねない一家は決して少なくないのではと思います。そして難しいのは「高級住宅街の豪邸もちのお金持ち」である以上なかなか外から手を出せないという事です。
この難しい宿題、その答えが令和の時代に求められているのかもしれません。
さて2023年最初の月間ランキングです。
1.Choose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角
2.令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜
3.平成が終わった年〜2022年末に思う〜
4.令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜
5.令和の大きな宿題外伝3〜バドリオとイタリアの失敗に思う終戦の難しさ〜
1位はChoose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角が入りました。
日本人50歳女性「27%が生涯子供いない」の示す事@東洋経済2023年1月30日
岸田首相の「異次元の少子化対策」はピント大外れ?@毎日新聞2023年1月31日
岸田首相の「異次元の少子化対策」が話題になっています。その中で結構出て来るのは「氷河期世代を放置したせいで日本は少子化で致命傷を負う」みたいな話、ただ冷静に眺めて見ると団塊ジュニアを中心とした就職氷河期世代の出生率は決して低くなく、この世代の女性が出産のメイン世代から退いてから出生率が低下しているというのはもう少し注目されてもよさそうですし、その事は保育園整備や補助金支出などの既存の政策の延長で解決はしないと思います。
2位は令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜が入りました。さてそんな団塊ジュニア世代の女性たちにとっては少子化よりも高齢者の貧困問題の方が身近になりつつあるように思います。ただ考えなくてはならないのは男女雇用機会均等法以前の今の高齢女性と女性が働く環境が整備され、女性の未婚率が上昇したバブル世代以降の女性を同じように扱う事にコンセンサスは得られないという事になると思います。言って見れば「結婚をしない自由」を行使したならその責任は求められるし、「男女平等の為の社会の投資」には配当が求められる小理屈をいくら繰り出してもその前提条件から逃げられないというのは令和と言う時代の宿命の様な気がします。
3位には平成が終わった年〜2022年末に思う〜が入りました。2022年を振り返る年末記事、いつになくblog記事で振り返る形態をとって意外に抑えていたのかなとわがことながら感心しながら書いてました。安倍首相銃撃事件、JRの赤字旅客線問題、少子化問題、所謂キャンセルカルチャー的な問題、金融緩和の時代が揺らいでゆく中で浮かび上がって来た「普通」を巡る問題など2023年は昨年浮かび上がって来た問題が平成末期の安定して平和な時代の背景にあるものを揺さぶり続ける様な気がします。
ふと考えて見たのですが「平成が終わった」のが令和4年2022年なら「昭和が終わった」のは何となく1993年、平成5年の様な気がします。この年はバブル崩壊後の就職氷河期が本格的に始まり、所謂連立政権による政権交代が起こります。鉄道で言えばこの頃からブルートレインの廃止が始まってきたように思います。またJリーグもこの年にスタートしました。平成不況、改革を旗印にした政党の流動化と悪政、高速道路や航空と幹線鉄道とのし烈な競争、選手の海外進出で問われてくる国内プロスポーツと言った構図がだんだんスタートした年でした。所謂ロスジェネと呼ばれる世代のおっさんとしては平成最大の悪政1997年の消費増税の悲劇だけは繰り返してほしくないところですがどうなるのか、注視し書くべきことを書いていきたいと思います。
4位には令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜が入りました。
<鉄路の足元@東北 ローカル線の岐路(1)閑散>100円稼ぐ費用は2万円@河北新報2023年1月28日
昨年JR西日本の発表から大きくクローズアップされた赤字旅客鉄道線の問題ですが、えちぜん鉄道との大きな違いはあくまで幹線鉄道として建設され、貨物輸送や特急列車などの長距離輸送に直接的・間接的にかかわっている事です。リンクは東北地方のブロック紙河北新報の特集記事ですが、気を付けないといけないのは一見ローカル線に見える陸羽東線や花輪線も隣接路線等と繋がり太平洋・日本海の各港と震災の時などは内陸の有力都市や幹線路線と繋がって物資や人を運ぶケースが想定されることです。東北地方の場合東北新幹線と直通して東京と有力都市を結ぶ山形新幹線、秋田新幹線がある事で有力幹線の奥羽本線の福島〜秋田が実質分断されているので猶更な面があります。阪神大震災や東日本大震災の際に活躍したトラックも運転手が確保がだんだんままならなくなっているのでそこも考えるとこの問題は単純に東北地方各県の問題でなく東京の食糧輸送の問題とも言えなくはないと思います。そういった視点でこの問題を注目してくださる方が1人でも増えることを望みます。
5位には令和の大きな宿題外伝3〜バドリオとイタリアの失敗に思う終戦の難しさ〜が初めてのランクインを果たしました。
ロシア社会は"プーチンの戦争"を止められない@NHK2023/1/27
「ロシアは勝てないが、ウクライナも勝てない」──「粘り勝ち」狙いのプーチンと戦争が終わらない理由とは?@NEWS WEEK2023/2/1
さてこの2月でウクライナの戦争が開始から1年になるせいか、戦争に関する政治的な側面に注目した記事が出てきました。ただ第2次世界大戦を見ると仮に「独裁者」と目される人物を政権から排除しても終戦に至らず1年以上負け戦を継続させた国が2つあります。日本とこの記事で取り上げたイタリアです。特にイタリアは本土が戦場になり、イタリア王国とサロ政権と言われるドイツの傀儡政権の間で同国人同士が争う内戦となりました。その経緯を書いた記事なのですが、書いてみての感想は相手国に降伏するという意味での敗戦は簡単でも国内の軍事勢力に武器を置かせる終戦はその何倍も大変と言う事でした。その大変さは今回の戦争で争っているウクライナ、ロシア両国にも当てはまるのではないかと思います。
森・元首相「ロシアが負けること考えられない」「ウクライナに力を入れていいのか」@2023年1月26日
先月は森喜朗元首相がウクライナ戦争に対して発言して顰蹙を買いましたが、漠然と感じるのはそろそろ日本の政権中枢でもこのウクライナの戦争に対して「冷静」な議論を始めたいと考えていて森氏の発言はそれが出来るかを図る観測気球の様なものなのではと言う事、ただ反応を見ると難しそうなのかなとも感じます。ただ戦争を終わらせるというのは多くの人が「苦い結論」を受け入れるという側面無くして成り立たない訳ですからそれがいつになるのかと言うのは考えていきたいなと思います。
如何だったでしょうか?今月が読んでくださる皆さんにとって書き手の私にとっても良い月である事を祈念します。
1.Choose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角
2.令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜
3.平成が終わった年〜2022年末に思う〜
4.令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜
5.令和の大きな宿題外伝3〜バドリオとイタリアの失敗に思う終戦の難しさ〜
1位はChoose or Loose課題多き参院選2022その1平成女子に見る少子化対策の曲がり角が入りました。
日本人50歳女性「27%が生涯子供いない」の示す事@東洋経済2023年1月30日
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岸田首相の「異次元の少子化対策」が話題になっています。その中で結構出て来るのは「氷河期世代を放置したせいで日本は少子化で致命傷を負う」みたいな話、ただ冷静に眺めて見ると団塊ジュニアを中心とした就職氷河期世代の出生率は決して低くなく、この世代の女性が出産のメイン世代から退いてから出生率が低下しているというのはもう少し注目されてもよさそうですし、その事は保育園整備や補助金支出などの既存の政策の延長で解決はしないと思います。
2位は令和の大きな宿題その18〜中高年独身女性の貧困問題を整理する〜が入りました。さてそんな団塊ジュニア世代の女性たちにとっては少子化よりも高齢者の貧困問題の方が身近になりつつあるように思います。ただ考えなくてはならないのは男女雇用機会均等法以前の今の高齢女性と女性が働く環境が整備され、女性の未婚率が上昇したバブル世代以降の女性を同じように扱う事にコンセンサスは得られないという事になると思います。言って見れば「結婚をしない自由」を行使したならその責任は求められるし、「男女平等の為の社会の投資」には配当が求められる小理屈をいくら繰り出してもその前提条件から逃げられないというのは令和と言う時代の宿命の様な気がします。
3位には平成が終わった年〜2022年末に思う〜が入りました。2022年を振り返る年末記事、いつになくblog記事で振り返る形態をとって意外に抑えていたのかなとわがことながら感心しながら書いてました。安倍首相銃撃事件、JRの赤字旅客線問題、少子化問題、所謂キャンセルカルチャー的な問題、金融緩和の時代が揺らいでゆく中で浮かび上がって来た「普通」を巡る問題など2023年は昨年浮かび上がって来た問題が平成末期の安定して平和な時代の背景にあるものを揺さぶり続ける様な気がします。
ふと考えて見たのですが「平成が終わった」のが令和4年2022年なら「昭和が終わった」のは何となく1993年、平成5年の様な気がします。この年はバブル崩壊後の就職氷河期が本格的に始まり、所謂連立政権による政権交代が起こります。鉄道で言えばこの頃からブルートレインの廃止が始まってきたように思います。またJリーグもこの年にスタートしました。平成不況、改革を旗印にした政党の流動化と悪政、高速道路や航空と幹線鉄道とのし烈な競争、選手の海外進出で問われてくる国内プロスポーツと言った構図がだんだんスタートした年でした。所謂ロスジェネと呼ばれる世代のおっさんとしては平成最大の悪政1997年の消費増税の悲劇だけは繰り返してほしくないところですがどうなるのか、注視し書くべきことを書いていきたいと思います。
4位には令和の大きな宿題外伝〜電車を失った街が語る事〜が入りました。
<鉄路の足元@東北 ローカル線の岐路(1)閑散>100円稼ぐ費用は2万円@河北新報2023年1月28日
昨年JR西日本の発表から大きくクローズアップされた赤字旅客鉄道線の問題ですが、えちぜん鉄道との大きな違いはあくまで幹線鉄道として建設され、貨物輸送や特急列車などの長距離輸送に直接的・間接的にかかわっている事です。リンクは東北地方のブロック紙河北新報の特集記事ですが、気を付けないといけないのは一見ローカル線に見える陸羽東線や花輪線も隣接路線等と繋がり太平洋・日本海の各港と震災の時などは内陸の有力都市や幹線路線と繋がって物資や人を運ぶケースが想定されることです。東北地方の場合東北新幹線と直通して東京と有力都市を結ぶ山形新幹線、秋田新幹線がある事で有力幹線の奥羽本線の福島〜秋田が実質分断されているので猶更な面があります。阪神大震災や東日本大震災の際に活躍したトラックも運転手が確保がだんだんままならなくなっているのでそこも考えるとこの問題は単純に東北地方各県の問題でなく東京の食糧輸送の問題とも言えなくはないと思います。そういった視点でこの問題を注目してくださる方が1人でも増えることを望みます。
5位には令和の大きな宿題外伝3〜バドリオとイタリアの失敗に思う終戦の難しさ〜が初めてのランクインを果たしました。
ロシア社会は"プーチンの戦争"を止められない@NHK2023/1/27
「ロシアは勝てないが、ウクライナも勝てない」──「粘り勝ち」狙いのプーチンと戦争が終わらない理由とは?@NEWS WEEK2023/2/1
さてこの2月でウクライナの戦争が開始から1年になるせいか、戦争に関する政治的な側面に注目した記事が出てきました。ただ第2次世界大戦を見ると仮に「独裁者」と目される人物を政権から排除しても終戦に至らず1年以上負け戦を継続させた国が2つあります。日本とこの記事で取り上げたイタリアです。特にイタリアは本土が戦場になり、イタリア王国とサロ政権と言われるドイツの傀儡政権の間で同国人同士が争う内戦となりました。その経緯を書いた記事なのですが、書いてみての感想は相手国に降伏するという意味での敗戦は簡単でも国内の軍事勢力に武器を置かせる終戦はその何倍も大変と言う事でした。その大変さは今回の戦争で争っているウクライナ、ロシア両国にも当てはまるのではないかと思います。
森・元首相「ロシアが負けること考えられない」「ウクライナに力を入れていいのか」@2023年1月26日
先月は森喜朗元首相がウクライナ戦争に対して発言して顰蹙を買いましたが、漠然と感じるのはそろそろ日本の政権中枢でもこのウクライナの戦争に対して「冷静」な議論を始めたいと考えていて森氏の発言はそれが出来るかを図る観測気球の様なものなのではと言う事、ただ反応を見ると難しそうなのかなとも感じます。ただ戦争を終わらせるというのは多くの人が「苦い結論」を受け入れるという側面無くして成り立たない訳ですからそれがいつになるのかと言うのは考えていきたいなと思います。
如何だったでしょうか?今月が読んでくださる皆さんにとって書き手の私にとっても良い月である事を祈念します。
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