つれづれなるままに

2014年10月

「女子力を磨くより、稼ぐ力を身に付けなさい!」上野千鶴子さんが描く、働く女の未来予想図@Womantypeより
でも、今の日本が成長社会ではなく、"成熟社会"に入っているのは明白な事実。人間の一生に例えれば、穏やかな老後に入りつつあります。だから、現在20代や30代の若い女性たちも、ゆっくりまったりと生きていけばいいじゃないですか。成熟期の社会では、皆が髪を振り乱して働き、他人を蹴落としてまで成長していかなくてもいいんですから。賃金が上がらないといっても、外食せずに家で鍋をつついて、100円レンタルのDVDを見て、ユニクロを着ていれば、十分に生きて行けるし、幸せでしょう? 東日本大震災の後、日常が何事もなく続くのが何よりの幸せだと多くの方々は痛感したはずです。
それに、「給料が安くて子どもが産めない」と言うけれど、年収300万円の男女が結婚すれば、世帯年収は600万円になります。今の平均世帯年収の400万円台を軽く超えますし、子どもに高等教育を受けさせるにも十分な額です。ですから、女性は年収300万円を確保しつつ、年収300万円の男性と結婚して、出産後も仕事を辞めずに働き続ければいい。「年収800万円の男をゲットして、仕事は辞めて専業主婦になろう」なんて考えないことです。望んでも実現できる確率は非常に低いですから。



社会学者(?)の上野千鶴子さんがこんなことを書いて顰蹙を買ったという話がありました。
確かに見てみると本人が妥当だと思っている相場が現場とずれているような気がします。

2012年度 人数 累計 累計1 累計2
0〜100 3011 18054 100% 64.9%
100〜200 4881 15043 83.3% 54.1%
200〜300 4105 10162 56.3% 36.5%
300〜400 2765 6057 33.5% 21.8%
400〜500 1529 3292 18.2% 11.8%
500〜600 794 1763 9.8% 6.3%
600〜700 371 969 5.4% 3.5%
700〜800 211 598 3.3% 2.1%
800〜900 131 387 2.1% 1.4%
900〜1000 78 256 1.4% 0.9%
1000〜1500 130 178 1.0% 0.6%
1500〜2000 30 48 0.3% 0.2%
2000〜2500 8 18 0.1% 0.1%
2500〜 10 10 0.1% 0.0%
合計 18055
男性労働者 27818

表1:女性労働者の給与水準(民間給与実態統計調査平成24年度版より作成)

上の表は国税局作成の民間給与実態調査統計から作成した女性の給与水準の比率です。上野さんの言葉を借りると「女性は年収300万円を確保しつつ」との事ですが、現状働いている女性の所得を見ると大体300万円以上の所得は1/3程度、また妊娠出産や介護、家事手伝いなどで働かず、働けず所得のない人も含めた数字を男性の労働者数から類推すると1/5程度になります。そしてそれぞれの中間値(上位50%の水準)をみるとそれぞれ2~300万円、1~200万円となっています。これでは「年収300万円でゆっくりまったり〜」ではなく「年収300万円を得るために髪を振り乱して働き、他人を蹴落としてまで成長していく」ひつようがあるし、正直なところ得られない人も多いような気がします。

ACW2 News No.25より
「年収 300 万」はせめてそのくらい年収を確保したい、とう期待値です。しかも実現可能な期待値です。不況の もと介護労働市場な期待値です。不況の もと介護労働市場求人倍率は 1.0 以上。正規雇用を得て勤続 10 年なら到達できない額ではありません。


一応突込みに関しては上のようなフォローを入れているようですが、個人的にはどうかなと思います。介護業界そのものがそれこそ「髪を振り乱して働く」厳しい状態で多くの若者たちに敬遠されているからこの状態にある部分もあり、また需要そのものは今後増えていっても介護保険と言う公的な仕組みが金銭的に大きな役割を果たしているだけにそれに伴い同じだけ入ってくるお金が正比例で増えるわけではない業界と言うのがやはり怖い部分かなと感じます。具体的に言えば介護保険の財政状況によってこれまでお金がもらえてた仕事が急にそうでなくなる可能性があるというのはこれまでもあったような気がします。

1990

2000

2010

2000/1990

2010/2000

20〜24

86.0

88.0

89.6

25〜29

40.4

54.0

59.9

30〜34

13.9

26.6

33.3

30.9%

37.8%

35〜39

7.5

13.9

22.4

34.4%

41.5%

40〜44

5.8

8.6

16.6

61.9%

62.4%


表2:女性の未婚率推移( 平 成 22 年 国 勢 調 査 抽 出 速 報 集 計 結 果より作成 )

さてもう片方の結婚に関して書くと、20代はある程度落ち着きつつあるものの特に30代後半以降に関しては急激に伸びています。上の表の2000/1990の欄は例えば1,990年の20〜24歳の独身女性が10年後2000年30〜34歳になった時にどれだけ独身のままでいるかの数字ですがこれを見ると特に30代で大きく伸びているのがわかります。言うなれば若いうちに結婚できなければそのままでいる確率が相当高まっている訳です。40代に関してはそれほどの変化はありませんが30代の状況が影響する可能性は高いような気がします。そう考えると
女性は年収300万円を確保しつつ、年収300万円の男性と結婚して、出産後も仕事を辞めずに働き続ければいい」と言われて仮に頑張って年収300万円確保してもそれから結婚できるとは限らない。
確かに「年収800万円の人と結婚して専業主婦」よりは可能性としては高いかもしれません。ただこれが「これからを生きる女性の生存戦略」と言われるととても甘いとしか言いようがないです。

と言うよりも最初に成熟社会と言いつつあくまでも労働と結婚と言う成長社会に有効だった手段から抜け出れていないのが致命的な気がします。

成熟社会@コトバンクより
量的拡大のみを追求する経済成長が終息に向かう中で,精神的豊かさや生活の質の向上を重視する,平和で自由な社会。 〔イギリスの物理学者ガボールの署名から〕


成熟社会とは何かを調べてみるとこんな感じであいまいですが結局のところ条件としては多くのものが出そろった社会と考えてみるとすっきりしそうな気がします。逆に言うといい方悪いですが過去の遺産をいかにうまく使うかそれが大きなポイントになってきそうです。確かにユニクロや100円レンタルDVDの話を挙げてはいるものの正直弱い。

もっと、もっと、パラサイト!!@cubの日記 コツコツ投資で2千万貯めましたより
その一つが親にパラサイトする方法
最近、世代間格差を問題にすることが多く
負けが決まってる勝負を死ぬまでやらされる若者世代
それは事実だと思うけど大体、私達の親は団塊の世代で年金や福祉で得をする世代政治的にも多数で利益を多く貰う世代なんだから自分たちに取り込んでしまうってのは悪くないんじゃないか?
親に寄生して低い収入を補うってのは一つの戦略だと思う

私も親に生活を負担してもらっているわけでないが、60代の親と同居することによって私一人では絶対に入居することの出来ない市営に入ることが出来たのだからパラサイトと言われればパラサイトだろう
~中略~
一人の収入に依存するのではなく、一人一人の収入が低くても連結すればリスクも分散になる一人が失業や病気で倒れても他の人が支えれば良いわけだしね
収入って言うと女性が男性の収入をあてにすることばかり書かれるけど実は男の方が女性の収入をあてにする方が生きる戦略としては賢いのかもしれない
〜中略〜
今って、もっと依存し合って良いと思うよ ようはパラサイト最高ってことだよ夫婦、親子、地縁、血縁、地域とか、もっといろいろなものに

大体、ニートや引きこもりで社会から疎遠になっている人間ってのは社会から疎遠になっているんじゃないんだよ会社から疎遠になっているんであって、社会ではない

そこが問題であって、会社から疎遠な人間ってのはもう社会から必要な人間ではないと思うことがおかしいと思うよ
上は上野氏お勧めの介護業界で年収300万円ほどで働きつつ2000万円近い金融資産を気づきあげた方のblog記事、確かに老親と同居することで家賃の安い市営住宅に住むというのは書きづらいかもしれないもののblogタイトルも含めるとこれからの女性が参考にできる要因が3つ出てきます。1つは節約、要は住居など大きな支出を避けることで収入が少ないのを補うこと、個人的には家、車の4つをうまくすれば年収で1~200万円分は確実にフォローすることが可能ではないかと思います。もう1つは人間関係、上の引用で言えばパラサイトと書かれていますが、血縁に頼れない人でも例えばシェアハウスなどを考えれば人間関係を円滑にすることを意識すれば特に家賃面で安くする選択肢は多く出来うると考えます。
そして最後は貯蓄、あるいは資産、あえてタイトルまで含めたのはここを書きたかったからで仮に年収が200万円だったとしても1000万円の資産を作れれば資産だけでなくその過程も込みで未来の絶望から助け出してくれる大きな材料言い換えればサバイバル戦略となるのではないかと思います

まとめるとこれからの女性や私のような低所得の男性の生存戦略は周りの人間との関係を良好にすることを心がけ、家や車など大きな支出をパラサイト等周りをうまく頼ることで抑え込み、資産形成を目指すと言った感じになるのでしょうか?

結局の所上野氏のようにお金を収入と支出からしか考えられず、社会の構成要因が会社と行政に偏るときついし、そもそも上野氏のような視点で社会学者(?)と言うのもどうかと思うが...。



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#上野千鶴子
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