2018年11月
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写真:4代目の地元での人気はやはりすごい...ぐんまちゃん@高崎市
「組織票」は無効、波乱の結末...ゆるキャラGP@読売新聞2018年11月18日よりさてことしもゆるきゃらグランプリが行われ埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」がグランプリに輝いたようです。しかし所謂組織票が問題になり物議(?)を醸し出しているようです。
全国のご当地キャラクターなどが人気を競う「ゆるキャラグランプリ(GP)2018」の投票結果が18日、会場の大阪府東大阪市で発表され、埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」が約89万票を獲得してグランプリに輝いた。事前のインターネット投票で暫定1〜3位だった3体は、自治体による「組織票」が問題となり、多数が無効と判断される結果となった。
カパル@(公財)志木市文化スポーツ振興公社
"ゆるキャラ1位"に燃える自治体の勘違い@President2018/11/20よりしかし、不思議なのはどこまで行っても何故か着ぐるみの1キャラクターでしかないゆるきゃらに「ゆるキャラグランプリで1位になれば、本当に、まちの一体感・誇りが生まれたり、まちのイメージアップにつながったり、地域が活性化したりするのか」などと言うものすごく高度な期待を評価の基準として批判しているのです。
筆者自身の感想を述べれば、確かに「ずるい」かもしれないが、"「お祭り」気分で、市民と行政が一丸となって、みんなで1位を目指してがんばる"というのは、気持ち的には分からなくもない。決して褒められたものではないが、目くじらを立てるほどのことでもないと思う。〜中略〜しかし、である。この問題の本質はもっと別のところにあるように思われる。それは、その効果が定かでないにもかかわらず、関係自治体が「ゆるキャラ1位獲得」を目標にしてしまっている点にある。つまり、「ゆるキャラグランプリで1位になれば、本当に、まちの一体感・誇りが生まれたり、まちのイメージアップにつながったり、地域が活性化したりするのか」という点が十分に吟味・検討されていないことに根本的な問題があるのだ。
「ゆるキャラ」で地方は救えない! 専門家たちが語る「地方創生の真髄」@AERA2018/2/19より
地方創生の救世主としてもてはやされる「ゆるキャラ」や「B級グルメ」にも、専門家は疑問符をつける。〜中略〜
全国で地方創生事業に関わる一般社団法人「エリア・イノベーション・アライアンス」(東京都)の木下斉(ひとし)さんは共著『地域再生の失敗学』(光文社新書)の中で指摘する。
例えば、お土産店でゆるキャラ関連商品が100万円売れても、ゆるキャラのせいで店頭に置けなくなった商品の売り上げが減る。並ばなくなった商品の売り上げが80万円だったとすれば、増加したのは20万円に過ぎない、と。
こちらはゆるきゃらグランプリの話ではないですがこのシリーズでおなじみ木下斉さんも批判しています。ただ個人的には衰退した商店街では「そもそも並べれば80万円の売上がある商品」がどれだけあるのかと言うのが問題の様な気がします。だとすれば「並べれば100万円売れる」ゆるきゃらグッズは救世主と言えないまでも有難い存在の様な気がします。
「ゆるキャラ」で地方は救えない! 専門家たちが語る「地方創生の真髄」@AERA2018/2/19より
リアルオプション型開発の好例として飯田准教授が挙げるのが、高松市にある「高松丸亀町商店街」。後継者不足や店主の高齢化で閉店が相次ぎ、シャッターが閉まったままの店が多かった。商店主たちは「何とか商店街を元気にしたい」と立ち上がった。470メートルの商店街を7街区に分け、10年近くかけ順次進めていった。「丸亀ももしかしたら失敗していたかもしれない。しかし、途中で引き返せるプロジェクトでした。実施前から完成時のファーストベストがわかっているなんてことはあり得ません」(飯田准教授)
また別の専門家ですが、成功例として高松市の中心市街地高松丸亀町の事例が上げています。10年近い再開発、最新のリアルオプション型の開発という事でさぞ成功したのでしょう。
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図:高松市中心市街地活性化基本計画@首相官邸より
ちなみに調べてみたら上の表が出てきました。多分これが計画なのでしょう。状況としては以下になります。
小売業販売額 1997→2004年 23%減少
歩行者通行量 1997→2006年 28%減少
中心市街地人口 1995→2006年 9%減少
確かに惨憺たる有様であることが見て取れます。
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図:第2期高松市中心市街地活性化基本計画(概要版)@高松市より
さて結果はどうでしょうか?
空き店舗率 2006年18.1%→2012年16.6% 改善
小売業販売額 2006年104,984万円→2012年 79,644百万円 24.1%減少
歩行者通行量 2006年 119844人→2012年 121286人 1.2%増加
定住人口 2006年 20385人→20671人 1.4%増加
確かに空き店舗率、通行量、定住人口それぞれ、増えています。それは確かなのですが、肝心の小売業販売額は6年で24.1%減少、計画段階では7年で23%減少なのでむしろ小売りの売り上げ減少のペースはむしろ加速しているのです。地方創生のメインの目的が「地方における安定した雇用の創出」と考えると最も重要な指標が改善は愚か悪化していると考えると成功と言い切るのはどうかと思います。
閉店が続くアメリカ小売業「最期の日々」@BUISINESS INSIDER JAPAN2018/6/7よりとは言え小売業の売り上げが減ったから失敗とも言い切れない面もあります。日本より人口も経済も成長率が高いアメリカでは小売業「最期の日々」などと言われ、有力なチェーンストア、ショッピングモールがどんどんつぶれています。ネット通販の普及が大きな要因と言われていますが1つだけ確かなのは小売業自体がマイナスサム産業で、半端な努力では売り上げが減り続けていくという事です。時代に対応した投資・努力は必要ですが、それだけでは衰退を免れる事は出来ない、そういった時代に入りつつあるという事です。
2018年、アメリカでは3800以上の店舗が閉店する。
ドラッグストア大手のウォルグリーン(Walgreens)、トイザらス(Toys R Us)、ギャップ(Gap)はそれぞれ数百店舗を閉鎖する。
"小売業の崩壊"が業界を襲い、クリアランスセールとショッピングモールの閉鎖が広がっている。
"小売業の崩壊"がアメリカに広がっている。2018年、アメリカでは3800以上の店舗が閉店する。メイシーズ(Macy's)、シアーズ(Sears)、JCペニー(JCPenney)などの百貨店、トイザらス、衣料ブランドのBCBG、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)、Bebeなどが数十店舗を閉鎖する。
各地のショッピングモールを訪れてみると、そこはまるで墓場のようだ。
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写真:横浜市交通局のゆるきゃらはまりんとそれに群がる子供達@ヨコハマカーフリーデー2017より
そういった意味で実際ゆるきゃらのいる場所の光景を見るとどうでしょうか?上は横浜市で9月に行われるカーフリーデーと言うイベントでの光景、最初の写真でのぐんまちゃんにはやや劣るかもしれませんが子供たちが群がり、シャッターチャンスを待つ人たちに囲まれていたのが印象的でした。私はやりませんがここでとった写真をtwitterやFacebookで拡散する事で多くの人を呼び込むといった事もあったと思われます。これは横浜での光景ですが、群馬をはじめ日本中の各地でこういったゆるきゃらを取り巻く光景は見られるはずです。イベント限定とはいえ再開発などの手間暇かけずに人を集めてくれるのがゆるきゃらと言う存在であり、ハロウィンに代表されるイベントごとが増えた2010年代に彼らが増えていったのは必然と言えるのではないでしょうか?
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写真:ゆるきゃらは民間企業にも順調に拡大京浜急行電鉄のゆるきゃらけいきゅん@京急ファミリー鉄道フェスタ2015
そして目ざとい民間企業にもこのゆるきゃらは普及してきています。上は京浜急行電鉄のゆるきゃらであるけいきゅん、この手のゆるきゃらの議論では出てきていませんがけいきゅんのような民間企業のゆるきゃらは確実に増えていっているように感じます。ちなみに最近けいキュンの弟分とも言える京急バスのゆるきゃらけいまるくんもデビューしました。
.公式キャラクターの愛称が「けいまるくん」に決定!さらに、「けいまるくんラッピングバス」も登場!@京急バス2018年10月9日
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写真:4代目はSCにも御呼ばれする?@イオン高崎SC
また明確なお祭りやイベントだけでなくSCでの催し物でもその集客力を発揮すると言う光景も見られるのではないのでしょうか?上は群馬県高崎市のイオンでの光景、この日は群馬県の物産展をやっていたらしく、その関係でのご出陣ですが、それでもSCでもその集客力を生かす光景があると言うのは注目したいところです。
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動画:8代目をメジャーにした動画?
こうしてみると一部の専門家たちが何故ある種無理筋の批判するのかある意味でわかります。簡単に言えば「私の考える正しい(ただし成功と呼ばれるものですら結果は微妙)努力からゆるきゃらと言う安易な方法に逃げている」と言った所でしょうか?
ただ個人的には「どうせどこでもやっているならゆるきゃらを取り込むことでより効果的にめざす成功に到達する確率を上げる方法」を考え教えていくのがこういった専門家の役割の様な気がします。
例えば今回グランプリに輝いたカパルですが、ゆるい動画が有名みたいで、「施設の宣伝そっちのけで動画を投稿する」みたいな言われ方をしますが、こういったゆるきゃらはまずYouTubeの様な動画サイトとの相性は非常に高いのが特徴で、こういった動画サイトを活用する際の糸口に出来ないでしょうか?
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画像:神奈川のバス会社臨港バスゆるきゃらりんたんのTwitter
またtwitter等のSNSとの相性もばっちりで上の神奈川県のバス会社臨港バスの様にゆるきゃらにtwitterアカウントを任せるようなケースもあります。こういった形で広報・宣伝を柔軟に効果的に行っていくと言うアプローチもありなのではないでしょうか?そしてそういったコミュニケーションの結果集まったお客さん相手に売り上げを伸ばす方法も考えられます。
逆にこういった活用方法に思いもよらない専門家と言うのはどうでしょうか?個人的にはその専門知識は活用したいと思う反面大きな役割を与えるべきではないと思いますが如何でしょうか?
オリコンチャート一位も獲得した韓国系人気アーティストBTSが原爆投下を肯定するようなTシャツを着用していた事に対し批判がある事からTV朝日のミュージックステーションを見送った事が報じられました。また彼らは原爆だけでなくナチスを模した帽子を被ったりしていたことからユダヤ系人権団体も批判声明を送ったそうです。BTS、日本の番組出演見送り=「Tシャツに原爆写真」と報道@時事通信2018年11月9日より
【ソウル時事】韓国の男性7人組の音楽グループ「BTS(防弾少年団)」の所属事務所は8日、日本ファンクラブの公式サイトで、「9日放送のテレビ朝日『ミュージックステーション』に出演予定だったが、見送ることとなった」と発表した。番組のホームページによると、メンバーが以前、着用していたTシャツが波紋を呼んでいると一部で報道されているため、着用の意図などに関し所属レコード会社と協議。「総合的に判断した結果、今回は出演を見送ることになった」という。
聯合ニュースなど韓国メディアによれば、メンバーの一人が以前、着用したTシャツには、日本による植民地支配からの解放を祝い、万歳を叫ぶ人たちの写真と共に、原爆投下の場面のモノクロ写真などがあしらわれていた。
BTS(防弾少年団)の日本最新シングル、海外アーティスト初の初週売上40万超え@スポーツ報知2018年11月13日
BTSをユダヤ団体非難「公式に謝罪すべきだ」@読売新聞2018年11月13日
米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(SWC)は11日、韓国の人気ヒップホップグループ「BTS(防弾少年団)」を非難するコメントを発表した。発表によると、BTSはナチスを模した帽子をかぶったり、コンサートでナチスの旗に似た旗を振ったりしたという。SWCは「世界中の若い世代が偏見や不寛容を『格好いい』と思いかねず、歴史の教訓をぬぐい去る結果につながる。公式に謝罪すべきだ」と指摘した。
メディアの緩やかな自殺〜幸色のワンルームに思う2〜よりTV朝日と言えば前にも「誘拐を肯定する」と言う批判を受けて放映1月足らず前にドラマ幸色のワンルームの放映を中止したばかり、確かにBTSの行動は批判をされてしかるべき部分はあるにしてもわずか半年足らずの中で2度も「批判を受けたから放映を中止」という事で2度も話題になるのははっきり言って異常ではないかと思います。幸色のワンルームもBTSも少し調べれば、批判そのものは予想されたはずで、それで直前に批判されたから放映しませんと言うのは余りにも作り手を馬鹿にしていると思います。
前に取り上げたドラマ幸色のワンルームが首都圏をネットするテレビ朝日などで放映が中止になったとの事です。批判の声が出ていて「総合的な判断」と言う曖昧な言葉で放送開始1月足らず前にそれを中止すると言うこのニュースぱっと思ったのは、これは地上波キー局と言うメディアの緩やかな自殺ではないかという事です。
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画像:攻めるNHKの象徴(?)
ノーベル賞のNHK解説に「キズナアイ」は適役なのか? ネットで炎上中【追記あり】@千田有紀 Yahoo個人2018年10月3日よりそんなTV朝日と対照的だったのはNHK、先月初めのノーベル賞発表の際、WEB上で解説番組を作り、そこで解説者である科学者に対するインタビュワーとして子供や若い世代に人気のVtuberキズナアイを抜擢し、話題になり、武蔵大学教授で日本女性学会代表幹事の大物フェミニスト千田有紀氏や幸色のワンルームの批判でもおなじみ、太田啓子弁護士などそうそうたる面々から批判を受けました。京大高等研究院の本庶佑特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。おめでたいことだ。
その前に、NHKはノーベル賞にちなんで特別サイトを開設(「ノーベル賞 まるわかり授業」)。
バーチャルユーチューバーのキズナアイが、「ノーベル賞 まるわかり授業」を行うということで、話題を呼んでいた(バーチャルYouTuberによるノーベル賞解説 NHKサイトが話題)。
ところがこのサイトは、その後、違う意味でネットで話題を呼んでいる。
太田啓子弁護士が、性的に強調された描写、女性の体をアイキャッチに使うことについて疑義を呈し、「NHKノーベル賞受賞サイトでこのイラストを使う感覚を疑う」とツイートしたからだ。
これに反対するひとたちは、別にキズナアイは性的じゃない、女性からも支持を得ていると反論、太田弁護士に賛同する人は「乳袋(という表現があるのを初めて知った)」やへそが出ている時点で、やはり性的ではないかと、ツイートが飛び交う事態になっている。 〜中略〜
といったように、「相槌の名人」となっている。
【「相槌」がなぜダメなのかと思うかもしれないが、社会学では「権力」は相互作用の場面からもつくられていくと考えられている。コミュニケーションの場において、どのような言葉が交わされ、どのように会話が達成されるのか。コミュニケーションは当然、社会システムのなかで行われ、そしてまたその社会システムを再生産するのだ。
このNHKのサイトで「キズナアイ」に割り振られた役割は、基本的に相槌である。それは、従来「女性」に与えられてきた役割である。ある意味で、性別役割分業を再生産していると言えるのだ。
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動画:キズナアイに続き...
BS1スペシャル「eスポーツ 最強は俺たちだ!〜"サッカー日本代表"への道〜」@NHK BS1そして批判の声とそれに伴う騒動も続く中、批判した千田教授をはじめとした面々を嘲笑うように、今度はBSとは言え、実際にTV放映される番組でもVtuberミライアカリをリポーターとして採用し、話題になりました。
NHK、VTuber「ミライアカリ」をリポーター起用 話題呼んだキズナアイに続いて@J-CAST NEWS2018/11/6よりVTuber(バーチャルユーチューバー)のミライアカリが、NHKにリポーターとして出演すると話題になっている。
ミライアカリが出演予定なのは、2018年11月11日未明(10日深夜)放送の「BS1スペシャル」(BS1)。番組公式サイトによると、この日は「激突!新時代のeアスリート」をテーマにしたもので、ミライアカリのリポートのもと、「新しいスポーツの興奮と感動をお伝えする」という。
VTuberとNHKといえば、ノーベル賞の解説ページにキズナアイを起用したことが、10月上旬に話題になったばかり。ここでは「まるわかり授業」と題して、キズナアイを生徒役に、有識者が講義する様子が掲載されたが、その絵柄などをめぐって一部で議論も飛び出した。
一方でミライアカリは、キズナアイよりも奔放なキャラで知られている。
メディアの緩やかな自殺〜幸色のワンルームに思う2〜よりこうまでNHKをTV朝日とは対照的な攻めの姿勢に駆り立てたのは何でしょうか?30代以上の中年女性と高齢者を除く現役世代に蔓延する「TV離れ」ではないでしょうか?
satiiro23男性 女性15〜19 26.3% 28.1%20代 18.2% 30.0%30代 24.3% 42.2%40代 32.7% 42.6%50代 37.2% 51.5%60代 43.6% 60.6%図・表:東京地区メディア総接触時間シェアの世代別状況(博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査2018」時系列分析よりより作成)
そして2018年時点での世代別で見ていくと平均を超えるのは男性が50代以上、女性が30代以上で男性50代は37.2%で全体平均の36.4%とほぼ同程度なので言うなればTVを比較的熱心に見ているのは30代以上の女性と60代の男性と言う、昔地方の農業で働き盛りの男性は出稼ぎに出てしまうため「母ちゃん、爺ちゃん、婆ちゃんの3ちゃん農業」なんて言われましたが今のTVを見るのはまさにそんな3ちゃんとなっていると言っても過言ではありません。
ソニーが遂にテレビが映らない新型BRAVIAを発表!ネットからは称賛の声があがる@ついラン2018年3月27日
特にTV離れが顕著な50代以下の現役世代の男性や20代以下の若い女性、現状比較的良い景気が悪化した時に彼ら、彼女らは何をするでしょうか?少なくない数の人達がチューナーのついているTVを手放し、チューナーの無いモニターに買い替え、「決して安くない受信料の支払いをやめる」行動に出るのではないでしょうか?冗談のようですが業務用ディスプレイの新商品の発表に「テレビの映らないBRAVIA」と言う称賛の声が挙がる状況を見ると冗談とは言い切れないように感じます。そしてチューナーを手放す人が増えれば増えるほど受信料に頼るNHKの経営は苦しくなります。
NHK番組改変問題@wikipedia
そしてもう1つ、公共放送と言う存在であり、その経営計画は国会の承認が必要であると言う事等からよもすると政治的な介入を招きかねないと言う問題があります。明確な介入ではなくても、例えば国会議員がふと漏らした一言や質問で揺さぶられる面が無いとは言い切れないでしょう。そしてその時今の様に大半の人がTVを見て受信料を払う状況でなく多くの現役世代が離れていたら、ちょっとした一言が激震になるのではないでしょうか?
それ故にNHKは公共放送としてその公共性を守るために、TVから離れつつある若い世代、現役世代をつなぎとめるために彼らの好む新しいもの、面白いものを積極的に取り込むのではないでしょうか?えらい大学の先生のいかにも政治的な批判を無視して...。
テレ朝、10月第3週視聴率3冠 『リーガルV』やサッカー代表戦など @マイナビニュース2018年10月22日より散々くさしてきましたがそれでもテレビ朝日の視聴率は好調です。しかも幸色のワンルームやBTSのファンや作り手を嘲笑うように相棒や科捜研の女の様な長年続いたシリーズによって、その視聴率は支えられています。このような状況であれば幸色のワンルームやBTSの様な新参の余所者をあえてリスクを背負ってまで使わなくて良いと言う考えも分からなくはありません。
テレビ朝日は、10月第3週(15〜22日)の週平均視聴率でゴールデン(19〜22時)・プライム(19〜23時)・全日(6〜24時)の3冠となった。〜中略〜
10月第4週は『相棒』(17日、17.1%)、『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』(18日、18.1%)、『科捜研の女』(18日、13.4%)といった連ドラに加え、サッカー日本代表のウルグアイ戦(16日、17.0%)、スペシャルドラマ『おかしな刑事』(21日、13.0%)、『ポツンと一軒家』(21日、12.8%)なども好調だった。
相棒season17@TV朝日相棒は2000年、科捜研の女は1999年放映開始とそれこそ世紀を超えて20年近く続く長期シリーズであり、視聴率も10%を下回るのをほとんど見ない安定した高視聴率を誇るシリーズであり、しつこいまでの番宣も含めじっくり育てたTV朝日は素直に見事だと思います。 しかしそれ故に感じるのは主要出演者の高齢化、上に挙げた主要出演者は概ね10年以上出演しているキャラクターで言うなれば替えの利かない存在と言える人たちの年齢、遅く始まったはずの相棒の方が高く、平均するとなんと60歳を超えます。特に主人公を演じる水谷豊氏が65歳を超えているのにはびっくりしました。 科捜研の女の方は多少若く平均年齢は55歳を少し超えたくらいで相棒よりは無理が少ないですが、どちらにしても2020年を超えて続けていくには難しいのではないでしょうか?
相棒@wikipediaより放映開始:2000年6月主要出演者水谷豊:1952年生まれ(66歳)山西 惇:1962年生まれ(56歳)岸部 一徳:1947年生まれ(71歳)六角 精児:1962年生まれ(56歳)科捜研の女@TV朝日 科捜研の女@wikipediaより放映開始:1999年10月主要出演者沢口 靖子:1965年生まれ(53歳)内藤剛志:1955年生まれ(63歳)若村麻由美:1967年生まれ(51歳)
メディアの緩やかな自殺〜幸色のワンルームに思う2〜よりそして忘れてはならないのは相棒や科捜研の女、そしてそれに続くであろう今人気である程度続いている番組は急激なTV離れが始まる2010年代を迎える前に始まっていたり、その頃にはある程度人気を確立していた役者さん、そしてその役者さんを知っている視聴者がいてこそ成り立っていたことで、今後こういった存在は先細りにならざるを得ない言えるのです。
[画像:satiiro22]
図・表:東京地区メディア総接触時間シェアの時系列推移(博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査2018」時系列分析よりより作成)
2009年にはTVのシェアは50%を超えていたのがわかります。しかし翌年の2010年には50%を割り込み、2014年にはPC・スマホ・タブレットのネット3メディアにシェアで逆転され今年の調査ではPC・スマホ・タブレットのデジタル3メディアが逆に50%を超えています。
言うなれば2010年代はTVが本格的にメディアの主役をネットメディアに奪われた時代と言えます。
幸色のワンルームやBTSと言った新しい存在をちょっとの批判で引っ込めたTV朝日と批判があってもキズナアイやミライアカリと言ったVtuberと言う新しい存在を抜擢し続けるNHK未来に生き残るのはどちらだろうか?
あなたはどう考えますか?
写真:昭和の無骨さを今に伝える国鉄115系
さて今月のランキングです。2か月連続ランキングのみで申し訳ないです。
1.コスパと言う言葉が語るもの
2.取り残された女性たちのまち
3.男性を結婚と言う投資にいかに引き戻すのか〜出生数回復の切り札〜
4.平成の終わりに考えるその1〜女性の社会進出と8050問題〜
5.現代の置屋の失敗〜かぼちゃの馬車破たんに思う〜
そんな過去記事でのランキングで1位に輝いたのはコスパと言う言葉が語るもの、3年前の記事ではあるのですが、結婚や出産に関してコスパで語る人がいるのを苦々しく見ているシロクマの屑籠さんの記事に対して「年貢の納め時」と言う言葉がある事からわかる様に、昭和の頃もそうだったのではと提起した記事です。ただ昭和の頃はそんなことを言いながらも大半の人が結婚したのに対し今がそうでない事を考察してみました。
そして3位の男性を結婚と言う投資にいかに引き戻すのか〜出生数回復の切り札〜はタイトルだけ見るとコスパと言う言葉が語るもののアンサーの様に見えますが、女性の婚姻率が高い東北・北海道の出生率が低く、男性の婚姻率が高く、女性の婚姻率の低い九州の出生率の高さから一見相関の無い男性の婚姻率こそが出生率を大きく左右するのではと提起した記事です。
続いて2位は相変わらず根強く読まれている取り残された女性たちのまちが入りました。来年から元号が変わる訳ですが新しい元号になった段階で40代後半となる団塊ジュニア女性の中には結婚できず、かと言って経済的に自立できる状況でもない為いつまでも実家に居続ける人も少なくないのではと言うのがこの「取り残された」と言う言葉にかけたニュアンスです。そして4位に入った平成の終わりに考えるその1〜女性の社会進出と8050問題〜は更にニートや引きこもりと言う所に踏み込んだ記事です。21世紀初頭、平成中期の段階で家事手伝いを含めた無業者は女性の方が多く、そして増え続けてきたと言うのは見逃されがちですが重要な事で、平成が終わったころにはその問題がより深刻に突きつけられそうな気がします。
5位には現代の置屋の失敗〜かぼちゃの馬車破たんに思う〜が入りました。かぼちゃの馬車とスルガ銀行による不動産投資詐欺と言うのが一般的な見方ではあり、それはそれで間違った見方ではないですが、投資スキームに着目すると高所得のエリートたちが、地方から上京する若い女性達は骨の髄までしゃぶりつくすこのスキームを有力で魅力的な投資先と解釈しそれこそ人生そのものを担保として投資したと言うのは結構怖い事だと思うのですが、本来それに気づき問題を提起しなくてはならない人達はVtuberの相槌の数を数えていると言う絶望的な状況だったりします。
社会学者千田有紀先生、キズナアイの記事について印象操作を指摘されるも反論としてキズナアイの相槌を数え始める→そもそも相槌「しか」打たないって話だったのでは@together
いかがだったでしょうか?11月は記事を書かなくてはならないですね。
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