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写真:県庁市の中心市街地でも空き店舗が目立つ@群馬県前橋市2021/1

日本に「隠れ失業者」が山ほどいるという大問題@東洋経済2021年2月21日より
しかし、問題は、雇用調整助成金に頼っている部門が正常に戻れるかどうかだ。それには、大きな疑問がある。
なぜなら、設備や店舗などの固定資産を減少させているセクターがあるからだ。
法人企業統計において全産業をみると、中小企業(資本金5000万円未満の企業)では、2019年から2020年にかけて固定資産が減少している。零細企業(資本金1000万円以上〜2000万円未満)では、減少率は9.1%にもなる。
減少率がとくに著しいのは、次の部門だ(カッコ内は減少率)。
零細製造業(17.3%)、零細宿泊業(54.3%)、飲食業(資本金2000万円以上〜5000万円未満)(36.2%)、生活サービス業(全規模)(24.2%)、零細娯楽業(62.0%)
以上を考えると、労働力の大規模な配置転換が必要だ。
再配置先としてまず考えられるのは、介護部門だ。〜中略〜

もっと大規模な雇用転換政策が必要だ


1940年体制と言う言葉の生みの親としても知られる野口 悠紀雄氏がコロナ後の雇用について「中小企業の固定資産の減少状況から零細な宿泊業、飲食業、娯楽業等から労働力の介護産業への大規模な配置転換が必要」と書いています。

[画像:kyuujin]
表:有効求人数・倍率の比較@一般職業紹介状況@厚生労働省より2018/12,2020/12

確かに街を歩いていると空き店舗も目立ち、一見納得しそうになりますが、ただ雇用の話を考えるのに中小企業の固定資産の減少と言う指標を見たことがないのでより正確な情報を集めるべく有効求人倍率を調べてみました。
そうすると確かに介護産業にあたる介護サービスの職業の有効求人数は僅か2年で実に76%と激増し、有効求人倍率も調べた職業の中では唯一上がっています。何よりも全体の有効求人数の11.2%を占める最大の雇用創出産業と言える状況にあります。
しかし、零細な宿泊業、飲食業、娯楽業がそこまで壊滅的かと言えばそうとも言い切れません。職業分類が違うのであくまで近い職業である飲食物調理の職業、接客・給仕の職業に関しては確かに求人倍率そのものは下がっていますが、求人の増加率、求人倍率双方とも全産業の平均を大きく上回り介護同様の雇用創出産業と言える状況にあります。

日本に「隠れ失業者」が山ほどいるという大問題@東洋経済2021年2月21日より
介護分野は、賃金が低く、労働環境も劣悪だからだ。賃金を引上げるには、介護保険料を引き上げる必要があるだろう。これは決して簡単なことではない
また、仮にうまく機能するとしても、量的な問題が残る。上記の介護職就職支援金貸付事業が2021年度の制度活用者として考えられているのは、2万人強のようだ。しかし、これを休業者の総数に対する比率で見ると、実に1%にも達しない
もっと大規模な雇用転換政策が必要だ



その上で野口 悠紀雄氏の論を読み進めてみるとある意味核心的な部分が出てきます。言ってみれば賃金が低く労働環境も劣悪で誰もやりたがらない介護産業、しかし賃金向上に関しては保険料を納めるユーザーのコンセンサスが取れないので難しい、そんな中で介護の人手を少しでも確保したい、その中でこのコロナで休業している人たちを使えないかと言う身も蓋もない話です
介護士が「底辺」と言われる理由を解説します【結論は世の中が悪いです】@介護士働き方コム2020年12月25日より
残念ながら介護職は底辺だと感じるのは介護職の質とかそういうのではなくて利用する入居者や家族のモラルが低すぎるというのになぜかそれが許されていてしかも給料も低いし明らかに利用する人だけ守られて働いている人が守られていなさすぎるから。介護職は素晴らしいのに取り巻く環境が終わってる


確かに野口 悠紀雄氏の論は身も蓋もないですが、ただ現場の話を探してみると野口氏の論も実は最悪の話でもないかなと感じます。現場の意見として出てくるのは確かに賃金の低さはあるものの、あまりにもユーザーが優先されすぎている事と言う問題です。

当事者主権の介護保険へ ーー制度改革への危機感ーー <上野千鶴子氏 特別インタビュー>@高齢者住宅新聞2020年5月20日より
---制度設計の段階ではいくつかの論点がありました。
上野 まず「税か保険か」の議論がありましたが、保険になったことは結果として良かったと思います。税方式ならば、今日のような利用者側の権利意識が成立しなかったでしょう
---介護サービスの提供を民間に任せた点はどう評価されますか。
上野 市場原理が働き、質の高いサービスを提供できるという点で評価しています。ただしそのためには、競争原理が働くほどじゅうぶんなサービス供給量がなければなりませんが、選択肢はまだまだ不足しています
また、ケアワーカーを資格職にした点は非常に良かったと思います。ケアワークを専門職としてきちんと評価した。諸外国の場合、ホームヘルプは家事手伝いの延長でケアワーカーと利用者の個人間で契約を結ぶことが多いですが、日本の介護保険制度は事業者と契約する方式を採用した。
---ヘルパーを公務員化しておくべきだったとの意見もあります。
上野 私はそうは思いません。介護保険制度において、契約と競争の導入を私は評価しています。市場原理が入ることで、質が担保されるからです。
さて何故こんなことになってしまったのでしょうか、それを考えるのに参考になるインタビューがありました。介護に詳しい上野千鶴子氏による介護保険に関するインタビュー記事です。
記事を見ると現状介護の現場で起こっている問題の原点が浮かび上がってきます。
・利用者側の権利意識
・市場原理が働き、質の高いサービスを提供できる
・介護保険制度において、契約と競争の導入
こうしてみてみると野口 悠紀雄氏の身も蓋のない意見すら生ぬるいと思えるくらい現状の現場の厳しい状況の原因ばかり肯定しているように感じます。利用者の権利意識の涵養、競争原理の導入は現場の労働者の権利を削っていったことでしょう。せめて公務員のような身分保障があればましだったかもしれませんがそれにも否定的です。強いて言えば介護を専門職としたことくらいですが、それが何ら有効に作用していないように見えるのは私だけでしょうか?

当事者主権の介護保険へ ーー制度改革への危機感ーー <上野千鶴子氏 特別インタビュー>@高齢者住宅新聞2020年5月20日より
――今年1月に樋口恵子さんらと共同で介護保険の危機を訴える集会を開き、一石を投じました。その模様を収めた書籍『介護保険が危ない!』が4月に刊行されました。
上野 「介護保険が危ない!」というタイトルに込めた想いは、あなたの親とあなた自身の老後が危ない、あなたの子どもの人生も危ない、ということ。介護保険制度の弱点として、利用者の団体や代表組織が存在しない状況があります。ケアを行う側も、現場のケアワーカーが声を上げ、それをまとめるような場がない。介護に従事する人口は厖大なのに、組織率も低く、政治的な発言力もありません。安心して働ける労働条件が確保されていないから声を上げる余裕もないのでしょう。
ですが、私は悲観していません。何よりもこの20年間で現場の経験値は飛躍的に上がり、ノウハウが蓄積され、イノベーティブな人材も育ちました。福祉先進諸国と比較しても日本の介護現場の質は絶対に引けをとらないと思います。給付水準もサービスの質も高く、20年経った今も日本の介護保険制度は諸外国に誇れる制度です


そして誰もやりたがらずコロナ失業者を無理やり送りこもうとしている現状を諸外国に誇る制度であり、ただでさえユーザーの権利が問題となっている状況に対して「利用者の団体や代表組織が存在しない状況」を問題にして「介護保険が危ない!」と呼びかける、正直な所おぞましさすら感じます。

ただそのおぞましさはともかくとして現状介護の人材が不足し、かつ高齢者を中心とした「今の水準の介護サービスを維持したい」と言う思惑の中でこのおぞましさのある光景が繰り広げられるのだろうなと思います。

なんだか暗くなりましたがこの辺で

タグ :
#介護
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