つれづれなるままに

2008年04月24日01:46
カテゴリ
音楽
社会
つぶれたレコード屋@前橋中央通







写真:前橋の中心市街地で営業を閉じたレコード屋

「オリコンチャート」記事めぐる訴訟、オリコン勝訴 ジャーナリストに賠償命令@IT Mediaより
「オリコンチャートをめぐる雑誌記事内の事実誤認に基づくコメントにより名誉が傷つけられた」として、オリコンが音楽ジャーナリストに5000万円の損害賠償を求めて訴えていた裁判で、東京地裁は4月22日、ジャーナリストに100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。ジャーナリストによるオリコンへの反訴は棄却された。

個人的に少し注目していた裁判の判決が出ました。
この裁判はジャーナリストの烏賀陽弘道氏が「サイゾー」と言う雑誌のオリコンとジャニーズ事務所の癒着を推論した記事にて「オリコンのデータは実売でなく予約のデータ等もは行っていて信頼性が低い、集計方法も公開されていないのは信頼性の低さを裏付けている」と言った趣旨のコメントを行ったことに対し名誉毀損で5千万円の賠償を請求したと言うものです。この裁判で一般に注目されたのは以下の2点です。
・コメントをしただけの1ライターに対し5千万円と言う多大な賠償を請求したのは言論封殺ではないか
・オリコンの統計は本当に信用できるのか?

どちらも書き手である烏賀陽弘道氏の視点からの問題といえるわけですが個人的には興味は別の点にありました。
1つは烏賀陽弘道氏と言う書き手の活動がどうなっていくのか
もう1つは何故オリコンはこんな裁判をしてしまっただろうかと言う点

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まず前者に関して書くともともと烏賀陽弘道氏は朝日新聞の記者だったのですが、結局会社との折り合いがつかず辞めて(その諸事情は右の著作に少し書かれています)フリーライターさんです。音楽系の著作が中心なのですが宝島社のムックでJ-POPアーティストの英語力をいんちき振りをまじめに評価してアーティストと論争してみたりとよく言えば実直、悪く言えば空気が読めないと言われそうなライターさんです。
とは言え著作を読むときちんとした教養・研究・調査に裏づけされた鋭い論評は読み応えがあり、左の著作等は個人的なフェバリッととなっています。

さてその前提条件から考えると後者の部分何故オリコンがこんな裁判を起こしてしまったかが不思議でなりません。
上で書かれている様なジャーナリストがこんな訴訟を起こされたら何をするでしょう。生き残っていく為にまず必死に自分の論調を補完する為の調査を行い、また情報を発信していくでしょう。当然「表現の自由」を合言葉に応援する人たちも出てきます。また彼の著作を読んだ人は良くも悪しくもこの「空気が読めない真面目な」ライターさんの言葉を信用するのは間違いありません。
と言う事は極端に言えば「自社のブランドの信用を守る為に起こした訴訟で自社ブランドの信用破壊行為を焚きつけている」ともいえる訳です。
そして今回のオリコンの「勝訴」は更にこの状況にガソリンを注ぎ足したようなものです。貧して鈍して迷走しているように思えるような気がするのは私で毛でしょうか?象徴的なのはこの訴訟が行われた2007年度の赤字決算で44半期中3四半期で営業赤字、しかも唯一営業黒字を出した期のドル箱要因は最終4半期には赤字要因に転落と良いところがありません。
音楽CDと言う商品は着うた等他の分野への拡散により売り上げ激減と言う顧客だけでなく作り手であるアーティストからも段々離れられている分野です。良く考えると昔に比べてCDも買わなくなりましたし、流行歌の話と言うのを職場や学校ですることも減ったのではないでしょうか?
そう言った意味で今回の裁判はオリコンと言うある意味で日本と言う国の何かを担ってきた企業が静かにその寿命を終えようとしている一場面を浮かび上がらせているように思えてなりません。





タグ :
#オリコン
#烏賀陽弘道

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