アナログエンジニアは国内検定済みのスピードガンを保有している。念願であったアーチェリーの矢の速度を直接測定するために購入したもの。特徴は、「遠ざかる物体」が測れることだ。
野球、テニス、バレーボールなどの大きくない物体は16-177km/h、車などの大きい物体は16-322km/h(4.4-89.4m/s)がカタログ上の計測範囲。
測れないリスク覚悟の上で、アーチェリーの矢の速度の測定に使った。至近距離から射手の後ろから計測。
レーダードプラシフトのピーク値を測る方式で、「遠ざかる物体」負のドプラーシフトのピーク値を測れるところがミソ。
Bushnell社製で国内検定を受けたもの。
照準器の変化から逆算した値の方が1-2m/s高速に出ている。私の間接測定は高校物理を利用して風による減速を考慮しない計算なので、低めに出るのではないかと思っていたが、スピードガンによる計測の方が低めだった。10人近くクロスチェックしたのでまず間違いないだろう。
こんな機材が個人でも手に入る時代になった。おそらく内部には、高周波対応のアナログLSIとデジタルICが搭載されているだろう。
後方から測定できいるので、種々の用具スポーツでコーチがラケットなどのスイングスピードなどを測定し、選手の指導に生かせるのではないかと思う。
このような近代技術の活用は今後のスポーツ界の指導技術にも早い時期から取り入れられることを望む。
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Img_0351 アナログエンジニアが自宅に保有しているオシロスコープは25MHz帯域のアナログオシロスコープである。この仕様のオシロで十分なのだ。
帯域が広すぎると急激に高価になる。ノイズも多くなる。K社の最後の製品でもある。多分、今は国産品ではアナログオシロスコープは手に入らないだろう。
プリント基板上で簡単に集中定数として扱える周波数の限界はほぼ20MHz、センサ絡みの回路を扱う際には、なるべく静かに(ノイズのすくない)測定をしたい。時には、オフセット調整を最大限かけて、DCから目的とする周波数まで波形を測定することもある。
記録はコンパクトデジカメで撮影して残すこともある。
一方、デジタルオシロの振幅軸は基本的に256分解能であり、時間軸は高速サンプリングせざるを得ないので、その入力段のプリアンプと高速AD変換器の部分がキー回路となるが、高価すぎるので余計な機能を付加して値段を稼ぐ。その結果、さらに高価になる。プリアンプと高速AD の部分は著名なメーカーだと自作している。
アナログオシロの使い方は共通性が高いが、デジタルオシロはそうではない。±1bitの変動が常にあるので、ノイズの存在を見逃すこともある。もちろん、大きなオフセットを掛けて信号を見ることもできない。
センサ信号を観測することはその信号処理を念頭に置いて計測しなければならないが、励起回路や信号のプリアンプを自作して、はじめて測定できる場合も少なくない。
デジタルオシロの普及は、逆の見方をすれば、センサ技術の衰退大げさに言えば工業技術の基本力の低下の表れと見ることができるだろう。
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C社製の電波目覚まし時計を使っているが、いつも肝心なときに設定ミスをする時計でもある。アナログエンジニアはこの時計を仕方なく使っている。
設定ミスをする原因はひとえにアラームセットの際にアラームオンにするため横側のスライドSWを上に滑らせなければならないのだ。この設定法方法は普通の目覚まし時計の設定方法とは異なる。
設計上の都合か意図的なものかは判らないが、頭の押しボタンSW を押して安心して寝てしまい、昨日の出張のように遅れそうになる。幸い連れ合いが頑張って間に合う時刻に起こしてくれたので、事なきを得て、午前6時半前には家を出ることができた。
最近、この手の独善的?設計の品物が出回るようになってきていて、油断すると使いにくい物を掴ませられる。日本の設計力の衰退を何か感じさせられる。超一流ではないにせよ、一流とされるC社ですらこの有様である。
別の同様な製品も作っているC社に至っては、その故障率の高さと不正確さばかり目立つ。
この程度のものしか設計できないようでは、日本の技術力の低下は着実に落ちている。なお、この製品はメイドインチャイナである。C社ブランドではあるが。
私の個人的見解であるが、今後日本の富の源泉である製造業は急速に衰退していくだろう。今はかろうじて過去のベテラン設計者の残党が技術を支えてきたが、もう戦列を離れ始めてきている。気はついたときには、何も買えない国力の国になっていることであろう。
PCやPCソフトに至ってはほとんど選択の余地がない。そして、個人情報はいやおうなしにあちこちで自分が覚えている以上に蓄積されている。それでも、インターネットは私は使う、使わざるを得ない。それが現実だ。
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Img_0331_2 大学の経済的基盤は基本的に学士製造=高等教育であるるだろう。高等教育と言うからには、それなりの素養の上に、より高度な見識と知恵をもつ人材を養成することでその存在意義がある。
文系学部といえども、分数や割り算を含む基本的の数学は不要ではない。理系学部に至っては、物理を課さない入試などアナログエンジニアには考えられない。
入試が選抜の役割を放棄してから久しい。
素材の品質が玉石混合である以上、有効な選抜はやむを得ない。小、中、高の取得レベルの底上げはもちろん必要だが、大学は大学であるべきだと考える。
国富の源泉である製造業は厳しい国際競争の中にある。学士の名に値しない「学士」が職を求め、学業を放棄?してまで就職活動をしている時代である。ゼロサムゲームの金融業などにそう職がある訳ではない。
今の大学は、少子化の中で材料、部品である入学してくる学生の品質を担保することなく、なりふり構わず新入生を取っている。それで、卒業生の品質を担保出来ていると言う話は聞いていない。担保できる訳は無いのだ。製造業が材料・部品の品質チェックを怠ったら、それは自殺行為に等しいだろう。
「学士」を取得すれば、会社としても一応「学士」の扱いをせざるを得ないから、新採用に慎重にならざるを得ない。始めから作業員としてなら別だろうが・・・・
自分に合わない教育をうけることほど苦痛なものはない。甘やかされた教育を受けた者は甘やかす教育しかしない。私は、今の教育システムに大きな疑問をもっている。少子化に見合った規模にならない自掃作用のない大学制度はこれで良いのだろうか?
研究者の周辺分野への関心の欠如の拡大にも大きな疑問を持つ。小国の日本が、学術の規模だけを誇って何になる。
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Img_0325 月に1回ほど、太陽光発電結果をモニタする機会がある。そこの設備でこれまでに見た最大の最大の瞬時発電量は8.5kW。3月の快晴の日の後3時ころ。おそらく「パネルの出力容量」は10kWをこえているのではないだろうか。
少し、薄雲があるとはっきり出力低下が生じる。時間帯と季節を考えると「設備容量」はもっと大きいだろう。ほとんど快晴の時間帯が続く日でも、午後4時の段階で、過去にモニターに表示された瞬時発電量の4時間分を超えることはない。
太陽光発電で言う「設備容量」と原発で言う「設備容量」は意味が違うし性質も異なるのだ。メガソーラ発電の規模を原発何基分と表現することは、意味不明である。そのような方には夜の明かりを我慢していただきたいものだ。
アナログエンジニアはこのような比喩的/恣意的報道に違和感を覚える。
同時にマスメディアの不勉強さも感じる。
市中の人は近年の天候の激しさを体感しているとともに、自衛手段を考え始めている。同時に、自分でできることを実践し始めている。
東電、保安院の不誠実さは論外だが、その他の事柄にも多くの甘やかしがある。間に合う内に自掃作用が働ければよいのだが。自然界を感じることのできるエンジニアは今や少数となった。エンジニアの枯渇を嘆く前に、優秀な努力するエンジニアに報いたかどうかを、とくに文系経営者には考えていただきたいと思う。
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Img_0315 昨日は暴風雨だった。気象現象を含む時系列的なデーターは遠い過去から、現在へと得られる。そして、その外挿により人は未来を予測する。
信頼性データは、ほとんど完全には得られない欠落のある情報である。まして、粒子の照射により材質が刻々変わる構造物では、その構造物で生じえる現象を完全に予測することは不可能に近い。それを予測可能と称するなら、欺瞞と言いきって良いだろう。
種々のプラントや産業用途の計測記録の多くは、折り畳み記録紙上に記録される。
畳んだまま横から見れば、ロングスパンの推移を圧縮して一目でわかる。
広げてみれば、その詳細が判る。
そのトレンドを外挿すれば、近未来を推測できる。
特別なものとしては、気象予報データは3次元空間のX座標を、ふつう西から東にとる。西は近未来!
工学においては、予測しえないものと予測しえないものがある。予測しえない、ある「事象」が生じないなどという学者の言葉など聞く意義を感じない昨今である。
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Img_0314 プッシュプル・トランス絶縁コンバータの設計が出来れば、真に実力がある回路設計者であろう。
数多くの回路形式、2次側整流回路形式がある。双方向に低インピーダンス駆動出来るので多彩な用途がある。しかも、高出力電力に対応可能である。
ただし、cross currentcondaction :CCCの問題があるので、その対応が出来ない方に、はとても危険な回路である。このため、某、学者それも第一人者が監修したハンドブックには、通常、「直流励磁」されるので、ほとんど用いられないとの記述すらある。致命的な間違いである。
それで、ハーフブリッジ回路を使うが、逆にスナバを含むコンデンサの選択がかなり難しい。たとえ動作しても、工業用途に耐える設計にはなっていないことが多い。
もちろん、アナログエンジニアは、量産ベースで、どちらの回路も設計できる。
自励発振プッシュプルコンバータは当然扱うこともできる。高速キャリアのものも、起動メカニズムも解析できる。
類似回路あるいは発展型として、無理に名をつければ、プッシュプル・絶縁型・フライバックコンバータもある。
その設計技術は、パルストランスに強く反映される。トランスの設計状態を調べれば、総てが判ると言っても過言ではないだろう。多くの書籍や回路図にパルストランスの仕様が記載されないのはこの理由による。
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写真は昨日の水戸の梅。偕楽園ではない。
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Img_0305 アナログエンジニアの工具箱のアイテムのドリル。
一番下はφ1.1。
材質は、上から順に、炭素鋼SKxx、超硬コーティング、細いのは有名切削ツールメーカーのCo鋼。
ハンドドリルしか持ってないので、細いドリルはいいものに変わっていった。
炭素鋼のドリルでは、SUS材の穴開けが出来なかったので、Co鋼の刃物。
よく見ると、刃先の先端の角度が他の物とは違う。多分、SUS材対応の角度。
エポキシガラス基板の孔の拡大にも使う。
こんな切削工具が郊外の大型店で簡単に手に入る。知識があれば、今の時代は良き時代かな。
シャシーパンチを捨ててしまったのが悔やまれる。安物のリーマでは丸い大きな(φ10mm超)は金平糖みたいな形にしか私は加工できない。やすりでかなり削ることになる。
回路のケースを作る機会が少なくなったので、時間は掛ってもあり合わせの工具でしばらくは大丈夫。
小型のフライス盤(ボール盤兼用)、買えないことは無いが、そのお店に行くたびに眺めている。やるとしたら適当なサイズの材料を、知り合いの町工場から分けて貰うことになる。旋盤は触らせてもらったことがあるけど、自分のやりたい目的だと、ワークの固定が難しいフライス盤。
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ベテランの作業員は面荒さを、目で見る、針でなぞる、光の反射で定量的に把握している。技能オリンピック指導者クラスの方に教わって(実物指導付き)、アナログエンジニアも面荒さ計なしで加工面の良しあしは見える。
Img_0303 写真は、簡易的な角度割り出し器。
本格的な角度割り出し盤はとても高価で個人では持てない。
短いが、これでも、0.1度くらいまで、角度を割り出し、ケガキ線が引ける。アナログエンジニアの工作道具のひとつ。
Shinwa Mesuring intruments co.inc. No.19。
PAT.394867
有効長 約150mm。
これで、分度器部分の水平部に対して、直尺を180°の範囲で設定できる。
材質は少し錆びるので、SUSではないが、単純な鋼でもないようだ。
軸に対し、分度器部が下側にあるので、基準端面にその部分をあてがって、直尺部でけがきあるいは角度の測定が出来る。
個人で入手したものだが、多分、工具専門店で買ったもの。とても使い易い構造で、ピボット部のつまみを締めれば固定、ハーフクランプで微調整が出来る。
前のエントリーの自作の車載加速度計は、このアイテムを使って作った。
アナログエンジニアは設計者であるが、趣味としての工作も楽しむ。このような工作器具を使えるのも、本物のもっと精度が高く、高価な角度割り出し盤の世界を知っているからである。そして、自分の手で工作することにより、本業でも、機械工作職人に的確な指示を出せる。
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多くの研究者は必要もないのに大げさな機材を使いたがる傾向があるような気がする。企業でも、手持ち機材の能力をフルに発揮させているメーカーと、大げさな機材を使いたがるメーカーがある。
「私の」と形容詞をつけたのは、信頼性工学の意味が人によりかなり異なるためである。
そして、一部の「専門家」が称する信頼性、安全性とは異なる視点をアナログエンジニアは持っているからである。
信頼性工学は極めて学際的な技術領域である。統計学の数理、故障物理、電気化学、寿命診断、応力、疲労破壊、電気接点の導電機構、材料物性、熱応力そして、その解析技術であるフラクトグラフィーや、電子顕微鏡によるミクロ領域の定性/定量分析、応力腐食割れ、電気化学的な分析、テストピースの作成技術、応力集中、共振、加震力、固体中での部分放電、雷撃など。
アナログエンジニアは、これらの機器の多くを操作でき、かつ、現状を保存して、専門家に相手の言葉で状況を説明できる程度には学際的知識はある。専門家が何が出来て、何が出来ないか。機器分析技術のいくつかも見ている。
そして、過去40年以上にわたり、自分の製品の行く末をフォローしてきた。過酷な環境で数Fit単位での自分の設計したものの信頼性を肌で感じ定量化に努めた。成書では得られない実物の故障モードを体験してきた。
自宅内でも同じである。回路エンジニアとして、45年過ごした。そして、電解コンデンサの破損のさまざまなモードによる損傷の結果を見てきた。
一度だけ、電解コンデンサが火を噴く瞬間を見たことがある。保証期間は過ぎていたが、現状を保存し、相手メーカーに淡々と電話連絡。相手は、こちらの音声を記録している筈。それを承知、利用して、責任者を出させ、修理させた。某D社のPCである。自分のPCは直ったが、その後、リコールされたとの情報には接していない。
繰り返して言う。信頼性を上げるには、学際的な技術が必要で、実物でのたゆまない情報収集が必須である。そして、製品化前の温度依存性、熱歪加える温度試験、耐蝕性などなどの確認試験が必要である。場合によっては、未知の破壊モードを知るためのステップストレステストを実機で行う。計算機上でのストレステストなどは複合要因を含む複雑な連成系では現在は正確な計算にはなりえない。蟻の一穴から堤防は崩れ得る!
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今日から私の回路の著作、[アナログエンジニア」によるアナログ電子回路の基礎と入門 これ1冊 Introduction to Basic Design and Analog Circui by the Analog Engineer が書店に並び始める予定だ。
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