Pert_1053 ←私の学んだ段取りの科学の本
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書名:PERT
副題:新しい仕事のまとめ方
著者:森 竜雄 初版:S39.7 所有するのは、S52.2 21版 日本能率協会発行。
PERT(Program Evaluation & Review Technique)
当時の新しいアメリカ生まれの「新規]プロジェクトマネージメントの手法である。アメリカの軍事技術開発の遅れをマネージメントするために編み出された手法とも言う。私は、この本に出会って以来、大小の違いはあっても、開発計画とその近日未来を把握するために基本的にこの手法を用いる。自分の判断のブレークポイント、判断タイミングを把握するために使う。
初期の頃は手書きで、ネットワークリストを自分のために作成した。一時期にはメインフレーム上で動作するPERTを用いた。数年前にはパソコン上でMS-Projectを使用した。
PERTは表現する図表に一切時間軸を用いないのが基本である。イベント間のアクティビティに要する時間/日数を矢印の上に書き込む。複雑な段取り・手順と判断する材料が揃うタイミングの関係のみを記述する。時間軸ではなく、イベントとアクティビティの関連のみを記述するのだ。
この作業により、段取りと判断するタイミングのイベントのトポロジーがわかる。
クリティカルパス:手計算でも簡単に判る。大抵気になるところがクリティカルパスとなる。
ここからが自分との勝負である。対決である。
リスクを少しでも減らし、より確実な判断材料を得るにはどのように段取りを進めればよいか? 時間は節約できないか? リソースはどうなっている? 現時点で予測できる範囲の数値を入れ、調整する。ここの部分で恣意を入れてはならない。PERTは近日未来を自分のために予測するための整理学である。
時間軸を図表に持ち込んだ瞬間、かくあるべしの恣意・作為が入る。
自分の見通しに率直なネットワーク表示を行うことが肝要だ。そしてアクティビティに必要な時間は、実担当者の予測を入れる。日本では、意気込みでの短めの日数が伝えられることが多いので、見積もりは楽観値・期待値・悲観値をルールに従って加重平均を行い、予測する。
休日作業は、基本的に私は計画に入れない。このくらいの率で計画の時間差が出る。そこは人情で特定の方に休日出勤でカバーしていただく前提である(私の流儀)。
この方法によれば、かなり正確にプロジェクトの近日未来を予測できる。厳しい計画を組んだときには、従事率の低下に伴う自分のプロジェクトの遅れも把握できる。
時間軸を持ち込むと、恣意が入る。ガントチャートや稲妻線とは相容れない技法である。上層部は一般的にガントチャートや稲妻線表示を好むが、段取りの科学は、根拠無しにその変更をプロジェクトリーダーに許さない。例えば、ガントチャートの横棒の途中から、次のアクティビティへ連携する。PERTでは基本的に許さない。そこには何らかのイベントとアクティビティの関係があるべきで、それを明示するのがPERTである。
それがPERTの本質であると私は思っている。
私はこの思考方法、整理手段により自分の高い成功率を維持した。
繰り返して言う。PERTには時間軸表現を持ち込んではならない。持ち込んだ途端、PERTの本質的な部分が失われる。
時間軸とPERTまがいのプロジェクトを合体させたプロジェクトマネージメントソフトは数多く存在するが、有効な使いやすいソフトとはなっていないのが通例である。
やるべきことをやるべきタイミングで行うことをリーダーが把握し、現実に基づいて実行するための手法がPERTである。
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