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Img_1254 写真はウッドメタル(Wood's metal)の200g弱の小塊。製氷用のプラスチック容器とお湯で自分で鋳造したもの。
アナログエンジニアは昔ひょっとしたことから、個人的にこの材料を手に入れた。
お湯で溶け、室温では結構固い材料である。大事に保管していたもの。
お湯で溶け、形を変えられるので今は社会人の当時の我が子供たちの興味を得られた。
ただし、この材料は下記の成分で有害物質を含むので、使った容器は廃棄するか、それなりの洗浄をしなければならないのは当然である。
ウッドメタルの標準成分:ビスマス50%、鉛26.7%、錫13.3%、カドミウム10%である。
融点は70°Cでどうも比熱は小さいようである。
鋳造した寸法による体積と重量から比重は12前後ある。
ウッドメタル:奇跡の材料のひとつであろうが、常温で固体、お湯で溶けることが、いかにも面白いし、さまざまな実用的な使い道、例えばスプリンクラーの感熱材料に使われているらしい。
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フォトインタラプタは装置の位置決めやホームポジションのチェックに使われる光電素子である。
発光部はLEDだから、広がりをもつ光源である。
受光部はSiの光センサである。
フォトインタラプタにはアンプ付きで直接受光部の電流を増幅して、デジタルレベルの信号に変換するタイプもある。
光電センサは汚染に弱く、汚染すると受光量が減少するし、LEDやフォトセンサの感度は経年的に低下する。したがって、設計的にはその減少分を見込んで、少ない光量でトリガがかかるように回路定数を設定することになる。
この結果、フォトインタラプタは受光素子の幾何学的な中央位置でトリガがかかるのではなくて、全遮蔽に近い状態がトリガ位置になる。
受光部は、遮蔽板の移動方向に対して狭い細長い形状にすると、トリガ位置の精度の向上と十分な受光量を両立できるので、そのような形状に製作されていることが多い。
遮光板が斜めになっていると、片側の隅から遮蔽が始まり、対角の隅で全遮蔽となる。したがって、遮蔽板の角度が斜めになっていると、トリガ位置の不正確さは大きく増大する。
このことは、フォトインタラプタの構造と光電センサの性質を理解しているなら容易に判る話である。しかし、世の中には、遮光板が斜めになっている装置も少なからず見受けられる。
アナログエンジニアは、このような無知による設計不良を嫌う。
なお、遮光板が厚いと類似の現象が生じるので、遮光板は薄く製作し、なるべく受光部近くを遮光板が通過するように設計するとトリガ位置の精度向上が期待できる。
繰り返すが、フォトインタラプタではトリガ位置は受光部の幾何学的中心ではなく、全遮蔽に近い位置がセンシングポイントなのだ。
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土曜日、日曜日と続けて近所での交通事故を見た。
土曜日の事故は自宅から200mほどの広い道で、4台の車が関係する追突事故だった。2台は大破、1台は中破でいずれも自力走行できないほどの損傷。その場所のすぐ先には、スーパーとコンビニがあるが朝7:30頃だったので、先頭の車が左折するため減速した時に生じた事故の模様。ふつう追突事故が起きるような場所ではない。
同方向へ胃腸科のクリニックへ治療結果の確認のための胃カメラ検査に行く途中に目撃した。
日曜日の事故は自宅から50m離れた幅4mの生活道路での出会いがしらの事故で、1台の車は完全に転覆、逆さまになっていた。車の損傷もひどい。その車の乗員は救急車で病院へ搬送され、ガソリンが漏れていたので消防車も2台来た。もちろん、パトカーも来ていた。
事故時(午後4:00頃)、とても大きな音がしたので、近所の人は皆、外に出て事故の様子を見ていた。
転覆した車の左側面には大きなへこみがある。車は交差点の東側に南を向いて道路を塞いでいる。右側面に衝突されて飛ばされたとしか考えられない位置関係。
知り合いの交通事故鑑定人のH.H.氏なら、事故の模様を再現できるとは思うが、素人の私には事故の詳細は良く分からない。
アナログエンジニアの自宅前の道路は幹線道路の三つある抜け道のひとつで、私の家から右折れした道の100m先に感応式信号があり、その右先100mの幹線道路のところが渋滞しやすい。
生活道路を抜け道にするような運転者は概して乱暴な運転をする。生活道路の交差点での一時停止もやらないし、スピードも出す。
そんな訳で、自宅前の5m道路に車庫から車を出す時には、とても危険なのだ。
もちろん、当方も対策をしている。南側の塀にはのぞき穴を設け、北側をみるカーブミラーを付け、車にはフロントサイドビューカメラを搭載、車庫の両サイドには赤いパイロンを置いている。
特に危ない時間帯は朝の通勤時間帯と特に休日の夕方の買い物帰り時間帯だ。
しばらく、事故がなかったと思っていたら、大きな事故が発生した。
自宅北側50mの問題の生活道路の交差点にはカーブミラーがあり、側方を確認できる筈だ。事故関連車はそれも見ていない模様。
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Img_1258写真はどうだんつつじの紅葉。
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アナログエンジニアは、パソコン時代の文章力が全般的に落ちていると感じている。新聞の第1面にある有名な天声人語や他の編集手帳などの文章も昔の迫力がないと感じている。
新聞の社説も似たような状態にある。
社会人の文章力・表現力も低下している感が強くある。
長文になると、目的意識がないと論旨が不明確になる。長文は、その長さの2乗位で難しくなる。
現在のワープロ時代では、カット&ペーストでいくらでも編集できるので、書く前の構想がきちんとできていなくとも、体裁だけは整えられるのだ。
そして、技術的な30Pくらいの長文を書かせると、多くの若者は、まず、ありたっけの図や思い付くままの文章を貼りつける。その後カット&ペーストで編集するから冗長な文学的表現になりやすいとともに、首尾一貫しない論旨が明確でない文章になることが多い。
長文執筆の訓練はA4枚の文章から始まる。
A4一ページを起承転結をつけて編集なしで書ききる訓練を続けるのだ。私は、以前の技術士試験を受ける際、出張報告や他の書類を誤字、脱字の点検以外に書き直さない訓練を半年続けた。これがきっかけになって、いまでもブログを通じてトレーニングを絶やさない。
私はです、ます調でも、である調でも文章を書ける。
若いときに当時の上長から話しべただが文章は簡潔明瞭と評された。褒め言葉か、けなし言葉か今も判らない。
今度、執筆中の本(本文230Pくらい)では、十分注意して文体、論旨、章構成の調子を整えて読みやすい本にしたいと願う。
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矢の射出時の最大加速度は簡単に計算できる。
mα=Fから求めるが、弓の強さ(張力)はポンド重で表示されているので単位換算が必要である。簡単のため総てMKSA単位系に変換する。
私の弓の強さは37Lbs=164.5N
矢の重さは17g(0.017kg)
したがって、
加速度α=9675m/s^2となる。再び重力加速度で割り、約1000Gが矢にはかかる。
×ばつ矢の重さから55ジュール程度のエネルギーが蓄積されている。
したがって、矢を番えないでフルドロー&リリースする(ドライショット)と、複合弓のカムシャフトが破損する。
過去2回、不注意でやってしまった。その都度、販社で部品交換してもらうことになる。
複合弓は(コンパウンドボウ)はこのようなドライショットに耐えるようには設計されていないのだ。ドライショットをすると複合弓のカムシャフトなどが変形・破損する。
英文の取扱説明書をよく読むと、矢の最少質量が規定されているようだ。
弓はドライショットをすると、蓄積されたエネルギーをリムや弦などで消費するしかない。リカーブボウでは、矢を射出した瞬間に弦が切れることが多い。矢はそのまま綺麗に飛ぶが、数ジュールのエネルギーが弦で消費されるので、フルドローではなく矢を射出した直後に弦が破断するのだ。
次には、矢の着弾の際の試算をしてみるつもりだ。矢速と畳に刺さる深さが判れば計算できる。
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Img_1246最近知ったことであるが方位磁石は真北を指さない。
方位磁石は日本ではふつう真北から西寄り(西偏)7-8°を指す。
私の地域では、磁北は7.00°西寄りである。
写真はオリエンテーリング用の方位磁石。
この方位磁石の赤で印刷された太い矢印が本当の北である。
この位ずれがあると、天体望遠鏡の赤道儀を据え付けた時、かなり使いずらい。
南は開けているが、わが家からは北極星は見えないので、北を磁石を頼りにセットしなければならない。極軸望遠鏡は付属しているが、自宅では使えないのだ。
詳しいデーターは国土地理院の地磁気のデータhttp://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geomag/images/menu_03/henkakuichiran2010_1.pdf
を参照してください。
このことを薄々気がついたのは、磁北にぴったり合わせても赤道儀の赤道微動装置がきちんと追尾しなかったからだ。
北極星も1°弱真北からずれているので、季節によりその分補正しなければならない。
本当の北とは何か考えさせられる。
なお、緯度方向の極軸合わせは、水準器と緯度目盛でかなりの精度であわすことができる。
今シーズンは、健康状態が良いのでスバルやオリオン座大星雲を観望&デジカメ写真に挑戦してみたいものだ。
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アナログ電子回路では、説明を判りやすくするには波形図が不可欠である。波形図を目的に沿う形で正確に表現することは案外難しい。
アナログエンジニアの本では、原理説明の場合には寄生素子を少なくしたモデルを使って元図をSPICEで作成する。その波形を加工して作図している。
寄生素子の影響を示す場合には、過去に自分が見た特徴点が明瞭になるような定数、寄生素子を入れて、若干強調した波形図を同様に作図する。
場合によっては、回路を実際に作成しオシロスコープ画面を写真として示すこともある。
正確な波形図はそれなりの環境をもち、手間をかけなければ作成できないものである。
波形図が不正確な本は、正確に図が書ける環境がなく、努力もしていないことをうかがわせる。自分が著者になった現在、不正確な図がもつ意味をしみじみ感じている。
きちんとそれなりの計算をしなければ、その図はどこかで矛盾をもつ。定量的検討に耐えないのだ。
私はまず回路図を作成し、意図する波形図や入出力関係図を計算で生成している。そして、本の原稿とは別に、詳細な解析条件を別ファイルで残すのが常である。無断流用すれば、細部の波形などから、どの図を流用したかはすぐわかる。これも著作権管理の一環である。
逆に、類似の図を参考に見たときには、できるだけ、その図と違う条件で作図するように心がけている。他人の著作権を侵害しないためである。
回路本の良否はまず図表や波形図の正確性・見やすさがポイントであろう。文章はそのあとについて来る。
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Planck 図はアナログエンジニアが著作権をもつPlanckの分布則のグラフ。
版権の問題があるので単位はカットし画質は落としてある。
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このグラフはエクセルも関数電卓でも計算できない。100桁をはるかに超える多倍長の演算が必要なため、多くの方は多分海外文献からだろうが無断転載している。
このグラフは計算温度点や計算範囲に特徴があり、私が見れば転載はすぐわかるように作成している。実際に使われた図である。しかも、元データは私が持っている。私しか持っていない。
アナログエンジニアの回路本などは、他人の著作権を侵害しないようにできるだけの注意を払っている。
IC内部の定数入りの回路図を無断で転載したら、これは不可である。広く出回っている汎用オペアンプなどでもそのメーカー特有の部分がある場合には、無難とは言えない。等価回路にミスがあるデーターシートもあった。こんなの真似したら大変なことになる。
通常は、メーカーに直接事情を話して許可を文書で残している。メーカーの技術者に望むデータを提供していただいたこともある。引用形態を明確にし許諾を願い出れば快く応じてくれることが多い。多謝。
著作権は書いた時点で発生する。しかも、著者の死後50年継続する権利である。同時に他人の著作権を侵さない義務も生じている。
私の著作物/解析データを無断でカタログに記載した時には、相手の取締役が謝罪に来たこともある。特殊な回路で技術的難度の高い解析例だった。
権利あるところには義務が生じる。著作権どこまでなら許すかは著作権者が決めることだ。
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トランジスタのスイッチング時間は、駆動回路次第で大きく変化する。データシートの条件より低インピーダンスで駆動すると高速スイッチングが可能になる。
スイッチング時間はバイポーラトランジスタでは、適当なベース駆動抵抗にスピードアップコンデンサを付加するとターンオン、ターンオフともに高速になる。IB=ICの条件で駆動すると、品種によっては著しい改善がみられる。
アナログエンジニアは1Wクラスのバイポーラトランジスタを用いた自励式磁気マルチバイブレータやパワーFETスイッチンング回路などでデータシート以上の高速化を経験している。
バイポーラトランジスタもFETも駆動回路形式の関係でターンオフ時間がターンオン時間より延びやすいがいずれの時間も短縮できると私は考えている。
実際に経験した事例では、自励式飽和形磁気マルチバイブレータでは120kHz発振でもスイッチング時間が目立たない程度や通常のパワーFETで20ns、1000V/μsまでできている。
私はデーターシートのスイッチング時間を読む時には、その測定条件に十分注意を払う。親切なデーターシートには駆動回路まで記載されているものもある。
データーシートの数値は条件付きの数値である。
駆動条件が変われば、スイッチング時間も、また大幅に変わりえるのだ。
そこまでの理解なくして、データーシートは読んだとは言えないのだ。逆にデーターシートに記載されていない条件で、スイッチング時間がどのような方向に変わるか予測できれば回路屋として、かなり腕の立つ人であろう。
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Photo オペアンプ初心者向けのの説明図。
1入力が増加すると、2オペアンプの入力端子点aが+方向に少し増加する。3オペアンプの増幅率は大きいから、3出力は大きく負方向に振れようとする。4その結果、R2を介して点aの電圧増加は抑制される。
これが反転増幅オペアンプが負帰還であることと、仮想短絡の概念への導入とする。
この矢印を書いて、負帰還であることをチェックする方法はベテランでも行う方法だが、回路本で最初にこの説明法をもちいた本は、私の知る限り、「速解 電子回路 ‐アナログ回路の基礎と設計-」宮田武雄著、コロナ社(1991)である。
私も同じ町に住んでおり、当時は茨城大学工学部電子工学科に属していた。先生はメーカーのご出身で、書名に「設計」の文字を入れている。ペアとなっている「速解 論理回路」も判りやすい。
この説明法/チェック法は簡単で直感的にわかりやすい実務者ならでの説明法である。文献には宮田教授の本にしか記載されていない説明方法だったので、この説明法を自分の本に取り入れるため、当時面識があった本人の了解を得て、アナログエンジニアも使わせていただいた。多謝。
回路実務経験者ならではの説明法であり、私も大好きなオペアンプの初心者向けの説明方法である。
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東電福島第一原発の事故以来、原子力発電のコスト算定が始まっている。
しかし、まだまだその前提は甘いと感じている。詳細な前提は判らない部分があるが、公表されている部分だけでも、原発の発電コストを低く算定している部分が明らかにある。
また、算定できない部分の見積もりもいい加減な部分がある。
原発の事故確率は東電福島第一原発3基/(稼働台数*稼働年数)とするべきだろう。
廃炉費用は、放射性物質のがれき処理費用、保管費用、そして最終処分(まだ確立されていない)を算入すべきだろう。
原発立地のための各種交付金や津波対策、安全強化などの費用も莫大な金額になる。
そして、各種独立法人が行っている研究・開発・人件費や安全審査のための費用も算入すべきだろう。
東電福島第一原発の事故では、チェルノブイリ事故のように、除染しても広大な土地が普通には使えなくなり、少なくとも若者・子供たちは住んででおれなくなるだろう。(国はまだ認めていない。)これらの土地は狭い日本の貴重な土地である。それら失われた価値は算入されているのどうか疑問だ。
原発がある限り、高濃度放射線廃棄物は数10万年安定な土地に、深い穴を掘り安全に収容しなければならないが、火山国日本ではそのような安定な土地はないだろうし、受け入れ先もないだろう。高濃度放射性棄物の永久保管を実際にやった国は場所は、私は1か所しか知らない。数億年以上安定な土地の地中深くにだ。
現時点では高濃度放射性物質のガラス固化体での安定化の設備が稼働し始まったばかりであろう。
再処理で発生するプルトニウムの処理はどうする?
もっとも問題なのは、安全を審査しその前提をチェックする機関・組織が機能しなかったことだ。今回の原発事故では保安院は事故原発に立ち入ることなく、東電発表を別な表現で公表していただけと感じている。
組織の意識改革には世代交代するほどの時間がかかる。失われた地域住民の原発への不信感も何10年と残るだろう。日本ではその対策費用も算入すべきだろう。
アナログエンジニアは反原発論者ではない。しかし、あまりにもずさんで機能していなかった原発関連組織を信頼し続けることは今はあり得ない。
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Img_1217写真は矢の羽を矢軸に接着するための治具:フレッチャー。上が本体、下側が羽を挟む部分で磁路が付いている。
ビッセンバーガー 社製。
このフレッチャー実は30年ほど使用していなかった。
久しぶりで自分で羽の補修をしたが、うまく貼れない。すぐに羽が剥がれてしまう。
やっと気がついた。上の濃灰色の部分が磁石になっていて、二つの四角の真ん中にある小さな穴の底には六角穴付きねじ1本で磁石を固定している。このねじがかなり緩んでいて、磁石が動く。そのため羽に接着剤を付けて貼るときに、羽をうまく固定できなかったのだ。
磁石の材質はアルミ系合金、磁石は鉄・ニッケル等の合金だろう。膨張係数がかなり違う筈だ。30シーズンも放置していたから、熱サイクルなどの環境変化を受けている。
その結果が、1本の重要なねじの緩みである。
ねじを増し締めしたら、昔覚えた手順で確実に貼れるようになった。
私の矢羽根は進行方向に対し右回転2度の角度が付いている。30mで3回転ほどライフル弾のように回転し、矢の飛翔安定性を増加させている。
もっとも重要なのは、羽を付ける角度が揃っていることだ。
たった1本の矢頭ねじ、それも六角穴のねじの緩みで作業が出来なかったのだ。
異種材料を止めているねじは、きっと、いつかは緩む時が来るようである。
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毎年、年に1-2回だが、地域のミニアナログエンジニアの会が今夜ある。毎回楽しみだ。
立場や年齢の違いはあるが、アナログ感覚のある数人が集まる。極小規模だが、日本技術の将来、時事の話題、技術的な話題、悩みなど、さまざまな話題で盛り上がる。
もう数年続いている。
アナログエンジニアは今日の会では、小道具を用意する。
一つは、天体の超望遠撮影写真、メンバーのお子さんへのプレゼントのつもりだ。
二つ目は、最近手に入れたセンサの顕微鏡写真
三つ目は、地学で使う傾斜計(クリノメータ)だ。このクリノメータ、実は取扱説明書が付属していなかった。しかし、良くできていて、使い慣れるとさまざまな用途に使えるのだ。ヒントだけ出して、どう使うのか、どの位で機能を引き出せるかも話題になるだろう。
四つ目は来春に出版される自著の本の表紙原稿だ。そこには、編集会議で決定した未発売の本のタイトルがある。
そして、忘れてはならない、きっと話題になる筈の東日本大震災&東京電力福島第一原発や、地震の後のサバイバル技術もきっと話題になるだろう。この話題もどこまで発展するか見当はつかない。
いつもより、さらに楽しい会にきっとなるだろう。
このような内輪の会、お互いの技術世界の交換や考え方など交わす良い機会である。世代、立場の違いを超えてアナログ技術者が集う、有益で楽しい会だ。もちろん、その会はその場限りのオフレコの集いである。
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Photo_2 写真は菊の花にとまったバッタ。
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過酷な環境下で使用するセンサの原理は、意外に原初的な原理で動作するものが多い。
環境温度が150°Cを超える辺りから、SiのMEMS(μエレクトロメカニカルシステム/センサ)は材料的に厳しくなる。
汚れ対策にセンサ自体を過熱し、汚染物を除去する方式は、いくつかのガスセンサや熱線式のセンサで使われている。
MEMSセンサは大量生産に向くが、悪環境下で必ずしも最適でない場合がある。
アナログエンジニアは設計温度500°C+他の悪条件下で動作する複数種類の工業計器を設計したことがある。電磁式のセンサで非常に高価な計器である。この計器は複数のプラントのシャットダウンシステムに組み込まれているという。
詳しい内容は伏せるが、ある程度のことは論文博士審査時に開示しているのでブログにも記載できるのだ。
会社での回路経験も数冊の本を書く際に、ほぼ完全な原稿を作成してから社内審査を受けパスしているから、その範囲では既に公開可能となっている。
会社経験での内容に対する守秘義務は生きている限り続く。そして、線引きもあいまいさを残す。私はそのグレーゾーンをできる限り明確化してきた。
その一環に特許出願がある。公開特許になれば公知の情報となる。特許が切れれば、その技術を他人と再び使うことも可能だ。特許の別な側面である。
技術士は罰則付きの守秘義務をもつ。これが出来なければ、技術士としての私の仕事は成立しえないのだ。
当方が守秘義務その他を負う代わり相手にも義務を負わせる契約があって、私の仕事は成立している。
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Photo_3写真は庭の片隅にある紫色のハーブの花。
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アナログ回路分野では、電源設計が出来れば一人前としばしば言われている。
ドロッパ式の安定化電源を例にするなら、結構アナログ回路設計の種々の要素を含んでいる。
電子回路用電源は単相AC100Vから変圧器で絶縁し、整流平滑回路でリプルを含んだDC電圧を得るが、このDC電圧の谷電圧の見積もりが簡単にはできない。変圧器の内部抵抗と整流器・コンデンサの影響で(√2)*VACにはならない。
O.H.Schadeによる計算図表を使うのが一般的であるが、平均電圧で計算されているので若干手間がかかる。
アナログエンジニアは1994年に谷電圧を求める計算図表を作成し学会に発表している。ベーシックでプログラムし計算した。
次に変圧器の電圧変動率hの問題がある。小型の変圧器では定格負荷で公称電圧が出るように作成され、無負荷では電圧が(1+h)に上昇する。
コンデンサインプット半波整流回路に必要な公称電圧VNを求める数値実験式は、
VN=0.84(VO+VJ+3.1I*IO*RS)/(1+h)
VO:必要なDC出力電圧、IO:出力電流、RS:等価直列抵抗、Vj:整流器の電圧降下である。
平滑コンデンサCは
C=0.68IO/(f*Vrp) f:電源周波数 Vrp:リプル電圧p-p値
VA=1.92VN*IO
で必要な変圧器容量VAは2倍近くになる。
そのあと安定化電源回路設計:ダイナミックレンジの広いパワーリニア回路が控えている。当然、放熱設計も必要になる。
高性能化を望めば、発振の問題もあり制御的視点も必要だ。
また、過負荷保護も行うことになる。
このような課題があるので、「電源設計が出来れば一人前」と言われる所以である。
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Photo シダの若葉の低倍率写真。
アナログエンジニアは経歴から、光学機器には関心が深い。
最近、デジタルカメラで顕微鏡を接写モードで組み合わせて写真撮影(コリメート撮影)をしばしば行っている。
×ばつ150〜600倍まで、低倍率には銀塩写真ネガチェック用のルーペを使って撮る。
いずれも斜め鏡筒なので、三脚を使って机上の光学機器の接眼レンズをカメラの光軸に合わせることが出来る。
多くの場合、フル画像を得るには、数倍の望遠接写モードの撮影となる。接眼レンズの視野角が広くないので、カメラの実視野を狭くする必要があるのだ。
望遠鏡も同じ方法で撮影できる。
この結果、アダプタを用いて魚眼レンズ撮影から、天体望遠鏡の架台を使って35mmフィルム換算で焦点距離数1000mmまでほぼ切れ目なく撮影可能となる。
1000mmを超える超望遠撮影では、気流の状態が良くなければ、例えば月の輪郭が凸凹になってしまう。したがって、15cm以上の大口径の反射天体望遠鏡はその分解能をフルに発揮できる日は少ない。屈折式はよほど良質のものでないと色収差のため感動を与えるほどの鮮明さはない。天頂付近を見るには反射望遠鏡と屈折望遠鏡で使い勝手に大差はないのだ。屈折式でも見づらいので、横方に曲げるアダプタを使う必要がある。
私は天体望遠鏡なら反射式を推奨する。価格が安く像が鮮明だからだ。ただし、低倍率用の接眼レンズは欲しい。もうすぐスバルの季節がやってくる。低倍率でみると非常に美しい筈だ。
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アナログエンジニアはコロナ社から1994年に最初の本を世に出した。その時には、人には言えないくらい時間を投入した。
当時は技術士の資格はすでに取得していて、物書きのスピードはそれなりにあったが、それでも時間が掛った。
大学・高専向けの教科書を目指したので、自分の経験していない回路技術部分やhパラメータと実践で使うトランジスタモデルとの相互関係など種々纏めなければならない課題もあった。一番勉強になったのは自分だろう。
それに加えて章構成の稚拙さもあり、何度も書き直した。また、図表の作成にはCADなどを使用したので、感熱式プリンタや簡易プロッタなどの図表を紙ベースで何度も貼りつけては文章・内容をチェックした。この作業は一回の打ち出しで1週間かかった。
工学博士の学位を取得した際の審査教授の制御工学のK氏が、なぜか本執筆の指導までしてくれた。この指導なくして、その本の品質はたもてなかっただろう。今でも感謝している。なお、この本で回路学を学んだ大卒新人にも職場で出会い、判り易かったの評は著者冥利に尽きる。
今、その時のまえがきを読み返してみると、「応用技術であるアナログ回路の学習に際しては,数多くの教科書と専門書があるが,書物と実践には大きなギャップがあるものと思われる。」の1節がある。私の一連の著作の原点である。
これが、私の著作の原点である。工学は物つくりを前提にし設計に繋がるべきだというのが私の視点である。現在もその考えは変わっていない。実回路をいきなり出しても、理解できる筈はない。その実回路の裏にある設計のプロセスを開示しなければ、物つくりは判らないだろう。
大変苦労したので、まえがきの文末にフォントサイズを落として、「あらゆる技術の先駆者,教授者,学徒の幸せを祈って 」の一行を入れさせて頂いた。日本の本では珍しいが洋書では普通にある。そして、この文には妻の名前の一部を埋め込んだ。
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私は現在、新聞を購読していない。独立エンジニアになり、連れ合いも退職したので、インターネットのニュースで新聞記載記事のほとんどの情報+αが早く入手できる。
現在は光回線を使っているので、二人がインターネットを開いていても問題なく使用できる。
新聞記事の多くは記者クラブや官公庁発表データなど、独自取材の記事があまりにも少ない。社説や編集手帳的な1面のコラムも昔ほどの文章力では書かれていない。これでは記事の価値は少ない。
自由時間がある現在、新聞を購読する意味が希薄になっている。
インターネットでは、当然であるが、相手の出したい情報は簡単に手に入る。技術情報、健康情報、天気予報や月並みなニュースだけでなく公的立場の弱い方の情報発信もうまくキーワードを設定すれば検索でヒットする。
中には、当然ながら、その分野で主流でない方の意見や情報も手に入る。その情報を判断し、真贋を見分けながら利用するのだ。
データー量、情報のの早さ、そして時間に制約されず気の向いたときに得られる情報:これらは従来のマスメディアにはない性質である。
したがって、今の私にはどこの新聞も存在価値はない。
TVも程度の差はあれ同じ問題を抱えている。バラエティー番組は私は全く見ることはない。食べ歩きや旅番組も興味はない。自分で調べれば良いのだ。
1969年の学園紛争の頃、自分が実際に見聞きした現実がどのような形で報道されるか読み比べたことがある。程度の差はあれ、主流の意見に沿う形の報道が多かった。
リスクはあるが、今はインターネット時代である。新聞やTVの存在価値を今一度見直す時期に来ていると思う。
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最近アーチェリー仲間の矢速を集めている。
男子リカーブボウのUさんは90-30mの平均矢速で54m/s、男子コンパウンドボウのNさんは90-30mの平均矢速で77m/s、コンパウンドボウの私は70-30mの平均矢速で75m/s、
女子リカーブボウのOさんは70-30mの平均矢速で53m/s、おなじくIさんは49m/sとなった。
最速は当然、強いコンパウンドボウのNさんで、時速に換算すれば275km/hとなり新幹線のトップスピードに近い。初速度なら山陽新幹線の300km/hは出るだろう。
サイトの落ち方から見ると、女子リカーブでは30、50、70mのデータからは空気抵抗の影響が出ている。
私のは30-70mのデーターだから、他の男子二人より早目となっている。
同じピーク強さの弓であれば、私の実測した力-引き尺(F-S)曲線から推測すると、コンパウンドボウはリカーブボウの約1.5倍のエネルギーを蓄積できる。
引き尺の長い人は、Sが大きくなるが、ピークポンドが同じだと大きくは違わない。多分、矢軸の重さも増えるので、矢の重さで相殺される傾向にある。
矢速と矢の重さが判ると矢に伝えられたエネルギーを知ることが出来る。F-S曲線から弓に蓄積されたエネルギーも判る。両者から弓の効率が判明する。
35年前に使っていた私の弓(初期のカーボンファイバーリム)では伝達効率は60%以下だったが、現在の良質の弓なら90%前後の効率をもつ。しかも、重い(20g以上)のアルミ矢で羽も大きかった。これでは、36ポンドの弓でも90mはサイトバーを逆向きにせざるを得なかった。
こんなこと計算するのは物理出身者の習性かな。
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絶縁形スイッチングコンバータの多くは、LC平滑回路である。ほとんどの成本でも、2次側がコンデンサ平滑回路形式は記載されていない。
しかし、アナログエンジニアはこのような時、多くコンデンサ平滑スイッチングコンバータを使う。とくに、フライバック形での実使用が多い。
その理由は、回路部品が少ないことと、フライバック形では起動時のオーバーシュート対策が不要になる設計条件があるからだ。しかし、利点があれば当然、払うべき代償がある。
その代償とは、起動時に主スイッチに負担がかかる、特に電流容量に注意が必要で、場合によっては簡単な主電流制限機構を設けることもある。
アナログ電子回路においては、利点があれば必ずと言ってよいほど払うべき代償が存在するのが常である。
実用回路に新たに使うには、陰の部分=代償となる項目への対応策があって初めて新規回路を開発できるのだ。
他の工学分野、例えば原子力関連では停止後、崩壊熱の除去装置が動作しなければ大事故に繋がる。原発はノーマリーオンのパワー半導体と同じように、制御システムで安全性を保つ。必要な電力は数1000kVAにも及ぶ。この対策は万全を期さなければならない。これは工学の常識であると私は考える。
大震災まで、万全の非常電源を用意してこなかった原発の関係者は、「原子力村」の世界に安住してこなかったか?技術者としての倫理観はどこにある。村的社会ではターブーとされる言動が多くある。日本では学術の世界でも技術の世界でもムラはどこにでもある。
いま、その閉塞を変える時期に来ているのではないか。
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Img_1171 写真は庭に咲いた菊。
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技術者のタイプは様々だ。誠実な技術者・設計者は品質保証部門やサービス部門から信頼を受ける。
逃げない技術者・設計者は基本的に誠実であると思う。
さらに、技術者・設計者として公平かつ技術的に、それなりの腕をもち他分野の専門用語を理解するなら、開発部門や研究所の支援を受けられる。
逆に卑怯なエンジニアは、自分の設計の弱点を隠し、問題の原因を他人の分野に押しつける。一番心配な部分でシラを切る。傍迷惑なことである。他人の時間も奪う。
エンジニアは総ての技術部門に精通している訳では当然ない。自分の確認できなかった項目や設計上の弱点を検査部門に公表すれば、それなりの試験と評価をしてくれる。検査部門もその方が効率的に仕事をできるし、設計者にとって改良のヒントや課題を得ることが出来る。
かくして、誠実なエンジニアは信頼性の高い製品を、周囲の知恵を集めて世の中に送り出すことが出来るのだ。誠実なエンジニアは技術的成長が早いし、周囲の協力も得られるのだ。
物つくりの分野では、コストも含めて良いものを早く作れば人は地位・立場に関係なく付いて来てくれる。
アナログエンジニアは自分の設計の限界を隠すことはしない生活を常に続けてきた。そして、アナログ回路だけではなく、種々の分野の信頼性向上要因を門前の小僧的に学び、どのようなデーターを示せば、その道の専門家の的確な助言を受けることが可能かもある程度知っている。他人の知恵も活用するから、できた製品は相対的に信頼性は高くなる。
誠実な技術者のあるべき姿の先に技術者倫理がある。不誠実な技術者には人と情報は集まらないのだ。
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CR発振器で発振条件が判明している場合、コンデンサの不明の容量値Cを発振条件と発振周波数から容量値を実測できます。
アナログエンジニアが最近良く使う手段はCMOSシュミットトリガインバータの74HC14を使った弛緩発振器による容量測定です。
回路は極めて簡単で、既知の抵抗Rを入力と出力の間に接続し、未知のコンデンサをゲートの入力とGNDの間に接続するだけです。これだけで、弛緩発振器が作れます。
弛緩発振は「弛張」発振と称する場合もありますが、英文ではリラクゼーションオシレータなので、私は弛緩発振器と呼ぶことにしています。
まず、性能は100μF〜30pF程度までの容量測定ができ、コンデンサに掛ける電圧は片極性なので有極性コンデンサも測定できます。
測定機材はアナログオシロスコープ、必要に応じてストップウォッチも併用します。
この回路は、ヒステリシス幅の擬似三角波と方形波を出力します。
出力振幅はCMOSなので、レールツウレールの方形波が得られますが、念のため実条件で方形波のHとLの振幅VHとVLを測定します。
三角波からは、シュミットトリガの閾値VTH、VTLが判明します。
後は、発振周期Tを測定するだけです。
VTH、VTL、VH、VLおよびTが判明すれば、簡単な一次遅れ回路の充電放電時間の計算から発振時定数が判るので、Rが既知ならCが判明します。
この方法のポイントは、シュミットトリガの出力抵抗より十分高い抵抗値を使用することと、アナログオシロの入力容量を低減するため1:10プローブで測定します。
こんな簡単な手段でも意外に正確な測定が出来る、なにも高価なインピーダンス計を使わなくとも実用になるのです。アナログエンジニア流かな。
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Img_003 写真は2石無安定マルチバイブレータとチャージポンプの組み合わせで、+5Vから軽負荷の負電源を作る回路例。
交流電圧源はマルチバイブレーターのコレクタ電圧で、部品記号の付いている部分はチャージポンプ形倍電圧回路あるいはコッククロフト昇圧回路の1段分と見ることが出来ます。
マルチバイブレータの出力振幅は約5Vなので、ダイオード2個分だけ負電圧の絶対値がちいさい。
この方式で負電源をつくることに大きな意味があります。軽負荷の負電源として適当な負電圧を得ることができ多段構成にすると+5Vより高い電圧や、負の大きな電圧を得ることも可能です。なお、この回路構成はダイオードの向きを逆にすれば正出力が得られます。
交流電圧源があれば、とにかくRCだけで負電圧を得られることに意味があり、デジタル回路のクロックを分周しても交流源になります。
アナログエンジニアはほぼこの回路図と同じような負電源発生回路を幾度も製作しています。小規模回路で交流源があれば、負電圧が得られ回路設計の自由度が増すが、いつも非絶縁DC-DCコンバータで昇圧や逆極性を得る必要はないだろう。
そんなときにこの回路は便利なアナログ回路のワンブロックになるでしょう。
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アンチロックブレーキシステム(ABS)装着車に乗るようになってから、約7年経過した。
この間、アナログエンジニアは一度だけABSが働くような急ブレーキをかけたことがある。
乾燥路、広い道幅4車線の市街地で、左側の細い道からA車が出ようとしていた。A車の運転手と目があったので、当方を確認していると思った。時速40km位で当方は走行していた。
ところが、私の車の直前でいきなり飛び出してきた。しかも、全く優先道路の右を見ないで、右折れで私の前を横切った。
反射的にフルブレーキを踏んだ。ガガガガとABS特有の自動ブレーキ操作だ。よけうる方向は左しかない。ABSのおかげで左ハンドル操作はきちんとできた。助かった。
A車はそのまま私の反対車線の方に消えていった。
いざというときのために装着したABS車でなければ、衝突を避けられたとしても街路灯などにぶつかった可能性もある。しかし、ABSを時々動作確認するつもりはない。ABS装置の信頼性を信じるしかない。
元来、私はかもしれない運転をするタイプで「だろう」運転はしないが、自分でポンピングブレーキなどをする運転技量はない。フルブレーキを踏みよける方向にハンドルを切るだけだ。
昔、自作の加速度/減速度計でブレーキ時の加速度を測ったことがある。軽くブレーキを踏むと0.4G程度、少し強く踏むと簡単に0.8Gまで行く。意外に大きい減加速度だ。
一方、加速の方はややアクセルを強めに踏んで0.4G程度。後続車がいない平坦地での実験だ。
現在は、2500ccの車だが、特に理由がない限りエンジン回転数が2000rpm以下で発進するように心がけている。急のつく運転操作は基本的にしない方針だ。それでも周囲には、良く注意しているつもりだ。事故は2つのミスが重なり生じるものと思っている。
なお、自作の加速度計はダンパをつけた振子で、重力加速度と水平分力との比を元にG単位で±の加速度を測れるように作った。いまなら、クリノメーター(地学で使う傾斜計)を少し摩擦が出るように前後方向に倒せば角度が測れるから、角度対加速度のグラフを作っておけば同様に加速度計として使える。この方法では助手席の人に操作してもらうことにはなるが・・・
それにしても茨城車の中には、結構、無謀運転する人がいる。どんな行動されても対応できる心構えでないと危ない、危ない。
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049 アナログエンジニア愛用の単眼鏡。
写真は接眼レンズ側からの撮影。
倍率は7倍、対物レンズ15mmだが非常に鮮明に見える。
接眼レンズが大きく、かつ目と接眼レンズの距離アイレリーフが長いので、眼鏡をかけていても楽に見える。
多分ダハプリズムを使用しているが視野は結構広い方だ。
手持ちで暗くない場所で使う前提なら単眼鏡は双眼鏡よりかなり小型なので持ち運びが便利だ。
手持ちだと7-8倍で視野の広い方が良い。、高倍率だと見かけ視野が狭く手ぶれのために良く見えないのだ。ズーム式高倍率の単眼鏡も広く売られているが、手持ちでは使い物にならず、気持ちよく対象物を見ることは難しい。また、ズーム式はコントラストや視野もせまくなりがちである。
7倍なで暗くない場所なら、対物口径の理論分解能は8秒角だから、人間の目の分解能:1分角÷単眼鏡の倍率程度以上の良質な光学系で良い。
迷光処理やマルチコーティングが全レンズに施されているようだ。鮮明な視野を与えてくれる。
一円玉と比較してほしい。このサイズだから天候を気にせず、どこでへでもポケットに入れて持ち運びできる。それでいて、8倍の双眼鏡より良く見える。
手持ちの場合、10倍以上になると倍率が無意味になるほど視野がぶれる。
この単眼鏡、地味な仕様だが、使い勝手よく見え具合が鮮明である。
最初はアーチェリーの近距離用の着弾確認用を想定していたが、今では旅行や広い会場でのイベントなどを見るときにもたびたび使っている。
ただし、これだけの丁寧で良質なスコープだから、安売り単眼鏡の3倍程度の値段はするが価値ある逸品だ。
私の還暦祝いに子供たちからのプレゼントの思い出の品でもある。
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矢速は次の式で概略計算できる。
平均矢速V=√[gl(L1-L2)×ばつ(h1-h2)}]
g:重力加速度 l:アンカー位置からサイトまでの長さ
L1,L2:競技距離 h1,h2:サイトの落ち方(下方向に正)
総ての単位系はMKSAで計算する。
この計算方法を行う理由は、視差の影響のある18m以下を避けること、アンカーと目の位置が測りにくいので、サイトの落ち方の差分から求める形となっている。
高校物理の範囲で解いているので、空気抵抗の影響は無視している。したがって、得られる結果はほぼL1とL2の間の平均水平矢速に近い。
lの測定は、クリッカ位置と矢尺、およびクリッカ位置と照準までの距離から求める。したがって、サイトバーの長さを変更するアーチャーではこの方法が使えない。水平線と射出直前の写真から射出角を写真判定で0.1度角程度まで測定する。
長身の1000点アーチャーのAさんは約53m/sで長い矢と比較的重いポイントを使っている。
最近1100点を達成したBさんの矢速は約49m/sである。照準の落ち方がやや30-50-70mで距離の影響を受けているので、やや空気抵抗の影響が強く出ている。
計算には女子の最長競技距離の70mの値と最短距離30mの値を使用した。2人ともリカーブボウである。
ちなみにコンパウンドボウの私の矢速は70-30mで74m/s強である。最近練習でBさんの70mの公認記録をやっと抜いた。男子でしかもコンパウンドボウのアナログエンジニアが目標にするのが、ここしばらく女子のBさんの70m36射の点数だった。Bさん、目標にしていてすみませんでした。
心を入れ替えて、まず体力つくりから始めています。
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Img_1155写真は逆動作ピンセット
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ふつうピンセットと言えば細かいものをつかむ道具で、電子素子で言えばノーマリーオフの動作:開いているのが普通で、力を加えて初めて先端が閉じる。
だいぶ前のことだが、歯科医院では普通に使われている逆動作ピンセットを見た。逆動作ピンセットは普段、先端が閉じており力を加えて初めて先端が開く。
この逆動作ピンセット:電子回路工作にはとても便利なのだ。
手は2本しかない。右手は半田ごてをもつ。左手は基板をもつ。そうすると半田付けする対象物は固定できない。この時に便利な道具なのだ。
アナログエンジニアは以前、かかりつけの歯科医でスケーラーを貰ったことがある。ひょんなことで、色あせたビュッフェの印刷された待合室の絵をみて、お医者さんにビュッフェの話をした。次の時、ビュッフェの私の模写の油絵を進呈した。この時、歯科医用のスケーラーの本物を頂いた。
プロ用品は作りが違う。もつ感触が違う。とても使いやすくできているのだ。スケーラーは試作基板の細いブリッジの切断や、半田フラックスで汚れたパターン間を清掃するのに便利だった。
逆動作ピンセットはほとんど見かけない。たまたま、大型スーパーでの催し時に「便利ツール」を販売しているときに、即座に買った。高いものではない。
構造的には、写真のように中間部でピンセットの二つのアームを交差させている。これで逆動作をさせるのだ。
いろいろなプロ用やマニア向けの道具には、別用途でとても便利なものがある。しかし、その入手ルートを見つけるのは自分にその道の知識がないと存在すら判らない。
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昨日は新しい多機能プリンタでずいぶん時間を取られた。
ここ数日、家猫チャーの食害が続いている。
3日前には、猫がPCのマウスの線を一噛み、これでPCのマウスは終わり。配線が細いので修理は効かない。猫がネズミを獲るのは良いが、PCのマウスを狙うのはいただけない。
それでは済まなかった。次は、デジカメとPCを接続するためのケーブル。いつもPCデスクの引き出しにしまっているが、引き出しが少し開いていて、そのケーブル一部が引き出しの外にはみ出していた。そのケーブルを犬歯で一噛み。これもないと困るので、近くの家電量販店で即日調達。
最後は昨日、プリンターのインク交換しているときに、PCデスクの上のカーテンレールから猫が飛び降りてきた。その障害でエラーメッセージが消えない。電源を抜いて強制リセットを掛けも状態は変わらず、全くプリントモードまで入らない。一番ダメなタイミングでの一撃。
このプリンタ、5000枚近く印刷しているので、そろそろインクヘッドの寿命が近づいてきている。そこへ猫の一撃で、プリンタがお釈迦になった。大量プリントに備えて、インクカートリッジの予備を購入したばかりだった。
それで諦めて、同一メーカーのプリンタを調達、スキャナ付きのプリンタだがインクカートリッジの型番が違う。その買い出しやプリンタの設定などで3時間ほど費やした。当方も猫が上から降ってくることと、猫がプリンタに乗ることは想定内なので、どう対策するかしばらく考えた。結局、プリンタの梱包材の発泡スチロールをプリンタの上に乗せた。
わが家では、電気ケーブル対策は重要で、猫が入れる場所は総てガードしてあるが、それでも使っている途中で油断するとケーブルを狙われる。
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絶縁型プッシュプル形コンバータは、某電源ハンドブック第2版によれば「トランスが直流励磁される問題点があり、殆ど用いられない」との記載がある。一方、ハーフブリッジ形方は「直流励磁しにくい、トランスの利用効率が高い」とも記載されている。
アナログエンジニアはプッシュプル形を幾度も使っている。好んで使っているとも言える。
理由は簡単である。プッシュプル形は2個の主スイッチが同時オン(クロスカレントコンダクション、CCC)さえさせなければ、正確な設計が可能なのだ。したがって、設計上の問題点が明白なので、それさえきちんと設計できればすんなりと製品化まで持って行ける。
もう一つのポイントは主スイッチに並列ダイオードがないと、バイポーラトランジスタでは軽負荷の時に主スイッチに過電圧がかかる。パワーFETなら自動的にこの位置に寄生ダイオードがつくので問題は生じない。
プッシュプル形はフォワードコンバータの回生巻き線側もスイッチする方式と見ることもでき、しかも、フォワード形とは異なり±双方向に対し低インピーダンスの出力を供給できるのだ。
ハーフブリッジ形コンバータの方は、私からコメントするなら、主スイッチに並列に入るコンデンサに全電流が流れるので、そのコンデンサに適する部品が少なく選定が難しい。部品の性能の問題なので簡単には自力解決がやりにくい問題がある。解析もプッシュプル形より難しいといういやらしさがある。
ちょと部品を追加すれば、プッシュプル・フライバックコンバータと言える回路方式も成立し、昇圧比200倍ていどが一段で可能なのだ。実用したこともある。
ハンドブックは数10人の執筆者が監修者と章主査のもとにまとめ上げて本になるケースが多いと聞く。監修者がしっかりしていなければ、章間で意見の違うこともあり得る。
私の場合は、自分の名前を間違われた。これは許すわけにはいかない。そこで、出版社に違う名前だから、名前が訂正されるまでは私は執筆の責任を取らないし、在庫品も含めて名前の訂正を申し入れたこともある。
ある回路方式を「ほとんど使われない」などと否定形で表現することはあまりにも著者として軽率である。否定は一例の実用をもって、その表現の不適切を証明できるのだ。
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2011年11月 2日 (水) 電子回路 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
電子回路の本は実にさまざまである。
大学教科書のものは、多くが30-40年前の偉い先生(複数)の著作の形式を踏襲していて、例えば、トランジスタなどはhパラメータでの記述が多い。しかし、実務ではhFE以外のhパラメータは使わない。コレクタ接地回路などはhパラメータで記述できない。
トランジスタデータシートは、例外を除いてhパラメータ記載している例は、ほとんどのない。例えばエミッタ接地回路の入力抵抗は、設計者が計算すべきもである。入力抵抗の計算法が記載されていないと、まず、実回路の利得は計算できないだろう。
hパラメータは、トランジスタの広い動作範囲を少ないパラメータで表現するには不向きである。
大学教科書的な本の多くは、入出力関係の導出までで、素子の2次的特性すなわち素子の選び方、設計に繋がる記述が少ないのである。
初心者向けの実務書で比喩を多く使った書物は、比喩そのものが判らないことも多々ある。
数10部品の実回路が記載されている場合、よほど、その回路の細かい説明がないと、読み切るのにかなり時間がかかる。
アナログエンジニアは会社時代は、良く言えば理論派、学術よりに見られるが、実際には実務と学術の狭間に位置し、実務よりであると自己認識している。
企業内高専で回路教育を数年間やらせてもらったが、適当な教科書が選べない。取りあえず企業出身のM先生の本を使った。そして、自分が教えやすい教科書を著作するに至った。
著者を経験した現在、役にたつ回路本はどうあるべきか、自分流の考えを持っている。第一に対象読者/前提知識が明白であること、第二に電子回路は工学である以上、設計を意識したものでなければならない。第三に図表が正確であることも重要だと思う。
波形図などは、主にSPICEで生成しているが目的に応じてモデルパラメータを調整し理解しやすいように、波形の特徴点が少しでも明確に出るようにしている。
アナログ回路は、センサとデジタルの狭間にあり学際的な技術である。また、アクチュエータ駆動もするのである程度の電力も扱う。
著作は無限責任である。少しでも、読者が買って良かったと思える書、そして、自分の経験に合わないことは書かない書を心がけたいと考える。
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