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フォトインタラプタは装置の位置決めやホームポジションのチェックに使われる光電素子である。
発光部はLEDだから、広がりをもつ光源である。
受光部はSiの光センサである。
フォトインタラプタにはアンプ付きで直接受光部の電流を増幅して、デジタルレベルの信号に変換するタイプもある。
光電センサは汚染に弱く、汚染すると受光量が減少するし、LEDやフォトセンサの感度は経年的に低下する。したがって、設計的にはその減少分を見込んで、少ない光量でトリガがかかるように回路定数を設定することになる。
この結果、フォトインタラプタは受光素子の幾何学的な中央位置でトリガがかかるのではなくて、全遮蔽に近い状態がトリガ位置になる。
受光部は、遮蔽板の移動方向に対して狭い細長い形状にすると、トリガ位置の精度の向上と十分な受光量を両立できるので、そのような形状に製作されていることが多い。
遮光板が斜めになっていると、片側の隅から遮蔽が始まり、対角の隅で全遮蔽となる。したがって、遮蔽板の角度が斜めになっていると、トリガ位置の不正確さは大きく増大する。
このことは、フォトインタラプタの構造と光電センサの性質を理解しているなら容易に判る話である。しかし、世の中には、遮光板が斜めになっている装置も少なからず見受けられる。
アナログエンジニアは、このような無知による設計不良を嫌う。
なお、遮光板が厚いと類似の現象が生じるので、遮光板は薄く製作し、なるべく受光部近くを遮光板が通過するように設計するとトリガ位置の精度向上が期待できる。
繰り返すが、フォトインタラプタではトリガ位置は受光部の幾何学的中心ではなく、全遮蔽に近い位置がセンシングポイントなのだ。
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非国民さん おはようございます。
フォトインタラプタを強い光の下で使う勇気はアナログエンジニアにはありません。あまりにも設計的に危険すぎます。誤動作はオン状態のままでしょうね。
投稿: 5513 | 2011年11月30日 (水) 05時11分
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フォトインタラプタは強い外光が入ると、遮光板があっても検出しないことがあるようだ。マイコンを搭載していれば、LEDをON、OFFして、強い外光がないかチェックできるようだ。
かなり厚い遮光板の装置があった。なるほど、確かに精度が全然いらない用途だった。しかも、人がふれたりして外力がかかる場合がある。わざと精度を落としてもいいから、壊れにくいのを第一に設計したもののようだ。そんな設計のものもあったよ。
投稿: 非国民 | 2011年11月29日 (火) 21時51分