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Img_0314 プッシュプル・トランス絶縁コンバータの設計が出来れば、真に実力がある回路設計者であろう。
数多くの回路形式、2次側整流回路形式がある。双方向に低インピーダンス駆動出来るので多彩な用途がある。しかも、高出力電力に対応可能である。
ただし、cross currentcondaction :CCCの問題があるので、その対応が出来ない方に、はとても危険な回路である。このため、某、学者それも第一人者が監修したハンドブックには、通常、「直流励磁」されるので、ほとんど用いられないとの記述すらある。致命的な間違いである。
それで、ハーフブリッジ回路を使うが、逆にスナバを含むコンデンサの選択がかなり難しい。たとえ動作しても、工業用途に耐える設計にはなっていないことが多い。
もちろん、アナログエンジニアは、量産ベースで、どちらの回路も設計できる。
自励発振プッシュプルコンバータは当然扱うこともできる。高速キャリアのものも、起動メカニズムも解析できる。
類似回路あるいは発展型として、無理に名をつければ、プッシュプル・絶縁型・フライバックコンバータもある。
その設計技術は、パルストランスに強く反映される。トランスの設計状態を調べれば、総てが判ると言っても過言ではないだろう。多くの書籍や回路図にパルストランスの仕様が記載されないのはこの理由による。
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写真は昨日の水戸の梅。偕楽園ではない。
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1ev 昨日夕方日没後JST18:30頃の写真。
アナログエンジニアが泥縄式で撮影出来た写真。安物の一眼レフデジカメでの固定撮影写真。昨日の写真より、少ない露光での一枚。ここ一月以上天候が悪かったので、星野写真は、デジカメでは3度目、延べ1時間も屋外では撮影できていない。
右側から金星、月、木星(よく見ないと判らないが、きちんと写っています。)の順。
どうしても、地上風景を入れたかったので、駆け出しの私には難しかったが撮れた。撮れた。
このが画角、このサイズでも三日月状の月の形が判ると思います。朝から、ツイッタ上で見つけた数枚の写真と比較していました。国立天文台、三鷹での地上風景を入れた写真は、昨日の夜の私のブログ写真より、時間的に少し遅い時刻の撮影?
昨日の余韻はまだ残っています。
アマチュアの機材でも、広い視野、明るい天体ショーなら自己満足はできる程度には写せます。
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撮影のチャンスは15分程度でした。
1_3金星・木星・月の縦一列の写真。
2012年03月25日 19:21 撮影。露出2秒。f=32mm。マニュアルフォーカスMF。自動露出。EV補正なし。風景と月、星を同時にきれいには写せない。下の月は三日月だが、暗部まで明るく写っている。肉眼では見えていない星が10個くらい写っている。MTでの星の撮影はこれで3回目。
Twitterで教えてくれた方がいたので、西空を見た。運よく見えた。昨日庭に出る数分前。多謝。
慌てて、撮影条件をセット、三脚に取り付けて、すぐに撮影。露出はオーバー気味だが、機材に慣れていないのと、安物ズームなので、今の私にはこれが精一杯。
それでも、自分としては大満足。
昨日の夕食前のどたばた劇の結果が、この一枚。
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もうすぐ、月を撮影し易い時期が来る。8"シュミカセF10、直焦点で撮りたいな。
Img_0305 アナログエンジニアの工具箱のアイテムのドリル。
一番下はφ1.1。
材質は、上から順に、炭素鋼SKxx、超硬コーティング、細いのは有名切削ツールメーカーのCo鋼。
ハンドドリルしか持ってないので、細いドリルはいいものに変わっていった。
炭素鋼のドリルでは、SUS材の穴開けが出来なかったので、Co鋼の刃物。
よく見ると、刃先の先端の角度が他の物とは違う。多分、SUS材対応の角度。
エポキシガラス基板の孔の拡大にも使う。
こんな切削工具が郊外の大型店で簡単に手に入る。知識があれば、今の時代は良き時代かな。
シャシーパンチを捨ててしまったのが悔やまれる。安物のリーマでは丸い大きな(φ10mm超)は金平糖みたいな形にしか私は加工できない。やすりでかなり削ることになる。
回路のケースを作る機会が少なくなったので、時間は掛ってもあり合わせの工具でしばらくは大丈夫。
小型のフライス盤(ボール盤兼用)、買えないことは無いが、そのお店に行くたびに眺めている。やるとしたら適当なサイズの材料を、知り合いの町工場から分けて貰うことになる。旋盤は触らせてもらったことがあるけど、自分のやりたい目的だと、ワークの固定が難しいフライス盤。
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ベテランの作業員は面荒さを、目で見る、針でなぞる、光の反射で定量的に把握している。技能オリンピック指導者クラスの方に教わって(実物指導付き)、アナログエンジニアも面荒さ計なしで加工面の良しあしは見える。
Img_0303 写真は、簡易的な角度割り出し器。
本格的な角度割り出し盤はとても高価で個人では持てない。
短いが、これでも、0.1度くらいまで、角度を割り出し、ケガキ線が引ける。アナログエンジニアの工作道具のひとつ。
Shinwa Mesuring intruments co.inc. No.19。
PAT.394867
有効長 約150mm。
これで、分度器部分の水平部に対して、直尺を180°の範囲で設定できる。
材質は少し錆びるので、SUSではないが、単純な鋼でもないようだ。
軸に対し、分度器部が下側にあるので、基準端面にその部分をあてがって、直尺部でけがきあるいは角度の測定が出来る。
個人で入手したものだが、多分、工具専門店で買ったもの。とても使い易い構造で、ピボット部のつまみを締めれば固定、ハーフクランプで微調整が出来る。
前のエントリーの自作の車載加速度計は、このアイテムを使って作った。
アナログエンジニアは設計者であるが、趣味としての工作も楽しむ。このような工作器具を使えるのも、本物のもっと精度が高く、高価な角度割り出し盤の世界を知っているからである。そして、自分の手で工作することにより、本業でも、機械工作職人に的確な指示を出せる。
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多くの研究者は必要もないのに大げさな機材を使いたがる傾向があるような気がする。企業でも、手持ち機材の能力をフルに発揮させているメーカーと、大げさな機材を使いたがるメーカーがある。
「私の」と形容詞をつけたのは、信頼性工学の意味が人によりかなり異なるためである。
そして、一部の「専門家」が称する信頼性、安全性とは異なる視点をアナログエンジニアは持っているからである。
信頼性工学は極めて学際的な技術領域である。統計学の数理、故障物理、電気化学、寿命診断、応力、疲労破壊、電気接点の導電機構、材料物性、熱応力そして、その解析技術であるフラクトグラフィーや、電子顕微鏡によるミクロ領域の定性/定量分析、応力腐食割れ、電気化学的な分析、テストピースの作成技術、応力集中、共振、加震力、固体中での部分放電、雷撃など。
アナログエンジニアは、これらの機器の多くを操作でき、かつ、現状を保存して、専門家に相手の言葉で状況を説明できる程度には学際的知識はある。専門家が何が出来て、何が出来ないか。機器分析技術のいくつかも見ている。
そして、過去40年以上にわたり、自分の製品の行く末をフォローしてきた。過酷な環境で数Fit単位での自分の設計したものの信頼性を肌で感じ定量化に努めた。成書では得られない実物の故障モードを体験してきた。
自宅内でも同じである。回路エンジニアとして、45年過ごした。そして、電解コンデンサの破損のさまざまなモードによる損傷の結果を見てきた。
一度だけ、電解コンデンサが火を噴く瞬間を見たことがある。保証期間は過ぎていたが、現状を保存し、相手メーカーに淡々と電話連絡。相手は、こちらの音声を記録している筈。それを承知、利用して、責任者を出させ、修理させた。某D社のPCである。自分のPCは直ったが、その後、リコールされたとの情報には接していない。
繰り返して言う。信頼性を上げるには、学際的な技術が必要で、実物でのたゆまない情報収集が必須である。そして、製品化前の温度依存性、熱歪加える温度試験、耐蝕性などなどの確認試験が必要である。場合によっては、未知の破壊モードを知るためのステップストレステストを実機で行う。計算機上でのストレステストなどは複合要因を含む複雑な連成系では現在は正確な計算にはなりえない。蟻の一穴から堤防は崩れ得る!
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今日から私の回路の著作、[アナログエンジニア」によるアナログ電子回路の基礎と入門 これ1冊 Introduction to Basic Design and Analog Circui by the Analog Engineer が書店に並び始める予定だ。
自分が技術書の著者になる、それは、伝えたい強い意思が必要である。アナログエンジニアは企業内高専で電子回路を教え始めたとき、実務で経験した手法と在来の本の手法の大きな違いに戸惑った。そして、アナログ電子回路「設計」に必要な視点のある本はほとんど洋書のみであった。
第一冊目の本「アナログ電子回路設計入門」、コロナ社(1994)は、hパラメータに触れつつ自分の設計手法を含め、在来の邦書とは異なる構成で教科書的な体裁で著した。
この本を著するに際しては、多数の恩人の力添えがあって出来上がったものである。
そして人には言えない位の時間を投入した。
本を書くに際しては、さまざまな方から博士の学位を取得することを勧められた。先に博士、もちろん論文博士である。幸い、回路を熟知している指導教授に巡り会えて、約1年で有馬朗人学長名で学位記を取得できた。短期間で論文をまとめることが出来たのは、技術士資格を取る際に、定められた題目を定められた字数で起承転結をつけて書く訓練が出来ていたからである。当時の技術士試験は、6hで約13000字を書く記述試験である。この時間制限と字数は、問題を見て5分で構成を考え、20分で一つの課題に対し答え、5分で誤記、誤字訂正するだけの時間しかない。やり直しは効かないので、論述試験でありながら、リアルタイムのコンサルティングと同じ状況になる。
150-250頁の1冊の技術書は、図表も文字数に換算すれば、15万〜25万字程度になる。学位論文の字数より、ふつう、かなり多い。
プログラミングするように全体を構成し、読者に期待する素養から出発して、途切れることなくきちんと先に記載した内容を次の章で発展させていく。おそらく、本の読者の中で、一番勉強し、本を使っているのは著者本人だろう。また、そうでなければ、良い本にはならない。
既に、単独著7冊、ハンドブックの章主査1冊、共著1冊となった。
週末に書店に並ぶ筈の本は、これまでとは異なる文体で書いている。短文、接続詞が少なく、掛り受けが明瞭な形式で著した。
私にとって、「設計」を意識しない「工学」はあり得ないのである。それが物を創ることの意味である。
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アナログ回路やセンサを扱う立場とは、常に、大きな決断を最初に行い、次々と状況/結果を見ながら、決断を継続する立場だ。良い製品を創るためには、猪瀬直樹氏が著しているように、決断力が工学においても必要である。それは、組織に従属する人間には出来ない決断/判断でもある。
「電源回路が設計できれば回路屋として一人前」とよく言われる。なぜなら、電子回路の多くの設計課題を含んだ回路であり、低コスト、高信頼性が必要な課題である。そして、電子回路システムの命運を握る回路でもある。
アナログエンジニアは2度にわたり、少ない文献を頼りに独学で電源回路の設計技術を取得して行った。
電源回路は電子装置の総ての電力を扱うので、そのサイズは装置全体の大きさの何割かを占める回路部分である。負荷は大きく変動するので、広いダイナミックレンジが必要で多くの場合、非線形問題となる。
トランスを用いた整流・コンデンサ平滑回路は定性的には簡単であるが、定量的には解析的にその出力電圧すら求めることは容易ではない。トランスの取引条件まで知る必要がある。部分的には、得られない仕様項目を含む。
そして、その後段には安定化電源回路システムが多くの場合付随する。これもまた、難しい課題を含む。
通常、安定化電源回路は2種類に大別される。直列安定化電源とスイッチング電源である。
スイッチング電源に関する本の先がけは、おそらく、「スイッチングレギュレータ」、嶋村弘則著、産報出版(1979.8)ではないだろうか。多分、著者のネミックラムダ社の時代の物。よく読めば、多くの設計課題、各種の設計上の手法も提示されている。
スイッチング電源は、NASAの人工衛星の電源装置を小型、軽量する目的で開発されたものと認識しているが、原典は私は知らない。
スイッチング電源は基本的に、磁性体のコア特性を理解したうえでパルストランスを設計しなければならない。起動上の課題やEMCの問題もあるとだけコメントしておこう。
電源装置は負荷の短絡を当然想定するので、その保護はふつう行う。
電源装置が大きいという技術者、科学者は、現実の電子システムの本質を知らない2流以下のレベルにとどまっている筈だろう。
そして、強電関係の電源システムはさらに大規模かつ想定する事象が多くなる。そのサイズ故に、輸送上の問題も存在する。今の時代、電源システムの理解なくして、科学、電子技術を論じることは困難であろう。本格的な技術、科学議論においては、分野を問わず、電源システムの理解が無ければ、机上の空論となりかねない。
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この記事は、同年齢、理科系の猪瀬直樹東京都副知事への、アナログエンジニアからのささやかなメッセージでもある。回路設計では常に決断を走りながらやらねばならない。
職業柄、アナログエンジニアは車載センサには関心がある。
まず、安全装置:運転席、助手席にエアバッグをつければ、エンジンルームの前方部に加速度センサがある。50G程度で動作する。ピエゾ式か静電容量式だろう。エンジン始動時に部分的な自己診断を行っている。両サイドにカーテンエアバッグがあれば、もっと高速の加速度センサが2個入っている。ABS機能があれば、駆動輪の回転センサや滑りを検知するための別系統のセンサがある。
視界関係:フロントサイドビューにCCDセンサが2個、サイドブラインドモニタに1個、バックビューに1個。
エンジン関係:キャブレター流量センサ、熱線式質量流量センサだろう。絶対圧センサ:吸気圧センサはMEMSによるピエゾ式だろう。スロットルの開度センサは候補があり過ぎて、その方式は判らないが、知っている原理のものだろう。冷却水温度センサ。瞬時燃費を表示出来るので、燃料噴射量の情報を得るための、変位センサか、直接、噴射量を計測するセンサがあるだろう。排気ガスでは、ジルコニア酸素センサなどが付いている可能性もある。その代用として、排ガス浄化装置に高温対応の温度センサが付いているかも知れない。当然、エンジン回転センサは付いている。エンジン回転とバルブタイミングの位相も測っている筈なので、複数のセンサが付いていて、アナログ的に位相分割しているかもしれない。他に、燃料タンク液面センサ、これは熱式のものだろう。
各ドアには、リミットスイッチが付いているので、これは、5個付いている。
超音波近接センサ(ソナー)は前部に2個、後部に4個。反射波の強度に応じて、反応するのでその信号処理方式の1端が見える。車速が上がると、ソナーはインターロックされて、無効になる。
外気温センサは案外正確だ。ライトの点滅が明るさに連動しているので、照度センサがどこかについている。
シートポジションを記憶でき、かつ、その動きから見るとインクリメンタル方式の相対位置センサと複数のホームポジションセンサが付いているだろう。ドアミラー位置も記憶しているので、ここにも複数の位置センサが付いている筈である。
そして、私は、気圧高度計、方位コンパス、自作の1軸加速度センサをつけている。
商用車でないのでタコグラフは当然つけていないしその必要性もない。
これらのセンサの機能と限界を総て知っている人間は、大手自動車メーカーでもほとんどいないだろう。 これを一人で理解し、複数の車載センサに関係した事のある技術者、それはアナログエンジニアの世界のサブセットでもある。
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この言葉は眞島正市先生の本の冒頭に書かれている言葉である。科学者ならこの言葉の意味をかみしめて、肝に銘じて行動、あるいは研究・開発をするべきだとアナログエンジニアは考えている。
序文の3行だけを、引用させていただく。出典(1950)「計測法概論」、眞嶋、磯部著
「計測無くして科学は無い」と言われている。計測が科学特に工学上如何に重要であるかは上の一句に盡きていると思う.計測は内容的には計測方法,使用機器,結果の整理を含む.
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私の工学技術の原点はこの言葉に尽きる。そして、恩師、磯部孝先生の講義をむさぼるように聞きいった。44年まえの事である。当時は出来の悪い学生であったが、この言葉通りに技術者としての道を、その後、私は歩んできた。
現在の研究者・科学者には、この視点が欠落している人も少なからず存在する。アナログエンジニアは、その様な方の発信する情報やデータを信用することは無い。
一例を挙げよう。ホットな話題である放射線計測。
ガイガーカウンター:放射線によるフォトンによる気体の電離パルスを測るもっとも簡単な計器。
フォトダイオード:特殊な構造をもつSiのpn接合を利用して、簡易的に被曝線量シーベルト/hを測ることのできる計器。接合の深さなどに依存して、吸収線量換算の指示が変わると私は認識している。いまや、大型の工具類を扱うお店で1万円以下で売っている。
NaIプラスティックシンチレータと光電子増倍管(フォトマル)を組み合わせて吸収線量を測定する。
Geセンサ:より高精度に吸収線量を測ることができると言われている。他にも測定方法は有るかも知れない。
科学者なら、測定機材を明示して議論あるいはデータを示すべきであろう。
当然、マスコミで測定法に由来する誤差以上の有効数字で報道されている。
冒頭の言葉をかみしめて、計測器が何を測っているか、どのような原理で動作し、その特徴は何か?と理解し、データを解釈しなければならない。
そして、計測の基本を学徒に教授すべきであるが、その感性をもつ教育者、教授者はあまりにも少ない。
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フィールドスコープは地上用の望遠鏡で、野鳥観察や夜空の観望におもに使われる。
対物レンズ径D=60mmの望遠鏡の理論分解能は約2秒角。有効最低倍率は0.15D(mm)でD=9倍、最高有効倍率はD(mm)程度である。この範囲の中間程度の倍率の接眼レンズを備えているなら、まともなメーカーの必要条件を満たすことになる。
2秒角:ざっと言えば、100m先のM3のねじ頭の形状が、+、-、六角がはっきりと見分けられれば、良質なものと言える。
アナログエンジニアは広い見かけ視界でかつ、アイレリーフの長い接眼レンズ付きの物を好む。眼鏡を掛けているので、接眼レンズと目の距離が長くても良いアイレリーフ15-20mmの物を選択する。見かけ視界が広ければ、狭い除き穴から見るのではなく、肉眼のほぼ視野全域が一度に見える。
なるべく低倍率の物を選ぶ。私のアーチェリーの矢の着弾観察用のフィールドスコープはφ60mm、30倍、見かけ視界70°の物である。これで、30m先の80cmの的全域を観察でき、かつ、90m先の矢筈と羽の色を見分けることが出来る。
アポクロマート品、防水仕様、傾斜形の国産の最上級品である。高いことは高いが、既に元が取れくらい使った。ここまでの性能は必要ないが、一生に一度はこのような光学製品を使ってみたかったのだ。
最悪は、ズーム接眼(視野が狭い、暗い)付きの高倍率品のものだ。そして、反射防止膜が手抜きされている場合もある。そして、アイレリーフも短い。最悪だ。
注意しなければならないのは、同じメーカーでも、超廉価版と高級品を品そろえしている場合、中級品以上の選択が良いと私は考えている。
特殊な用途で無い限り、アクロマート(2点色消し)で十分である。
ちなみに、もう一台のフィールドスコープは、直視型、アクロマート、φ52mmで接眼レンズを広角、低倍率品に代え、18倍の倍率に落としてある。付属の手持ち用グリップを使うと、18倍でもさしてぶれることはない。
低倍率、広視野の光学設計は難しくかつコストも上がるので、良心的に製作するつもりがなければできないフィールドスコープである。
良質なアクロマートフィールドスコープで対物レンズ径φ50mm低倍率品で、月のクレータなどは明瞭に観察でき、かつ、アダプタを追加すれば、月を画面いっぱいにコンパクトデジカメで撮影もできる。
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Photo_2 写真は今月の3/23日、3/24に書店に並ぶ予定の私の最新著書。
著者贈呈本は、通常、発売前に送付されてくる。
日刊工業新聞社刊。
ISBN 978-4-526-0858-4。発行日:2012年3月22日。
まえがきの最後に、少しフォントサイズを落として、
「あらゆるアナログ技術の先駆者、エンジニア、学徒の幸せ祈って」の文言を入れた。
理論的背景に高度の数学を必要とするアクティブフィルタは、いくつかの詳細な成本がある上、実務では今は使われることが少ないので割愛した。
その代わり、システムの要となる電源回路について、詳しく述べた。
昨日、通読し、誤植等をチェックを終えた。
この本は、高校物理、高校数学の復習をしながら、一気に実務レベルの設計まで読者を引き上げる目的で書いた本である。
良書が少ないと言われるアナログ電子回路の教本として、企業の新人および大学教科書としての役割を果たす事を目標にしている。
そして、実務とかけ離れた多くの大学教科書の旧来の記述体裁、特に、hパラメータを主体とするトランジスタや理想オペアンプでの解析などの弱点を補う、アナログエンジニア流の答えでもある。
Introduction to Basic Design and Analysis of Analog Circuit by the Analog Engineer
の英文題名もカバーに表記されている。THE の意味は、センサ、計測器 等々、工業計測と、理化学機器、医用機器 自動車用のセンサ および 各種アクチュエータ、光学も知るアナログ回路屋からのメッセージの意味を込めた。
著者として、この本が、広く他の本と比較の上で、使われることを期待している。
いま、アナログ技術者の質的、量的な減少とともに、教授者も少なくなっている。そして、アナログ技術を評価できる経営者、管理者も極めて少ない。東アジアの国々はもっと謙虚で、知識欲、そして国の効果的な政策と相まって、着実に力を伸ばしている。
もはや、アナログ技術者にとって、国境、言葉の壁はない。そういう激動の時代が現在である。 著者。
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Img_0295 写真はアナログエンジニア オリジナルの加減速Gメータ。
純機械式。指針表示。
黄色のラインは±0.5G-0.6Gのライン。これを超えたら、危険ラインと思っている。
高校物理の範囲内での原理で、重力方向と垂直な、進行方向の加速度を測る。単純なベクトル合成を利用して、gを基準にして車の進行方向の±2Gまでを約0.1G(100ガル)が測定可能だが、0.8Gラインを越えれば、見る余裕はないだろう。
±1.25Gで指針がプレートに引っ掛かり、ホールドするようには工作したが、ABSが働いた時しか確認の機会はないだろう。それを意図的に実行するつもりはない。
穏やかにブレーキングしても、ピンクのライン0.25Gに差し掛かることがある。少し、強くブレーキを踏めば、0.8G程度までは行く筈だ。
このGメータ、当然傾斜計としても使える。
職業がら、この車にはセンサはフルオプション。CCDカメラだけで、4系統ある。超音波ソナーは6ch、GPS、VICS、VICSビーコン、オートドライビングポジショナー、外気温計、瞬間燃費表示、平均燃費、平均速度もモニターに表示できる。
それに加えて、コンパス、気圧式高度計(気圧変化から、近未来の天候予測も可能)
、そして、自作のGメータを装備!。
こんな車を使っている人は、世界に何人いるだろうか。
これが、アナログエンジニアのセンサ世界の一端である。
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今日は、自著の著者分の新刊が届く筈だ。店頭に並ぶのは、約1週間後。
Img_0292 写真はバイメタル式アナログ温度・湿度計。
アナログエンジニアは普段の生活ではアナログ機械式センサを多く使う。ぱっと見て、およその値が判るし、電池交換の手間もいらない。
精度も悪くない。
この温度・湿度計はともにバイメタル式だ。
湿度計の目盛は2%ピッチ。精度が案外高いのだ。デジタル表示の物は、誤差が10%もありながら、1%表示するものが多く、、かつ、壊れやすい。
湿度計の方は、バイマテリアル式と記載されていた。おそらく、吸湿性の有機材料と非吸湿材料を組み合わせている。そして、指針を直接回している。材料開発まで行った製品かもしれない。
仕事としては、もちろん、電気出力を有するセンサを使う。
最近、秋葉原で湿度センサを見つけた。形式番号で検索すると、静電容量変化型で、相対湿度精度は案外良好である。
以前、私が見た物は抵抗変化形の湿度センサで、相対温度の対数にほぼ比例するが、精度を上げるには、対数増幅器を2個必要とする。
良質な湿度センサは案外少ない。だが、湿度を適正な範囲にすると、より快適な生活空間が生まれるのだ。
どちらにしても、回路設計は易しくないだろう。
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昨日は金星と木星の写真撮影。地震のどさくさで、手動でピントあわせする余裕がなかった。夜には近くて大きい地震。すぐ、震度4以上と判断。落下物のない、筋交いの入っている場所に陣取る。茨城県南部沖。3.11の震源域の南端近く。
Img_0288 111の元素記号と番号、カタカナ名が記載されているマグカップ。
わざと宙に浮いているように見せかけて撮影。
前置きはあるが「なんだか頭が良くなるマグカップ」。
ツイッター上で紹介されいた物を、インタ―ネット購入した品。
アナログエンジニアには、元素記号バージョンがふさわしい。
93番以上は超ウラン元素。1番水素〜92番ウラン元素の一言紹介が出来ればエンジニアとして立派なもの。
知らないし、扱ったことのない元素は、Rb,Tc,La,Pr,Tb、Hf,Tl、Po,At,Fr,Ac,Paの12個。あとは大抵間接的にはお目にかかっている。
新しいアナログエンジニアのアイテム。Y以外は何かの形でその物質を含む工業製品などの形でなじみが深い。
このマグカップ、アナログエンジニアの手にかかれば、宙に浮くなのだー、浮いているのだー??
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本当は、アラミド繊維の素線(洋弓の弦)をほぐして、もっと細い糸を使いたかった。この位なら髪の毛位の太さで楽に支えられるが、途中で絡まってしまった。カッターの刃がこぼれる位強いので、何か所も切りたくない繊維。
アナログエンジニアは最近、持ち運び可能な気圧・高度計を使っている。スポーツ用として売られているアネロイド気圧計タイプの小型のもの。こんなものが、遊び感覚で使えるようになった。そんな時代が来ているのだ。
アネロイド気圧計は2枚のダイアフラムで空ごうを作り、その中を真空にするとともに、バネでその部屋を潰れないようにしている筈。基本的に絶対圧力計である。ダイアフラムの変位を機械的に拡大し、通常は指針で表示する。
私は、この気圧計をおもに高度計として使用するつもりだ。
気圧は地上付近で12hPa/100m程度変化する。通常の気圧変動より100m差でも大きい圧力変化がある。
かなり前だが、アネロイド気圧計がある部屋にいたとき、台風のほぼ中心が通過したことがある。
台風の速度は急には変わらないので、気圧の時間変化を眺めて、時間軸を位置に置き換えれば、台風の気圧分布の1断面を見ていることになる。
その形は、Qの悪いノッチフィルタのような形状をしていた。最低気圧は960hPa程度であったと記憶している。
いずれにせよ、台風を眼で見るという、比較的珍しい経験をしたものだ。つくづくそう思う。気象のプロ以外、台風の気圧分布を実体験している方は極少数だろう。
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「アナログは機器の基本性能を決める。デジタルは機器に芸をさせる。」 これがアナログエンジニアの基本的スタンスである。
アナログと言っても、範囲は広い。
センサ絡みの精密アナログ電子回路では、自然界=物理化学現象と深いかかわりをもつ。そして、センサは千差万別と言われるように多種多様であり、その信号処理回路技術もまた多様である。
高周波アナログ回路技術は無線やレーダ装置に深いかかわりを持ち、センサとも言えるアンテナの技術と密接な関係がある。
最近、入手した機材のなかに、「遠ざかる物体」を測定できるレーダードプラ-式のスピードガンがある。「遠ざかる物体」を測定できることは、対象物をより安全に、しかも至近距離から計測できることを意味する。しかも、個人で無理なく買える価格帯である。
アーチェリ-の矢速を昨日、射場で計測してみた。km/hで表示されるが、秒速に換算すると、リカーブボウの方で50-55m/s、複合弓では、70m/s台。
このスピードガン、製造元のHPにも記載されていない新型で、原理は野球のピッチャーの投げるボールを測るやり方と基本的には同じものだろう。
使っている波長は約12mm、この周波数帯に計測用レーダーの帯域割り当てがある。
昔は、発振することすら難しかった周波数帯、それが、コンシューマユースにも低価格で投入されてきている。このような機材を使えば、ボールを扱うスポーツや和弓や洋弓の科学的トレーニングに必ず役立つであろう。
こんな時代になって来ているのだ。誰もが科学の恩恵を受けられる時代だが、その活用には科学知識が当然必要になる。
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高校物理は大学受験科目の中では、もっとも学ぶには厳しい科目だろう。高校数学の微分・積分を使えば、決して暗記科目ではない。
私は地方の進学校の理系クラスであった。文系クラスの多かった記憶がある。40数年前。
アナログエンジニアは、高校物理を学ぶのにちょうど2年かかっている。最初の一年は独学、使った本は、金原寿郎先生が「私が高校で教えるとしたらこのように教えたい」との旨の序文がある「物理の研究」である。
微積が使えれば、高校物理は、暗記科目にはならない。「物理の研究」はそのように書かれた本である。そして、章末にある東京の進学高校の先生が作成した、多数の演習問題を解いた。
多くの理系人間でも、質点系の力学の後半で躓き、幾何光学は何とかなっても物理光学で苦労し、そして抽象度のより高い電磁気学を放棄するケースが少なからずある。
より効率的に学び、より正確な概念を得るには、高校数学は必要条件である。
高校物理は、測定技術:計測の原点=科学技術の基本になる素養でもある。
電磁気学と数学の組み合わせ:これをこなせる人材がいかに少ないことか!
ここをクリアしなければ、実務で創造する職で力を発揮することは困難である。
いまは、間に合わせの比喩を使った教え方も多くあるが、概念形成にはあまり役に立たないであろう。
今言えることは、物理を必須課目にしない大学の工学部/理工学部は、欺瞞に近く、送り出す学士たちのレベルを担保できない筈である。
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技術の進歩した今、科学技術に対する理解なくして、正確な判断は困難であろう。
数学、物理などの素養がない方は文系であっても、現代社会にあふれる玉石混合の情報から真贋を見分けて素早く判断する事は不可能だろう。
理系人間なら、自分の関連する現在の技術水準および近未来に実現するであろう技術の展望にも関心を払う必要がある。
そして、リーダーたる人間には、異分野の専門家の言うことの真贋を見分け、かつ種々の人間の行動様式まで理解する必要があるだろう。
また、AIJ問題などの金融商品は基本的にゼロサムゲームに近い資金のやり取りにすぎないだろう。
最近、マスメディアに登場するようになった、「特任」、準教授ではなく「助教授」達の意見、見解が正しい確率が高いとアナログエンジニアは感じている。
なぜか? その立場、不安定な立場であっても、学術村、原子力村、官僚村、各種民間組織に従属することなく発言する場合が多いからだ。
逆に、そのような行動様式をもつ由縁により、その立場になりやすいとも考える。
村社会に属し、村社会で地位を獲得するには、村の価値観にしたがわなければ、地位を得ることは、普通できない。
記録を残すこと、それを、構成メンバー名を含めて公表することは、改革の一歩であろう。
それなくして、日本の再生の道は険しいものとなる予感がしてならない。
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バイポーラ・トランジスタの入力抵抗rは自分で計算すべきものだが、その計算方法を記載した成書はかなり少ない。
また、半導体データシートにhieなどhパラメータが記載されている品種は2SC1815以外視たことがない。しかも、そのデータは各パラメータの代表的数値を表にしているので、パラメータ間には矛盾がある。
そして、ハイブリッドパラメータはエミッタフォロワの機能を表現しにくい、あるいは、表現できない。
入力抵抗rは、基本的にVT/IB VT:熱電圧、 IB:ベース電流 でほぼ表現できる。また、そのように計算すべき値だとアナログエンジニアは考えている。
エミッタ接地増幅器ではアーリー効果を考慮しないと、電圧利得を数%程度の誤差で計算できないが、これを考慮せず、1%精度で求める問題が多く出題される。
大学教科書の多くはhパラメータを使う計算法を使っているが、エミッタ接地回路のような基本的な回路を実際に作り、実測と比較しないで記述しているのではないかとの疑念は消えない。
電子回路本のルーツは、真空管時代からトランジスタの過渡期に著作された東大・東工大の先生のものが、伝統的スタイルになっているように思う。
しかし、実務では、そのような手法はふつう使わない。
大学の回路教育と実務のかい離は消えないまま、ますますアナログ回路の技術者の層が薄くなってきているようだ。
詳述したギャップを独力で埋めることは厳しいものがある。集積回路の設計あるいは回路シミュレータモデルの中身に立ちいらないと、実用レベルの設計はできないだろう。
そして、科学技術の源である、計測技術もまた、ブラックボックス化しつつある。
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Img 図は電流増幅器の基本形。反転増幅器の入力側の抵抗のない形と同じ。
入出力関係式は Vo=R1*I である。
図の矢印を辿れば負帰還が掛ることはすぐ判る。
この回路、点aが仮想短絡になるので、電流源Iの短絡電流を測定していることになる。
アナログエンジニアが経験した最小の電流は実験室レベルでは10fA(10^-15A)、帯域は極めて絞った。もちろん、それなりのオペアンプと実装は必要だ。
信号源の電流源は、例えば、フォトセンサだとかなりの寄生容量を伴うので、短絡電流を測定しなければ、極端に周波数特性が低下するとともに、ステップ応答が次第に振動的になる。
高速オペアンプを使えば、ビデオ帯域をもつ微小電流を、低インピーダンス、高電圧レベルまで一気に増幅することが出来る。
このような電流増幅器は、案外計測、特に理化学機器のフロントエンドに多く使われている。しかし、この回路形式を紹介している本は多くない。
図は自著の原稿の一部である。
本は、
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00001210
で、各章末ごとに猫のイラストがある。
オペアンプの本は多数あるが、この本は、アナログエンジニアが、オペアンプ回路の基本から、設計までを伝えるため、敢えて激戦分野であるオペアンプの本に挑戦して著作したものである。
私の年齢になると、伝えるべきことは世に公開することも、その役割だろう。
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昨日、弓道の高段者の弓具を見せていただいた。当然ながら、相応の道具の筈。
まず、弓の長さ、180cm程度で長い。そして、洋弓のリムより幅は狭く軽い。弦を張らない状態では、的側に反っている。洋弓のリカーブボウと類似のカーブだ。リカーブタイプのボウは各地域で、大昔の狩猟用途の時代から使われているスタイルで、矢に比べて相対的にかなり重いリム部の運動量を、発射直後に極めて少ない状態にできる形状である。
和弓のリム部は、竹・木材・竹の3-4層のラミネート構造で、洋弓の場合は、カーボンファイバー層などを含む4-8層のラミネート構造で基本設計思想は同じだろう。
弦:動植物由来の材料ではない。合成繊維とのこと。色からするとアラミド繊維:多分ケブラーの感じ。洋弓の弦より一回り細い。矢を番える場所はやや白色の糸らしきものが巻いてあり、少し太くなっているが、ノッキングポイントの目印はない。
矢:洋弓の2倍以上の質量がある。アナログエンジニアの矢は17g。驚いたのは、矢の重心位置だ。進行方向に対して後方から約1/3の位置に重心がある。羽なしでは空力的安定性は保てない。それに伴って、羽は幅2cm以上、長さ20cm程度の大きい羽が軸対称位置についている。ポイントは形状が違う。的のバックストップが砂であることと関係しているらしい。軸の材料は竹だと思われる。漆と思われる表面処理がしてある。
弦を引く道具:上質の鹿皮製の手袋状の形状。弦を取りかける親指の部分の付け根近くに、かなり固いフック状の突起がある。射の瞬間に自然に弦が外れると言う。
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朝日新聞の3/3の記事によると、やってみたいスポーツの2.3.4位にシューテイングスポーツが入っている。サンプル数は多くないが、意外な結果だ。弓道・洋弓・ライフル射撃が入っていた。ちなみに、1位はなんと乗馬!
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和弓は基本的に形から入って形に終わる。洋弓は当てる事が総てで、工学的必然性にしたがい、極めて、合理的にできている。しかも、先端材料を使う時期も、用具スポーツの中では最も早い。
和弓の本物の弓と洋弓のコンパウンドボウは、弓としては対極にあるのかも知れない。
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Img_0287 写真はアナログ・デバイセズ著、電子回路研究会 訳、CQ出版社刊のOPアンプ大全、全5巻。
内部回路から応用まで、網羅している、おそらくは日本語ではもっとも詳しいOPアンプの本。
各巻3000円-(税別)。
これらの本はCQ出版社の記念事業の一環として邦訳されたと聞く。
本のURLは
http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/36/36101.htm
http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/36/36111.htm
CQ出版社の現社長GさんはT社時代から、CQ出版の投稿者。私は、その上司T氏も知っている。この本が出版された時代のトラ技編集長、現取締役のTさんとも面識がある。Tの文字は総て別の組織および氏名。
CQ出版社の概要は、
http://www.cqpub.co.jp/cqpub/cqpub/aboutcq.htm
写真の本を読めば、基本的に、オペアンプ自体の設計手法まで理解できる。読みごたえはある。
英語の原典としては、他に
OPERATIONAL AMPLIFIERS (Dsign and Applications),J.G.GRAEME G.ETOBBY
集積回路の中身に立ち入るなら、
BIPOLAR AND MOS ANALOG INTEGRATED CIRCUIT DESIGN、 A.B.GREBENEが有力。
アナログエンジニアはこれらの本を参考にして、勉強した。
本格的に、勉強するためには、英語の原典も読みたいものだ。
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自著の近刊予告:アナログエンジニアによる「アナログ電子回路の基礎と入門!これ1冊」、3/23発売予定、日刊工業新聞社。
Img_0285 私たちの周りには、種々の工業製品がある。そして、日々、その製品を使っている。
しかし、それらの製品の持つ、あるいは作り込まれた能力、性能をどこまで使っているかには疑問符がつく。
例えば、コンパクトデジカメ。デフォルト+ズーム機能以外はあまり使われていないのではないか。
アナログエンジニアは最近になって、コンパクトデジカメに作り込まれた機能の多くを使えるようになった。
超望遠撮影、スポットフォーカス、ISO感度の設定に伴うボケ味の出し方、EV値の露出補正、接写等々。
撮像素子が小さいので、暗い所でのフラッシュ禁止撮影や長時間露出は効かない位。
写真は、ISO感度を最低にセットしてのマクロ撮影。逆光。上手く背景がボケた。被写体は遅咲きのさざんかの花。
アナログエンジニアは、その機材の能力をできるだけ使いこなしたいと願う。
その裏には、設計者や生産技術者、部品メーカの汗と思いが込められている。特に、カメラ類は、自分が使ったとき、満足のいく使い勝手を織り込んでいるのが普通だ。
今や、工業製品は、現在の給料レベルに比べ、相対的に極めて安くなっている。
工業製品をとことん使いこなすには、その原理を理解したうえで自分の目的を達成しようとする知恵が必要だ。
最近になってようやく自分のもつ道具を少しは使いこなせるようになった。そして、極めて快適に使うこともできるようになった。
いい物が安く手に入る時代となった今、物を使いこなす知恵が大きな自分にとっての価値を生み出す。
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Img_0270 写真は、8インチ、シュミットカセグレンタイプの鏡筒。米国CELESTRON社製。後ろに少し見えている鏡筒はφ130mm、F5のニュートン反射望遠鏡。
こんな大口径の望遠鏡を自分が使える時代が来るとは、思っていなかった。
f=2000mm、F=10、やや長焦点である。
昨日、雲の切れ目から無理をして、月を見た。
付属の25mm接眼レンズでは倍率が高すぎて月の一部しか見えなかったが、その鮮鋭な像に感動した。
初めてみる大口径望遠鏡での視界。そして、ニュートン反射式では得られない、視野周辺部まで鮮鋭な像を結んでいる。
ついでに、木星と金星に望遠鏡を向けた。既に、西空に低くなっており、気流の状態(シーイング)は良くなかったが、木星の輪郭はシャ-プ、今日はガリレオ衛星は凸凹に並んでいた。
金星は眩しすぎて、見づらかったが、三日月状になっている様子は判った。
アナログエンジニアは過去、写真撮影中心だったが、これからも、天体撮影に挑戦するつもりだ。とくにメシエ天体をカラーで撮影したいと思う。
4月になれば、暗い夜空を求めて、観測スポットに行くつもりだ。大口径の望遠鏡ほど、その最高性能を発揮できる気象条件は少ない。
私は基本的に反射式を好む。コストパフォーマンスが高く、口径の割に軽量だからである。どこまで、機材を使いこなせるかは、今後の成り行きである。
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Img_0283 今日はひな祭り。遠くの孫娘のために、一段だけ、居間に飾った。
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吸収式冷凍機、その名を知る人は少ない。ガス会社の一部などで既に使われている。
吸収式冷凍機は、冷媒の吸収材により低圧を作り出し、冷凍サイクルを動作させる。エネルギーは吸収材の濃度を維持するために、主に使われる。
単独での効率は低いが、給湯などの熱負荷があるとき、総合熱効率は70%にも及ぶ(吸収冷凍機の第一人者の一人から聞いた。)
吸収冷凍機は、冷熱(夏場の冷房)と給湯などの熱負荷があるとき、高い効率を発揮する。
しかも、構造は比較的簡単であり、オゾン破壊物質を内蔵しない。使う冷媒(吸収材)の熱交換器部分以外には、耐食材料はいらない筈である。
冷房と給湯の需要のある施設では大規模な設備も有用であるかとアナログエンジニアは専門家に問い合わせた。その結果はYESだ。ただ、一般の方には、あまりにも知られていない。
冷房と熱負荷、例えば給湯の組み合わせがあれば、環境にやさしい設備である。
廃熱を利用して発電あるいは、電気でのヒートポンプの熱源に活用すれば、冬場のエアコンの成績係数はもっと高まるだろう。
熱源を電気に変換し、単に、暖房などの低い温度を発生させる電熱線などは、エネルギー資源の無駄遣いと、アナログエンジニアは考える。
過去のしがらみ、利権にとらわれず、素姓の良いシステムはどんどん取り入れるべきであろう。
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Img_0267 玄関先の鉢植えの花。連日低温だが、春の芽吹きは始まっている。
そして、学校では新学期が間もなく始まる。
電子回路教育は、今の多くの学生のレベルを考えると、説明が易しく、短期間で回路定数まで決めるために必要な情報まで伝えることのできるオペアンプから導入する方法も考えるべきかもしれない。
従来の半導体物理からダイオード・トランジスタへと進む教え方では、アナログ電子回路での挫折者が出やすい。
オペアンプから導入すれば、理想オペアンプでの説明の際に、オームの法則(抵抗に関する法則)や、キルヒホッフの法則も復習しながら説明できるのだ。とくにオームの法則の電流の向きと電圧の向きを強く意識させる必要がある。この理解なしに、キルヒホッフの法則は正しく使うことは困難である。
自著で済まないが、この目的に沿う本に仕立てたつもりの本である。
オペアンプ回路の説明では、仮想短絡を良く使うが、理想オペアンプの説明だけでは、回路定数を決める情報は含まれていない。
オペアンプ回路本は数多くある。しかし、オペアンンプの非理想的な特性を考慮して初めて回路定数の絶対値やオペアンプの選択に必要な情報を含む記述をする必要がある。
このため、「オペアンプ基礎回路再入門」、日刊工業新聞社刊を、私は記した。
最近では、電子回路でオペアンプから、あるいはオペアンプのみに絞って教える学校も存在する。
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太陽電池の設備容量は、ふつう、最大発電容量を指すのではないか?
アナログエンジニアは某所での太陽光発電の日積算量の時間平均値と瞬時発電量とはかなり違う事を知っている。
この設備を見るときは多く3:00pm頃が多い。秋の晴れた日のピーク発電量は6kW位であるから、方位角と太陽高度を考慮すると10kW前後の「設備容量」を持っているようだ。
昨日、雪の降る曇った日での発電量は3時で、日累計で2kW*hだったから日没までに2.5kW*h程度だろう。暖房需要の高まるうすら寒いときには発電能力が低下する。昨日の発電量は設備容量の3%程度の発電量だ。
快晴の秋の日でもピーク6kWくらい。3:00までの日累計から、その日の発電量を見積もると、20kW*h程度、設備容量の3h分程度だ。こんなところが相場だろう。
他の火力発電所などは、好きな時間帯に発電させることができる。しかし、太陽電池は需要のピークでフル出力は出せない。温度が上がり過ぎると、発電能力が低下する。それでも、夏の昼間に発電するので、需給が生じにくい。冬場に年間電力ピークがでる職場もある。このようなケースでは、太陽光発電に頼る訳にはいかない。
太陽発電の実発電量/設備容量は、他の発電方法よりかなり下がる。良い日でも設備能力の3h分程度しか発電できない。
すなわち、単に発電設備容量で他と比べることは誤解を招くだろう。定期検査以外では止まらない原発、ディリースタートストップが可能なLNG火力、安定な出力の地熱、風任せの風力、約1分設備容量の出力までもって行ける水力、みな違う特性だ。設備容量を持ってして、自然エネルギーを比較することは無意味だし、誤解を招く表現である。
しかし、設備容量の言葉は、このことを無視して、大々的に報道され続けている。
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Img_0273 写真は半完成品の太陽電池セル。
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