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バイポーラ・トランジスタの入力抵抗rは自分で計算すべきものだが、その計算方法を記載した成書はかなり少ない。
また、半導体データシートにhieなどhパラメータが記載されている品種は2SC1815以外視たことがない。しかも、そのデータは各パラメータの代表的数値を表にしているので、パラメータ間には矛盾がある。
そして、ハイブリッドパラメータはエミッタフォロワの機能を表現しにくい、あるいは、表現できない。
入力抵抗rは、基本的にVT/IB VT:熱電圧、 IB:ベース電流 でほぼ表現できる。また、そのように計算すべき値だとアナログエンジニアは考えている。
エミッタ接地増幅器ではアーリー効果を考慮しないと、電圧利得を数%程度の誤差で計算できないが、これを考慮せず、1%精度で求める問題が多く出題される。
大学教科書の多くはhパラメータを使う計算法を使っているが、エミッタ接地回路のような基本的な回路を実際に作り、実測と比較しないで記述しているのではないかとの疑念は消えない。
電子回路本のルーツは、真空管時代からトランジスタの過渡期に著作された東大・東工大の先生のものが、伝統的スタイルになっているように思う。
しかし、実務では、そのような手法はふつう使わない。
大学の回路教育と実務のかい離は消えないまま、ますますアナログ回路の技術者の層が薄くなってきているようだ。
詳述したギャップを独力で埋めることは厳しいものがある。集積回路の設計あるいは回路シミュレータモデルの中身に立ちいらないと、実用レベルの設計はできないだろう。
そして、科学技術の源である、計測技術もまた、ブラックボックス化しつつある。
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