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高電圧回路といっても電子回路の範疇では数10kV、数mA以下の領域である。10数kVを超える付近から、絶縁が困難になる。
固体絶縁ならもっと低い電圧から難度が高くなる。電子回路としての高電圧回路は電子回路であるが故に、電界集中が少ない形状の部品を使うことがかなり難しい。
液体絶縁なら強制放電させて、その模様を観測することもやってやれなくはない。もちろん、一旦放電させれば、回路の損傷は伴う。
高電圧回路の昇圧回路にはコッククロフトウォルトン回路(CW回路)およびその変形回路をを主として使うが、高電圧のハイサイド上での回路の保護はかなりの困難さがある。実験がやりにくいとともに、対策の手法は部品の能力の限界まで使わざるを得ない。しかも、手掛かりは、強制放電による部品損傷個所だけであることが多い。
放電の頻度は、設計する側から見ると、統計量に近い。電圧に対する加速係数が多少なりとも判明しているオイル絶縁の場合は、最初から品質を作り込める。しかし、固体絶縁となると、私の場合には、実時間で実績を重ねて弱点を補う形を取る。固体絶縁には部分放電という、いわば固体中の雷があり、進行性の損傷モードがある。部分放電は充填剤や固体絶縁の不均一さによっても生じる。高電圧用セラミックコンデンサには、「交流用」コンデンサもあるから、その道の方にはよく知られれている故障モードの一つだろう。
強電の難しさと電子回路の繊細さを併せ持つ回路:それが電子回路における高電圧回路であろう。
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高圧回路はたしかに難しいですね・・
大気絶縁で90kV100mAの電源を試作しましたが
コッククロフト回路での放電対策に苦労しました
固体絶縁は有効な寿命予測も出来ず経験則で対策しているので信頼性が今ひとつです
投稿: alpha21264 | 2012年4月10日 (火) 11時03分