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_2523 ←庭に長く咲いている小花。
若い頃,プラントの都合で,特殊環境下での圧力計を急遽開発したことがある。
30年の設計寿命をもち,異常時には人間なら数分で致命傷を負う環境とだけ言っておこう。しかも,基礎実験から納品まで6ヶ月。当時,その環境に耐えると判明していたセンサ材料は金属,セラミック,極一部の樹脂である。
当然,保守はできない前提である。これらのセンサ材料で作れるセンサのひとつは電磁式の変位→電気信号変換素子である。通常はプラスティックのボビンを使用するが,この部分をセラミックスに変え,指定の線材で専門メーカーに製作していただいた。
当時、この方式の変位→電気信号変換センサは芳しい評価ではなかったので,部長は強く反対したが・・・。電磁センサそのものは安定であるはずだから,信号処理回路に問題があると考え原理に遡って実験した。使えるリソースは全部利用した。そのような周囲の援助があった。
年長のN氏が私のポンチ絵の実験装置を作ってくれた。電子回路は遠く離れた場所に設置するので,100m近い特殊ケーブルを当方の指示とおりに作らせた。非常に高価なケーブルを2種類使用した。
並行して,従来の励起回路を定電圧正弦波から定電流に変更し,整流のための同期信号は2次側から得る方式とした。(特許1,067,889)
そのプラントは今も稼動しているらしい。エンジニア冥利に尽きる。
電気信号を出力するセンサは電子回路と対になって,初めて計測が可能となる。この視点なくしてセンサを語ることはしない。少なくともアナログエンジニアはそう考えている。
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