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FMECA:Failure Mode Effects and Criticality Analysis(故障モード影響および致命度解析)は故障モードの発生確率を加味して致命度を計算し、対策のレベルを決定する手法である。
小規模システムではあったが、アナログエンジニアは個人的には幾度か使ってものを設計してきた。そして、そのおかげで助かった例もある。
自然災害は大きなものほど頻度が少ないが、致命度は高いものがある。
原子力安全委員長の発言として、「重要機器の複数同時の機能喪失を考えると設計できなくなる」との発言が伝えられている。
この発言に対して、工学者として違和感を感じざるを得ない。
特に多重系をなす安全装置の全機能喪失をもたらす自然災害に対しては、特別な対策を施し1系統だけでも高い強度を持たせる設計思想も存在し、かつ、実行されている例もある。
私は原子力推進派でも反対派でもないが、当事者の「想定外」の言葉は無責任な表現と感じる。
なぜなら、FMECAなどの手法にみられる考えられる範囲の「事象」だからだ。
そして、その「事象」の大きさを固定的に割り切る必然性は何もない筈だ。
工学者から見れば、不自然な前提である。今後の原子力行政に反映させてほしいと願う。
今はただ、福島第一の安全システム一刻も早い回復を祈るのみである。
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