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理科離れと電子機器のブラックボックス化の進行とは無縁でないとアナログエンジニアは考えている。
その中で、アナログ電子回路設計は、相対的にブラックボックス化のレベルが低いと考えている。その機能と原理が比較的単純な入出力関係で表せるためである。その分、中身が良く見えるが、今や同じ社内でも、アナログ回路をブラックボックスとして考える設計グループとそうでないグループ(人)に分極化しているようだ。
デジタル回路は、入出力キー(SW)を節約するために、何段階かのシーケンス的な操作を経由して初めて目的の機能を設定できるようになっているものが多い。
原理から考えて物を作れる人が少数派になってしまった。
しかし、物つくりは、原理から考えないと、その利点や限界も判らない。
ブラックボックス化のレベルが大きくなるにつれ、修理部品の単位が大きくなり故障部位の切り分けもおおざっぱになってきているように思える。
大学に入る以前の理科的原体験を心にとめている方もそう多くはない。刃物を用いた工作をすることも少なくなった。空気の流れ、材料の壊れ方、電気の流れ等々体験する機会が少ない。
いつの間にか、多くの物をブラックボックスとして扱うことに慣れてしまった。こういう操作をこの手順でやればこのような動作をするよ。の類のノウハウがまかり通っている。
高級な機材ほどブラックボックス化のレベルは高い。簡単な実験装置を用いての理科教育が必要なのではなかろうか。金はかからないが、教える方の力量が問われる。かくして理科教師の不足と相成る。
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おはようございます入門者にゅーきちさん
アナログ回路は自然界の情報をセンサを経由して取得する。デジタル指令信号をアクチュエータを実際に駆動して操作する。そこで、システムの基本性能が決まる。
開発部門でも、センサと回路を知る人はかなり少なくなっています。本来はシステムの要の筈ですが・・・
投稿: 5513 | 2009年12月11日 (金) 05時37分
はじめまして
デジタル革命が起こり工学分野の再編が行われて以降の、とりわけフィジカルな工学関係はどうも興味が持てないと常々思っておりましたが、今回貴方のブログを読ませていただき、合点がいった次第です。
私の上手く言葉にならなかった気持ちを文章化していただいたようなものです。ありがとうございました。
今後も貴方のブログの愛読者にならせていただきます。
投稿: 岡田 | 2011年6月 2日 (木) 00時13分
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こんにちは5513さん
実際に製造現場では電子機器をブラックボックスとして扱っています。メンテナンス部門でさえアナログ回路を知ろうと言う人はいません。
トラシュー見て・・・交換てな感じです。
だからいつまでたっても故障原因を特定出来ない為、改善しないです。
アナログ回路は開発側にだけまかせればいいと考えがちです。
投稿: 入門者にゅーきち | 2009年12月10日 (木) 11時25分