_1961 光の干渉を利用したおもちゃのコマと,光学用回折格子を背面に貼り付けたネクタイピン2本。
蛍光灯下で撮影したので,本来の鮮烈な色は出ていない。
どちらも反射光を利用する。特徴は非常に純度の高い鮮やかな色彩と見る方角に依存して,その色が変化する。
干渉光は,対象とする光と同程度の周期構造を持つ物体の反射または透過光の干渉による。方角依存性が高いので,理化学機械の分光器としても使用される。
回折光の強度はd sinθ=0,λ,2λ,・・・・の方位に最大値を持つ。したがって2次の回折光は1次光の波長の2倍の波長と重なる。光の分散を利用したプリズムとは異なる。1μの赤外光は0.5μmの光と同じ位置に重なる。これを避けるには必要に応じて色フィルターを掛ける。
ここから実用上の物理光学が始まる。
周期構造の反射面が正反射となる角度に傾斜すれば(エシュレット格子),その方向の回折光は強まる。通常の光源,光学材料は紫外線側で光量が減少する。このような設計を行えば当然感度の低くなる紫外線側で有利となる。
最近では,回折格子を機械的に加工するだけではなく,ホログラムで回折格子を形成する手段が公開されている。結像面をローランド円上ではなく,近似平面とする技術も公開されている。ここからが勝負である。
玉虫の光,モルフォ蝶の光,CDの輝き,いずれも独特の色彩であるが,それらが光の波長と同程度の周期構造をもつことがキーポイントである。
ある時期のLSIは虹色に輝いていた。ちょうど光の波長程度の加工サイズだったので,光り輝くタイピンにもお土産としてSiチップが封入された。今は,微細加工が進んで肉眼では濃淡のある傷のような印象を受ける半導体となっている。
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