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長さLのしなやかな糸に質量Mを吊るした単振子の周期Tは、高校物理では公式として与えられ、T=2π√(L/g)である。gは重力加速度。
だが、周期2秒の単振子は、5円玉の中心までの糸の長さを1.00mにすることで得られる。誤差は1%もない。この方法を用いてアナログエンジニアは、物差しさえあれば、いつでも1秒のクロックを得ることができる。1m覚えやすい数値だ。
長さL、重力加速度gを与えて周期Tを求める問題は、9.8=×ばつ2/10であることを利用してLを例えば0.2mなどのように開平しやすい形で出題するのが普通だ。
しかし、例えば上記公式をT,Lを与えてgを求める計算(電卓可)をさせると1/3程度が誤算する。というのが私の認識だ。実社会では、計算チェックは基本的に技術者本人の責任であると私は考えている。誤算を自分自身が発見できるように自己訓練し、数値感覚を身につける、途中経過を総て書きとめることが大切だ。
大学になると、Md2x/dt2=-Mgsin(θ)、で質量Mが消え、sinθ≒θ=x/Lの近似を得て、初等2回微分方程式を解き、高校時代に習った公式が導けるようになる。そして、振子の等時性に対する納得がいく。そして、近似が成立しない大振幅では、θ^2に比例する(実際には主要項がθ^2/4のオーダー)誤差が生じ、等時性が崩れることもわかる。厳密解はもっと高等数学か数値積分が必要になるが・・・・。
電子回路でも、数値感覚と近似式の知識などは必要だ。Xが微小項のとき1/(1+x)≒(1-X)などの近似も良く使う。
一に大胆な近似で大局的挙動と数値を手早く把握する。そして、1m振子の周期のように定点での数値を覚えておくことは、工学者としては必要なスタイルであろう。このスタイルで幾度となく誤算を免れた。
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