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誰にも当てはまるとは思っていない。あくまで,アナログエンジニアの一例である。
義務教育の頃は真空管,高校の頃はゲルマニウムトランジスタの出始め,大学の頃はシリコントランジスタ,就職後は小規模集積回路(SSI)オペアンプの時代を経てマイコン全盛,複雑なアナログ・デジタル回路へと変遷してきた。アナログエンジニアの感性はこのような時代と悪環境下での計測と深く係わっていると思う。同世代の競合他社にも感性を同じくするエンジニアの存在を後に知った。
転職して最初の仕事は悪環境下で使用する小規模アンプの試験であった。エンジニアの卵が与えられる通常の訓練仕事である。
技師の方が一通りの手ほどきをしてくれたが,否定的結果がでた。否定的結果をきちんと報告するには,肯定的結果を出すよりも慎重な実験と検討が必要である。この部分回路構成は今も再現できるだろう。
さて,指導してくれた技師の方,TTさんの解説は良く判らなかった。
ここから専門書を頼りにしての独学が始まる。
同時に,自分の担当する製品の検査記録,サービスデータ等を過去に遡って読んだ。その際,当然ながらメモは取らなかった。若い自分にも蓄積されたデータの意味,重要性は理解できたからである。異分野の現象を含むさまざまな事象があった事だけは今も覚えている。個々の課題の記憶は蒸発して記憶から無くなっているが,物つくりへの感性は鋭くなった。
・・・・・
このような話はロートルの戯言かもしれないが,ブログなので,しばらく,週1程度でUPしていくつもりである。それにしても,アナログ回路の量産できて易しいところは集積回路の闇の中に飲み込まれていく時代になった。
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三ねんせい さま こんにちは。
温故知新ではないですが,素性の良い回路形式は使う能動素子が変化しても,原理はそのままで生き延びて行きますね。
半導体メーカー内部ですら,分業化が進んでいます。しかし,集積回路は数が出ないとビジネスにならないし,製造プロセスの関係で難しい部分が個別部品で組むアナログ回路屋の仕事となっています。
投稿: 5513 | 2009年3月12日 (木) 13時04分
こんばんは。20年前の先輩方の回路をみると、ディスクリート部品だらけ。シミュレータも普及しない時代に、設計する技術力に圧倒されてしまいました。
最近の今どき、新卒相当のハード技術者。
頭もよく吸収が早い。しかしながら、応用が利かないために、頭が柔軟でない。そのため、アナログ回路が発振したり、温度、湿度、振動で回路が動作不良を起こしても、真の原因を調べる能力が不足してい。いつまでも技術力が上がらない傾向あり。
もっともっと、一一倍苦労して、成長できるようになれば、一人前になれのでは。。。。と思う今日この頃です。
投稿: おとん@ | 2009年3月12日 (木) 23時33分
おとん@さま おはようございます。
同感です。一応の知識はあるが突込みが足りないような気がします。自分なりのモデルで考えたとき,なにが予測できるか,なにがモデルからの結論と違うのか自力で考える執念が不足しているように見えます
私の20-30年前の先輩の回路は玉石混合でした。
投稿: 5513 | 2009年3月13日 (金) 07時18分
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アマチュアであり,しかも近ごろ電子回路に触れていませんけれども,「集積回路の闇の中に飲み込まれていく」と私でさえ感じています.家電の修理などたいてい「基板交換しました」とだけ言われて何がどうなっていたのか不明のままです.
1960年頃だったか,まだ集積化されていなかった当時のトランジスタラジオの中を見たら,真空管では四極管の発明で廃れていたニュートロダイン回路が使われていて,歴史は繰り返すのだと驚きました.
投稿: 三ねんせい | 2009年3月12日 (木) 10時31分