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センサは種々の材料で構成される。そして、最終的には基板あるいは鉄系合金に固定される。異種材料の組み合わせは、線膨張係数の不一致による熱膨張ひずみと、異種材料の接合部の存在を意味する。
したがって、センサ開発は多くの場合、できるだけ対称的な構造が選ばれるとともに、軽用途でない限り、熱歪みや接合部の信頼性との戦いになる。
異種材料の接合部はクリープし易い箇所であり、経年ドリフトの一因となりえる。異なる線膨張係数の材料に負担を掛けないようにするには、主要部を同一材料で作り、しかも大きな寸法比を使って、センシングする構造物をつくる手段がある。
オールシリコンで作られるセンサも多く存在するが、固定の方法で性能・コストは大きく異なってくる。
MEMSでは、シリコンとパイレックスガラスを組みあわせ、陽極接合と呼ばれる手法(鏡面、温度・電界による接着剤を使わない接合法)がしばしば使われる。
しかし、工業用途では鉄系合金の土台に最終的に固定しなければならないので、シリコン‐特殊ガラス-低膨張合金‐鉄系合金などのように寸法比を種々変えながら何段階にもわたって熱歪みの影響を軽減する構造が取られる。
軽用途では、柔らかい固定方法で実用化される場合も少なくない。
学術論文ではセンサの主要部のみが話題になることが多いが、実用化に際しては固定手段がかなり重要な技術要素となってくる。
隠れたセンサ技術、それは熱歪みとの戦いでもある。工業用途では熱歪みをはじめとする環境に配慮したセンサ構造と使い方がなされる。
きちんと作られて、それなりの考慮された某原発の水位計不調のような都合の悪いあるいは都合のよい故障は、工業用途の水位計では考えにくい。きちんとした説明がなされるべきだろう。
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