ブレーキは車にとって安全に関して生命線である。
ハイブリッドカーでは、車の運動エネルギーを電気に変え、バッテリーあるいは電気2重層コンデンサに戻す回生ブレーキを使用して燃費向上を図っている。
回生時にはモーターは発電機として働き、その負荷電力に応じてブレーキング力が決まる。
モーターが永久磁石DCモータなら、発電電圧は回転数に比例する。蓄電池への充電には低速時にはステップアップDC-DCコンバータを介して、充電電圧まで昇圧する必要があろう。コンデンサの充電であれば過去の充電量に応じて、低圧から高圧まで、出力電圧を大幅に制御しなければならない。かつ、コンデンサや蓄電池の最大充電電流は守らなければならない。
いずれの方法をとっても、車の運動エネルギーを効率よく回生するには昇圧回路のダイナミックレンジを広くする必要がある。ダイナミックレンジの下限(低速時)に達すれば、油圧ブレーキを働かせる必要が生じるのは必定。
ブレーキシステムの切り替えが行われるなら、そのブレーキ力は途切れることなく、不連続にならないように制御しなければ、違和感が生じるだろう。
技術者ならシステム切り替え時の魔の時間での挙動の把握制御の困難さは想像に難くない。回生ブレーキと油圧ブレーキを常時併用するなら、ブレーキ力はより容易に連続的になると思われる。
同じ課題は電気自動車にも当てはまる。実車では、タイヤロック時のブレーキング制御や横滑り機能が同時に働く場合もあるから、ブレーキング制御はもっと複雑になるだろう。
人間の感覚は、踏力に比例してブレーキが効くことを期待しているのである。
本稿は、M-Gセットと簡単な電気2重層コンデンサによる実験から得たアナログエンジニアの素朴な感想に過ぎないが、それでも話題の車不具合に関してのメーカー説明には違和感を消すことができない。
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