_1990_2 ←ようやく咲いた山茶花。我が家に30年。葉の色はさえないが花はそれなりに立派。駐車場増設の折の移植のとき,1本だけ残った。
商用周波数とトランスもパルストランスも基本は同じであると考えるアナログエンジニアである。
電子回路用トランスの場合,周波数が低くAC100Vが前提なので,一次コイルインダクタンスを大きくとることが前提である。
小さな断面積のコアでLを稼ぐには,最大磁束密度をフルに使い,巻き数を増やすしかない。トランスの温度上昇も制約になる。
商用トランスのコアの飽和磁束密度は1.8テスラ程度であり,正弦波なので,これを元に一次巻数を決める。当然,細い線を多数回巻くことになる。導線の抵抗は相対的にかなり大きく,負荷が無くとも電力を消費する。
多くの場合,コアは消磁された状態からスタートし,両ぶりの状態へ移行する。
安全サイドに考えれば,設計最大磁束密度が,起動時にコア材の飽和磁束密度を越えないように配慮する必要がある。
しかし,AC電源メーカは弱い立場なので,小形化を強要すると両振りで飽和磁束を超えないように設計する事例もあるらしい。このようなトランスは,起動の際に,B-Hループが落ち着くまで過大な突入電流が流れることになる。
電子回路でのトランスはコンデンサ整流して,直流を得ることが目的であることが多い。
一般的な設計条件では,出力VAに対し1.5倍のトランス容量(全波整流)が必要である。
トランスの仕様は,正弦波実効値で規定されている。しかしコンデンサ平滑回路においては,電流波形が正弦波ではないので,十分な余裕を見る必要がある。
商用周波数トランスなど,選択指針を持たない若いエンジニアは多いが,設計手法はそのままMHz近くで動作するパルストランスの設計にも通じるのである。
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