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超音波流量計は管路を加工することなく流量を計測できる流量計である。2点間に流れがあると音波の伝搬時間が増減することを利用する。
音源と受波器は管路に対し、対抗するように斜めに配置される。
速度Vの流れに沿って伝搬するに必要な時間T1=L/(Vo+V)と流れに逆らって伝搬する時間T2=L/(Vo-V) L:伝搬距離、V:流速 Vo:音速 であるから、
1/T1-1/T2の演算を行えば、2V/Lとなり、伝搬距離Lが一定だから、流速が判る。
各種配管の音速や流体の音速が既知であれば、流速が求まれば流量が判る。測定原理上0流量も測定でき、既設配管にも設置できる流量計である。
ここまでは、教科書レベルの話だが、具体的な数値を入れて見ると第一段階の技術的課題が判る。音速を5000m/s、L=1m、超音波の周波数を2MHzとすれば、発音後400波形で受信され、流速が1m、測定精度1%なら0.4nsの時間計測が必要になる。しかも、1波長である500nsに比べかなり短い時間を計測することになる。
音源は圧電素子を高電圧パルスで駆動するが、圧電素子の共振周波数の減衰波形が出る。受信波形の波頭は小さく数サイクルで最大になる。受信波形の切り出しタイミングが難しいのだ。工夫のしどころ、勝負どころである。従って、小口径では時間計測精度が隘路になりより困難になる。
簡単な思考実験でも数値を入れて考えれば基本的課題は判る。工学的思考とは、実際の数値に基づいて課題を考えることから始まるものとアナログエンジニアは考えている。
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