酸化亜鉛系バリスタはサージ吸収素子として電子回路でも使用することがある。大型の物は電力機器の避雷装置として用いられる。
この素子はI∝V^nの電流・電圧特性を持ち、端子間の電圧制限素子に活用できる。
屋外機器では、途中の配線から誘導雷を受けることがあるが、多くの場合は回路のサージ破壊として処理され原因が究明されることはない。
小形のバリスタでも半導体素子に比べ大きなサージ耐量がある。しかも、放電管形の避雷器より高速に電圧を制限できる。
小形のバリスタでは、当然、直撃雷は受からないが、それでも絶大な効果が期待できる。
アナログエンジニアは、雷サージの電圧分布頻度、季節・地域変動のデーターをもとに、耐雷保護を行ったことがある。
雷は、冬季には日本海側、夏季には太平洋側で多い。しかも、雷の通り道があるらしく、同じ設置場所の機器がサージ破壊するケースが案外多いのだ。
避雷効果は、バリスタ使用前に比べて原因不明のサージ破壊が数分の1程度まで激減した。
もちろん、バリスタだけでは抑制電圧が高くなるので、フィルタとツェナーダイオードを付加し内部回路の保護を行った。サージに対する保護では、バリスタが先に壊れるように設計するのがコツである。他の保護素子よりバリスタが先に壊れれれば、強力なサージの新入があったとほぼ判断できるからである。
バリスタは、1000pF〜の線間容量を持つので、その容量もフィルタの一部として考慮に入れておく必要がある。
バリスタを使用して判ったことは、サージの発生頻度が地域性・季節性をもつということだ。
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