2005年04月
この本は精神科医の滝川一廣に佐藤幹夫が聞き手となり、昨今の心をめぐるさまざまな問題について聞いた本です。佐藤幹夫がテレビでコメントする精神科医の批判やDSMについての批判を引っ張りすぎている面はあるのですが、やっぱり滝川一廣はなかなかの精神科医。少年犯罪が昔に比べて減っている点などもきちんと押さえてありますし、「人並み」になることが目標となりにくい現代社会の"生きづらさ"など、現代の「こころ」を取り巻く状況をきちんと見ている本だと思います。佐藤幹夫の発言は時々引っかかるんですけどね。
滝川一廣『「こころ」はどこで壊れるか』
滝川一廣『「こころ」はどこで壊れるか』
- 2005年04月11日12:55
- yamasitayu
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人生相談をネタにした社会学の本。特に目新しい社会学的な知見があるわけではないのですが、取り上げている人生相談そのものの内容と、回答者の回答が何よりも面白いです。例えば、夫の家庭内暴力に対して、「から手とか柔道を習いましょう」と答える60年代の回答者(小山いと子)とか、女関係の派手な男との交際を相談され、「卑劣で、自分勝手で、不道徳で、軽薄な男の一語に尽きます」と、知りもしないのに断定してしまう同じく60年代の回答者(戸川エマ)など、50・60年代の回答者のすごい回答ぶりと、現在のほとんどすべてを「それはあなたが決めること」と答える回答者との差異。この辺は時代の変化というのをイヤというほど感じさせる材料だと思います。
戦後における社会の変化を改めて点検してみたいという人にもオススメな本ですし、何より人生相談を読むのが好きな人にはかなり面白い本だと思います。
池田知加『人生相談「ニッポン人の悩み」』
戦後における社会の変化を改めて点検してみたいという人にもオススメな本ですし、何より人生相談を読むのが好きな人にはかなり面白い本だと思います。
池田知加『人生相談「ニッポン人の悩み」』
- 2005年04月04日20:19
- yamasitayu
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名前:山下ゆ
通勤途中に新書を読んでいる社会科の教員です。
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「西東京日記 IN はてな」で。
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