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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

1月も残りわずか。卒業論文の口頭試問が終わり、ようやく一息ついています。今年は18名となかなかの大所帯でしたが、全員無事合格して、あとは卒業式を待つばかり。試問後の打ち上げで聞いた話では、みなさん、進路さまざまで、将来が楽しみです(うち教員デビューは3名!)。

さて、実は先月、標題に書いた「石ノ森萬画館」に行ってきました。私の尊敬する石ノ森章太郎先生の故郷は宮城県登米市中田町石森で、そこに「石ノ森章太郎ふるさと記念館」もあるのですが、今回は、石巻にある「石ノ森萬画館」に行ってきました。

以前から、ずっと行きたいと思っていましたが、ちょうど年末の時期に、家族の好きな絵本の展示もやっていて、これを機に行ってきた次第です。

今回(も?)、ちょっと平安時代とは関係ありませんが、よろしければおつきあいください。

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仙台─石巻を結ぶ電車がすでにこんな感じ。気分が上がります。

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仮面ライダーも好きですが、個人的にはキカイダーの再放送をよく見ていました。実写版では、変身後、主人公が持っていたギターはどこに行くのか、いつも不思議に思っていました。

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石巻に到着!

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もう駅からこんな感じです。

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先生、描いてます。

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これもうれしいかぎり。仮面ライダーとサイボーグ009(全巻持っている)。

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ステンドグラスに全員が描かれていて、002は飛んでいます。

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萬画館までの道のりも楽しいです。(写真はピュンマ・008)

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主役の島村ジョー(009)。

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まあ、私の推しはこの人ですね(死神と呼ばれるアルベルト・ハインリヒ004)。

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007(グレート・ブリテン)は、きちんと七十七銀行の前に。合わせたのかな?

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仮面ライダーもいます。ブラックは懐かしい。

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蓋もかわいらしいです。ロボコンと萬画館。

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おおー!見えてきました。駅から歩いて10分くらいでしょうか。

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近くまでくると、東日本大震災時の様子を伝えるパネルがありました。

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圧巻のサンドアート。

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ようやく入口へ。

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先生と握手できます。

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思わず手相を見ちゃったりして。真ん中の頭脳線が折れている人は「趣味を仕事にできる人」です。

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胸が高鳴ります。

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フフフ。ツーショット。

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とはいえ、家族の目的はこちらの絵本の展示です。

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↑「ウマソウ」の生まれるところ。

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どどーん。主役の登場。触れます。

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遠景はこんな感じ。

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絵本の方は、読むとなぜか涙が出ます。主人公の肉食獣が、生まれたばかりの恐竜を食べようとしたら「お父さん」と間違えられて、結局守ってしまうお話です。

次回は、石ノ森章太郎先生の漫画展示に入ります。お楽しみに!




新しい年になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、いま、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館で、「平安文学、いとをかし」展が行われています。今月13日(月・祝)で終わってしまうので、ぜひまだご覧になられていない方は行ってみてください。

私は、年明け最初の大学院の授業時に、院生さんたちと行ってきました。でも、その前に研究室でちょっと催し。


和菓子でお茶会
中世の三条西家のように『源氏物語』初音巻を皆で輪読し、神保町の「さゝま」で買った和菓子をいただきながらお茶会。

この後は......
くずし字百人一首大会
じゃじゃ〜ん。皆でくずし字の札をとりあう百人一首大会を行いました。なかなか白熱!

その後、千代田線で移動し、新お茶の水駅から2駅、二重橋前駅でおりて徒歩3分。

入口前
着きました!静嘉堂文庫美術館です。チケットを買って入るとこのような感じ。天井が高くて広いロビーです。

入口
入口です。展示品は「曜変天目茶碗」以外はすべて撮影OKでした。

天下の孤本
一見、地味ですが、平安中期の歌物語『平中物語』の写本は、この1本しか世の中にありません。超〜貴重な写本が展示されていました。しかも鎌倉時代の写しで古いのです。

駒競行幸絵巻
修復後、初公開された駒競(こまくらべ)行幸絵巻。鎌倉時代に画かれたものが色鮮やかでびっくりしました。他にも美しい絵巻がいくつも展示されています。

奥の部屋
奥の部屋はこんな感じです。掛け軸の絵は、今回初公開だった紫式部像。

ちいかわ?
資料タイトルの上に書かれた赤字(キャッチコピー?)に、思わずクスっとしてしまいます。

みおつくし
せきや
と思えば、迫力の国宝。俵屋宗達による源氏物語関屋澪標図屏風です。

嫁入り道具
将軍家の嫁入り道具といえば......源氏物語54帖の写本。箱も豪華!

美しい料紙1
平安時代の国宝・和漢朗詠抄 太田切。料紙の美しさが際立ちます。

美しい料紙2
展示の最後の方にあり、とても印象に残りました。

集合写真(影絵)
最後は、皆で集合して記念写真を撮って終了。たいへん充実した展示で、院生の方々も大いに楽しめたようです。

また近くで展示があれば、皆さんで訪れたいですね。


2024年、最後の日となりました。今年は今の勤務先につとめて10年経てのサバティカル(研究主体、授業少、学内業務無)でした。どんな1年になるかと思っていましたが、公私ともにいろいろ思い悩んだ年になりました。忙しい方が、かえって余計なことを考えずに済むのかもしれません。

それでも、家族との付き合い方の見直し、自身の体へのメンテナンスもでき、貴重な時間となりました。残り三ヶ月も、大事に過ごしていきたいです。

最後に、今年印象に残った「動物」ということで、11月の歌舞伎座で見た「ガマガエル」さんを紹介したいと思います。


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ネズミを追うガマ。

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相撲を取る(?)ガマと猪。

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どっちが勝った?

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お口をパッカーン。

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手を挙げて

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みなさんにこたえます。

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どアップ〜。

11月の歌舞伎座は、国立劇場の建て替えに伴い、「ようこそ歌舞伎座へ」と題した特別公演でした。初心者にもやさしい内容で、特に最初は動物たち勢ぞろい。ちょっとしたミュージカルのようで、爆笑の渦でした。

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なかでも、ガマガエルさんの可愛さが際立っていたように思います。

歌舞伎でガマガエルと言えば、歌舞伎狂言「児雷也豪傑譚」(河竹黙阿弥作)で、義賊の児雷也が使う妖術として登場します(大きなガマガエルの背に乗って出てくる)。漫画の「ナルト」にも登場しますね。

平安時代では、『古今和歌集』の仮名序に、「花に鳴く鶯、水に住むの声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける」と、生き物はみな歌を歌うのだ!という例にとりあげられます。

その後も、夏の景(蛙の声)として、『蜻蛉日記』に登場します。

そういえば、『枕草子』はちょっと衝撃的。火櫃に蛙が飛び込んでしまう話があります。

どのあたりから妖怪化するのか、調べてみても面白いかもしれませんね。

私は、歌舞伎のガマを見ると、大好きな怪獣「ガメラ」(亀型怪獣)を思い出すのですが、蛙と亀は、『沙石集』(1283年)では、蛇と三者で親しくしている話があり(干ばつになると関係が変わるものの)、『狗張子』(1692年)では、2人の法師に化けた妖物の正体として、洞窟に2匹でひっくり返っていたと記されます。

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顔だけがちょっと似ているでしょうか...。

最後に、とりとめのない話になりましたが、そういえば、12月の歌舞伎座は「あらしのよるに」というヤギと狼が親しくなる絵本を原作とした(食う、食われる関係なのに)公演がありました。家族は絵本のファンでしたので、さらに楽しめたようです。

人間は、互いに「食う食われる」関係ではないのに、どうして争いあうのでしょう。来年こそ、平和な年になってほしいと願ってやみません。どうぞ皆さま、良いお年をお迎えください。


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