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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

2024年01月

1月も残すところあと3日。12月とはまた違った早さがありますね。毎年のルーティーン、卒論審査、修論審査に加え、今年は博論審査もありますので、ちょっと目が回るような忙しさです。

そのような中、およそ10日前に、こちらの書籍が発売されました。
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講談社学習まんが『紫式部』 監修:わたくし 漫画:池沢理美先生、です。
https://amzn.asia/d/91yiMZJ ←(お値段などはこちらでご確認ください)

「紫式部」を主人公とする大河ドラマは、本日第4回目を迎えましたが、なかなか面白い展開になっています。ドラマを見た友人は「どこまでがフィクションで、どこからがホントなのかわからない」と言っていましたが、上記を読むと、およそそれがわかります!

ドラマでは、最初、父・母・紫式部・弟、の4人家族で出てきますが、実際は紫式部の
家集(和歌集)から、加えて「早くに亡くなった姉」のいることがわかっています。

紫式部の母親も、早世していると言われますが、それにしてもドラマの母親の亡くなり方は衝撃的でした。またそのことが、紫式部と道長の間柄を複雑にするようですが、この母の死の原因も含め、紫式部と道長が幼いころから知り合いだったという設定も、史実では確認できません。

しかしながら、『紫式部日記』の記述より、紫式部は「道長の愛人」という説がありますので、
ドラマはそのあたりを視野に話を作っているようです。
(そう思われる日記中のエピソードについても学習まんがに書いてあります)

ちなみに脚本家の大石静さんは「『源氏物語』は出てこない」と話されていましたが、
紫式部の経験が物語に反映される、という体なのか、似た場面が出てきます。

たとえば、子供時代の紫式部が鳥を飼っている(若紫巻で幼い紫の上が飼っていた雀に逃げられて
しまう)、紫式部がこっそり歌の代作屋をしている(その中に夕顔巻で光源氏が詠んだ歌がある)、男性貴族たちが文を見せつつ女性について論じあう(帚木巻の雨夜の品定)、紫式部自身が舞姫をつとめる(少女巻で光源氏の息・夕霧が舞姫を見初める)といったように、毎回、物語を髣髴とさせるシーンがあります。

このような物語の一場面を意識したドラマのシーンは、およそフィクションです。
ただ紫式部は、日記の中で「五節の舞姫は気の毒」といったようなことを書いており、ドラマ
では作者自身「五節」の経験があるために、そのような感情を持っていると説明しているのでしょう。面白いですね。

また平安時代の遊びや文化が出てくるのも印象的で、前回は「偏つぎ」、今回は「双六」と呼ばれる遊びが出てきました。
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上記、風俗博物館で以前撮影したものです。詳しくは下記のURLから博物館サイトにとんでご確認ください。
平安時代の遊び・貴族の生活・風俗博物館〜よみがえる源氏物語の世界〜 (iz2.or.jp)

今後も、ドラマの展開には目が離せませんが、そのお供として「学習まんが『紫式部』」いかがでしょうか?

上記の本には、最後、おまけの頁(エピローグ)として、「紫式部が現代の大学の授業に潜り込む」といった場面が描かれています。そこで教壇に立っている先生、すこーし私に似ています。ぜひ探してみてください。
(大学で学生に紹介したら、大笑いしてくれました)


1月も、残すところ1週間になりました。今学期の授業とテストが終わり、あとはレポートの提出を待つくらいです。そろそろ採点も本腰をいれないといけません〜。

そんな合間を縫って、今年の初歌舞伎は、新春浅草歌舞伎に行ってきました。若手中心の舞台ですが、今回で尾上松也丈を中心とする30代の7名が、およそ12年にわたる出演に区切りをつけるということで(卒業とも)、それを惜しみつつ、見てきました。とはいえ、私は浅草で見る歌舞伎は初めて。しかも若手にまじって人間国宝の中村歌六丈が浅草初舞台!というのも面白いと思いつつ、足を運びました。

第1部は11時開演で14時過ぎに終了、第2部は15時開演で19時過ぎに終わる、という早めの終演(歌舞伎座なら夜は20時半くらいになります)は、浅草の町を楽しんでほしいから、という理由なのだそうです。確かに、浅草の町、誘惑が多いです。

大きな提灯
浅草といえば、まずはこの風景。

路地裏のお店
路地裏までお店がたくさん並んでいます。

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美味しい釜めしやさん「麻鳥」

まず、昼の部(第1部)に行ってきました。
昼間の浅草公会堂前
浅草公会堂前です。左側下にはスターの手形石板がずらり。

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向かいにはガチャガチャ天国も。

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演目です。

扉前のお店
内部はこんな感じ。客席に入る扉前にはお店が複数出てます。

階段の踊り場
その裏はこんな感じ。入口から入って階段の踊り場には各役者さんの後援会のブースがあります。
作りは国立劇場にも少し似ていますね。

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じゃじゃ〜ん。役者さんたちの等身大パネルあり。「推し」と写真撮影できる場所ということらしいです。平日の昼の部では、あまり一緒に写真を撮っている人はいませんでしたが、後述の夜の部(第2部)では、着物の人が大行列していました(撮影の順番待ちで)。

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二千円する「特製お好み弁当」。役者さんたちのおすすめが入っているとか。

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中身はこんな感じ。おいしかったです。

2階席
2階席の一番後ろから鑑賞しました。

つづいて2回目、夜の部はこんな感じ。
着物の日
昼の部を見た日とは別日に行きましたが、その日がなんと「着物で歌舞伎」の日でした。素敵なお着物の方がずらり。私もがんばって着物で行きましたよ。中には、着崩れを無料でお直ししてくれるブースもありました。なんとも素敵な心配り。

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着物で行くと入口でこのような品が渡されます。

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中身を出すと、あら龍の絵が。

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広げるとこんな感じ。手ぬぐいですね。何種類か絵柄があったようです。良い記念になりますね。

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この日は1階席。花道近くとあって、役者さんの姿を間近で見られました。

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終演後はすっかり暗くなっていました。ロビーの入口付近で役者さんたちが揃って能登震災の募金活動をお願いされていました。歌舞伎は役者さんとお客さんの距離がとても近いのが魅力ですね。

この日は米吉さんがお年玉挨拶をされていて、開演前のご挨拶を楽しみに行きました。携帯を切る注意をされたそばから携帯音が鳴り、「だれよ!!」と舞台上からにらみを利かすハプニングがありました。そのおかげか、この日の公演中の携帯音はなかったような(笑)。

若手中心の公演は、役者さんのステップアップのためにも、重要な舞台だと感じました。やはり歌六丈の名演技が光っていましたが、20代とは思えないオーラのある橋之助さん、かわいらしいながらも剣の有る演技もできる莟玉さんも見どころで、これからも浅草歌舞伎を牽引するであろう役者さんたちの今後が期待できる舞台でした(「推し」の米吉丈が素晴らしいのは言うまでもなく。特に湯上りお富さん色っぽかった〜)。

この舞台、千穐楽は、26日(金)ですが、この日の舞台はリアルタイム配信があり、その後もしばらくアーカイブで見られるようです。

【1/26(金)千穐楽公演 生配信決定のお知らせ】新春浅草歌舞伎 | 松竹公式動画配信サービス 歌舞伎オンデマンド|いつでも、どこでも、楽しめる (kabuki-bito.jp)

良かったら、まずは配信でご覧ください。特に昼の部(第1部)は、どんつくの踊りが、面白いですよ〜。



新しい年になりました。正月から災いつづきの日本ですが、被災された方々が一刻も早く元の生活に戻れますよう祈っております。

では、先日の越前への旅、つづきです。

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あわら温泉から、特急しらさぎで武生駅へ着きました。

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越前は刃物も名産で、駅にはこんな展示物もありました。

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駅を降りるとたくさんの「紫式部」旗がお出迎え。

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車で十数分で「紫ゆかりの館」へ到着。

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正面玄関へ。

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大河ドラマ「光る君へ」とのタイアップも。

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そして、ガーン。月曜日は休館日でした。

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仕方がないので、周囲を撮影。

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駐車場はこんな感じ。

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庭は雪で一面白く。

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悲しいですが、次の目的地へ。

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お隣の「紫式部公園」へ(写真は正面。以下は「紫ゆかりの館」近くの入り口から入りました)

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案内板があります。

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それぞれ見どころが書いてあります。越前での紫式部の住まいを再現。

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平安貴族の邸宅の一部と庭を再現。池の造りが立派です。

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とにかく雪・雪・雪。

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池の近くへ。

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なんと、池が凍っています。

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橋を渡ります。

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橋の上から見ると、本当に広い池です。

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反橋と平橋の説明版が。

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確かに二つの橋がかかっています。

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反橋は、中央が高くて反っています。

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こちらも一面まっしろ。

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この寝殿造り庭園が造られた経緯が書かれていました(画像をクリックして拡大すると読めます)。

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こちら、池に面した釣殿です。

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上がってみます。

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釣殿から池を眺めて。

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日野山が見える位置。

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柱を入れて。

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中はこんな感じ。

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こんなところで、月を見ながら管弦の宴もいいですね。

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ちなみに雪のない季節はこんな感じみたいです。

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以上、釣殿でした(説明は画像をクリックすると読めます)。

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源氏物語の作者や登場人物にちなんだ植物が植えられているよう。

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雪のない季節にも来てみたいものです。

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ここにも説明版がありました。

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そしてかの有名な「紫式部像」です。こちらは立ち姿。日野山を見ているそうです。

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アップ写真。左右には源氏物語の一場面が描かれています。

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横から見るとこんな感じ。

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真後ろはこんな感じ。着物に雪が積もってしまっています。

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公園内には、このような紫式部の歌碑(この地で詠まれた)が複数ありました。

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ピンボケですみません。上記の石に刻まれた文字は谷崎潤一郎のもの。
谷崎は『源氏物語』を現代語訳しています。こちらで公園のご紹介は終わりです。

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帰りは駅まで徒歩(30分!)になってしまいましたが、途中とてもおいしい越前そばと出会えました。

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途中、絵本作家・いわさきちひろ記念館もありました。

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こちらの絵ですね。

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駅の近くまで戻ってくると、観光案内所がありました。

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サンプルだけでもおいしそう。

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さまざまな名産品が置いてあります。

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こちらにも北陸新幹線のポスターが。

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さよなら、武生駅。次は東京から新幹線で来ようかな。

ちなみに宿泊した旅館のお土産売り場でこのようなグッズが売っていました。
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紫式部のキャラクターはあちこちで見かけましたが、その他にもたくさんいるようです。
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中央が紫式部さんですが、その他、清少納言、安倍晴明、藤原道長、藤原彰子が
キャラクター化されています。みなさん、わかりますか?

今回の越前の旅は以上です。今年はサバティカル(研究中心の年)ということもあり、
いろいろな所に旅行したいと考えています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
















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