講談社学習まんが『紫式部』
1月も残すところあと3日。12月とはまた違った早さがありますね。毎年のルーティーン、卒論審査、修論審査に加え、今年は博論審査もありますので、ちょっと目が回るような忙しさです。
そのような中、およそ10日前に、こちらの書籍が発売されました。
[画像2]
講談社学習まんが『紫式部』 監修:わたくし 漫画:池沢理美先生、です。
https://amzn.asia/d/91yiMZJ ←(お値段などはこちらでご確認ください)
「紫式部」を主人公とする大河ドラマは、本日第4回目を迎えましたが、なかなか面白い展開になっています。ドラマを見た友人は「どこまでがフィクションで、どこからがホントなのかわからない」と言っていましたが、上記を読むと、およそそれがわかります!
ドラマでは、最初、父・母・紫式部・弟、の4人家族で出てきますが、実際は紫式部の
家集(和歌集)から、加えて「早くに亡くなった姉」のいることがわかっています。
紫式部の母親も、早世していると言われますが、それにしてもドラマの母親の亡くなり方は衝撃的でした。またそのことが、紫式部と道長の間柄を複雑にするようですが、この母の死の原因も含め、紫式部と道長が幼いころから知り合いだったという設定も、史実では確認できません。
しかしながら、『紫式部日記』の記述より、紫式部は「道長の愛人」という説がありますので、
ドラマはそのあたりを視野に話を作っているようです。
(そう思われる日記中のエピソードについても学習まんがに書いてあります)
ちなみに脚本家の大石静さんは「『源氏物語』は出てこない」と話されていましたが、
紫式部の経験が物語に反映される、という体なのか、似た場面が出てきます。
たとえば、子供時代の紫式部が鳥を飼っている(若紫巻で幼い紫の上が飼っていた雀に逃げられて
しまう)、紫式部がこっそり歌の代作屋をしている(その中に夕顔巻で光源氏が詠んだ歌がある)、男性貴族たちが文を見せつつ女性について論じあう(帚木巻の雨夜の品定)、紫式部自身が舞姫をつとめる(少女巻で光源氏の息・夕霧が舞姫を見初める)といったように、毎回、物語を髣髴とさせるシーンがあります。
このような物語の一場面を意識したドラマのシーンは、およそフィクションです。
ただ紫式部は、日記の中で「五節の舞姫は気の毒」といったようなことを書いており、ドラマ
では作者自身「五節」の経験があるために、そのような感情を持っていると説明しているのでしょう。面白いですね。
また平安時代の遊びや文化が出てくるのも印象的で、前回は「偏つぎ」、今回は「双六」と呼ばれる遊びが出てきました。
DSC_1883
上記、風俗博物館で以前撮影したものです。詳しくは下記のURLから博物館サイトにとんでご確認ください。
平安時代の遊び・貴族の生活・風俗博物館〜よみがえる源氏物語の世界〜 (iz2.or.jp)
今後も、ドラマの展開には目が離せませんが、そのお供として「学習まんが『紫式部』」いかがでしょうか?
上記の本には、最後、おまけの頁(エピローグ)として、「紫式部が現代の大学の授業に潜り込む」といった場面が描かれています。そこで教壇に立っている先生、すこーし私に似ています。ぜひ探してみてください。
(大学で学生に紹介したら、大笑いしてくれました)
そのような中、およそ10日前に、こちらの書籍が発売されました。
[画像2]
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「紫式部」を主人公とする大河ドラマは、本日第4回目を迎えましたが、なかなか面白い展開になっています。ドラマを見た友人は「どこまでがフィクションで、どこからがホントなのかわからない」と言っていましたが、上記を読むと、およそそれがわかります!
ドラマでは、最初、父・母・紫式部・弟、の4人家族で出てきますが、実際は紫式部の
家集(和歌集)から、加えて「早くに亡くなった姉」のいることがわかっています。
紫式部の母親も、早世していると言われますが、それにしてもドラマの母親の亡くなり方は衝撃的でした。またそのことが、紫式部と道長の間柄を複雑にするようですが、この母の死の原因も含め、紫式部と道長が幼いころから知り合いだったという設定も、史実では確認できません。
しかしながら、『紫式部日記』の記述より、紫式部は「道長の愛人」という説がありますので、
ドラマはそのあたりを視野に話を作っているようです。
(そう思われる日記中のエピソードについても学習まんがに書いてあります)
ちなみに脚本家の大石静さんは「『源氏物語』は出てこない」と話されていましたが、
紫式部の経験が物語に反映される、という体なのか、似た場面が出てきます。
たとえば、子供時代の紫式部が鳥を飼っている(若紫巻で幼い紫の上が飼っていた雀に逃げられて
しまう)、紫式部がこっそり歌の代作屋をしている(その中に夕顔巻で光源氏が詠んだ歌がある)、男性貴族たちが文を見せつつ女性について論じあう(帚木巻の雨夜の品定)、紫式部自身が舞姫をつとめる(少女巻で光源氏の息・夕霧が舞姫を見初める)といったように、毎回、物語を髣髴とさせるシーンがあります。
このような物語の一場面を意識したドラマのシーンは、およそフィクションです。
ただ紫式部は、日記の中で「五節の舞姫は気の毒」といったようなことを書いており、ドラマ
では作者自身「五節」の経験があるために、そのような感情を持っていると説明しているのでしょう。面白いですね。
また平安時代の遊びや文化が出てくるのも印象的で、前回は「偏つぎ」、今回は「双六」と呼ばれる遊びが出てきました。
DSC_1883
上記、風俗博物館で以前撮影したものです。詳しくは下記のURLから博物館サイトにとんでご確認ください。
平安時代の遊び・貴族の生活・風俗博物館〜よみがえる源氏物語の世界〜 (iz2.or.jp)
今後も、ドラマの展開には目が離せませんが、そのお供として「学習まんが『紫式部』」いかがでしょうか?
上記の本には、最後、おまけの頁(エピローグ)として、「紫式部が現代の大学の授業に潜り込む」といった場面が描かれています。そこで教壇に立っている先生、すこーし私に似ています。ぜひ探してみてください。
(大学で学生に紹介したら、大笑いしてくれました)