[フレーム]

koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

2023年10月

10月も最終日となりました。今月はとにかく、美術展と観劇に行きまくった1ヶ月(最後に水族館。学会もありましたが、入試で行けず。録画で見ます)

さて、ご紹介〜。


今月は、すでに弥生美術館と丸善ギャラリーに行ったことを書きましたが、さらに院生たちと出光美術館にも行きました。
DSC_1668
(入口の様子。残念ながらかなりピンボケ)
2023年9月16日(土)〜10月22日(日)「江戸時代の美術—「軽み」の誕生」

こちらの展示では以下のようなコンセプトのもと、『源氏物語』の屏風絵も展示されていました。

「狩野探幽(1602 - 74)は、後水尾天皇に対して「絵はつまりたるがわろき」と語ったといいます。つまり、画面にすべてを描きつくすのはよくなく、ゆとりや隙を感じさせるようにするべきだ、と。このような価値観は、絵画の領域だけに当てはまるものではなく、軽みを追求した蕉風俳諧の理論などとも通いあいながら、江戸時代を広く覆ったものでした。」

平日の人少なな時間帯でしたので、ゆったりとした空間で、ぜいたくに大きな絵を楽しむことができました。途中から芭蕉ら俳人の絵になったのは「軽み」とのかかわりだったのか、とあとから理解しました(汗)。


DSC_1667
(美術館から見える皇居のお濠)

DSC_1674
(帰りにみなさんでいただいた「一保堂茶舗」喫茶室 嘉木 のお抹茶と和菓子。自分が溶けそうになりました)

さてさてお次はこちら!
DSC_1676
(特別展「やまと絵 https://yamatoe2023.jp
2023年10月11日(水)〜12月3日(日)/東京国立博物館 平成館(上野公園))

上野で行われている「やまと絵展」は学部の3年生と4年生の演習で行きました。すべて国宝の四大絵巻(源氏物語絵巻・鳥獣戯画・伴大納言絵詞・信貴山縁起絵巻)ほか、石山切に平家納経、三十六歌仙絵に病草紙、百鬼夜行図に年中行事絵巻、道長の自筆の『御堂関白記』、もういろいろありすぎて書けませんが、とにかく、教科書に載っているような有名どころがごっそり集まっています。

特に期待はしていなかったのですが「似絵」の三枚(あの有名な源頼朝像も)が大きくて圧巻でした。絵巻はアニメーションの走りですし、漫画のキャラクターのような絵と、写実的な絵、どちらも魅力満載でした。展示替えがあるので、会期中にもう1回くらい行くかもしれません。

DSC_1680
(浮世絵で有名な太田記念美術館。着物で行くと100円引きに)
「美人画 麗しきキモノ」2023年9月1日(金)〜10月22日(日)

それほど広くない美術館ですが、原宿にあってなんとなく感度の高い展示にいつも出会えます。今回も、着物の豊かさ、奥深さ、堪能できました。江戸の風物や季節感を表す絵から、近代の和洋ミックスのおしゃれが楽しまれる絵など、美人画ならではの楽しみがありました。

次は観劇!
DSC_1692
(おなじみの歌舞伎座。今回は昼の部のみ鑑賞。とにかくガマ好きなわたし)

DSC_1689
(歌舞伎座タワーの地下、木挽町にあるカフェでいただけます。隈取パウダーが粋です)

DSC_1705
(上野の東京文化会館にて。「かぐや姫」のバレエを見ました)

このバレエ、3年前に一部だけ見ていましたが、その後、すっかり忘れていて、演習の学生がたまたまこのバレエのことを話しているのを聞き(それが前日)、あわててチケットをとって行きました。なかなか良い席で、今回は三部通しの完成版が見られました。一部も3年前よりかなり洗練された舞台になっており、イメージは「スターウォーズ」(いや本当に)。近未来のかぐや姫、という印象でした。

あとは、本当に「さよなら国立劇場」(妹背山女庭訓・後半)と「えのしま水族館」(ウルトラセブン&水辺の怪獣コラボ)があるのですが、今日の日にちなんでこれだけ先にお見せします。

DSC_1784
(ハロウィンとそれっぽい魚たちのコーナー)

DSC_1786
(墓場のようですが、そこに光る魚が!)

ほかにも「お化け」っぽい、ハロウィン仕様の水槽がたくさんあって、楽しめました。この続きはまた来月になりますが、もう少し、おつきあいくださいませ。





急に涼しくなりました。秋というより、そのまま冬になってしまいそうな気配です。

さて、先週は、授業で、丸善ギャラリー(4F)で行われている「へびをかぶったお姫さま」の展示を見に行きました。その時の様子はこんな感じ。

DSC_1632
(慶應義塾大学図書館の貴重書展示会です。さすが!どれもすばらしいコレクションでした)

「へびをかぶったお姫さま」って何?と思いますが、実際は「虫歌合」の屏風絵内の一人物。江戸時代は、蛇や蛙も「虫」の仲間とされていました。

最初は、虫たちが庭先に集まってきます。
集合!
(上記、虫嫌いでない方は、拡大してご覧ください)

その後、人間の姿に変身?
DSC_1628
(それぞれ歌を詠み合っていきます。「歌合」(うたあわせ)ですから、左右で勝負するわけです)


みんな頭に載せている(どれも自分ですが)虫たちがとてもリアルで、面白いです。
DSC_1624
(右から「けむし」「くつはむし」......と続きます。「みみず」もいますよ〜)

ほかにも擬人化した虫の絵巻がありましたが、それ以外にも『竹取物語絵巻』や『百人一首』カルタ、天狗や鬼の絵巻などもありました。10月10日まで(16時終了)の展示ですが、無料ですし、近くまで行かれるようでしたら、ぜひお立ち寄りください。

楽しいですよ〜。

それともう一つ、弥生美術館の「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり展」(〜12月24日)にも行ってきました。「銘仙」(めいせん)とは、大正から昭和にかけて流行ったカジュアル着物です。

銘仙のはじまりは、1800年前後の江戸後期にさかのぼり、養蚕農家の織子がくず糸を使用して自らが着用するものを織りはじめ、その着心地の良さと軽さ、安さが受けて庶民に広まったそうです(くわしくは→HP「きものと」へ)

とにかく、見ていて楽しい着物の展示で、私も「あと20年若かったら挑戦するのに〜!」と思いました。
DSC_1591
(入口付近はこんな感じ。1Fです)

DSC_1592
(柄が大きくて、華やか。洋服にも負けてません)

DSC_1596
(2Fの着物はもっとビビット。モダンな幾何学模様です)

HORIZON_0001_BURST20231001154847691_COVER
(左はワンちゃん、右は王冠やウエストミンスター寺院が描かれていてイギリス調の柄)

DSC_1594
(見てびっくりのバレリーナ柄。なぜ逆さまなんでしょうね?)

竹久夢二美術館も見てきましたが、最近はじまった朝ドラ(「ブギウギ」)にもマッチ?こんな展示内容でした。
HORIZON_0001_BURST20231001155308331_COVER
(楽譜表紙絵の世界。この先に朝ドラ主人公のモデル・笠置シヅ子の歌うレコードもありました)

HORIZON_0001_BURST20231001160139970_COVER
(もちろん、おなじみの美人画も見られます)

↑当日は、着物を着ていきました。今、キモノ沼にはまっている私。次はこちらに行く予定↓。

美人画
着物で行くと、入場料が100円割引されるそうです。会期はあともう少し、急がないと!

みなさんも、秋の楽しい展示の数々、内容、盛沢山なので、ぜひ行ってみてくださいね。


このページのトップヘ

traq

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /