和歌を詠む授業
3月もあっという間に月末になりました。今月は、卒業式、学位授与式、と、式典に多く参加しました。それから今年度どっぷりハマった歌舞伎にも3回足を運びました(そのうち2回はスーパー歌舞伎ヤマトタケル!)。そして同じく今年から着始めた着物は今のところ4月から35回着ました。100回に到達するには、あと2年かかるかしら(笑)。
さて、久しぶりに授業のことを書きます。およそわたしの年度最後の授業(1月の演習)は、何かしら「お楽しみ会」をやります。
今年度は、基礎演習(伊勢物語)で「和歌の早詠み大会」をやり、2年次演習(紫式部日記)で「紫式部クイズ大会」をやり、3年次演習(堤中納言物語)で「歌合(うたあわせ)」をやりました。
和歌を詠む授業、いつもなかなかの力作が出てきます。一部紹介しますね。
【以下「うめのはな」を折句(う・め・の・は・なの5文字を句の頭に据えて)にして】(基礎演習・1年生)
「裏路地の 目立たぬ陰に 野良猫よ 走り急いで 何を求める」
*猫の黒い小さな影が、細い路地裏に消えて遠く小さくなっていくイメージが
湧きました。
「憂さ晴らし 目が虚ろなる 飲んだくれ 花見ながらも 泣き言を言う」
*こちらもイメージしやすい歌ですね。季節はもう少し先の「春」かな。
「海見つめ メロディ流れて 乗る電車 離れる寂しさ 涙降る春 」
*こちらは「お別れの春」ですね。上記三首、なんとなくどれも「寂しさ」を感じる歌でした。
即興歌
(それぞれ懐紙に書いてもらいました)
【以下それぞれのお題をもとに競い合って】(日本文学演習・3年生)
「梅の花」左勝の歌
「通学の 路を見上げる 梅ごよみ あと何回か 不意に切ない 」
*今年度の授業も残りわずか。梅の花のうつろいを見ながら、しんみりした気持ちが共感を呼んだかな?
「初春」右勝の歌(全歌の中で一番支持を集めました)
「初春の 能登の悲しみ 癒えずとも うぐいすは告げる 春の便りを」
*今年は正月一日からショックな災害、事件がありました。みなさん、この歌に一番共感したようです。まずは被災者の方々の悲しみが1日でも早く癒されることを願ってやみません。
(このような「移り行く人事」と「不変の自然」(巡ってくる自然の営み)は、はるか昔からの歌いぶりです)
実は、この歌合、1人の判者に歌の勝ち負けを決めてもらう都合上、名前を伏せて行っていました。全部で5番勝負(全十首)だったのですが、4番まで左右勝ちが2番ずつで、勝負の決着は、最後の5番勝負に持ち越されました。実はこの5番目の勝負に私の歌が入っていたのですが、見事に負けました(笑)。
「氷」右勝の歌
「氷菓子 二つ並んだ 炬燵かな 雪解けを待ち 夢を語らう」
*大学4年の冬休み、卒業の春を迎える前の友人二人。炬燵に入って将来の夢について語り合っているのでしょうか。この歌は、これから就活本番を迎える学生判者の心にジャストフィットしたようです。
DSC_2387
(歌を詠みあげる役の人に、ホワイトボードに歌を書いてもらいました。)
今年の「歌合」は、大いに盛り上がりました!来年度、私はサバティカル(特別研究の年)で演習の授業は担当しませんが、またこのような「実践」・「体感」の授業を行いたいと思っています。どうぞお楽しみに〜!
さて、久しぶりに授業のことを書きます。およそわたしの年度最後の授業(1月の演習)は、何かしら「お楽しみ会」をやります。
今年度は、基礎演習(伊勢物語)で「和歌の早詠み大会」をやり、2年次演習(紫式部日記)で「紫式部クイズ大会」をやり、3年次演習(堤中納言物語)で「歌合(うたあわせ)」をやりました。
和歌を詠む授業、いつもなかなかの力作が出てきます。一部紹介しますね。
【以下「うめのはな」を折句(う・め・の・は・なの5文字を句の頭に据えて)にして】(基礎演習・1年生)
「裏路地の 目立たぬ陰に 野良猫よ 走り急いで 何を求める」
*猫の黒い小さな影が、細い路地裏に消えて遠く小さくなっていくイメージが
湧きました。
「憂さ晴らし 目が虚ろなる 飲んだくれ 花見ながらも 泣き言を言う」
*こちらもイメージしやすい歌ですね。季節はもう少し先の「春」かな。
「海見つめ メロディ流れて 乗る電車 離れる寂しさ 涙降る春 」
*こちらは「お別れの春」ですね。上記三首、なんとなくどれも「寂しさ」を感じる歌でした。
即興歌
(それぞれ懐紙に書いてもらいました)
【以下それぞれのお題をもとに競い合って】(日本文学演習・3年生)
「梅の花」左勝の歌
「通学の 路を見上げる 梅ごよみ あと何回か 不意に切ない 」
*今年度の授業も残りわずか。梅の花のうつろいを見ながら、しんみりした気持ちが共感を呼んだかな?
「初春」右勝の歌(全歌の中で一番支持を集めました)
「初春の 能登の悲しみ 癒えずとも うぐいすは告げる 春の便りを」
*今年は正月一日からショックな災害、事件がありました。みなさん、この歌に一番共感したようです。まずは被災者の方々の悲しみが1日でも早く癒されることを願ってやみません。
(このような「移り行く人事」と「不変の自然」(巡ってくる自然の営み)は、はるか昔からの歌いぶりです)
実は、この歌合、1人の判者に歌の勝ち負けを決めてもらう都合上、名前を伏せて行っていました。全部で5番勝負(全十首)だったのですが、4番まで左右勝ちが2番ずつで、勝負の決着は、最後の5番勝負に持ち越されました。実はこの5番目の勝負に私の歌が入っていたのですが、見事に負けました(笑)。
「氷」右勝の歌
「氷菓子 二つ並んだ 炬燵かな 雪解けを待ち 夢を語らう」
*大学4年の冬休み、卒業の春を迎える前の友人二人。炬燵に入って将来の夢について語り合っているのでしょうか。この歌は、これから就活本番を迎える学生判者の心にジャストフィットしたようです。
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(歌を詠みあげる役の人に、ホワイトボードに歌を書いてもらいました。)
今年の「歌合」は、大いに盛り上がりました!来年度、私はサバティカル(特別研究の年)で演習の授業は担当しませんが、またこのような「実践」・「体感」の授業を行いたいと思っています。どうぞお楽しみに〜!