講演会その後
先週の土曜日、「紫式部がみた越前」の講演会、無事に終わりました。講演自体は、作家・歴史家の加来先生と、同じく作家・福井県歴史活用コーディネーターの後藤先生がお話しくださり、その後、ディスカッション形式で、私と書家の根本先生が加わりました。
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講演会終わりに撮影。左からパネル藤原道長、後藤先生、私、加来先生、パネル紫式部、になります。(根本先生は次のご用事のために、ここにはおられず残念)
加来先生の紫式部にまつわる幅広い知見からのお話しの後、後藤先生による紫式部の越前行きで得られた物語を生み出すポイント(敦賀の海、越前の紙)についてお話しがあり、その後、休憩をはさんでのディスカッションでした。
私は少し体調不良もあったのですが、何とか講演をまとめて根本先生へつなごう、と思っていたら、いささか考えていたより時間オーバー。でも、そこはさすが根本先生。話を上手にまとめてくださり、双方にご質問される形でスムーズに進行できました。
私は「越前の紙」つながりの気持ちで、『紫式部日記』の御冊子つくりの記事(紫式部が料紙を選んでいる)と『源氏物語』梅枝巻に描かれる、入内する明石姫君のための書物準備の資料を出しました。やはりこれらの資料を見るかぎり、紫式部の紙や仮名へのこだわりは、他作品とは比べ物にならないと感じます。
根本先生からは、平安時代中期の「継紙」や「仮名の書」(多様性があった)についての見解や、大河ドラマにおける書の演技指導や監督とのやりとりなど、楽しくお話しをうかがいました。
やはり、ドラマ(娯楽物)にするためには、どうしてもフィクションを取り入れざるをえないので、そこが難しいところですね。
大河ドラマ、前回も前々回もそうですが、姫君たちの居並んでいる姿が外から丸見え、とか、紫式部が自ら進み出てきて琵琶を弾く、とか、違和感がないといえば嘘になります。ただ、やはりわかりやすさは大事ですし、「『源氏物語』の内容を知っている人にだけわかる演出」というのもあり、そこは「漢籍読みにはより深く味わえる『源氏物語』」に似ていて、面白いドラマになっています。
さらに前回は、ドラマオリジナル要素である「道兼と父・兼家との秘密」というのが効いていました。
もちろん、ドラマのオリキャラである「直秀」の正体も見どころですが、ジブリ映画の「かぐや姫の物語」の「捨丸」と言い、やはりどうしても最近の作品には、視聴者が感情移入できる等身大の人物(貴族ではない)が必要なようです。まあ、二人の男の間で揺れる(?)紫式部、というのも、意外で楽しいですが。
さて、最後に、今月、西日本新聞2月17日の朝刊に、私も取材を受けた記事が掲載されましたのでお知らせします。
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(主に実在した肥後の豪族・菊池氏が『源氏物語』大夫監のモデルの可能性について書かれています。私は当時の西国への興味が玉鬘の流離の物語につながった可能性について話しています)
私は福岡県出身なので、地元紙の取材は嬉しかったです。全国的に『源氏物語』と「紫式部」、ますます盛り上がることを期待しています!ぜひ、みなさま越前へ〜(そしてかの地から西国の地の友人に思いを馳せる紫式部ですから、その後はぜひ筑紫にも足をお運びください)。
*福井県と明治大学のアカデミーコラボ企画は、大学の創立者の一人・矢代操の出身地であることが由来です。
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講演会終わりに撮影。左からパネル藤原道長、後藤先生、私、加来先生、パネル紫式部、になります。(根本先生は次のご用事のために、ここにはおられず残念)
加来先生の紫式部にまつわる幅広い知見からのお話しの後、後藤先生による紫式部の越前行きで得られた物語を生み出すポイント(敦賀の海、越前の紙)についてお話しがあり、その後、休憩をはさんでのディスカッションでした。
私は少し体調不良もあったのですが、何とか講演をまとめて根本先生へつなごう、と思っていたら、いささか考えていたより時間オーバー。でも、そこはさすが根本先生。話を上手にまとめてくださり、双方にご質問される形でスムーズに進行できました。
私は「越前の紙」つながりの気持ちで、『紫式部日記』の御冊子つくりの記事(紫式部が料紙を選んでいる)と『源氏物語』梅枝巻に描かれる、入内する明石姫君のための書物準備の資料を出しました。やはりこれらの資料を見るかぎり、紫式部の紙や仮名へのこだわりは、他作品とは比べ物にならないと感じます。
根本先生からは、平安時代中期の「継紙」や「仮名の書」(多様性があった)についての見解や、大河ドラマにおける書の演技指導や監督とのやりとりなど、楽しくお話しをうかがいました。
やはり、ドラマ(娯楽物)にするためには、どうしてもフィクションを取り入れざるをえないので、そこが難しいところですね。
大河ドラマ、前回も前々回もそうですが、姫君たちの居並んでいる姿が外から丸見え、とか、紫式部が自ら進み出てきて琵琶を弾く、とか、違和感がないといえば嘘になります。ただ、やはりわかりやすさは大事ですし、「『源氏物語』の内容を知っている人にだけわかる演出」というのもあり、そこは「漢籍読みにはより深く味わえる『源氏物語』」に似ていて、面白いドラマになっています。
さらに前回は、ドラマオリジナル要素である「道兼と父・兼家との秘密」というのが効いていました。
もちろん、ドラマのオリキャラである「直秀」の正体も見どころですが、ジブリ映画の「かぐや姫の物語」の「捨丸」と言い、やはりどうしても最近の作品には、視聴者が感情移入できる等身大の人物(貴族ではない)が必要なようです。まあ、二人の男の間で揺れる(?)紫式部、というのも、意外で楽しいですが。
さて、最後に、今月、西日本新聞2月17日の朝刊に、私も取材を受けた記事が掲載されましたのでお知らせします。
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(主に実在した肥後の豪族・菊池氏が『源氏物語』大夫監のモデルの可能性について書かれています。私は当時の西国への興味が玉鬘の流離の物語につながった可能性について話しています)
私は福岡県出身なので、地元紙の取材は嬉しかったです。全国的に『源氏物語』と「紫式部」、ますます盛り上がることを期待しています!ぜひ、みなさま越前へ〜(そしてかの地から西国の地の友人に思いを馳せる紫式部ですから、その後はぜひ筑紫にも足をお運びください)。
*福井県と明治大学のアカデミーコラボ企画は、大学の創立者の一人・矢代操の出身地であることが由来です。