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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

2023年05月

寒かったり暑かったり、五月にしては不安定な天気が続いています。そのせいか、学生も欠席が多いようです。連休明けで少し体がなまっていたことも原因でしょうか。早く五月らしい爽やかな天気が来ますように(と思っていたらもう梅雨の季節かも)。

さて、実は今月、歌舞伎座に2回行ってきました。1回目は夜の公演、2回目は昼の公演です。
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HP「歌舞伎美人」(かぶきびと)によると、以下のように「團菊祭」について説明がありました。

「昭和11(1936)年の4、5月に、歌舞伎座で始まった「團菊祭」。九代目團十郎、五代目菊五郎の功績を顕彰するべく始められたもので、戦後は昭和33(1958)年に復活、同60(1985)年の十二代目團十郎襲名からは五月興行恒例の祭典として、皆様に愛されてきました。」

今回は、昼の部に尾上真秀(おのえまほろ:七代目菊五郎の孫、父はフランス人)くんの初舞台があり、話題でした。ただ最初は、夜の部の演目が見たかったので、夜の部だけ見ました。そして歌舞伎座に行った後、下のような「初舞台」の盛り上がりを感じ、せっかくだから昼の部も見ようと再度足を運びました。
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(幕間のお食事。真秀くんの好物がおすすめで入っていました)
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(ああー。写真はピンボケ。でもとても美味しかったです)

実際、「音菊真秀若武者」、とてもよかったです。言葉も立ち回り(舞)も、かわいらしい中に、バチっと決まる瞬間があって、惹きつけられました。堂々とした役者ぶり。将来が楽しみですね〜。

脇をつとめる面々も豪華な顔ぶれで、叔父・菊之助さんと團十郎白猿さんと三人で舞う舞が息もあっていて素敵でした。また敵役の松緑さんも大変迫力がありました(夜の達陀も面白かった)!

その他「寿曽我対面」の弟役・松也さんもノリにのっていて、かっこよかったです。

私が20代の頃、ちょうど「三之助」と言われて話題になった、自分と同年代の三人(現・團十郎《当時新之助》・菊之助・松緑《当時辰之助》)が、みなさん脂ののったいい役者さんになっていて、うれしいです。自分もお仕事、がんばらなくちゃと思います。

五年くらい前、自分が行けなくなった歌舞伎のチケットを、偶然研究室に来た学生にあげたら、「すごく良かったです!自分でも行きます!」と興奮して話してくれたのを思い出します(私も昔、学生の頃、同じように、指導の先生からチケットを譲ってもらったことがありました)。

昨今、ゲーム(FFX、刀剣乱舞など)の歌舞伎化、ゴシップを含め、この業界、話題がつきません。特に歌舞伎の場合、鑑賞者の高齢化が進む中、コロナ禍は大きな打撃だったはずですが、とても頑張っています。

「歌舞伎」は、「歌舞く」(かぶく)という言葉の意味に鑑みても、常に世間のルールを揺さぶるような面白味が必要な気がします。ただ、誰かが辛い思いをしている状態では、どこかに歪みが生まれ、マイナスの作用も引き起こしてしまうようです。先日の事件には驚きましたが、どうかこれまでのあり方を見直すきっかけになりますように。

そういえば、幕見席(一幕だけお手頃なお値段で見られる)が来月から復活するそうです。ぜひ、足を運んでみてください。

来月の歌舞伎座、実は「傾城反魂香」(漢籍の「長恨歌」や「李夫人」を思わせるタイトル)を楽しみにしていたので、残念なところもありますが、代役の方は、大いなるチャンス到来で、それもまた新しい楽しみになりますね。がんばってください。


GW真っただ中、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

今年は遠出の予定は立てず、歌舞伎公演など近場で楽しむ予定です。

さて、標題の通り、本日、朝日新聞の朝刊「明日へのレッスン」に『源氏物語』の記事がのっています。

私と、恩師・日向一雅先生(明治大学名誉教授)と、京都先端科学大学の山本淳子先生(『源氏物語の時代』でサントリー学芸賞受賞)に『源氏物語』について、インタビューした内容です。

三者三様の源氏物語観がうかがえます。

私と先生は、大学のカフェ・パンセで取材を受けました。取材の方は、前もっていただいていた質問に答える形で進みました。

「源氏物語の魅力とは?なぜ読み継がれているのか?」「作者の紫式部はどんな人?」「現在判明している紫式部の生涯や教養は、どのような形で源氏物語の内容に反映されている?」などなど。

『源氏物語』の魅力については、これまでの物語と違って、男女双方の読者を獲得できる表現の奥深さ、音読した時のリズムの良さ、などを答えました。

限られた紙面の中、とても充実した内容にまとめてくださっていると思います。

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(写真は記事の一部です)

記事にある自分の回答を見て、私はやはり『源氏物語』ができるまでの道筋、またできた後の享受・影響について興味があるのだなと感じました。つまり「源氏物語史」ですね。

記事の方も、どこかでお読みいただければ幸いです。



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