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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

義経千本桜(もう明日が千穐楽なんて!)

このブログ、もっと早く更新する予定でした。ただ、今月は、本当にいろいろな
ことがありすぎて、気づけば、今日を迎えてしまいました。

歌舞伎座、千穐楽前日とは!(もっと早く書いて宣伝したかった)


ところで、みなさん、「義経」と聞けば、何を思い出すでしょう?
「千本桜」といえば?(初音ミクではありません。あ、でも12月の歌舞伎座は、
中村獅童丈と初音ミク丈のコラボ歌舞伎もあります)

義経は、平安時代末期に起きた源平合戦(1180-1185源氏対平氏の戦い)において、
源氏方を勝利に導いた立役者、
なわけですが、合戦終了後は、兄・頼朝にうとまれ、ついには命を狙われることになります。

「義経千本桜」の演目は、そのような悲劇の主人公・義経に、愛妾(静御前)を
託された家来・忠信が、実は「狐」に姿を変えた妖狐だったというお話です。
(本物の忠信は親の看病のため郷里に帰っていた)
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(伏見稲荷大社近くの和菓子屋のお菓子。歌舞伎座ではよく演目にちなんだ
お菓子が売られています。このお菓子、美味しくて一人で3枚完食。)

また、静御前は、義経が後白河法皇から賜ったという「初音の鼓」(はつねのつづみ
──この鼓には「頼朝を討て(打て)」との意味が込められている)を持っており、
この鼓の皮が、なんと忠信狐の両親であるということで、ずっと静御前についていた
理由もわかります。

吉野山(桜の名所)を行く静御前に付き従う忠信狐。歌舞伎では、舞踊になっていて、
とても美しかったです。

歴史では、ここで静御前は捕らえられたと伝わりますが......(その後、義経との子も殺されたとか)。

そのような親子の悲劇を、狐親子の悲劇に変えて描き、歴史の敗者たち(平家方も実は死んでなかった!という人が出てくる)へもあたたかいまなざしを送っているように感じました。

今回、歌舞伎座は、前半Aプロ、後半Bプロで配役が変わり、あっという間の20日公演でした。

私は中村米吉丈の静御前、尾上右近丈の狐忠信のBプロを見ました。
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左端A・B忠信狐、真ん中、左A権太(松緑丈)、右B権太(仁左衛門丈)、右端A・B碇知盛

特に、「すし屋」では、昨年、大阪松竹座で見られなかった演目なので
(台風で新幹線が止まった)、
無事、リベンジ。大変満足しました(今回は、歌六丈と米吉丈、親子共演でしたし)。

Aプロは......、オンデマンドのミレールで見ることにします。

来月も楽しむぞ!

*今月は、公私にわたり長くそして大変お世話になっていた大先輩の突然の訃報に接し、
しばらく茫然としていました。でも、今月7日の古式相撲の節会を国技館で観覧し、
先輩の思いを引き継いで、新たに研究をし続けていく気持ちになれました。
この時のことはまた機を改めて。



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