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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

暑いような涼しいようなはっきりしない天気が続いています。関東もようやく梅雨入りしたようですが、こうも寒暖差があると体調を整えるのが難しいです。

さて、昨年、歌舞伎座の幕見席が復活してから1年がたちました。
(幕見席復活!のブログはこちら→「六月大歌舞伎」)

着物を月4回着る!と志し、歌舞伎座に足を運び、「推し」をみつけて後援会にも入ってしまい、と、次々に「沼」っている今日この頃。また幕見席が復活してからは、「学生と鑑賞したい」と長いこと思っていましたが、ようやくそれが実現しました。

大学院の授業で、江戸時代の有職故実家・土肥経平著「深山桜」(岡山から兵庫・有馬温泉をめざす紀行文)を読んでいますが、ちょうど須磨寺のところで、経平が「義経のこしかけ松」や「弁慶の鐘」などを見るくだりが出てきました。さらに経平が寺の僧に尋ねたところ、一の谷の合戦時、「源義経」を先導した「鷲尾」が住んだあたり、などという言葉も出てきたのですが、先日、6月大歌舞伎の昼の部「義経千本桜─時鳥花有里」の演目を見ていたら、この義経と鷲尾三郎が登場しました。

鷲尾三郎は今をときめく「市川染五郎」さん(大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では頼朝の姫君の婚約者・源義高役で人気)が演じており、最初の義経のこれまでの戦いぶりを再現する舞踊が素敵でした。その後は、神様や神女の化身たちが登場して舞踊するのですが、傀儡子役(正体は龍田明神)の種之助さんの仮面を素早くつけかえての舞踊がまた本当に見ごたえありました(新春浅草歌舞伎の「流星」を思わせる)。もちろん白拍子たち(実は神女)の舞もしっとりと優美で、中でも「推し」(米吉丈)をオペラグラスで凝視したのは言うまでもありません。
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(初めての板タブで描きました。左・白拍子、右・神女の米吉丈です)

ああ、これはちょうど授業で読んでいたテキストに出てきた人物。学生たちと歌舞伎座にくる良い機会だと思いました。ただ、ちょっとしたコロナ流行もあって、参加できたのは2名でしたが、わたしは日を改めてもう1度、見に来ることができました。

昼の部最初の演目「上州土産百両首」(明治期に作られた新作歌舞伎。江戸を生きる、幼馴染の元スリ2人の感動物語)から見ました。中村獅童丈、尾上菊之助丈、の名コンビも相まって、最後は客席のあちこちからすすり泣きが聞こえました(私の隣の学生も感涙したそう)。

最初は随所にコメディ風なところがあるのですが、なんとも言えない2人のすれ違い、それでも互いを思いやる最後にぐっときます(後半に親分役で登場する歌六丈も舞台を引き締める)。

今回は2演目の鑑賞でしたが、歌舞伎座初体験の学生から「来てよかった〜」と言ってもらえて、私もうれしかったです。また機会があれば、今度はもっと大人数で来たいですね。

それから、国立劇場!入札がうまくいっていないようですが、かならず建設してください。私は学生時代、この国立劇場に、先生方と多くの伝統芸能を見に行きました。学生料金の設定があって、当時、とてもありがたかったです。

それでは、これで春学期の授業も残り1ヶ月、フルチャージできたので、がんばります!



今月もあっという間に最終日を迎えました。GWは、家族で広島を旅して友人に会い、中旬は名古屋で友人と歌舞伎を見て(ヤマトタケル5回目!)、下旬は東京で漫画009の舞台を友人と見て、とにかく高校や大学時代の友人たちと素敵なひとときを楽しめた1ヶ月でした。
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(宮島の焼き紅葉まんじゅう。あつあつで美味しゅうございました)

もちろん、合間に「論文執筆地獄!」や「英語地獄!」を味わいつつ、ですけどね。

最近、歌舞伎座に行くと、お隣は外国の方、ということもしばしば。私が筋書(パンフレット)を開いているのを目にした隣の方が「これはどこで売ってるの?1000円?」と、英語で話しかけられました。内容はわかるのですが、その答えの英語がスッと出てきません。結局、口から出たのは「out」(外)と「about1000」(約1000)でした。「同じ階の入り口正面の窓口」、「1300円」を英語で言いたかったのですが......次回、がんばります。

まことや、そろそろ本題に。

今月最後の土日に東京学芸大学で行われた中古文学会春季大会に、久しぶりにオール参加してきました。いつも土日のどちらか大学の仕事で埋まっていたり、家族の用事があったりで、ここ何年もそのような参加ができていませんでした。久々にすべて参加してみたら、かなり楽しかったです。

学問について議論する真面目な場であることに変わりはないのですが、「文学」なんだから、やっぱり楽しくなくては、と改めて思った次第。そして、とても良い感じの「社交場」の雰囲気がありました。

そういえば、もう定着しつつある大会シンポジウムや発表のyoutube配信(今回は録画の配信)ですが、確か、私は記念の雑誌100号(2017年秋刊行)にその可能性について書いています。それがこんなに早く実現するとは!社会の危機も、悪いことばかりではありませんね。

それから、今月は、なんといっても「虎に翼」にハマりました。

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NHKの朝ドラですが、主人公・寅子のモデルは明治大学の女子部で初の女性弁護士になる三淵嘉子さん。ドラマでは「明律大学」の学生ということになっていて、当然フィクションではあるのですが、出てくる甘味処や、ニコライ堂の風景など、もうそれはおなじみの場所で、同大学の卒業生であり、教員でもある私としては、毎朝眼福でありました。戦争に突入してからは、登戸(寅子の父が兵器を制作)も出てきて、それは現在、明治大学平和教育登戸研究所資料館になっています。

明治大学の法学部は、それこそ当初「明治法律学校」の名前通り、「伝統の法」と呼ばれ、「看板の商」とともに、およそ学長を代わる代わる輩出してきた学部です(ちなみに私の出身となる文学部は「おまけの文」と呼ばれていました・汗)。現在の学長も法学部出身の先生ですね。

他には「パラダイス政経」「あったのか経営」なんてのもありましたね。それからたくさん学部が増えたので、もうこれらの呼び名も忘れられつつありますが......。

そういえば、学会では発表者に質問する折、自分の所属を言わないとならないのですが、私は和装で行ったこともあり(終了後の予定のためです)、「明律大学の......」という出だしが少し頭をよぎりました。いやいや、なになりきってんだか(厚かましい!)。

戦後の寅子の活躍にも注目です。私も負けずに好きなこと、やりたいことをこれからもやっていきます。









新年度、始まりました。そしてGWに入ります。

この1ヶ月、いつもより長く感じました。今年度、私はサバティカルという、学内業務や授業を減らし、研究に専念できる、とてもありがたい年です(いわゆる特別研究の年)。
忙殺されていると、あっという間に過ぎるのですが、いろいろ自分で考えて組み立てられる時間が増えているために、長く感じたように思います。

でも、大学院と卒業論文は担当しているので、週1回、大学に行って授業はしています。
その他は、現在、家で論文執筆中。まとめがなかなか書けなかった論文も、昨日無事脱稿。
あとは注をつけたら1本できます。

同僚の先生には「あっという間に1年過ぎるから」と恐ろしいことを言われたせいか、
1日1日を大事にしたい、と日々思っています。

そのような中でも、学会や研究所関連の会議は、普通に入ります。その一つがこれ。
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「会議」を忘れないように、テーブルに置いておいたメモ。これが家族には「15じはん 200m」に見えたそうです。

いや、違うから。「zoom」だから。オンライン会議だよ。

そのような中、新鮮な空気も吸ってきました。
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じゃ〜ん。高尾山の三福だんごです。

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そして、頂上にのぼった後、帰りの4号路にあるつり橋です。ぎしぎし揺れて楽しかったです。

ちなみに大学院では、『源氏物語』薄雲巻を読んでいきます。そういえば、最近、定家の古今和歌集の注釈書が発見されました。自筆本らしいので、貴重ですね。この写本、冷泉家に伝わっていた古今伝授箱に入っていたのですが、130年間、開かれなかったそうです。大事にされていたんですね。

それでは、今年度も、ぼちぼち、よろしくお願いします。



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