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高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

こないだのクリスマスの日、新井ヒカルのライブを観に行ってそのまま朝まで呑んでて、おまけにクリスマスソングを歌うことについてユウジ君とかなり議題が白熱してしまったので、どうやって帰ったか判らないほどへべれけになってしまった。


昼過ぎ頃やっとの事で起きると案の定二日酔い。地面が廻るくらい酒の残りよう。その週は目が回るほど忙しかったんで、一段落した体に酒がしみ込むだけしみ込んだんだろう。


頭がズンズンしながらも、前日に予約録画をしておいたオノ・ヨーコ特番を観た。


まさか、いまさらながらテレビで特集されるオノ・ヨーコ、ジョン・レノン・ストーリーであれほどまでに号泣するとは思いもしなかった。手垢にまみれた題材だし、テレビという事もあってジョンとヨーコの内部のドロドロとした部分やエッジがたった部分は省かれていた。キレイゴトと言えばキレイゴトだった。



けれどオノ・ヨーコの凛とした佇まいや、伝えたい事の明快さ、一人の女性として幸せだった事や傷ついた事を隠さず、あっけらかんと喋っていた事があまりにもストレートに心に染み込んできて、荒んだ自分の精神を浄化してくれた。


ジョン・レノンの死の再現フィルムを受けてのオノ・ヨーコの長い長い沈黙、テレビではあり得ないほどの沈黙は観ている側に取ってもの凄くインパクトがあったし、たまらずフォローする樹木希林の独特のコメントも染みた。



まあ、観てない人には何がなんだかさっぱり伝わらないだろうけれど、ビートルズを聴いて25年、ジョン・レノンを考え続けて10数年の俺が改めて、いかにオノ・ヨーコがジョン・レノンにとって重要だったかを強く認識した、それくらい意義のある番組であったということですよ。


放送された日がクリスマスという事もあってジョン・レノンのクリスマスソング「Happy X'mas(War Is Over If You Want It)」について大きく取り上げていた。
この曲を聴いてはや20年、元々大好きな曲だったけれど、改めてこの曲がいかに人を突き動かす凄まじいエネルギーに満ちていて、同時に慈悲の精神を持っているかを思い知らされたのがこの曲のプロモーションビデオだ。番組では訳詞が流れていてさらに伝わってくるんだけれど、とにかくこの曲のPVを貼付けておく。

[埋込みオブジェクト:http://www.youtube.com/v/fvNRHrKyaX4&feature=youtube_gdata]http://mixi.jp/add_diary.pl?id=1432170


近年出たベスト盤に合わせて作られたPVなんだけれど、35年くらい前の曲にもかかわらず、いかに普遍的なテーマを持った曲であったかを思い知らされた。



クリスマスになるとどこでもかかるベタな曲だし、マライヤ・キャリーとかワムとかのクリスマスソングと同じように聞き流されてる可能性もあるけれど、とんでもない。



あくまで私感だけど音楽としての強さ、メッセージとしての強さはそれらの曲とは100億光年の隔たりがあると思う。キリスト教徒でもなんでもない我々日本人が、クリスマスの様な日に聴く「クリスマスソング」として真摯に受け取るべきメッセージはこの曲にこそあるのではないかと心の底から思った。


メロディーひとつとってもこんなに心かきむしられる様なエモーショナルな旋律はなかなかないし、恐ろしくシンプルであるにもかかわらず森羅万象のあらゆる事を俯瞰で観つつ、包み込む様な優しさに満ちあふれている歌詞。
そして極めてシンプルにして重要なメッセージ「あなたが望めば戦争は終わる」を大合唱する部分の神々しさ。



絵空事だと馬鹿にする人も居るかもしれないし、ジョンが歌う様に「夢想家」の理想論だと思う人も居るかもしれないけれど、違う。



人が願う力、人が発する波動というか力は本当に強いものだし、それは人の人生を、ひいては世界のあらゆる動きを変えてしまう「かもしれない」。
「かもしれない」だけど、そこを信じなければ音楽なんてやってられないし、生きてられない。



そんなことを二日酔いのガンガンする頭で泣きながら考えたクリスマス翌日。

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高瀬大介

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