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高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

2007年12月

2007年12月28日18:38
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大晦日、12月31日には渋谷DECEで今年の締めのライブをやります。時間は17時過ぎとかいう早い時間。帰ってから紅白歌合戦が観られるといういいんだか悪いんだか分からないタイミングでのライブがあります。是非是非観に来て下さい。


ちょうどさっきブルーススプリングスティーンの最新作である「MAGIC」と言う作品を聴いていたんですが、何かが吹っ切れたような王道のボス節。分かりやすい王道ロック。気分が高揚します。


シンプルにストレートに。いつもここを目指しているのに色んな感情や作為が混ざり合って濁らせてきた自分の人生だけれども、来年は本当にそこに向けていくしかないと思ってます。


ちょうど最近スタジオで偶発的に出来た新曲がシンプルの極みみたいな作品だったのでそんな気持ちが高ぶってきてます今日この頃皆さんいかがお過ごしでしょうか?


マイミクの人に相当な鬱ブログを書き続けている人がいて、つい反面教師的にその人の日記を見てしまうという性格の悪さを持っているワタクシですが、たとえどんなに悪い精神状況でもそれを口に出したり何かに書いて人の目に晒されると、その状況は多くの人に認知される確固たる事実になってしまいます。
言霊という言葉があるように、人が発する言葉には魂が宿っていると言います。本当にそうだと思います。


キレイ事だけを述べていきていればいいとは全然思わないし、むしろ毒気のある発言こそ建設的な方向に物事を導くと思っています。
しかしマイナスなヴァイブレーションを含んだ発言や文章は自分だけでなく人をも巻き込んでしまいます。


強くなる事。シンプルでストレート。バカみたいに簡単な事だけれど、バカみたいに難しい事です。



2008年も宜しくお願いします。

気が向いたら今年中に日記書くかもしれませんので取りあえず挨拶らしい挨拶はまだしません。


では。
2007年12月16日19:57
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こないだ池袋のライブハウスのライブハウスで酔っぱらいながら初めて人前でドラム叩きました。

最初は普通にギターもって怠雅君と一緒に初対面の人達とジャムセッションしてたんだけれど、ドラムの人やベースの人が全然ジャムる心がなくて途中でいなくなってしまった。
で、なんとなくドラムの前に座り、よくわからないまま全く知らないB'zの曲を叩きました。でも途中から怠雅君がギターを弾きだしたのでB'zの曲なんかどうでも良くなって彼とジャムっていました。心意気だけはジョンボーナムで......。


酔ってたんです......久しぶりに。


そんなワタシが最近気に入ってるのがサンボマスターの新曲「光のロック」。

http://jp.youtube.com/watch?v=xKJyuFp946g


了見の狭いワタシは滅多に人の作った曲を良いとは言いませんが、この曲は本当に素晴らしい!


今までのサンボマスターの定番パターン、パンク+ソウルな濃い楽曲に、極めつけの言葉を絶叫しながら無理矢理にでもこっちの心臓を握るようなあの暑苦しい必殺パターンを敢えて避け、純粋に楽曲として抜けのいいもの、今までのサンボになかったメロディーと疾走感を素直に届けてくれる快作だと思います。
恐らく山口氏はこの手の楽曲が作れる引き出しはかなり前からあったんだと思うんですが、あのサンボの必殺パターンによって世間に認知させるまでは今回のパターンはとっておいたんだと思います。

前々回のシングル「I Love You」

http://jp.youtube.com/watch?v=Ub3mQjy_YVc

や前回のシングル「veryspecial!!」

http://jp.youtube.com/watch?v=qdcDiR-XSes&feature=related

でもその片鱗は充分あったものの、今回のシングルは頭ひとつ抜けた爽快感があります。あ〜アルバムが楽しみ。

確かに「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」みたいな決定打の役割を担うシングルではありませんが、次のチャプターに本格的に入ったんだなぁと思わせる画期的な楽曲だと思います。


やっぱポップなものは良いです。府抜けたポップほど退屈なものはありませんが、ソウルがあるバンドの鳴らすポップな祝祭ナンバーは本当に心が解放されるようです。


......でも久々に超怒級ハードソウルナンバーも聴きたい所ではありますが......。
2007年12月12日05:40
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10日にやったツェッペリン再結成ライブがもうyoutubeにアップされています。ネット社会恐るべし。

http://www.youtube.com/watch?v=rsHcUwtw5H0 Good Times Bad Times

http://www.youtube.com/watch?v=QZxukPZ0pjA Kashimir


「老人の醜い姿は見たくない」とか「声のでないシンガーと指の動かないギタリストが云々〜〜〜」みたいな下らない事をぬかす大馬鹿野郎がいましたが、蓋を開けてみれば実に立派な演奏をしているではありませんか。


曲によってキーを1音下げたりしてプラント老衰のための工夫はしていましたが、それもヘヴィーで現代的な質感を産んでいていい結果になってます。
以前のライヴエイドやアトランティック40周年記念のときのような「うわ〜」みたいな失敗もなく、感動的とすら言えるようなグルーヴを産み出しています。ネットの画像と音声だから大して参考にはなりませんが、それでも迫力は十分伝わってきます。
見事に白髪老人!なたたずまいであんなヘヴィーなギターを弾いてるジミーペイジの姿はまさにフリークス!って感じでイカしてます。


今回の再結成は声がどうとか、指がどうとか言うよりもまず、あのツェッペリンのグルーヴをどう再現してくれるかという事が一番の関心事だったのですが(とりあえず現役時代の演奏と比較してもしょうもないのはさしおいても)、ボーナムの息子がぶっ叩きまくってくれたおかげで、PagePlantの時に感じたの枯渇感やフィルコリンズに叩かせた時のような違和感はありません。実に潔くジョンボーナムのコピーをしております。メンバー各人も過去の自身のプレイを忠実になぞっております。良いか悪いかはおいといて取りあえずホッとしたというのが正直な感想です。


つくづくレッドツェッペリンの楽曲というのは演奏する人間本人が醸し出すグルーヴが要だったんだなあと思います。ジョンボーナム亡き後、あのドラミングを近似値まで再生出来るのはやっぱり血だなぁと。病的にボーナムのコピーが上手いとかそんなんじゃなく人間そのもののグルーヴなんですよ。ジミーペイジのギターはたどたどしくなきゃいかんのですよ。そういう意味で今回演奏された楽曲、特に後期のナンバーはやっぱりこの面子じゃなきゃ再現出来ないんです。ヘタだろうが何だろうが。


でも現役時代でも殆ど演奏されなかった「Good Times Bad Times」をドあたまに持ってきたのはベスト盤の内容を汲んでの事でしょうが実に嬉しかった。個人的にはあの曲や「We're Gonnna Groove」「Whole lotta love 」「Lemon Song」「Trampeld Under Foot」といったハネたファンキーなヘヴィーブルース、ジョンジー&ボーナムのリズム隊の大好物である黒人音楽テイストがツェッペリンを古びさせない最大の要因だと思うんでその手の曲をもっとやってもらいたかったです。


ツアー......やるんだろうか。今回のような一夜限りなら過去の自分達を再現でも許されるけれど、回数を重ねるならば進化というか変化をどうしても期待してしまいます。はたして真に懐メロバンドツアーになるのか、定年後のセカンドライフでも進化出来る!の驚愕の力を発揮するのか......。どっちでも良いけど、やっぱ一度で良いから生で観てみたいよなぁ。
2007年12月09日21:49
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最近はレッドツェッペリンの「永遠の詩: 狂熱のライヴ」のリマスター補強盤がリイシューされ、あらためて聴いてます。旧来の盤には未収録の曲もあり、音も格段に良くなって素晴らしい。


1973年というツェッペリン全盛期のライブテイクなのだから悪かろうはずはないのですが、やはり数年前に出た1972年のライブを収録した「How The West Was Won」や1970年のライブが観れるDVDに於けるパフォーマンスに比べるとちょっと劣るのは否めません。実際本人達もこの「永遠の詩」に収録されたテイクに関しては「決してベストのライブではない」と言っています。
本調子のときのツェッペリンは本当に凄いです。特に「How The West Was Won」や「Live At BBC」、あるいはDVDや幾つかの海賊盤を聴いて思うのは、とにかく1969年〜1972年くらいのロバートプラントのヴォーカルは凄まじいこと。
最近はギターよりもヴォーカルの方に意識が行くせいか、プラントの天井知らずのハイトーンが気持ち良くてしょうがないです。ジャニスやアレサフランクリンのハイトーンに匹敵する凄まじさがあります。


そういう意味ではリマスターされた今回のリマスターライブ盤「永遠の詩」に於けるプラントは既に衰えが見え始めていて辛いです。バンドの演奏は脂がノリにノってるだけに余計目立つ。
昔このライブ盤(というかこのライブ映画)を死ぬほど聴いてたときはジミーペイジのギターとジョンボーナムのドラムばっか夢中で聴いていたので歌は全然気になりませんでしたが、最近は歌とベースの方ばかり聴いてしまいます。


そう、ジョンポールジョーンズというベーシストもとんでもなく重要な役割を担っている事はこのライブ盤を聴くとよく分ります。白人ベーシストとしては驚異的なまでにファンキーだし、身勝手なペイジのギターに臨機応変に対応していく反応の良さも半端ではありません。なによりよくあの無茶苦茶な3人の手綱を引いてるもんだと呆れます。ド派手なプレイをしないせいかあまり目立ちませんがミュージシャンとしての器は破格です。なにせあのクリームのベーシスト、ジャックブルースが「あとはまかせた」と言ったほどですから。


まあ色々思う事はあるけれど、個人的に異常に思い入れのあるライブ音源なので今回の最強盤リリースは嬉しい限りです。




それにしてもレッドツェッペリンが再結成を発表して以来、ベスト盤やライブ盤発売、ジミーペイジ骨折によるライブ延期(笑)、エリカ様再結成公演プラチナチケットゲット(ハァ...)、数々の雑誌の表紙を飾るなどとにかく最近ツェッペリン絡みの話題は尽きる事がありません。それこそビートルズに匹敵するほどの騒ぎようです。


どういう形にせよこのバンドが話題になっていて嬉しくないはずはありませんし、それによってあの音楽に目覚める若年層が増えてくれたらそりゃ喜ばしい事です。
実際俺より若い連中でもツェッペリンを聴くものは多数いるし、復刻されたアイテムがかなりの枚数売れているというのは、単にロートルファンが買ってるだけとは言えない訳です。実際DVDなんかは、歴史の浅いメディアとはいえ歴代最高の売り上げを記録したそうです。


ただあらためて聴いてみると、実に日本で売れにくい特徴を持ったバンドだなと思います。


ハードロックと言われながらもディープパープルのような直線的なタテノリビートで押し切るタイプではなく、ブラックミュージック的な横揺れのハードネスを旨とするバンドであること。


情緒的なメロディー、ポップなアレンジの楽曲が殆どない事。特に後期は歌メロ喪失といえるような異様な構成を持った楽曲ばかり。


ハードロックだと思って聴いてみた血の気の多い初心者が、思わず思考停止してしまうほど幅広く雑多な音楽性を擁している事。


音像があまりクリアでなく、特に後期はゴツゴツした音の固まりがひたすら押しまくるような得体の知れなさが日本人の好みと離れている事。


でもそれらこそがツェッペリンの凄さを特徴づけている要素です。確かに初期の「Communication Breakdown」や「Rock'n Roll」、「胸いっぱいの愛」のようなこれぞハードロックみたいな楽曲は分かりやすいです。それこそ沢尻某が「唯一影響を受けた歌手(?!)」って簡単に言えるくらいポップだと思います。
しかしそれらの楽曲ですら日本人が大好きな所謂「ヘヴィーメタル」とは全く別次元の音楽だと思います。


ましてや後期の「アキレス最後の戦い」や「Kashmir」「Nobody's Fault But Mine」とかのあの無茶の固まりみたいな訳の分からなさ具合は、果たして2枚組ベスト盤を買った中学生が何回2枚目の方を聴くんだろうか?と疑問符が付いてしまうくらい謎です。


結局何が言いたいかというと、今までつらつら挙げてきた事は旧来のロックファンの嗜好に当てはめた場合の疑問符であって、むしろテクノや音響系といった理屈抜きで音の快楽性のみでハマれるジャンルを解する感性を持った層、ヒップホップや和製R&Bが当たり前のように流れている環境で育った層が増えてきた今の日本においては、充分に訴えかけるものをツェッペリンは持っているという事なんでしょうかね。





まあゴチャゴチャ書き連ねても結局ライブDVDの「We're Gonnna Groove」のボンゾのフィルが出てきただけで思考停止になってしまいますが......。

2007年12月08日21:12
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今朝何故か早起きしてしまったので何となく手元にあったビデオを観ていたら、偶然にも一昨年前の今日放送されていた爆笑問題の番組が流れ、そこで太田がジョンレノンについて熱く語っていたのを観て「そういえば今日は命日だ」という事に気付きました。


なので朝から洗濯機まわして「パワー・トゥー・ザ・ピープル」や「ギブ・ミー・サム・トゥルース」を聴き、「コールド・ターキー」や「ゴッド」を聴きながら洗濯物を干すという、さわやかな朝になりました。


今までは「命日だから」という動機でジョンレノンを聴くっていう習慣が全くなかったのですが、まあ太田光に呼び込まれたこの偶然を必然と受け止め、素直にジョンに哀悼の意を捧げつつ午前を過ごしました。


で、午後からは大瀧詠一コミュニティのオフ会というか、神保町ではっぴいえんど再結成のときの映像を観るという会に参加してきました。この映像は裏ルートにしか出回ってないというレアもんで、機会があれば観てみたいとずっと思っていましたが感想は一言「80年代!」


でもこういう「今日はああだったこうだった」ていう類の日記って基本的にはどうだっていいですね。人の予定なんかホンマどうだっていいわ。
自分で書いてて「なんてどうでもいい内容なんだ!」と心が高ぶってきたのであえて削除せずにこのまま載っけてしまいます。よくわからんね。
2007年12月07日07:33
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最近のエレファントカシマシのシングルは素晴らしいです。


「俺たちの明日」PV
http://www.youtube.com/watch?v=CcXiaBn3thw&feature=related

「笑顔の未来へ」PV
http://www.youtube.com/watch?v=vf6SIEMaTn8



ここ数年のエレファントカシマシは良くも悪くも迷走していたと思います。強烈にロック的なエッジの立った作品は発表されるも、どこか唯我独尊の孤立感が一般的な支持を遠ざけているような感じでした。
まあ元々孤高の存在ではあったもの、一度売れたときにファンが知ってしまった、エレカシが潜在的に持ってる巨大な普遍性を感じられる作品がなかな出ない事に、ある種のフラストレーションが溜まっていったのは否めない事実です。


特に歌詞が、ヴォーカルの宮本浩次の哲学を、殆ど宮本語みたいなニュアンスで言葉数多くぶちまけたような感じで、曲はどんどん解放されていっているのに今ひとつ跳躍力がないな〜と思っていました。
しかもそういった作品にもファンには堪らないものがあるだけに、何とも言えない面映いような感じがここ数年、いや10年くらい付きまとっていました。


しかしこの最新のシングル2曲を聴くと、歌詞の面での変化が圧倒的に素晴らしい。宮本浩次イズムはちゃんと入っていつつも、こちらに伝わってくる印象はとてもストレート。メッセージは実にシンプル、多くのファンはこれをず〜と待っていたんだと溜飲が下がる快心の作と言えるでしょう。


元々エレカシの宮本という人の存在感は半端ではないので、そういう人がわざわざ宮本語を繰り出して辻説法のような歌を歌わなくても、あたり前の事を当たり前にあの声で歌うだけで、ありえない曲になることは「悲しみの果て」という名曲で証明済みな訳です。(まあそういう辻説法みたいな訳の分からない強烈な唄に俺はアタマを狂わされたんであんまり大きな事は言えませんが)とにかく「さあ、がんばろうぜ〜」で始まる歌なんて、この御時世エレカシじゃなきゃあり得ません。そんなこと普通のヤツに言われたくないもん。遠藤賢司が「不滅の男」という必殺ナンバーで「頑張れなんて言うんじゃないよ!俺はいつだって最高なんだ!」と歌ってます。でも宮本みたいに普通じゃないヤツからそんな事言われたらそれこそエンケンに匹敵するような爆発力を持つんです。
なんなんだよ!「さあ頑張ろうぜ」てよ。ベタベタじゃねえか。でもグッとくるわ。


まあこの2曲、俺の個人的な趣味性から行ったら実は全然引っかからない曲だったりするんですが、そんな趣味性とかケチな事を飛び越えて来る普遍性がこの2曲にはあります。
特に2曲目の「笑顔の未来へ」はこの声と伸びやかなメロディーだけでフッと体が軽くなるようです。元々この曲のタイトルは「涙のテロリスト」というなかなかリリカルなものだったらしいですが、もっとベタベタな今のタイトルにしたのは大正解だと思います。PVも手抜きな感じが妙にポップな印象だし。



このモードで作られるであろうアルバムが異様に楽しみです。というかこのモードで「ガストロンジャー」級の革命的で攻撃的な作品が産み落とされるならば、日本のロックはエラい事になるかもしれません。本気です。


久々に自分の創造意欲を焚き付けられるようなエレファントカシマシに出会いました。
2007年12月04日20:59
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こないだの日曜日、バンド打ち上げでモツ鍋&人生ゲーム&大富豪大会。夜明けるまでフラフラになりながら打ち上げてきました。


モツ鍋の足しになるかなと思って「ぼんじり」と「牛スジ」も一緒に入れたら、これがまあトゥーマッチコラーゲン&オイルで鍋の表面7mmくらいは油でした。でもこれがビールと焼酎に合う合う。おまけにドラムが作ったチーズ焼きと、ベースが作ったネギトロwithトビッコと、俺が作った豚キムチがこれまた酒に合う合う。ついつい膨満感なのにも関わらず摂取が止まりませんでした。ちなみに紅一点キーボードはつまみらしいもんは何も作らず、身体に悪い駄菓子を作って遊んでました。「何か手伝う事ない?」が彼女の口からループされるも、ほとんど俺ら相手にせず。ま、こんなバンドです。


今年はアルバム作ったりワンマンやったりとそれなりに大きな事をやったけど、どちらかというとそれらを終えた後のライブ2回の方が俺にとっては大きな実感となりました。バンドやりだして一番でかい手応えかも知れません。


今年はあと二回ライブがあるけど、その感覚を手放さないようにして、すんばらしいものを放出したいです。


今年もあと少し。
最近はアレサフランクリンの「レア&アンリリースド」といういわゆる未発表ボツ音源が収録された二枚組のアルバムをよく聴くんですが、これが一体何故ボツになっていたのか分からない、むしろベスト盤じゃねえかというくらい凄まじい内容のアルバムです。


特にアルバム冒頭の3曲、アレサの歌とピアノ、それに遠くの方でウッドベースとドラムが鳴っているというデモ音源なんですが、もうこれが辛抱堪らん位凄まじい。剥き出しのソウルというか、超絶技巧なのにそんなもん関係ねぇとばかりの感極まった歌唱がこっちの顔面まで迫ってくるようなド迫力。
さすがにアレサの一番脂の乗り切っていた60年代中盤から70年代中盤にかけての音源。どれもハズレなしの名唱、名演ばかり。


初期の頃はどブルース、どゴスペルで重いけれど、だんだんファンキーになってきたり、ソフェイスケイトされてきてオケ自体はかなり洗練されてくるも、歌の説得力はむしろ凄みを増すばかり。


この辺の音楽的スタイルを聴いてるとホイットニーヒューストンだとかマライアキャリーだとかの、これでもかと歌い上げるタイプのディーヴァのルーツは実はアレサフランクリンだったのかと思わず納得してしまいます。
が、ホイットニーやマライアが「女王は私」的オーラをバリバリ出しながら超絶技巧のフェイクをかまして感動的に歌い上げれば歌い上げるほど、ショウビズ的な下品さが鼻についてしょうがないのに対し、アレサはむしろ凛とした品格や素直な優しさ、そして勿論狂おしいほどの激情がストレートに伝わってきて本当に泣けます。


同じように最近出たアレサの全盛期のライブ「ライブ・アット・フィルモアウェスト」の完全盤も凄まじい事になってます。いままでアレサフランクリンは好きではあったけどそれほど頻繁に聴くアーティストではなかったんですが、この二つはしばらくヘビーローテーションになりそうです。
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