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高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

2006年03月

2006年03月30日04:04
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7cdeb915.jpg 最近ワケあって自分の過去の曲、宅録時代の音源をまとめて聴いた。22歳から26歳くらいまでの音源だ。


久方ぶりに聴いたが、それにしてもほんっとに内っかわに向いている作品群だわ。全くもって自己完結の世界。ある意味ではよく出来ている。


演奏力とか歌唱力とかは別として、自分の世界を構築するという意味においての完成度は高い。


何せ、作詞、作曲、アレンジ、歌、ギター、ドラム、ベース、ピアノ、コーラス全部一人でやって、しかもそれを4トラックのテープレコーダーというレンジの狭〜い世界に強引に閉じ込めてんだからイヤがオウにも自分色になるわな。



本当に20代の前半は自分を鼓舞するためだけに曲を作り録音をしていた。


冴えない現実、濁った生活の中で唯一、自分の存在を確認出来る行為。


狂ったように激しくて、密室的な暴力性に満ちあふれた音を磁気テープに記録し続ける事で、辛うじて現実と自分をつなぎ止めていた。


勿論その当時はそんな事は全然意識していなかったし、めちゃくちゃポップなもの、広く世に伝わって行くものを作っていたつもりだったが、今あらためて考えてみるとやはり、自分の中で純粋培養させた「自分にとって最も気持ち良くて最も都合のいい」作品群で、誰よりも自分を鼓舞したかったんだろうと思う。


この世に存在しなかった新しいものを産み出し、自分の中だけで育てる。

誰にも干渉させない。
誰にも変えさせない。
誰も中へ入れない。


そんな頑なさが音像に、歌詞に、メロディに、コードプログレッションに表われている。だから今聴き返してもやはり自分にとっては居心地だけはいいものばかりだ。自分の部屋にいるようなもんだ。

だけれどもうこんな作品は作れない。現実が、意識が決定的に違う。美しき自己世界にとどまっていられるほど呑気にはいられないし、どんなに完成度が高くても自己完結の自閉して作品を作っていたら先に進まない。


そう、今は先に進めなければ行けないものをもってしまった。いうまでもなくそれはバンドのことである。



バンドで作品を作るという事は、「産んだら産みっぱなし」ではなく、「産んだらみんなで育て上げる」という事だ。俺が産んだ子は、みんな好き勝手に我が子のように育て上げればいい。聴いた人が好き勝手に想像を膨らまして作り替えればいい。やっと本当にそういう意識が持てるようになった。





今一番新しいワイセッツの音源「苦い記憶、甘い夢」はそういう意識になって作った初めての音源だと思う。


個人的には今までで一番バンドのメンバーが演奏するという事を意識して作った作品だ。まず言葉が自分にだけではなく、人にも向かっていると思うし、メロディやアレンジも恐ろしく素直にした。

つまりはより多くの聴き手を想像して全てのプロダクションを行ったということだ。それは話し合いの上とかではなく、自然発生的に産まれた意識だ。それは曲が出来るに連れて、作業が進むに連れて自分達が進んでいる方向が明確になり、ならば何をすべきかに全員が気付いたからだろう。


まあ前作「ワイセツ→天国」の時からもずっとそんな意識で作ってきたと思っているのだが、やはりそれと今作では一つ次元が違う気がするのだ。前作は録音からジャケット制作まで、本当に全ての行程を自分達でやり遂げた作品だ。個人的にはバンドという他者に向けて作った「開かれた」楽曲を収録した作品だったが、バンドとしてみれば「自己完結」と言われても仕方の無いところのある作品だった。


しかし今回はバンド外の他者が関わっている。制作行程に他者の視点が加わっているのだ。
プロならば至極当たり前の事なんだろうが、こういったある種の客観性が作品自体を開放的にしているのではないだろうか。という気がする。


まあそんなに偉そうに言ってもまだまだ全然自分達が思う理想にはほど遠い。
長く聴いてきた人からは「そんなに抜本的に変わったようには思えない」と言う人もいる。
でもそれは今後の課題にして行けるし、何より俺ら4人共が共通して今作は「これまでとは違う」と思っているし「まだ進化出来る」と思っているのだからまだまだ行ける、大丈夫だ。誰に言ってんだ?


ちなみにこのシングルはライブ会場で300円と言う涙が出るほどの安価で売っている。なぜこの値段設定にしたかは話せば色々あるし、未だにいいのかこの値段でという思いもある。もっと高く売ってもいいんじゃないの?という人もいるし、どうせならただで配った方がいいんじゃないの?という人もいる。

俺としては、どんなに安くてもいいから人が俺らに対して金を払ったと言う事実の上で聴いてほしかったからこの値段にした。


いい作品だと思うんで皆さん買って聴いて下さい。

2006年03月25日16:46
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どうにかこうにかで、なんとかツアー千秋楽のワイセッツ企画
「あんたのよていをくるわせたい」無事終える事が出来ました。


来てくれた方々、どうも有り難うございました。いや〜ホンッとに楽しゅうございました。


お客さんも沢山来てくれたし、参加してくれたバンドのパフォーマンスも素晴らしかったし、なんかもう......感慨深いです。


〜昨日の記憶〜


昨日はウチの企画っつう事で色々俺様が仕切ってる風を装わなければならなかったんだけれど、いきなり行き道で渋滞に巻き込まれてしまって遅刻。道玄坂にさしかかったところで俺一人車から降りてとりあえず俺だけでも会場に...ってことで行き道で既に俺を襲っていた凄まじいほどの尿意を我慢して渋谷を走る。
ライブハウスに着くと、あらかじめ電話連絡して先に入ってもらってた「フレイマーブルリキッド」はおろか「オレンジタイガー」「tic」も既に来ていて「ああ申し訳ない」と思いながらも我慢出来ずに挨拶もそこそこ便所に直行。どんな主催者じゃ。



リハを終え全バンドの顔合わせ。オレンジタイガーの「くどぅ〜」氏(写真参照)が風邪で死にそうな顔してる意外はみんな元気そう。
顔合わせ挨拶では軽くウケをとってなかなかいい調子。「いいライブをして下さい。でもあくまでもウチが主役なんでほどほどに」なんて事をいいながらね。しっかしなんかつくづくバシ!と「がんばろうぜ!」的な感じには行かねえな〜と思ったよ、俺は。性格なんだろうねえ。まあ俺は健康飲料水のCMじゃねえんだからどうやってもそんな健全で無責任な盛り上げ方は出来ねえ。



イベントトップバッター「ひかるとゆうじ」改め「BLUE LION
」。いきなり歌い上げる。本人達は「ロックイベントなのにこんなフォークデュオみたいなのが出てきてスイマセン」とかなんとか卑屈なMCしてたけど、いや立派なもんでしたよ。元(現?)リズム隊もびっくりした、よく歌えてえたとお褒めの言葉。よかったねえ。



二番手「tic」。ライブを見るのは初めてだったんだけど、驚いた。スゲエがっしりとしたバンドの音だった。特にギターの「ビデちゃん」は見た目こそ宅八郎風味だけどその音、フレージング、パフォーマンスはまさにギタリスト!って感じで素晴らしかった。最後の曲は俺もよく知ってる曲で『イヤ〜!』ってところでは鳥肌が立った。あこ、ハモニカ置き忘れちゃダメだよ、誰が間接キスするか分らんから。



三番手、朋友「オレンジタイガー」。久々のライブ、新曲やそんなに回数やって無い曲を連発して相変わらずリスキーな事に対して何の抵抗も無いバンドだなあと感心する。確かにimgine氏曰く「盛り上がり切らない」セットだったかもしれないけれど、オレンジタイガーの「ポップ化」が顕著に表われたいい曲が目白押しで、個人的には嬉しい方向に行ってるなあと思いながら観ていた。いや〜それにしても中々いないよ、「侘び寂び」とか「間」をカッコ良く表現出来るバンドって。ウチも含めてだいたいバンドって空間恐怖症的なとこがあるから。



四番手「フレイマーブルリキッド」。もうこのバンドが出てくりゃ盛り上がらないわけないじゃんってことで安心して楽屋で聴いてました。お約束の参加バンド御紹介のコーナーは楽屋の扉を開けてステージ裏から観た。ウチらの紹介もアゲアゲで盛り上げてくれてありがとう。後から聴いたらお客さんもすっごい盛り上がったみたいでいや〜今回呼んでホンマによかったわ。これがいいかたちで繋がって行くといいねえ。「LINE」はやっぱ何処行っても受けるよ。



で、最後「ワイセッツ」。


それにしても現代医学の力は凄い。ていうかあの岩沢病院はいい。前日まで殆ど出なかった声が本番直前までには感動的なまでに出るようになってた。ま、勿論完全復調な訳ではなかったけれど。殆ど直前まで歌わなかったんだけど楽屋でユル〜く歌ったらあらいい声。いける!と思った(んだ)。
ただライブが始まってみると普通の声はよく出るんだけど、俺の発声法の中では所謂反則技の「バースト声」に使う喉は治ってなかったようで全然出ない。まあ元々あれは声であって声じゃないようなもんだから「ま、いいか」と開き直る。

自分達企画だしお客さんも知ってる人多いし、まあ何やっても受け入れてくれそうな居心地のいいある意味ぬる〜い空気のライブなだけに「そこでタラタラやってたら絶対に腐る!」から前半はひたすらタイトに落ち着いてやろうと決めてたから、良い感じで最初の二曲を終える。

ステージはそりゃもう熱くて熱くてとりあえずコートを脱ぐ(何でコートなんぞ着とんねんって思うわな)。ここでやっと「こけもも」さんにつくってもらったエロシャツを衆人に晒す。MCでも紹介しちゃったし。ありがとね。

人間存在の不可思議さ、不条理さ、そして内在する肯定性についてを「バカバカしい」という切り口で歌った曲(カッQE)や、ツアータイトル曲(よていをくるわせたい)、全人類の生命讃歌になるように作った新曲(種をまけ)と進むうちにだんだんお客さんが盛り上がってくるのが分って余計テンションが上がる。この辺りまではまだ冷静だが心では静かに燃えている。

最後の二曲で「いてまえ」になる。最後はやっぱりお約束の暴れ回りで(暴走はしてないけど)、ticのあこのハーモニカをむちゃくちゃに吹く。覚えは無いんだけどハモニカをその辺に投げ捨てたみたい。御免ね、しかも木製で洗えないのに俺みたいなもんが吹いちゃって。とにかくエビぞりになりながら最後叫んで昇天。

ふらふらになって楽屋に戻ると「アンコール」の声。もう歌えないっす〜。メンバーに「俺もうバースト声出ないんだけど」メンバー「またぞろしか無いっしょ」俺「いや無理」メンバー「まあいいじゃん」という事でこの間30秒、喉、死出の旅に出る。

「ポリープできかかっとんねん」とかなんとか言いながら喉にとっても優しくない昔の曲「またぞろ一人」をやってしまう。めちゃくちゃだったけどね!糞!「もう呼ばないで」と最後に言い残しライブを終える。



その後は打上げだったんだけど、会場予約をするのを忘れていた事に気付き青くなる。ツメが甘い!蛇に走ってもらってなんとか確保する。

で、そりゃもう朝までコース。ホンマにホンマに久しぶりの酒で、特に昨日は楽しくて嬉しくてがばがば呑んでふわふわしながら喋りまくる。俺多分声でかかったよなあ。ホンマに単なるおっさんの酔っぱらいだなあ。朝まで付き合ってくれた皆さん、どうも有り難う。また呑みたいね。


〜今日の思い〜


多分自分達企画のライブは当分しませんな。ホント楽しいし居心地はいいけどぬるいのはヤダから。今日からはまたアウェイアウェイで。これからもワイセッツをよろしく。

2006年03月23日00:02
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22dd930e.jpg くろまる京都のライブが終わってうちあげした後、一路大阪へ。前回のツ
アーで発見した江坂にあるホテル。っつってもそんなご大層なも
んじゃなくてサウナ、風呂とレストルームや飯どころなんかが
あって2千円で泊まれるナイスなとこがあんねん。


ベースの蛇は打上げでしこたま酒飲んで御酩酊。性欲が高まった
せいか「おっぱぶおっぱぶ」ばかり言ってたような......。

キーボードの土屋はその後運転のため車の中で寝ていたんだ
が、かなり熟睡してたらしく俺らが打上げから戻って車をコンコ
ンと叩いても気付かず、むしろ鍵を閉め直す有様。その後半分夢
見心地のようなドライヴィングテクニックにが酔い覚ましに。

ホテルに着く。とにかく風呂が入りたかったんだがちょうど着い
た時間から2時間風呂の清楚っていう事で、ならば睡眠を優先する
事に。

朝起きたらやっぱり喉の具合が良くない。うちあげでは酒飲我慢
したのに......。前日の京都、張り切り過ぎたか......。


くろまる心斎橋のライブはちょうどアメ村の中にあるライブハウス「アト
ランティクス」。


開演前にアメ村でオムライスを生まれて初めて金を出して食う。
いやうまいうまい。中が子供だましなケチャップライスではなく
て、味のあるチャーハンのようなものでそれにチェダーチーズを
トッピングしたらもう......。


行き道には蛇石が以前から知っていた(本人の弁明のために書い
ておくが、あくまでオムライスの店を知ってたからその店の存在
を知っていたのだ。ヤツにそんな趣味は無い。けど彼女にバド
ガールの格好をさせた事はあるが)SMショップがありしばし眺め
る。


くろまる今回の大阪ライブでは偶然にも、東京のバンドで以前対バンして
ホームぺージのリンクも張っている「ケセラ・スパンキー・ロー
ズ」と対バン。いやモノ凄いライブでした。ロックンロール!


くろまる会場にはあんまりお客さんがいなかったけど、そうなると余計ム
ラムラとしてぶちかましライブやりたくなる性分なんで、ある意
味前日よりもフルスロットルなライブをする。これで喉死亡。


くろまる大阪の夜、遊びたかったけど金も時間もないんで軽飯で打上げ。
途中、かなりうらぶれた通りで熟女とロリコンの本しかないエロ
本自動販売機があったんでキーボードの土屋をその前に立たせ
て写真撮影......しようとしたんだが本人よりNG。ノリがわりいな
とメンバーにボヤかれる。


くろまるそのままガソリンを補充して高速にのって浜松へ......のはずだっ
たんだが空いてるガソリンスタンドが無い。ぜんぜん。2時間ほど
ウロウロして運転手とナビのうちのリズム隊はマジに焦る(俺は
寝てた、すまん)。警察に駆け込んで聞いてやっと開いてるスタ
ンドを教えてもらう。やっと高速に乗るも殆ど寝ていて覚えてな
い。気付けばドラムの淫乃助の実家。久々にじっくり眠る。


くろまる浜松のライブハウスは毎度良くやらせてもらっている
「FORCE」。......に行く前に日本チームの優勝が決まるのを全員
でラヂオで聴いてテンションが上がる。喉は相変わらず悪化の一
途をたどるばかり。もう歌えないぐらいまで。


くろまるこの日は対バンに「処女ミーティング」がいた。このバンドは2年
前に浜松にツアーした時にお客さんで来ていてうちらを好きに
なってくれたカレンちゃん(写真参照)が歌うバンドで、俺らは
初めて見る。むっちゃクチャアングラなバンドでノイズの嵐。ま
だ16歳だからねえ。とにかくフラストレーションの塊をぶちま
ける情念のライブでした。でもスゲエのさ、この娘。ステージに
立つ時ピンクローターを強にしてマジで例の場所に突っ込んで
歌ってたんだって。あらま。


くろまるうちらはなぜかトリだった。もう声は殆ど出ない。嗚呼〜もう気
合いしかない。殆どトーキングブルース状態でメロディなんか歌
えやしない。ガルボはMCで「今日はインストでお送りしてます」
とか言ってるし。俺もMCでは開き直って「今日はお聴きの通りこ
んな声なんで粉を吸ってきます」とかいって龍角散の粉末を鼻で
吸い込みながら飲み込む。ステージにあの独特の漢方薬臭い匂い
が...。


まあこんな状態でホンマお客さんには申し訳ないが、とにかく未
だかつて無いほどどうしようもない状態。ていうかもう魂でブチ
当たるしか無い状態。で、やっぱいつものいい状態のライブより
はリアクションも少ないしお客さんもどう対処していいか分らな
かったみたいだけど、何人かの人には「剥き出しの何か」が伝
わったようだ。また観にきたいって言ってくれた人が何人もいて
くれてCDも結構売れた。以前来てくれた人や、対バンで一緒に
なった人も来てくれてほんま嬉しかったよ。浜松はまた近々行く
つもり。今度は万全の状態で魂のライブをやるでな。


くろまるで、今日は早速病院に行って来た。兎に角何とかして24日までに
は復活しますんで金曜日はシブヤネ遊びにきてね〜。
2006年03月20日22:31
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昨日は京都MOJOでライブだった。


前日の深夜に出発したのだけどナビによる予定到着時刻よりも大幅に早く着いたんで、メンバー全員で朝も早よから金閣寺と銀閣寺に社会見学。


いかにも観光地然とした金閣寺の拝金主義ぶりよりも、寂れるままに自然なままにの佇まいが美しい銀閣寺の方が侘び錆びがあって良かった。ま、銀閣寺の方が拝観料は高かったが。


で、イベントの初っ端、前座の主催者のフレイマーブルリキッドの変名変装バンドに謎のギターで参加。扮装せよと言われてたんで、銀閣寺で手に入れた霊験アラタカな御札を坊主頭に張って、サイバーなグラサンに花柄のシャツに裸足というなかなか香ばしいイデタチでバキバキにキャラ決め込んで挑むも、楽屋にあるにも関わらず、ギターをステージに置いてるもんだと思い込んでいて手ぶらでステージに上がって、しばらくステージをウロウロしてまた再び楽屋に取りに返るという人生初のワケの分からない経験をする。その後は照れ隠しにギターを吉害のように弾きまくり最後はフレマのギターにギターを預けてワウとディストーションをイジリまくって殆どレディオヘッド状態。頭に御札張った坊主が座ってヘンテコな機械をイジリまくっている図はなかなかイカしていたようだ。


で、本編。ツアー初日とあってコンディションも良く、お客さんの温度も高くいいライブが出来た。ただライブどあたまのドラムフィルがあり得ないタイム感で見事にすっころんだんで、それでかえってテンションが上がりいつになく歌とギターがエモーショナルに。今日は俺がもらったとばかりに張り切る。おかげさまで新しいCDもかなり売れまして毎度あり〜。


あ、あと嬉しいことに、昔、三年程前、メジャーにいた頃京都でラジオ番組をやっていたこともあってよく一人路上ライブをやりに行ったりしていたが、その時分のお客さん、最初期の支持者の方々が来てくれてホンマ嬉しかった。路上ライブの次に観た俺が今のワイセッツってもの凄い落差。アルバムも買ってくれてありがたや。そのアルバムに入っている「ゴミ箱→天国」は俺のデモテープバージョンが以前京都のレコード店でカセットテープで売り出されたことがあったのでその聞き比べもしたいとのこと。嬉しいね。


今日は大阪だったんだがそれはまた明日書きます。
2006年03月10日02:13
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昨日はライブだったんだよ。


初めての場所だったのでなかなか音作りに戸惑ってしまったり、少々うちのジャンルとは違うイベントだったり、トリだったりしたんで果たして最後までお客さん残ってくれるんかいなって言うのがあった。正直ちょっと不安だったんだけど、お客さんの温度が温かくて、結構思いっきり破壊的なライブが出来た。


まあ、演奏やMCやらなんだかんだに関しては反省点は一杯あるのだけれどライブってそれだけじゃないからねえ。


なんかお客さんが好奇の目で俺らを観つつも、段々じっくり聴いてくれだしているな〜っていう雰囲気が伝わってきていい感じだったし。最後の音を叩き付けてそれが消えた後の「スゲエ〜」とか「なんじゃこりゃ〜!?」みたいな声が聴こえてくるととっても気持ちいいね。


今回はimagine氏がうちら的には今までに無い表情の素晴らしい写真を撮ってくれたり、ホームページの管理人さんが久々に映像を撮ってくれたり(割れた音と荒れた画質がいいんだ、またこれが)して記録も残せたから、何らかの形で使わせてもらいたいな。


imagine氏、今度のCDのジャケットに使わせておくれ。

今回来てくれた方々、どうも有り難う。次は小ツアー、そしてうちらのイベントだ!、ちょくちょく、しつこく、ここでもお知らせして行くんで、皆さん、3月24日は時間空けといて下さいね〜。



話変わって......。

最寄り駅のすぐ近くにあるホルモン屋、毎日帰ってくる頃になるといい匂いの煙がその店から漂ってくる。ず〜と気にはなっていたがなんとなく毎日素通り。



が、今日こそは、煙にいぶされて駅を後にする毎日にピリオドを打つべく、やっとその店にホルモンをつまみに行くことにした。


最近になって日本酒やら焼酎やらを飲むようになったので、そういうとこ行って呑むのが楽しい。


炭火の煙に燻されながらコブクロやらカシラやらナンコツなんかをつまんでると大人っていいなって思うね。好きな時にそういうとこ行けるし、いい気持ちになってふらふらしてても怒られんし。


かと思えば今日、渋谷では居酒屋の前で急性アル中になって救急車で運ばれているヤツもいて酒ってなんつうか罪作りだな〜。阿呆が。


自分の限度を超えて泥酔する事なんてもう当分無いな〜。とにかく酔って滅茶苦茶になりたいって言う破滅願望はもう無え。


少々寂しいが。


でも酒は楽しいのがいいわ。
be214b84.jpg 渋谷陽一氏が編集長を務める雑誌「SIGHT」の最新号の表紙はなんとレッドツェッペリンだ。


リリースタイミングでも何でもないのに愛するバンドならいきなり表紙にしてしまえるところが渋谷氏の素晴らしいところだが、それにしてもレッドツェッペリン!
例の二枚組DVDと三枚組ライブアルバムが数年前に出てからというものず〜とツェッペリンにやられっぱなしである。



元々は高校生の頃からツェッペリンにどっぷり浸かり出したのだが、その頃はまず初期の「ハードロック」あるいは「ブルースロック」と呼ばれる音楽をやっていた時期の音に狂った。


とにかく野蛮にぶっ叩きまくるボンゾのドラム、無責任に突っ走るジミーペイジのギター、人間業とは思えないほどのハイトーンヴォイスのロバートプラント、という華だらけのまさに「ハード」な「ロック」にシビレまくった。
あんなにもたまらなく人を狂暴にさせる音はなかなかあるもんではない。まあ高校生男子の得体の知れない暴力衝動にはうってつけカタルシスを与えてくれる優秀な機能主義音楽としての「ハードロック」ツェッペリン。
しかも今から聴くとハードでありながらおそろしく「ポップ」であるところが恐ろしい。



まあ元々ツェッペリンというバンドは、ジェッフベックグループとかクリームとかジミヘンドリックスエクスペリエンスなどといった当時の優秀なロックバンドが持っていた感触としての「ハード」さを、ジミーペイジという策士が理知的に組織化し、まさに機能主義的ハードネスを軸とするアンサンブルで構築していたバンドだから、「ハードロック」として画期的なまでのわかり易さがあったとしても不思議ではない。知性と肉体性が凄まじくいいバランスでとれているバンドだと思う。



しかし5枚目以降のハードロックの域を越えてしまったようなツェッペリンの音は、(まあそれなりには聴いたが)高校生の感性には今ひとつわからないものが多かった。
初期の頃にあった派手なスタンドプレー的なものはなく、何だか妙にひっかかるようなリズムのリフを延々と繰り返しているような曲ばかりで退屈だった。
明らかにプラントの声は落ち着き、ジミーペイジのギターソロは幼稚化しているためそういった表面的なところでは今ひとつインパクトが無かったのだろう。
ただ感じていたのは、得体の知れない巨大な音の塊がこっちに向かって凄い形相で迫ってくるような訳の分からない凄みが不可思議だった。



例のDVDが出て以降その後期の頃の楽曲の凄まじさが、今頃になってようやく実感として判ってきた。


とにかく楽曲の構造がきわめて異常だ。


ボンゾのドラムのフレーズとペイジのリフがまず根幹にある。というか全てといっても良いくらいの位置を占めている。
その二人のリズムのぶつかり合いをジョンポールジョーンズ(この人もまた凄まじいプレイヤーだとあらためて思う)がうまくならしてその土壌の上にプラントが乗っかると言う、普通のポップミュージックではあり得ない構造を持っている。



余談だが後年プラントがツェッペリン時代を振り返って、「ツェッペリンにおける自分の役割は、曲を作って詩を作って歌を歌っただけ、ただそれだけ」という言い方をしておかしかったが妙に納得してしまった。
普通のバンドならそれでもう充分なはずだがツェッペリンに於いてはそれは殆ど枝葉末節の事で、やっぱあの(ギターを含む)リズム隊が創り出すリフとグルーウ ?がツェッペリンの全てといってもいいぐらいの位置を占めてる。
例えば俺らがツェッペリンの曲を口ずさむ時、やっぱリフを口ずさむもんねえ。
だいたいプラントはライブ映像を見ると結構暇そうにしてる。まあ、だからマイクコード引っ張ったり妙なポーズ決めてみたりいろいろなステージアクションが生まれたんだろうなあ。暇だったんだよ。



話が横道にそれた。まあそんな異常なバンドの構造が、黒人音楽でもなくハードロックでもない唯一無二のグルーヴを産み出しているのだ。こんなにも独自で異様な感触のグルーヴを持ったバンドはツェッペリン以外ありにはない。
後期の代表作に挙げられる「カシミール」や「アキレス最後の戦い」の持つ何処に行き着くか分らないが、とにかくひたすら先に先に突き進んで行くような切迫感のあるグルーヴはちょっとあり得ないくらい......凄い。



で、その耳で初期の音を聴くとやっぱり初期の頃から凄かったんだなこのバンドはと思わせるところが山ほどある。



例えば最初期の「コミニュケーションブレイクダウン」や「胸いっぱいの愛を」、あるいは過渡期の「移民の歌」「祭典の日」などまあなんでもいいが、もう既に後期のリフ主体のグルーヴの萌芽が既にそこかしこに見えている。特に長尺なギターソロやハイトーンシャウト以外の要素は殆ど後期の楽曲構造と変わらない。
要するに楽曲を構成する全ての要素がリフ主体で出来ているのだ、歌メロでさえも。



で、このスタイルは後に後続のバンド達によってヘウ ?ィメタルという、ろくでもないゴミへと発展して行くのだが、それらのバンドがその構造の上に情緒とか陳腐な物語性とかを加えて水増ししたり、あるいはそのフォルムを様式美として拡小再生産して行ったりしたのに対し、ツェッペリンはそういった情緒とか様式美とかいった無駄なものをひたすら排除して行き、必要なもの、「リズム」の強度を増す事に腐心したからこそこの唯一無二のグルーヴが出来上がったのだ。
この何ともいえない、人を堪らなく狂暴にさせながら同時にとんでもなく開放的にさせてくれるグルーヴにハマるともう抜け出せない。大半のロックバンドのグルーヴがぬるく感じられて無駄金使わずに済むから良いのだが。聴いた事無い人は是非聴いてほしい。あんなドラム誰にも叩けないって。



と、ここまで書いておきながら自分達の宣伝をするのはかなり苦しいのだが、今日夜9時頃からウチらもライブやります。前回の日記にも書いたけど今一度宣伝させておくれ。


場所は代々木ブーガルー。うちらの出番は4バンド中4番目で時間は21時ぐらいから。チケ代は2千円プラス1ドリンク。




ツェッペリンの如くとはいわないが、確かな意思をリズムで、音で叩き付けるようなライブをするので是非期待して遊びにきてほしいです。今月24日の自分達のイベントで売るシングルの収録曲の新曲3曲は全てやるのでその辺も期待していて下さい。
2006年03月04日09:04
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前からちょくちょく日記で書いている新曲のレコーディングおよびMIXが昨日終わった。


リズム隊のレコーディングから、歌入れ、MIX作業まで、懇意にしてもらっている「プロ」の方に手伝ってもらってかつてなくスムーズに、かつ濃くていい感じに作業が出来た。


今回のは曲もmixも「変化球なし」でやりきった。


まあ3曲だしね、わかりやすく、前のめりの状態の現状をそのまま反映した方がよいわけですよ、もうこうなったら。


まず一昨日、歌入れ。


ホントは初日に2曲、翌日に1曲っていう予定で行こうと思ってたんだけど、もうなんかいいテンションだったのか知らんが初日にそのまま三曲目もやっちまおうという事で敢行してしまい、しかもほ3曲目はぼワンテイクで終えてしまった。
そのあと残りメンバ−3人によるエセゴスペル風コーラスもやり、おまけに全員によるハンドクラップもやりきって、深夜1時頃これにてレコーディングは全て終了ってことになった。実に楽しかったよ〜ホントに。どっと疲れたけどね。


で、昨日MIX。


まあ基本的に俺は何もパソコンとかなんとかいじれないので横にいてチャチャを入れる役だったんだけど、ウチのキーボードは殆ど「助手」と化して色々やってたなあ。そういう意味でも非常に実りのあるMIX作業だった。

繰り返すが今回は曲がかなりストレートなんで、MIXも変化球なしでわかりやすくいこうという事で、基本的には曲の赴くままに、ミキサーの方の感じるままにやってもらって、たま〜に「こうしてください」とか「どういう事なんですか?」とか言うぐらいだった。て言うか合間合間に話してもらった音楽の裏話表話の方が面白くてそんなことばっかやっててあっという間に時間が過ぎた。


それにつけても殆ど飯も食わずに15時間くらいぶっ続けでやってくれたミキサーの方(っていうかプロデューサーという方が近い方)にはただただ感謝です。


今回録音した曲は3月24日のワイセッツ企画「あんたのよていをくるわせたい」@渋谷屋根裏で初売りになるんだけど、その前に3月8日、代々木ブーガルーにてライブやります。



3月8日、代々木ブーガルー「touch the bogaloo vol.6」

2000円+1drink

18:30 オープン 19:00 スタート

出演:空振り、チャボ☆チョップ、ザ・スカルチェス、ザ・ワイセッツ

うちらは4バンド中4番目、21時くらいからやらかします。

そこではまだCDは売れないんだけれど新曲はやります。ので遊びにきて下さい。
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高瀬大介

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