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高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

2007年08月

2007年08月29日21:09
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最近また「ワイセッツ」というバンド名を変えようかと考えております。ていうのも相変わらず初めてのライブハウスだと「ワイセツ」と間違われたり、色ものコミックバンドかと認識されたり、なんとなくマイナー感漂うのでそろそろ変えてもいいかなと。


もちろん「ワイセッツ」という名前には愛着がありますが、元々はかなりいい加減に決まった名前です。
本格的な名前を考える前の頭の肩ならしとして、くだらないネタ的な名前を出し合ってひとしきり笑ったらまじめに考えるか、という感じだったんですがそのネタバンド名の中にあった「ワイセッツ」という名前をなぜか「これでもいいんじゃない?とりあえず」と選んでしまい、まあいずれ変えるつもりで今までずるずると来てしまったような次第です。そう、まじめに考える前の不真面目な段階で決まってしまったんです。


しかし今から考えてみるとこの「ワイセッツ」というバンド名、なかなかキャッチーでコンセプチュアルだとは思います。
まず語感として濁音が無いせいもあって軽い印象だし、西洋的音感と和の香りが同居したまさに和洋折衷=ワイセッチュな感じがしてウチのバンドの音楽を表現してるし、偶然とは言えいいのを選んだなと思います。ま、誰が考えたかは忘れましたが多分俺でしょう...。


しかしいかんせん「猥褻」の意味の方のインパクトが強すぎてこのダブルミーニングが伝わりません。
いや確かに「人間の猥褻な部分」に大しては並々ならぬ関心があるのは否定しませんが、黒人やラテン系、あるいはスガシカオじゃないのでそうそうしょっちゅう性愛についての歌を歌っちゃいられません。
つまり歌いたい事、伝えたい事の核心と「猥褻」とは概ね重なるけれど若干のブレはある訳です。そこで曲作るときも変な縛りがあった時期もありました。今はもうないけど。


で、とにもかくにも。
新しいバンド名を考える時、過去の偉大なバンドは色が名前の中に入っている事に着目しました。


ピンクフロイド、ディープパープル、イエローマジックオーケストラ、ホワイトストライプス、コンディショングリーン、ブルーオイスターカルト、レッドツェッペリン(REDじゃないけど)、ブラックサバス、ブルーチアー、シルヴァーヘッド、等々......近い所でいえばオレンジタイガー、ブルーライオンなど。


う〜ん、なんかないですかね?色を含んだいい感じのバンド名。


って他力本願になってしまうのも、あらためて「ワイセッツ」ってなかなか崩しようがないなって書いてるうちに思えてきて、考えるのめんどくさくなりつつあるんです、正直。いままでもず〜とこの思考にハマってしまって変えられずじまい。



むしろ他人に決めてもらった方が気負いがなくていいんじゃないかと思ってきました。そう、あんまりバンド名に深い意味を込めようと策を弄しても企画倒れになる可能性大。
むしろ成り行きに任せてついてしまったバンド名の方が無責任な感じがしていいんじゃないか?ってなると「ワイセッツ」ってピッタリハマるじゃん。ああ、めんどくせえ。でもまあしばらくは考えてみよう。



というわけで、ひょっとしたら近いうちバンド名が変わるかもしれないワイセッツのライブが今週金曜日、すなわち明後日にあります。


場所は高田馬場clubPHASE。「SUMMER SPECIAL 07」

前売り1500?、当日2000?、

出演バンドは、

DxD/pinfla/ジェシカ/ザ・ワイセッツ/MIX MARKET/the FIRES


ウチらは7バンド中4番目で19時30分あたりから出番です。


この高田馬場PHASEでは11月9日にワンマンライブをやるんですよね〜。そう思ったらテンション上がって来た。ハードにかましますんで是非是非遊びに来て下さい。
2007年08月27日22:02
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西原理恵子という漫画家を心よりリスペクトする俺としては、彼女の最新刊である「毎日母さん(出戻り編)」はホンマに堪らん作品です。


もともとは家族と子育てを題材にした西原理恵子の新境地開拓!みたいな感じで始まったのに、連載初期のほうでいきなり「離婚」(笑)。
「結婚」と「出産」で、あの毒と悪意の固まりみたいな作風が丸くなって行くのか?というファンの軽い心配をお約束で裏切って笑わせてくれました。もうまさに「人生そのものがギャグ」を全うしてくれています。


で、その離婚した旦那、鴨志田譲氏がその離婚の原因ともなったアルコール依存症を克服し、しかしガンという病理を持って家族のもとに帰って来た最後の期間を描いたのがその「毎日母さん(出戻り編)」です。


鴨志田氏の死に対する西原理恵子の描写は、恐ろしいほど簡潔で、とてつもなく深く、限りなく哀しい。



西原理恵子は強烈なギャグ漫画家であると同時に、非常に高い文学性と叙情性を持った作家でもあります。そしてそれは別の作風や真逆のベクトルではなく、表裏一体のもの、背中合わせにくっついているものです。



自分や身近にいる人の不幸をギャグにする毒と悪意を持っているのと同時に、非常に優しいまなざしでその不幸を暖かく包む事も出来る。



それは「強さ」だろうと思います。弱さ、脆さをちゃんと内包した上での強さ。そこに西原漫画の奥深さがあるような気がします。
被害者意識の固まりで、憐憫を求めるように自らの人生を露悪趣味的に垂れ流してしまう作家とは、もう生命体としてのしたたかさが違います。



西原作品はよくエッセイ漫画と軽く呼ばれたりしますが、本人の体の張り方と「作品」としての完成度の高さは、そんな生半可な呼び方を拒否します。
よく見かける彼女のエピゴーネンといえる後続の女流漫画家ならそのような呼ばれ方も許容してしまいますが、西原理恵子ははっきりいって「格」が違います。
何せ国税庁を「泥棒」呼ばわりし、国を敵に回して自らの「脱税」を漫画にしてしまうほどの体の張りよう。好きです。本当の意味で笑えます。




「いい作品を作ればいい人間になれる」という思い込みでかなりの年数を過ごしてきた俺は、いまさらながら西原理恵子の漫画を読んで落ち込んでいます。



「いい人間だからいい作品が生まれる」のです(この場合の「いい」は決して道徳的な意味での「いい」ではありません)。



基本があるから応用が出来る訳であって、いきなり応用からやったっていつかバレるんです。



「開放的なライブをやりたい」と思ったって、そこに正しいメソッドがある訳ではありません。やる側自身が解放されていなければ何をどうやったって無理です。



「人に何かを促すような作品を作りたい」と思ったって、普段から人に促されて行動しているようではいつまでたっても本当の意味で人の「契機」となるような作品なんか作れません。



内なる「自分」を感動させたくて作品を作っても、その「内なる自分」がしょうもない奴ならば、自分の周りをまわるだけのチョボクサい円環運動しか発生させる事は出来ないです。



多くの見知らぬ人を巻き込むくらいの魅力的な「内なる自分」を抱えなければ誰も感動させる事は出来ません。ジョンレノンがそうであったように。黒澤明がそうだったように。西原理恵子がそうであるように。



最近はもっぱら自己否定ばかりです。
曲は出来ても詩が書けなかったり、この日記すらも書く気が起きなかったり。ていうかまず人間として躍動している実感がぼやけています。「感動」に対する飢餓感すらも忘れるくらい無味乾燥な状態です。



人に伝えるべき「心」を濁らせたままの状態では何をしても裏目に出ます。この自己否定的な文章自体もどんどんと周りから人を遠ざけるものでしょう。


今ある自己を否定するというのは「究極のナルシズム」です。言い換えれば「自分はこんなもんじゃない、もっと出来るはずだ」という事です。
この「ナルシズム」というやつは鼻につくもんで、「本当の自分はこんなモンじゃない」と言ってるヤツに限ってその「本当の自分」とやらを出す努力をしません。


俺の事です。


そういえばあのルーリードが、巨人ボブディランを評していった言葉、


「彼の最高傑作はこれからつくられるだろう」



これ以上的確にディランを賞賛した言葉はありません。



自分で言う「本当の自分はこんなもんじゃない」というナルシズムからは究極的に真反対の言葉。




西原理恵子の作品は自分の事ばかり書いているのに、見事にナルシズムからはほど遠いものになっています。
「本当の自分はもクソも、あたしにはこれしか無いんじゃあ!」という感じで、弱さ、愚かさ、醜さ、美しさを描ききっているから当然と言えば当然。



西原理恵子も常に「最高傑作はこれから書かれるだろう」と思わせてくれる希有な表現者です。



どうすれば「いい人間」になれるのかさっぱり分かりません。どうすれば自己否定の悪循環から抜け出せるのかさっぱり分かりません。迷ってばかりです。



それを考える事が、今の段階では歌詞を書くという発想にしかならないのなら、そうするしかありません。
2007年08月24日19:22
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「たられば」の話をするのはなんか後ろ向きな気がするので積極的にしようとは思いませんが、そうはいってもたまには会話の中でなされる議題であります。


昔ひょうきん族でそんなコントがあったし、藤子・F・不二雄の作品にもパラレルワールドの話があります。幾つかある人生の分岐点。その時選んだ道とは逆の道に行ってたらどうなっていただろうか?そしてその逆の道を歩んでいる世界が違う次元に存在している。
そういう事考えたら結構面白いです、俺は。


もし小学生の頃にビートルズを聴かなかったら今どんな人間になっているのだろう?とはたまに思います。まあ別にビートルズにDNAレベルで根本的に人格を変えられた訳ではないので、今の自分からそれほど飛距離があるとは思えないけど、でも結構違う道を歩んではいただろうなと思います。
そんなことなら聴かなければ良かったとは全然思いませんが、そうじゃない自分というのを考えるのは結構面白い。心理テストとか占いとかと同じように「自分探し」のヴァリエーションの一つですな。


「よていをくるわせたい」という俺の曲があるんですが、まさにそうやってビートルズによって人生の予定を狂わされた俺と同じように、俺も人の人生の予定を狂わせてみたいという事を歌った歌です。



人が自発的にあるいは不可避的に親とか世間が敷いたレールから離脱する要因の一つに「感動」というのがあります。特に思春期は結構簡単に感動によって人間変わります。


「感動」なんて口幅ったい言い方はしたくありませんが、要するに中毒になる様な音楽、作った人間と聴いた人間が共犯関係になる様などこか後ろめたい感じを残す音楽。そういうのがいいですね。
だから単に「いごこちのいい」「美しい」「よく出来た」作品には惹かれません。どこか異物感があって、でもクセになるような奴。それが基本にないといかんなと思ってやっています。



ということで今夜「よていをくるわせたい」を再レコーディング。
2007年08月17日22:48
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http://blog.livedoor.jp/yinlingofjoytoy/


インリンは素晴らしい。ここまではっきりと本人の責任において自らの正論をぶちまけている芸能人は中々いないです。


インリン・オブ・ジョイトイ。美しい。どんなにえげつない格好でグラビアを飾っても下品にならない希有な女性。こんなのクラスにいたら確実に惚れます。



ワイセッツもこないだの終戦記念日にライブをやってきました。特にアジテーション的な事は時間も無かったんでしませんでしたが、なにがしかの思いはライブに込めました。別にそれは右的なアレとかじゃなくて単純にお盆だし戦死した人や玉砕した人も含め自分の先祖やなんかが戻ってくる日だからという事です。



ライブの日の朝、小泉純一郎氏が靖国神社参拝でどうのこうのというニュースがまたしてもやってましたが正直「別にどうでも良いじゃないか」位にしか思いませんし、ましてやよその国の人達がどうこう言ってくるのは全くもって筋違いです。


で、よく終戦記念日とかにテレビで特集番組が組まれますが、決まって戦争の愚かさ無意味さを後世の人間に伝えていかなくてはならないと言われます。確かにその通りですが少なくとも原爆を落とされた事に関しては日本人に語り継ぐよりもまずアメリカ人にちゃんと伝えなきゃいかんと思います。彼らは未だに「原爆を落としてやったおかげで戦争が終わったんだ」と信じて疑いません。それは代々そう伝えてきたからです。

その点に関しては本当に大きな間違いなので、日本でやってるそういう特集を絶対にアメリカで放映しなけりゃいかんと思います。
第二次世界大戦がどういう経緯で起こったのかは諸説紛々で色んな理由があると思うけど、原爆を落としたアメリカの罪はちゃんと確実にあるのだからそこは理解してもらわんと、死んで行った人に申し訳が立たない。


俺は広島県出身という事もあってか小さい頃から原爆関係の書物に異様に興味がありました。子供特有の恐いもの見たさも多分に関係しているけど、とにかく色んな写真集やらマンガを見たり買ってもらったりしたので、いかにあの原爆が悲惨だったかはそれなりに知っているつもりです。



で、ある程度歳を取った今、色んな報道番組を観て思う事は「アメリカ人はこれに関して全く罪悪感がない」という事。一部の例外はあろうけど殆どのアメリカ人の認識はこれだと思います。
何年か前、筑紫哲也の番組で原爆を投下したあのエノラゲイ号の乗組員の元アメリカ兵と筑紫氏が広島を訪れて被爆者の話を聞くというのをやっていたが、最後までその元アメリカ兵からは謝罪の言葉は無かった。「大変でしたねえ」とかは言うけれど「すいませんでした」は一言も無かった。心の中で「お前らが戦争を始めたから原爆を落とされるんだ、それで戦争が終わったんだから感謝しろよ」ぐらいの認識のまま歳を取ったのだろうと思います。


腹が立って腹がたって。別にこの元アメリカ兵だけが悪い訳じゃなくてアメリカ全体がそういう認識だからたちが悪い。こういう連中だから、武力には武力を、報復には報復をですぐ戦争を始めたがるんだ。戦争で金を儲けるのは一部の権力者なのに、そんな事は分かっているのに、そいつらを支持してしまうアメリカ人の国民気質が本当に嫌いです。
「アメリカは世界の警察」とか言ってすぐによその喧嘩に口出ししてくる気質が嫌いです。
「愛と平和」とか言って頭に花をかざしてピースとか言ってたヒッピーもどきも今じゃブッシュを支持する奴ら。



1993年にボブディランデビュ−30周年イベントがあったけれど、その時期の事件でレイプによって出来た子供の堕胎を認めなかったローマ法王に関して否定的な見解を表明しテレビの生放送中にそのローマ法王の写真を破り捨てて物議をかもしていたシン二ードオコナーが、そのボブディランを祝うイベントのステージに上がってくるなりブーイングの嵐を浴びせたアメリカ国民。予定していた演奏が中々始められないので、いきなりボブマーレーの「ウォー」を泣き叫ぶ様な声で歌った後、ステージ裏にさがるなり嗚咽したシンニードオコナーの姿が未だに忘れられない。
ものがよく分ってない高校生の時分に見た映像だけれどかなり衝撃的な映像だった。そのときのシンニードはどんなパンクスよりもパンクだったし、どんな大御所よりもボブディラン的だった。



そんな事を色々思い出したインリンの日記でした。
2007年08月13日15:58
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さて、今週の水曜日、様々な精霊達が一堂に会するお盆も佳境にさしかかる8月15日、ザ・ワイセッツの渋谷屋根裏ライブが執り行われます。


お盆、炎天下、渋谷と「外に出る気無くす要素」三点盛りのスペシャルなタイミングですが、しかし!巷のロックフェスなんか知るか!とばかりに決行されますシブヤネ恒例の夏祭りイベントの3日間なので、ング......まあ濃いバンドが出ること出ること。このメンツの中では、我々は一服の清涼剤たり得るのではないかというくらい、暑苦しいロックバンド達が一堂にシブヤネに集います。

http://shibuya-yaneura.com/



くろまる「渋谷屋根裏・夏の大バザール DE GO ZAL 2007」?3DAYS SPECIAL
しかく開催日:
2007年8月14日(火)、15(水)、16(木) -3DAYS-
しかく出演:
◇8.14(火)ホルスタ/ワタナベフラワー/太陽族/MUSTANG'78/Boogie theマッハモータース/プロペラ/三人サイトー(Vo.サイトーfrom三人)
◇8.15(水) クンクンニコニコ共和国/ネクラポップ/ザ・ワイセッツ/ソニックアタックブラスター/六畳人間/REEFER/渡部兄弟(ex.ザ・マスミサイル)/SPACY PEOPLE
◇8.16(木) Unlimited Broad Cast/つしまみれ/コロバミルクバー/合点バンド(Vo.おみfromザ・茶番)/ASTRO-B/安井則之&THE北見ROCK'N ROLL道場(ex.ソルビット、藪蛇古屋)/ミルクティース

しかく昨年より開催し大盛り上がりをみせた、渋谷屋根裏がお届けする真夏のフェスティバルイベント!「渋谷屋根裏・夏の大バザール DE GO ZAL」?3DAYS SPECIAL?が今年も開催されます!!2回目の今年は1回目にも増して3日間共、超豪華キャストが勢揃い!大好きなバンドも、見たこと無いバンドも、楽しめること間違いなしです♪今年は3日間通し券もありますので、3日間じっくりたっぷりお楽しみ下さい★きっと素敵な発見がありますよ♪
お盆休みはお墓参りの後に渋谷屋根裏に大集合ですよー!!!!!
しかく開場 16:30(各日共) しかく開演 17:30(各日共)
しかくチケット料金:
◇各日 前売り2500円 当日3000円(ドリンク代別)
◇3日間通し券6000円(ドリンク代各日別、渋谷屋根裏店頭のみで発売)
しかくチケット発売方法:
◇渋谷屋根裏店頭にて6/16(土)より発売。
◇渋谷屋根裏web:http://shibuya-yaneura.comにて通し券のみ6/16(土)よりメール予約を受け付けます。詳細は下記をご覧下さい。1日券の予約は各バンドのHP等での受付となります。
◇各バンドのHP等での前売り予約、各バンドのライブ会場等での手売りについては各バンドのHP等でご確認下さい。
しかくinfo:渋谷屋根裏→03-3477-6969
渋谷屋根裏web→http://shibuya-yaneura.com



とのこと。中日である8月15日という敗戦記念日に出る我々、4バンド目の出番です。多分18時半くらいですかね。


まあどうせお盆だし無礼講という事で最初から最後まで大音響を浴びて頭クラクラしてみてはいかがでしょうか?


ちなみに今日はこのライブ用のリハをやったんですが、なんか「気合いが入った馬鹿」って感じでメンバー全員叫んでおりました。もう背油燃煮えたぎっております。
是非是非遊びにきて下さい。もう楽しまなきゃ損ですよ!ホンマ。俺なんてライブやってる時以外は廃人みたいな精神状態なんで、ペディグリーチャムのCM撮影用に3日間絶食させられた犬のように猛り狂いますわ、もうこうなったら。




最近「幻の名盤解放同盟」のベスト盤が出たんで聴いてます。今までもこのシリーズ何枚か聴いてたんだけど、その多くが廃盤となっていて聴きたくても聴けなかった奴があって、このタイミングでベスト盤発売はうれしいです。
この「幻の名盤解放同盟」詳しくは、

http://www010.upp.so-net.ne.jp/igex/kaihoukasyu.htm


を見てもらうと分かるのですが、まあ所謂ディープ歌謡曲の世界で、この解放同盟の趣旨に本格的に賛同していないとキツい曲が結構ありますが、まあ正直言って俺は笑えりゃ良いじゃんって感じでひたすら奇形でブっ飛んだ楽曲ばかり選んで聴いてます。ほんとのマニアからすれば殴り殺されそうな聴き方ですが、まあ御託を並べる前に感覚と下半身にくる音に対してのみ正直に心を開こうではないかという事で楽しんでおります。特にGS色の強い楽曲はカオス度と奇形具合が高く、日本的感性と洋楽フォルムの相剋が生む摩擦係数は群を抜いて高い数字をはじき出します。「スナッキーで踊ろう」はこの手の世界ではまごうかたなき名曲です。



このベスト、ただいま4枚ほど出ていてあとどれくらい続くのかは知りませんが、「クラウン編」に入っていた有馬竜之介の「ハートを狙い撃ち」だけは絶対に復刻してほしいです。床をのたうち回って笑い涙を流しながら感動した曲です。あまりの凄まじさに、盤は持ってなかったものの昔ラジオでエアチェックした音源を軽くリマスタリングして俺が関わってる番組「MASSIVELOOP」でかけるという暴挙も過去には致しましたが、晴れて入手出来たなら「高瀬企画」かなんかで是非再オンエアしたいなと考えております。



以上暑苦しいインフォメーションと暑苦しいレポートでした。
2007年08月10日18:24
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今更ながら、ポ−ルマッカートニーの新作「メモリーオールモストフル」はなかなかに良いです。


多くの方が仰るようにスターバックスに媚売った先行シングルの「ダンストゥナイト」は結構つまらないけれど、それ以外の曲は往年の勘みたいなものを取り戻してきている曲が並んでます。勝手な事言わせてもらうと、「訳が分からないけどなんかポップ」さ加減が戻ってきていると思います。全快ではないけれど......。


ポールマッカートニーという人は偉大なる「ボケ」の人だと思っています。


ビートルズが解散した1970年当時、ロック界はやれハードロックだプログレだはたまたコンセプトアルバムだと騒いでいたのに、自宅の牧場にこもってカミさんと宅録で珍妙なレコードを作っていたり、個人主義的なシンガーソングライター達の隆盛を知ってか知らずか、いきなり自分の飼ってる子羊の事を歌ったり、国内のスタジオは飽きたんで変わった所に行こう、そうだアフリカにスタジオがあるらしいから行ってみよう、と決めたとたんに「俺らは行きたくねえ」と二人のバンドメンバーに逃げられるし、自分の楽しみのために気楽な遊びで作った音源を人に聴かせているうちに「なんかいいじゃん」となってそのまんま発売に踏み切るし、久しぶりに日本にライブしに行くぞ!と張り切ったのに「多分大丈夫だろう」的な感覚で忍ばせていたらいきなり大麻所持で税関で捕まってるし......。と枚挙に暇が無い。



そういったボケを連発していた頃のポールの作るメロディーは神懸かっていたと思います。次から次へとヒット曲を生み出し、通俗性の中にも崇高な美しさを感じるメロディーを作り、それこそスティービーワンダーと並ぶほどの天才性を遺憾なく発揮していたと思います。



ジョンレノンが亡くなるまでは。



もちろんそれ以降でも名曲はあるし、亡きジョンに捧げ「ヒアトゥデイ」なんてポールの最良の仕事とも言っていいんじゃないかと思いますが、でもあの70年代、ウィングスを率いていた頃のあの澄ました顔から生み出される身軽なメロディー、天然のボケ体質から生み出される訳の分からない高揚感は正直言って失ってしまったように思います。


ジョンレノンという人も相当な「ボケ」をかます人だと思いますが、優等生的なよく出来た!的なボケでなく、自分の全存在をかけてボケている様な凄まじさ故、半端なツッコミを許さないシリアスさを保ち続けていたように思います。なんと言うか......、「ボケ」なのにいざツッコんでみたらその数十倍の殺傷能力でツッコミ返された的なタチの悪さが凄まじいです。



考えてみりゃカミさんとのあんな事やこんな事を赤裸々に作品化し、三行半を突きつけられたらそのカミさんに代わりの女の子をあてがってもらって独身生活に突入、ヨリが戻ったらかみさんの言う事をきいて菜食主義者になったりタロットに凝ったりして、子供が出来たらセミリタイヤ、自分はパン作ったり公園に散歩したりしている間、財産に関する全てを任されたカミさんが総資産を5倍にまで増やしてくれるしといった、かなりツッコミどころのある香ばしい人生を歩んできた人です、ジョンレノンと言えば。


相当な天然ボケなのに澄ました顔の所為で技巧的に見えてしまって叩かれるポールマッカートニー、色々奥深く考えてるのに一旦入り込むと思考停止になって暴走するんでテキトーなツッコミを許さないジョンレノン。



この二つの取り合わせはなかなかに奇跡的だと思います。相互にボケ合っているのに時にはどちらかがツッコミの役割を果たす事もある様な関係性。ビートルズが解散して実質的に共同作業をしなくなっても、お互いのこの体質の違い、二つの違う種類の「ボケ」を意識し合っていたからあれだけ芳醇な作品群が70年代に生まれたのだと思います。


しかしジョンレノンがなくなってしまってからのポールマッカートニーは迷走していたように見えます。天然ボケが一番してはいけない「もがく」事をひたすらしていたように思えます。
ジョンのあとを受け継ぐように愛と平和的な作品を作ったり、よく分らない映画を作ったり、亡きジョンレノンの役割をスティービーワンダーやマイケルジャクソン、エリックスチュワート、エルビスコステロに求めて作品を作り続けたりしてひたすらジョンレノンの幻影を振り払う様な80年代を終えたあと、世界ツアーをやったりビートルズアンソロジーをやって自分の過去に向き合った90年代を経てやっともう一度一人のポールマッカートニーとして作品作りをしだしたように思えます。


ナイジェルゴドリッチがプロデュースした前作あたりから、あのポール特有の訳の分からない不思議な高揚感が戻ってきたなと感じましたが、まだ消化不良なところがあって単にヘンな感じという印象が強かったのですが、今作は力強いヴォーカルとともにあの何とも言えない天然のメロディーラインと訳の分からないけどポップなアヴァンギャルドさが戻ってきつつある様な感じです。



気が早いけど凄く次の作品を聴きたくなってくる快作だと思います。

2007年08月06日20:51
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昨日は朝も早よから横浜に出かけていって、1日かけてワイセッツのアホな映像集を撮りました。



色々な場所でいろいろな事をやったけれど、面白いもんになるかどうかは撮影、編集の長沼良氏の手腕にかかっているので俺らは指をくわえて待っているだけですが、その映像は来るべきワンマンライブにて公開しますのでそこらへんも期待していて下さい。


で、撮影のためも兼ねてその筋の方には有名な「ラーメン次郎」という所に行きました。関内店。



これがとにかくドカ!と盛られてくるラーメンなんですよ。完全にデブ飯。ちなみに俺は(小)野菜増しを注文。



何年か前に新宿店に行った事があるんだけれど、その時は食っても食っても無くならねえ感に負けて3分の2を残すという生まれて初めての事態になりましたが、昨日はなんとか麺は完食、スープを半分くらい残すという結果になりました。



で、さっきから「負けて」とか「結果」とか言う言葉を使ってますが、一緒に行った長沼氏やウチのベーシストによるとラーメン次郎は「闘い」であると。「ジ・ハード聖戦」であるという事らしいです。
なんでたかだかラーメンを食うのに闘いなのかはさっぱり分かりませんでしたが、ウチのベーシスは「ライブ前より緊張する」とか不届きなことを言いながら不安で手が震えていたので、まあこれはこれで神聖なもんなんだなと無理矢理納得してみようとは思いますがしかしねえ......。



ちなみに長沼氏は年末年始に「次郎納め」と「次郎詣で」をするらしいです。



そういや以前捻転時計の山崎怠雅君も次郎について熱く語っていたし、かなり特殊な人達のファンが多いラーメン屋であろうとは思います。中毒性があるみたいですね。シャブでも入ってんじゃねえか?


久しぶりに食って、しかもそういう付帯情報を入れて食ってみて思ったの、正直あまり旨いとは......。とにかく根性座った密度の高い麺に根負けしそうでした。もう食って一分くらいでかつて新宿店で感じた「食っても食っても無くならない感」が蘇ってきて一瞬ストップしました。
いきなり腹にたまるそのボルテージの高さに圧倒されましたが、長沼氏曰く「味わいに行ったら負けだ」という言葉を反芻しながらなんとか箸を進めました。
しかしやはり「旨味」を求めてしまう人間の素直な欲求には勝てず完食は出来ませんでしたし今後も自発的に行く事は無いでしょう。もっと深淵な哲学を持ってしてかからないと理解出来ないラーメンのようですね。



まあそんなことやあんな事があった日曜日でした。



あと色々思うとこがあって、これから作る曲は今までとは少し違ったものになるかもしれませんが、次郎の前にはそんな事どうでもいいですね。
2007年08月02日13:11
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昨日梅雨明け宣言がなされたと思ったらいきなり今朝雨が降ってやがって洗濯物がまたしても雨に泣き濡れている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか、俺。


かなりの不快度指数をたたき出している本日ワイセッツのライブがありまんねん。
場所は渋谷チェルシーホテル。ウチらは4バンド中3バンド目で、19時50分頃からです。チケ代は前売り1500円、当日2000円。


こんなタイミングで告知かよ!と思われる方多数と予想されますが、「混迷する政局に気を取られてついうっかりしてしまいました、悪気は無かったんです」安倍総理続投おめでとうございます。最低支持率をたたき出すまで辞任しないで下さい。


ところで阿久悠氏が亡くなられました。なんだかんだ言って彼が作詞した作品を多く歌っている身としては哀悼の意を示さずにいられません。
さすがにピンクレディーやフィンガーファイヴと言った人達に提供された「アミューズメント系」の作品はイントゥしませんでしたが、「熱き心」「カサブランカダンディー」「あの鐘を鳴らすのはあなた」「また逢う日まで」といった問答無用な名作に影響されなかったと言ったら嘘になる。


心よりご冥福を祈ります。
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高瀬大介

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