[フレーム]

高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

2013年01月

2013年01月13日12:12
カテゴリ
オナニーを覚えた猿の如く、寝ても覚めてもギター弾きまくりだった中学の頃、いや猿の方も寝ても覚めてもだったが、とにかくギターが楽しくて仕方なかった頃、クリームやツェッペリンとセッションをするばかりでなく、ラジオを付けてランダムに流れてくるありとあらゆる曲に合わせてアドリブでギターを弾きまくるということをよくやっていた。


別に練習のつもりだったわけではなく、ただ好きでやってただけなんだけど、今から考えるとあれは楽曲のコード進行や構造を即座に把握したり、それに相応しいギタースケールを探るスキルを上げるのに相当役に立った。


おかげで今、ジャムセッションでどんな曲を無茶ぶりをされても大抵は乗っかれる。ジャズのとんでもなく複雑なコード進行のやつなんかに出くわしても、「分かんね」というスタンスで「スケール無視」的な乗っかり方が出来る。それもその頃から培われた悪い癖だろう。



これは趣味なんだろうな。断じて練習ではない。楽器って「練習」っていう意識を持ったら楽しくないし上達しない。練習ってなある程度その楽器を分かってから初めて、心理的にも物理的にも出来る物だと思っている。だからスケールもなにも分かってないうちから楽譜を見て特定の楽曲をコピーするってな、楽器をわかる上で遠回りなんだと思う。まあ人にはそれぞれやり方があるから断言は出来ないけど、コピーと自分の曲しか出来ない奴ってジャムセッション出来ないからつまんないんだよ。



まとにかく、そんな趣味を持ってるもんだから、いまだにラジオをつけてボーッと聴いてても「弾きたい欲そそる曲」が流れるととっさにギターを手にしてしまう。
そそる曲って大抵がファンクやソウルやブルースみたいに「呼吸する隙間」がちゃんとある楽曲ばかり。多くのロックはそれが無くてガチガチに決まってしまっていて息苦しい。だからヘヴィメタに代表されるような様式美とか若手の勢いまかせのロックってキライよ。自分達だけで固めてこっちが参加する隙間がない。
まそれはともかく、そういったソウルとかファンクものをやるのに絶対必要なのがグルーヴとかリズムに対する反応速度。



俺はツェッペリンとかジミヘンとかいった本当に素晴らしいんだけど身勝手なリズム感を持ったロックばかりで育ったもんだからとにかくリズム感が悪い。絶対リズム感(という言葉があるのかどうか知らないけど)が無い。どれだけ速弾きが出来てもリズム感が悪ければ全て台無しになる。それをはっきりと認識してから初めて「グルーヴってなんぞや?」と思うようになった。



で、そう思いだすとそれまでその保守性から毛嫌いしてたいいわゆる「ブラック・ミュージック」と言われるものには凄まじく正確で、かつ安心して踊れるグルーヴを持ったもんが死ぬほどあるなぁと思うようになった。特に70年代以降のハコバン的なソウルバンドや無名ながらとぐろを巻くようなグルーヴのファンクに出くわすとたまらなく一緒に合わせたくなってくる。やっぱリズムがシャッキリしてる音って人を能動的にさせる。踊るもよし、手を叩くもよし、歌うもよし、セッションに参加するもよし。自分でもそんなグルーヴを生み出したい。今年はもう一回そこを意識してやろ。



さて、そんな趣味と実益を兼ねたようなライブが近々あるよ。
今度の木曜17日、六本木SONORAにて、店長の雅己さんがミックスしたトラックに乗せてアドリブでギターを弾きまくるというなんとも珍妙なというか「家でやれよそんなこと」的なギタリスト・ナイトに出るのさ。勿論家でやるときのような駄々羅なものには絶対しないし、ギタリスト脳をギンギンに効かせてやるんでクオリティは大丈夫だけど、まあ趣旨が趣旨だけに果たしてお客さんが来るのかどうか。不安です!
なので俺のギターに多少なりとも興味があって観たいという奇特な方が居られましたら連絡なりコメントなり下さいな。まあ損はさせないようにするんで観に来てください。



最初の方で「ギターを弾くのが楽しくてしょうがなかった頃」と昔はなぁ...みたいな書き方を照れでしたけど、今でも楽しくてしょうがねぇよ!!!
Profile

高瀬大介

最新コメント
QRコード
traq

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /