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高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

2017年02月

ジャスラックが音楽教室からも著作権料を徴収するということで騒ぎになってます。


昨夜、地元行きつけのライヴバーのハイダウェイに行ってわーわー言うてましたんやけど、やはり話したかったのがジャスラックの話。


色々本で読んだりした通り、坪数とか席数とかで奴等が「勝手に」算出した「月7000円」を徴収しますと。


いうのを10年くらい前ある日突然やって来て突き付けてきたそうです。


しかもその時点でハイダウェイは20年くらい経営していたんだけど、その過去の分のもさかのぼって支払っていただきます、ということでざっと80万円払えと、こう言ってきたわけです。


で、当然マスターは色んな同業者と話し、色んな所へ相談しにいきました。法律相談所へも。
しかしどこへ行っても諦め顔で


「ああ...もう素直に払った方がいいですよ。過去にごねて裁判になったこともありますが、ひとつとて勝った判例がありません。勝てないような法律を勝手に向こうさんは作ってるんです」と言われたそうな。


ある日突然「あなたにはワタシに80万円の借金がありますから払って下さい」と言われたようなもんです。しかもそれは有無を言わさないほど強硬に巻き上げるんです。いくらごねても裁判になったら勝てないよ?なら素直に払っておきな、と。

音楽を扱ったりBGMとして流して営業している全ての飲食店からくまなくそうやって徴収しているようです。


マスターも仕方なくその80万円を分割で払い、今も毎月のものはしっかりと払っているそうです。


で、ジャスラックは一応「どういう曲を何曲使用したか?」みたいな紙を毎月送ってくるらしいけど、当然のことながらマスターはそんなめんどくさいことはせず、その紙は破棄。そしてジャスラック側もそれを放置。提出しろしろとはせっついてこない。


かつて1度、一体どういう感じで店を経営してるのかライヴの様子を録音させて欲しい、とジャスラックが言ってきたそうでマスターもそこはどうぞどうぞと了解したけど、待てど暮らせど調査員はやって来なかったそうな。


あとから色んな仲間に聞いたらムダに交通費も人件費もかかるから一応調査しにいくという形にはするけど実際には行かず、へたすりゃその経費を着服してるらしい(この辺はあくまで憶測なので断言はできないけど、往々にしてこの手の事は行われてるだろうと思います)とか...


そういえば300人以下のホールでやる発表会とかの場合、著作権料は徴収するけど、調査員の足代や人件費に消えてしまうので著作者には一円たりとも分配されないそうです。
著作権料を払った人たちは一体誰の何のために金を払ってんだかさっぱり分からないですね。だったら最初っから300人以下の客数の発表会みたいなもんは除外しとけや‼ってなもんだ。


金だけは徴収しといて、その金を著作者に配分するという、本来の彼らの仕事のために必要な書類や資料などの詳細に関しては超テキトー。恐らくテキトーなパーセンテージでメジャーどころにガッツリ支払い、マイナーどころは基本無視...みたいなところでしょう。


はい、ヤクザです。音楽文化の発展と著作者の権利の保護という大義名分をかざしたヤクザ。この辺りの治安と揉め事からお前らを守ってんだからショバ代を払えと飲食店に言いがかりをつけてたかつてのヤクザと同じことです。テメエらが一番のガンのくせに。


マスターをはじめ、同業者の人達は口を揃えて言ってるそうです。


「音楽になんも愛の無い金の亡者。わしらにとっちゃあ奴等は諸悪の根源」と。



まあ、本でもネットでもどこにでも書いてある事実の羅列ですが、身近な人の憤りと諦めを直に感じると改めて怒りが湧いてきます。
2017年02月05日00:37
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ジェフ・ベック、最高だった‼

もう始まる結構前からお客さんが手を叩いてジェフ・ベックを迎えるための暖かい空気を作っていた。こんなん初めて。


新作「ラウド・ヘイラー」からの曲を結構やっていて、さすが今のジェフ・ベックのやりたいこととあって生き生きとプレイしてた。

ジェフ・ベックの場合あの曲ははずせない、あの曲はやってくれないと、っていうのは個人的にはそれほどなくて、どんな曲だろうといいプレイさえしてくれたら満足なわけです。
そういう意味で新作からの曲はジェフ・ベックのロック度とファンク度が高い曲ばかりなので凄いフレーズ連発で良かった。

ちなみに今回は珍しくキーボードレスの編成だったのであのヤン・ハマー的なダサい音色のシンセが鳴らない俺好みのバントサウンドだった。フュージョン時代の曲をあのヤン・ハマー・サウンド抜きで聴けたのは貴重だ。


しかしジェフ・ベックのストラトサウンド、最高に気持ちいいんだよな〜。
で、気持ちいいんだけど、その気持ちよすぎる所はほどよい塩梅で抑えてしかるべき時にギャーンとやるので下世話にならない、本当ちょうどいいさじ加減で、なおかつプレイは当然ながら最高、隙間さえあれば弾きまくりやりまくりだったんで、もうずーっとワクワクしっぱなし、次にどんなフレーズを弾くんだ?って気持ちをずっと持続したままだった。だからちっとも冗長な所はなく、あっという間に時間が経った。


当然ながら過去の代表曲のオンパレードではあったけれど、新作からもガンガンやってるし何よりそのたたずまいから攻撃的なサウンドから何から全てが「現役感」の塊だったので、マシで72歳のおじいちゃんには思えない。
クラプトンは過去の偉業で積み立てた年金でライヴやってる感じがするけど、ジェフ・ベックはまだまだ年金は貰ってない感じだった。別にクラプトンはクラプトンで愛してるけど。


とにかくこんな凄いライヴやってくれてるんだからちゃんとこっちからもエネルギーを返さなきゃ申し訳ないってんで、全力で拍手して全力でシャウトして応えた。ジェフ・ベックやバンドをいい気持ちにさせてやったぜ。二階席から笑

まあそれは俺だけじゃなく会場全体がそんな空気で、いたるところから歓声や絶叫が聴こえてきた。ジェフ・ベックもこの広島の観客の熱さとロック・リテラシーの高さには喜んだんじゃなかろか。そう思えるくらいいいお客さんだったと思う。

結局「レッド・ブーツ」も「スキャッター・ブレイン」もやらなかったけど全然問題ない、最高に盛り上がったライヴだった。

俺的にはず〜っとワクワクしてテンション上がりまくって、ウェットな要素などヒト欠片もなかったライヴなのに、一緒に行った児玉くんは感動のあまり泣いていた。浮けとめ方は様々である。全然違う反応があるということはそれだけ多様性のあるいいライヴだったという証なのです。

ただ、アンコールが2回あったんだけど、3回目ジェフ・ベックが出てきて一人で「ホエア・ワー・ユー」をやってくれたら泣いてたかも知れない。


ベタだけど今夜は「ブロウ・バイ・ブロウ」のラストナンバー「ダイヤモンド・ダスト」をリピートにして眠りにつこう。ジョージ・マーティンの壮麗なオーケストレーションに飾られてジェフがシンプルにただ主メロを寂しく奏でて、そのあと永遠に終わって欲しくないマックス・ミドルトンのフェンダー・ローズにバトンタッチしてジェフが曲の途中で消えていくドラマチックなナンバー。
2017年02月04日02:25
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いよいよ本日はジェフ・ベックを観に行く❗初のジェフ・ベックなのだ...(笑)


ジェフ・ベックを聴き始めてもう25年以上。

最初は必須科目のようにヤードバーズやジェフ・ベック・グループや「ブロウ・バイ・ブロウ」やベック・ボガード&アピスを聴きまくり、当然好きな曲も、名演だと思えるプレイも、コピーした曲も沢山沢山あったけど、どういうわけかクラプトンやツェッペリン、ジミヘンのようには今一つのめり込むことが出来ず、自分の中ではかなり長い間つかみ所のないミュージシャンとして位置づけられていた。

多分これ見よがしな早弾きや、スタンドプレー的な盛り上げ、あるいは感情ほとばしるブルージーなプレイをほとんどせず、散発的でトリッキーなフレーズで鋭角的に斬り込んでくるジェフ・ベック独特のスタイルに、なんか感情移入が出来なかったんだろう。
元よりジェフ・ベックはそういった感情移入を許すような情緒過多なプレイをする人ではなく、どんだけ盛り上がっても感情に溺れずバッサリとドライに打ち切ってしまう、ある種「粋」なプレイヤーなのだ。
曲のエンディングでジャーンと打ちならしてもメンバーの誰よりも早く音を鳴らすのを止めて〆のジャン!を弾かない、というせっかちな人なのだ。あれを聴くとああジェフ・ベックだなあ(笑)と今なら思うけど、やっぱもっともっと爆発して狂いまくって果てたやつを聴きたい盛りの10代20代の頃にはそんな粋さなど理解できなかった。

が、齢30を数年越えて、2000年代以降に発表されたいくつかのライヴアルバムを聴いて改めてぶったまげた。
世界中探してもこんな音でこんなフレーズが弾けるのはジェフ・ベックしか居ない‼と確信が持てて以降は慌てて90年代以降のアルバムを聴き、その凄まじさを再確認した。

ジェフ・ベック・グループ時代あたりのプレイからは隔世の感があるくらいテクニックも表現力もレベルアップしてるんだけれども、いわゆるジェフ・ベック印というかジェフ・ベック節ってのは全く変わらず保持しているのが素晴らしい。

この人はハードロックをやろうがフュージョンをやろうがメタルをやろうがテクノをやろうがデジロックをやろうがロカビリーをやろうがブルースをやろうがカントリーをやろうが何一つそのジャンルに合わせたプレイスタイルに変えず、常にジェフ・ベック・スタイル一本で押し通して、それが申し分無くハマっているんだから恐ろしい。

器用なんだか不器用なんだかよく分からないけど、とにかく唯一無二でありながら同時に物凄く汎用性があるプレイスタイルを持っているという奇跡の人なのである。

そこまで思い入れながら、今回が初ライヴってんだからなあ。なんなんだよ俺は。
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高瀬大介

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