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高瀬大介の思い出のプラグインは刹那い記憶

〜高瀬企画発気まぐれ遺言状〜

2007年06月29日00:04
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何処の誰がやっているのかは知りませんが、「自主規制」という名の言葉狩りが当たり前のように横行しています。

最近色んな所でそれに関する意見を聞きますし、今俺が関わっているMassiveloopというラジオ番組でも今週のテーマは「放送禁止」ですのでそれについて思う事を少し。

基本的な事ですが、誰かを侮蔑する意図で使われた言葉でなければ、本人の責任においてどんな言葉でも発していいと思います。

俺は「キチガイ」という言葉が凄く好きで、まず語感がいいし、意味する所も人間の色んな哀しさに繋がっていて笑えもするし泣けもするという実に奥の深い言葉だと思っています。何せ「吉害」という当て字でT-シャツを作ってしまったほどですから。

しかし今まで人間が「キチガイ」という言葉を使うとき、先天的あるいは後天的に精神に異常をきたしている特定の人に向かって、侮蔑と嘲笑の意を込めて使ってきたという哀しい歴史があります。
確かに人間には「差別意識」や「優越感」といった業というか原罪とも言うべき醜い一面が心のどこかにあります。
しかしその業に対して深く人間が考えを致すためには「クサいものには蓋」方式で言葉を抹殺していってはいけないと思います。今少なくともメディア上では「キチガイ」は放送禁止用語です(日本には厳密にこれが放送禁止用語であるという基準は無く、あくまで自主的な規制によって「なんとなく」放送禁止用語があるという感じらしいです)。ひょっとしたら「キチガイ」という言葉は何十年後には消えているかもしれません。
しかし「キチガイ」という言葉を今まで人間がどう行使してきたかという事を顧みなければ本当の意味で「キチガイ」がなくなる事はありません。それを指し示す「キチガイ」に変わる新たな言葉が生み出されるだけです。


こないだ「虎ノ門」という非常にお笑いIQレベルの高い深夜番組で、今現在ある言葉を新たな言葉に代えてみようと言う企画をやっていました。
例えば思春期の女の子には中々言いにくい「生理」という言葉を「姉バーサリー」に、「加齢臭」という中々ドキドキする言葉は「オヤジ香」にという感じで、出演者が「ちゃんと」考えて「ちゃんと」プレゼンしていました。実に建設的です。


それに対して、例えば言葉を検閲する側、例えばテレビにクレームをつける様なヒマ人、そういった人々からはそんな建設的な意見が出てくる事は無く、あれもタブーこれもタブー(by沢田研二)という感じでひたすら闇雲に禁止するだけ。「じゃあどうしたらいいか」ということを「ちゃんと」考えるという知性は持ち合わせていないようです。


ちょっと話は逸れますが、アメリカだかどっかの反捕鯨団体の急先鋒が捕鯨船に対して放火や化学薬品を投げつけるといった海賊的な攻撃をしている映像をニュースで見ました。
「クジラは人間に次いで頭のいい動物です。そのクジラを穫って食べるなんて非人間的な行為をする人々は地獄に堕ちるべきです」とか言う文言自体が非常に蒙昧だと思いますが、そんなことを言う奴らが同じ人間に対してテロ攻撃を加えているのだから開いた口が塞がりません。
反〜〜とかやっている人々は往々にして狂信的になり、「考える」という事を放棄しています。
だいたい言葉を検閲する側の人間は、誰よりも言葉についての知性と知識を持たなければならないというのに、はっきり言って頭悪いと思います。


「歌詞」とはいえ言葉を使う人種である俺の様な人間。もちろんモラルを持って「自己検閲」葉行わなければいけませんが、既存の「自主規制」の規定を気にして表現の自由を自ら放棄してたら「自己嫌悪」に陥ってしまいます。
そこに必然性があるならばたとえ放送倫理に触れる様な言葉でも、自らの責任において発しなければいけないし、その覚悟は常に持っとかねばと思う今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか?


という長い前振りのもとライブ告知です。

7月6日、吉祥寺Planet Kにてパンピーズ企画「大人っていいな」に出ます。18時オープン8時半スタート、チケだい2千円。
この日はブルーライオンやパンピーズといったお仲間バンドが出るので楽しい宴になると思われます。
俺らの出番はトリ前なんで多分八時過ぎじゃないでしょうか。詳しい事が分かり次第また告知します。


なんなんでしょう......。

コメント一覧 (5)

    • 1. ともやん
    • 2007年06月29日 08:25
    • やはり言葉、詩を書く方らしいご意見ですね。
      そうですね、今は言ってはいけない言葉が色々ありますよね。よくTVなどで、番組上不適切な言葉を申し訳ありません・・と謝っているのを見ますが、その判断ってなんとなく・・なんですか。
      あーそうなんだー、などと私は納得していましたが、確かにそんな一覧をみたことはないなー
      まー今は"JARO"とか色々放送で傷ついた人を助ける組織もあるくらいだし、いろんなことがいろんな判断を受けるかなりむつかしー世の中ですよね。
      あーなんか自分も色々考えてしまった・・
      (ない脳みそ使って・・) >O<
      ずいぶん久びな6日はかなりなお仲間らしいですね。どんなかなー楽しみだー
    • 2. 高瀬大介
    • 2007年06月29日 15:52
    • 洋楽の邦題にも言葉刈りの魔の手が入ってますよ。
      「21世紀の精神異常者」とか「狂気」という素晴らしすぎるタイトルも放送上適さない言葉になってますね。まあそれらの楽曲をかける人はお構いなしにタイトルを言いますけどね。


      あとよく芸能人がなんかスキャンダルを起こした時の会見で「皆様にご迷惑をおかけしました」とか言ってるけど別に全く迷惑を被ってないこちらとしてはハァ?ですね。
    • 3. よりこ姉さん
    • 2007年06月29日 21:55
    • 昔のフランス映画に「きちがい(←漢字出てきません。規制?)ピエロ」って邦題ついているのあったけれど、今どうなってるんだろ?小学生の私は「ちび黒サンボ」が好きでした。大人になって新聞で、差別語が使われているので発禁と知り、う〜ん、そういうものなのかな?と考えてしまった...ところが、つい先日、本屋で「ちび黒サンボ」に再会!嬉しかったわ〜!言葉はね、なんで、その言葉を選ぶのか?使うのか?に意味があると思う私です。字ヅラだけの規制に、なんの意味があるんでしょうね(苦笑)。根底に愛があれば、何言っても書いてもいい!それが私の基準です(笑)。
    • 4. 高瀬大介
    • 2007年06月30日 05:00
    • 気狂いピエロ。ゴダールですね。流石にタイトルは変わってませんが、あれテレビでは流せませんね。

      その昔、北野武監督第一作目の「その男凶暴につき」がテレビで放送されたときのこと。クライマックスの壮絶なシーンの後の〆のセリフ「どいつもこいつもキチガイだ...」が音声オフになっていて思わずコケてしまいました。
      まさに知性レスの検閲。三流の稚性。
    • 5. はなぴょ〜ん
    • 2007年07月03日 21:19
    • 先日は ライブ情報 ありがとうございました。
      6(金)行けることになり、予約メールしました。楽しみです。妙なドキドキ感があります♪

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