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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

全生庵の幽霊画

家族の夏休みも残り少なくなってきました。なるべく人ごみを避け、「避暑」となるところへ、ということで、幽霊画、見てきました。元は「怪談牡丹灯籠」などの原作で知られる落語家・三遊亭円朝(1839-1900)のコレクションです。

台東区の「全生庵」というお寺で、8/31まで、幽霊画展をやっています。https://bijutsutecho.com/exhibitions/4205

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(入り口はこんな感じです)
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(受付を済ますとパンフレットとドクロ柄のうちわをもらえます)
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(購入したクリアファイル。左側が円山応挙の幽霊画(一部)です)

家族は、「びじゅチューン」https://www.youtube.com/watch?v=-Gl1ausEkXI(←YouTube NHKより)でお馴染みの丸山応挙が画いた「幽霊図」に興奮。
室内はひんやりしていて、怖さ倍増(?)。いえいえ。全体的に透き通った感じとモノトーンのイメージで涼しくなりました。女性を描いた幽霊が多かったのも印象的で、どこかはかなく美しくさえ感じました。またダイダラボッチのようなユーモラスな絵も楽しかったです。

平安文学で幽霊といえば、いろいろいますが、今日は『篁物語』の幽霊をご紹介。

火を消ちて見れば、そひ臥す心地しけり。死にし妹の声にて、よろづの悲しきことを言ひて、泣く声を言ふとも、ただそれなりければ、もろともに語らひて、泣く泣くさぐれば、手にも触らず、手にだにあたらず。

『篁物語』の主人公・小野篁とその異母妹は恋愛関係になり、その後、妹は亡くなります。通夜の晩、篁が火を消すと、隣にだれか添い臥している感じがします。亡くなった妹の声でたくさんの悲しみが言い述べられ、篁は一緒に語り合います。泣く泣く篁がその存在を確かめようとすると、手で触れることはできません。まさに「幽霊」!
篁と妹の霊
(歴史上の人物の悲恋を描く『篁物語』ですが、フィクションだと言われています)

少し涼しくなったところで、言問橋を渡り、墨田区へ。つぎはどんな納涼に?次回、お楽しみに。




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