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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

懐かしのイタリア

ぼんじょるの〜!現在、わたくし、大学祭のための授業休みでリフレッシュ中です。

のんきな挨拶で始めてしまいましたが、最近、イタリアの情勢が大変だ!というのをこちらのチャンネルで知りました。

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(普段は、イタリアのお料理や文化を伝えてくれる楽しいチャンネルです)

「グリーンパス」というのは、日本でいうところの「ワクション」や「ワクパケ」にあたりますが、ざっくり言うと、イタリアの場合、ワクチン接種した人でなければ、会社に出社できない、という、かなり厳しい内容のものです。

そのため、イタリアでは大規模なデモが先月から各地で行われています。動画は、先日、ローマに、そのリーダーが来るということで、皆集まっている様子を伝えていますが、当の本人は現れず、警察に拘束されていたことが後からわかったそうです。

アメリカでも、最近、義務化の流れが強まっていますが、日本は、このような形で「自由」が脅かされませんように。

さてさて、今年度、私は授業で、以下の本を取り上げてきました。

イザベラ・ディオニシオ「平安女子は、みんな必死で恋してた─イタリア人がハマった日本の古典」(2020年7月)
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著者は、お茶の水女子大学で修士課程を修了しており、基本はしっかり修得された上で、イタリア人から見た日本古典の面白さをわかりやすく伝えてくれています。

たとえば、「平安京を騒がせたプロ愛人─和泉式部『和泉式部日記』」とか、「給湯室ガールズトークの元祖─紫式部『紫式部日記』」とか、「イタリアの超奥手こじらせ男子─ダンテ『新生』VS平安女子」などなど、目次だけでも十分楽しめます(笑)。

個人的には、最後の、「全イタリア人のトラウマ」と著者が言い切るダンテ文学(イタリア人の古典・難解)を高校で三年かけて全部読まされる!とあったのが、ツボでした。

役に立つ、立たない、とかではなく、とにかくイタリア人として生まれたからには、その源(?)を知るべく必読となる作品......、日本にも、そういう古典があってもよいのではないか、と思ってしまいました。

著者は、ダンテにもはまり、日本の平安文学にもはまったわけですが、それぞれお国柄の違いもあります。

たとえば「古典作品に出てくる日本語には、男女関係にまつわる単語が驚くほど多い。......イタリアは「アモーレ」一筋で済ませているのに比べたら、大違いである。」と本書にはありますが、一方で、日本の昔話には、「おじいさん、おばあさん」「まじめな働き者」は出てくるけれど、グリム童話のような「恋愛話」はほとんどなく、それを一手に引き受けているのが『伊勢物語』だとも書かれています。

「なるほどね〜」と思いました(詳しくは、本書をご覧ください)。

ちなみに、2年前、大学院の交換留学生として、『万葉集』を学びに、イタリアのヴェネツィア大学から学生が来ていました。流暢な日本語で挨拶していましたが、また自由に往来できる日々が戻りますように、願ってやみません。

最後に、「懐かしのイタリア」のタイトルですが、私はおよそ20年前に友人とイタリア旅行をしています。その時の事を画いたのがこちら。
いたりあ旅
(しがない院生時代、社会人の友人と行ったおよそ10日間の旅)

この旅行記、16頁くらい画いて、途中で終わります(なんせ飽きっぽいもので)。次回は、この内容をご紹介したいと思います。ほとんどネーム的な感じの雑画ですが、どうぞお楽しみに。




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