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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

絵を画く話

先日「歌舞伎座新開場十周年 秀山祭九月大歌舞伎 二世中村吉右衛門三回忌追善」の昼の部を見てきました。

昼の部の演目はこんな感じ。
秀山祭九月大歌舞伎

米吉さんと児太郎さんが演じる「金閣寺」の雪姫Wキャストが「見たい!」というのと、平安時代の武将、源頼光が退治する「土蜘蛛」を楽しみに、行ってきました。

「金閣寺」の雪姫役は、歌舞伎で「三姫」と言われる一つで、かなりの難役なんだそうです。囚われの身からの敵討ち、しかも桜の木に縄で綱がれた状態で、足のつま先を使い、桜の花びらで絵を画くんです。それも「ねずみの絵」。
雪姫
(米吉さん、児太郎さん、もっと綺麗です。あくまで「雪姫」のイメージ図ということで)

このねずみが実体化して、縛っていた縄を切ってくれる、という超常現象が起こります。7月に見た「傾城反魂香」のように、絵師の力が絵に作用するお話しです。当時の人は、想像力豊か!

「土蜘蛛」の方も、松本幸四郎さんの「土蜘蛛」がとてもかっこよかったです。「もののけ」の雰囲気というか、「人ならざるもの」の感じがとてもよく出ていました。何度も放たれる「蜘蛛の糸」、また周囲の人たちの掛け合いもとても楽しく、見ていてわかりやすい内容でした。能と同じく、初心者におすすめの演目ですね。

さて、この帰り、サントリー美術館の「虫めづる日本の人々」(〜9/18)を見てきました。
画像1
ポスターの絵は若冲です。ちょっと漫画風で楽しいでしょ?もちろん、写実的な絵や工芸品もありました。館内は秋の虫の音が流れていて、とても雰囲気があります。


また『源氏物語』の屏風絵もありました。確かに「胡蝶」「蛍」といった、虫の名前を冠する巻もありますし、「松虫」(今の鈴虫)を庭に放して野の宮を再現する話もありますので、「なるほど」と思いました。

秋学期に3年生の演習で読む『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」の写本もありました。この時代、蜂をめでる大臣(藤原宗輔)の話もありますが、今の日本の「ヲタク」や「推し」に通じる感性を感じます。「好きなものをとことん貫く人たち」、虫の方は、どう思っていたのかな?なんて。

サントリー美術館は、六本木の東京ミッドタウンにありますが、結局、翌日も家族と2回目の来館。翌日は同場所でやっている「恐竜科学博2023」(〜9/12)の方がメインでしたが、どちらも楽しい展示でした。

よかったら、行ってみてください。



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