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koudansyou-古典と現代

主に平安文学・文化についてのつれづれ書き(画き)

六月大歌舞伎(幕見席復活!)

最近、家族がつぎつぎ風邪を引き、家は一時てんやわんやでしたが、五月に引き続き、六月も「歌舞伎!」を見てきました。
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ちなみに、今月から復活した4階の幕見席、1幕500円〜1000円くらいで見られます。

実は、幕見の前に一度、A席の3階左横(花道上)から昼間の部を通して見たのですが、花道がまーったく見えずがっかり。

ただ、舞台上を斜め上から見られたのは、とても新鮮でおもしろかったです(舞台上の小道具がよく見えるし、扉から出番を控えている役者さんがチラリと見えたりする)。

先月から楽しみにしていた「傾城反魂香」、猿之助の代わりに壱太郎さんが出ていて、とても魅力的な妻の役を演じられていました。また市川中車(香川照之)・団子親子の共演も、見ていてぐっとくるものがありました。団子さん、斜め上からの表情に色気がありますねえ(正面からだとマメ男すぎる?)。

また2回目、家族も連れて鑑賞した幕見席、正直、最高でした。
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4階幕見席(2列目中央)から舞台を見るとこんな感じ。

遠いので、役者さんのお顔を見るには、オペラグラス必須、ですが、舞台全体が見えますし、花道も舞台に近いところはかろうじて見えました。

そしてなんといっても空いています!1階よりむしろ静か。席が少し狭いなんてまったく気になりませんでした(4階は、お土産屋さんやお食事処はありませんが、むしろ見ることに集中できます)。

席を変えても、新しい発見がある、そこが、歌舞伎のよいところかもしれません。また1ヶ月公演ともなれば、お芝居は確実に変化します。

私が最初見たときは、宙返り(?)する一団の一人のかつらがツルっと取れて、舞台奥に引っ込むハプニングがありました。その後、うまく戻ってこられていましたが、生の舞台ならではの出来事です。

そして、今、ノリにのってる若い女方たちの「扇獅子」。前半の優雅な踊りと後半の獅子の勇壮な毛振りの対比が見事でした。こちらは、左團次さんの急逝で変更になった演目。福助さんが、後ろから黒子に支えられて登場し、皆をやさしく見守られていました(そこでなぜか号泣)。学生時代、まだ倒れられる前に見た福助さんは、指の先まで美しくたおやかな女方の役者さんでした。

「扇獅子」の女衆には、福助さんの息子・児太郎さん(お父さんとはちょっと芸風が違うけど、素敵な女方を演じられます)も入っていて、若い演者さんらに「芸の道」が確実に受け継がれていると感じました。(さて我が学問の道はどうでしょう???)。

ただ、私が今月の歌舞伎、どうしても2回、見たかったのは、「児雷也」のガマガエルでした。かぶりものの動物、最高!!!大きな頭で、口をぱかーっと開ける姿も、ぴょんぴょんはねる姿も、可愛すぎます。ブロマイドがないか、真剣にお店で探しました(なかった・涙)。
蝦蟇の妖術
(人が入っているので、着ぐるみのような感じ。でもとてもリアルでした。)

「児雷也」といえば、少年漫画(忍者もの)の「ナルト」を思い出しますが、「口寄せの術」で呼ばれるカエル、これほどまで可愛くはなかったような。授業では、たびたび、現在のアニメ・漫画に古典が用いられる話をしますが、近年は、逆に「アニメの歌舞伎化」(ナルト、ワンピース、ナウシカ)がなされていて、面白いです。

今月の千秋楽は、25日(日)。まだ間に合います。夜の部は有名な「義経千本桜」ですが、私のおすすめは昼の部です。ぜひ幕見席からおためしあれ〜(オペラグラスご持参で)。



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