さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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「躁状態はハッピーじゃない」 岡田俊

「躁状態はハッピーじゃない」 岡田俊 サムネイル画像
「双極性障害の躁状態はハッピーじゃない、喩えるならば、ジェットコースターに乗っているようなもの。今は頂点に向かって登って行っているけれど、どこかで落ちることが分かっている」んだそうです。双極性障害(BP)の患者さんは、周りの状態とは無関係に大きな波に乗せられて、感情が掻き立てられ、揺さぶられるのかもしれません。無理やりジェットコースターに乗せられた子供のように。感情の昂ぶりを持て余す人や、自分がその...全文を表示
「双極性障害の躁状態はハッピーじゃない、


フジヤマ



喩えるならば、ジェットコースターに乗っているようなもの。今は頂点に向かって登って行っているけれど、どこかで落ちることが分かっている」んだそうです。

双極性障害(BP)の患者さんは、周りの状態とは無関係に大きな波に乗せられて、感情が掻き立てられ、揺さぶられるのかもしれません。無理やりジェットコースターに乗せられた子供のように。感情の昂ぶりを持て余す人や、自分がその興奮から取り残されていると感じる人もいるのかもしれません。

以前ブログにも書きましたが、ドパミンは何かを手に入れたいという気持ちを刺激するものの、幸福感はもたらしません。ドパミンがもたらすのは報酬の期待と興奮です(「欲望」参照)。ドパミンは怖いもの見たさや、怖いもの知らずにさせるのではないでしょうか。これってやっぱり幸せとは違いますよね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

子供の気分障害については現在やや混乱しているそうです(by岡田俊さん)。

大人の双極性障害のプロトタイプとして、ひところSMD(severe mood dysregulation)という概念が提唱されました。SMDは慢性的な怒りっぽさや、気分の不安定を示す子供につけられる疾患名です。こういう子供が将来双極性障害に発展するのではないかという仮説がその背景にありました。

ところが、その後の研究によってSMDとBPの関連が否定され、むしろ大うつ病に関連することが明らかになりました。

2013年5月に改定されたDSM-Vでは、SMDはDMDDと名前を変えました(Disruptive Mood Dysregulation Disorder)が、子どもの気分障害をめぐる混乱は依然として持ち越されているのだそうです。

子どもの双極性障害には、原因を異にするもの(異種性)が含まれているのでしょう。多因子遺伝とか。一部症状が重なり、合併することも多いADHD(注意欠如多動性障害)などの発達障害なども関係しているかもしれません。


<以上、名古屋大学「親と子どもの心療科」の岡田俊さんの講演より。テーマは「児童・青年期の気分障害」でした。とても勉強になりました>


「双極性障害の躁状態はハッピーじゃない、


フジヤマ



喩えるならば、ジェットコースターに乗っているようなもの。今は頂点に向かって登って行っているけれど、どこかで落ちることが分かっている」んだそうです。

双極性障害(BP)の患者さんは、周りの状態とは無関係に大きな波に乗せられて、感情が掻き立てられ、揺さぶられるのかもしれません。無理やりジェットコースターに乗せられた子供のように。感情の昂ぶりを持て余す人や、自分がその興奮から取り残されていると感じる人もいるのかもしれません。

以前ブログにも書きましたが、ドパミンは何かを手に入れたいという気持ちを刺激するものの、幸福感はもたらしません。ドパミンがもたらすのは報酬の期待と興奮です(「欲望」参照)。ドパミンは怖いもの見たさや、怖いもの知らずにさせるのではないでしょうか。これってやっぱり幸せとは違いますよね。

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子供の気分障害については現在やや混乱しているそうです(by岡田俊さん)。

大人の双極性障害のプロトタイプとして、ひところSMD(severe mood dysregulation)という概念が提唱されました。SMDは慢性的な怒りっぽさや、気分の不安定を示す子供につけられる疾患名です。こういう子供が将来双極性障害に発展するのではないかという仮説がその背景にありました。

ところが、その後の研究によってSMDとBPの関連が否定され、むしろ大うつ病に関連することが明らかになりました。

2013年5月に改定されたDSM-Vでは、SMDはDMDDと名前を変えました(Disruptive Mood Dysregulation Disorder)が、子どもの気分障害をめぐる混乱は依然として持ち越されているのだそうです。

子どもの双極性障害には、原因を異にするもの(異種性)が含まれているのでしょう。多因子遺伝とか。一部症状が重なり、合併することも多いADHD(注意欠如多動性障害)などの発達障害なども関係しているかもしれません。


<以上、名古屋大学「親と子どもの心療科」の岡田俊さんの講演より。テーマは「児童・青年期の気分障害」でした。とても勉強になりました>


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