さなぎ日記:あさなぎクリニック心療内科のブログです。こころの健康、コミュニケーション、おいしいお店や、映画のことも。

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隣の女 フランソワ・トリュフォー 愛という狂気

隣の女 フランソワ・トリュフォー 愛という狂気 サムネイル画像
隣の女 Ni avec toi,ni sans toi (一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない)フランスは愛の国です。愛がもたらす狂気に寛容な国民性と言った方がいいでしょうか。フランス大統領のミッテランは、大統領就任の際のインタビューで愛人について質問され、「それが、何か?」(Et alors)と答えました。プライベートなことを詮索するのは下品だ、という大人の考えの国です。葬儀の際に、愛人と彼女との子を棺の一番近くに...全文を表示
2010年11月04日 0 0
映画・ドラマ
隣の女 Ni avec toi,ni sans toi (一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない)


トリュフォー 隣の女

フランスは愛の国です。愛がもたらす狂気に寛容な国民性と言った方がいいでしょうか。

フランス大統領のミッテランは、大統領就任の際のインタビューで愛人について質問され、

「それが、何か?」(Et alors)

と答えました。プライベートなことを詮索するのは下品だ、という大人の考えの国です。葬儀の際に、愛人と彼女との子を棺の一番近くに、と遺言しました。



フランソワ・トリュフォーの「隣の女」はそんなフランスの、愛の狂気の映画です。

ジェラール・ドパルデュー(バルバラとデュエットのCDもあります)が妻子と暮らすフランスの片田舎の家の向かい側に、ファニー・アルダン(「永遠のマリア・カラス」での主役が印象的です)と夫が引っ越してきます。

二人はかつて恋人同士でした。ドパルデューは別れの理由も知らず、ようやくその痛手からは立ち直っていました。彼は初めの内こそ彼女を遠ざけようとしますが、やがて魅かれあうようになります。二人の愛は燃え盛り、そして・・・

<テニスクラブの女性オーナーの静かなナレーションで、物語が紡がれていきます。彼女自身は足が不自由です。そんな彼女のところにも、遠方からかつての恋人が訪ねてきます。彼女はそれを知って、その前に旅に出ます。足の不自由な姿を彼に見せたくなかったからです>


決して絶世の美女でも、美男でもないところがリアリティを与えています。そんな二人が無垢な少年と少女のようにさえ見えます。

「男は恋にはいつもアマチュアなんだ」というドパルデューのセリフは、確かにと思いました。終始アルダンのリードで物語が進行します。

映画で良かった、とほっと胸をなでおろすもよし、こんな身を焦がすような禁断の愛に目覚めるのもよし。秋にピッタリの映画です。


隣の女 Ni avec toi,ni sans toi (一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない)


トリュフォー 隣の女

フランスは愛の国です。愛がもたらす狂気に寛容な国民性と言った方がいいでしょうか。

フランス大統領のミッテランは、大統領就任の際のインタビューで愛人について質問され、

「それが、何か?」(Et alors)

と答えました。プライベートなことを詮索するのは下品だ、という大人の考えの国です。葬儀の際に、愛人と彼女との子を棺の一番近くに、と遺言しました。



フランソワ・トリュフォーの「隣の女」はそんなフランスの、愛の狂気の映画です。

ジェラール・ドパルデュー(バルバラとデュエットのCDもあります)が妻子と暮らすフランスの片田舎の家の向かい側に、ファニー・アルダン(「永遠のマリア・カラス」での主役が印象的です)と夫が引っ越してきます。

二人はかつて恋人同士でした。ドパルデューは別れの理由も知らず、ようやくその痛手からは立ち直っていました。彼は初めの内こそ彼女を遠ざけようとしますが、やがて魅かれあうようになります。二人の愛は燃え盛り、そして・・・

<テニスクラブの女性オーナーの静かなナレーションで、物語が紡がれていきます。彼女自身は足が不自由です。そんな彼女のところにも、遠方からかつての恋人が訪ねてきます。彼女はそれを知って、その前に旅に出ます。足の不自由な姿を彼に見せたくなかったからです>


決して絶世の美女でも、美男でもないところがリアリティを与えています。そんな二人が無垢な少年と少女のようにさえ見えます。

「男は恋にはいつもアマチュアなんだ」というドパルデューのセリフは、確かにと思いました。終始アルダンのリードで物語が進行します。

映画で良かった、とほっと胸をなでおろすもよし、こんな身を焦がすような禁断の愛に目覚めるのもよし。秋にピッタリの映画です。


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プリティー・ウーマン マイフェアレディ との違い
ラストシーン

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